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お葬式

直葬ってどんなお葬式?流れ、費用相場やメリット・デメリットも解説

投稿日:2021.06.17
更新日:2021.12.01

直葬

大切な方が亡くなられた後は、それを受け入れる間もなく葬儀になだれ込み、かつその後の手続きにも忙殺されると言われています。

故人が亡くなられた後は葬儀だけでなく、相続や墓石の購入など、出費も時間もかなり取られると思われるのではないでしょうか。

直葬とは、通夜も告別式も省略された、最もシンプルな形の葬儀です。
時間も費用も大きく抑える事ができますが、注意点もあります。

このページでは、直葬のメリットやデメリット、費用相場や直葬をめぐる周辺情報について解説していきます。

この記事で分かる事は以下の通りです。

  • 直葬の流れや費用相場、マナーなど
  • 直葬のメリット・デメリット
  • 直葬にまつわる社会的背景
  • 直葬に反対された場合の対処法や注意点

直葬に反対された場合の対応についても触れていますので、是非最後までご覧ください。

  1. 直葬とはどんな葬儀?
  2. 直葬の注意点について
  3. 直葬の流れ
  4. 直葬にかかる費用は?
  5. 直葬のメリット
  6. 直葬のデメリット
  7. 直葬のマナーとは?
  8. 直葬の香典の相場
  9. 直葬を選ぶ人はどのくらいいる?
  10. 直葬に反対されたらどうしたらいい?
  11. 直葬以外の選択肢は?
  12. 直葬の流れや費用相場についてまとめ

直葬とはどんな葬儀?

「お葬式」という言葉を見聞きすると、セレモニーホールや斎場などで執り行なわれる葬儀をイメージする人が多いのではないでしょうか。

これは「一般葬」と呼ばれており、数ある葬儀の形式のなかでも、認知度がもっとも高いものといえます。

一方、葬儀の形式の一つとして「直葬」と呼ばれるものがあります。

直葬は、通夜や告別式を行なわないという点が最大の特徴です。
直葬の場合、病院などから火葬場に直接故人のご遺体を運んで死後24時間の経過を待って火葬を行ないます。

そのため、葬儀にかかる時間は短くなります。
加えて、告別式などを一切していないために、直葬は数ある葬儀形式のなかでも、もっとも費用が安価といえるでしょう。

また、直葬と似ている葬儀の形式としては「火葬式」が挙げられます。

火葬式を行なう場合もお通夜や告別式は省略されるため、やり方も直葬とほぼ同じになります。

直葬の注意点について

直葬は、通夜も告別式も行わない極めてシンプルな形式の葬儀なので、遺族側の肉体的、金銭的な負担は軽減されますが、見方を変えれば非常に「味気なく」終わってしまうものでもあります。

菩提寺との関係性が悪化したり、後々後悔するという方もいらっしゃるので、直葬を選択する場合は、遺族や菩提寺、葬儀社とよく話し合いながら決定するようにしましょう。

直葬を検討する方とは

直葬を選択する理由や背景には、次のような場合が多く見受けられます。

1つは「経済的な理由」で、最も葬儀費用が圧縮できる葬送の形、病院などから直接火葬場に移動・安置したのちに火葬(荼毘にふす)直葬を選ぶ場合。

2つめは「心情的に距離がある」「故人との繋がりがとても薄い」場合に、選択されることが多くあります。

「葬儀に費用をかけたくない」「お葬式をあげるほど、故人に思い入れがない」などの場合は特に、できるだけ費用を圧縮して時間や手間をかけない」形が望まれます。
少し寂しい印象を受ける方もあると思いますが、故人に対する思い入れや血縁が遠いなどで気持ちがない場合は、比較的にあっさりと合理的に処理を優先した葬送も行われています。

少しでも偲ぶ気持ちがある場合は、直葬という選択肢は避けた方が無難です。
経済的な理由で不本意ながら選択する場合には、次のことに注意して送るように心がけましょう。

直葬では「お別れの時間がなく…あっけなかった」と後悔される方がいます。
火葬場によっては、最期のお別れ(対面)が叶わないこともあり、直葬・火葬のみのスタイルは偲ぶ時間がとれない、または極端に少ないため、気持ちの整理がつきにくいことがあります。

また、この「やり直しがきかない限られた時間」に躊躇や遠慮があると、後々さいなまれることもありますので、そうならないために、衷心よりお参りしたり、精一杯のご冥福を祈ったりするなど、何かしらの形で偲ぶ時間を取って、自分なりに精一杯の気持ちを込めて送るようにしましょう。

直葬の究極オーダー「お骨にして家に届けて」

数多くの葬儀の中には、このような依頼が舞い込むことがあります。

お電話口の女性と故人は、よほど仲がよろしくなかったのでしょうか…「葬儀に一切立ち会いたくない、○○病院で亡くなっているので、遺骨にして家に届けてほしい」という内容の依頼でした。

葬儀社が請負うにしても、もちろん勝手に行うわけにはいきませんから、病院や役所への手続きなどを含め、要所への連絡や委任状などの協力をいただき、数日後にご遺骨をお届けする…。

このような稀な直葬も中にはあります。
この場合、火葬場でご遺骨を拾う人もいないので、葬儀スタッフが収骨を代行するわけですが、火葬の予約が少ない時間帯に、ひっそりとした火葬炉の前で…丁寧にご遺骨を拾う…。

故人と依頼者の関係など、余計な詮索をすることなく、目の前のご供養に専念することになりました。
非常に稀なケースではありますが、直葬の一例としてご紹介させていただきます。

直葬の流れ

直葬を行なう場合の一般的な流れについてご説明します。

直葬を執り行う際に、ある程度の全体像を把握するためにも、直葬の一般的な流れを確認しておきましょう。

ここでは、直葬の流れについて、段階ごとにご説明します。

ご臨終〜死亡診断書発行

たとえば故人が病院で亡くなった場合は、医師によって死亡が確認された後「末期の水」と呼ばれる儀式を行ないます。

この儀式には「もう一度生き返って欲しい」という願いを込める一方で「末期の水でのどを潤して、安らかに眠って欲しい」という気持ちを込めながら行われています。

末期の水は臨終の際に立ち合った家族や親族などが行なうケースが多く、故人と縁が深い人から順番に遺体の唇を湿らせていくのが一般的なやり方です。

末期の水の儀式が終わったら、看護師が遺体を丁寧に清拭します。清拭の間に、故人の移送先を検討して葬儀社などに、すみやかに連絡をしましょう。

病院にある霊安室に長時間滞在することはできないため、死亡診断書が発行されたら退院準備とご遺体の搬送へと移ることが求められます。

また、自宅で亡くなった場合も、医師による死亡確認は必要です。
このケースではかかりつけ医に自宅まで来てもらい、死亡診断書を書いてもらいましょう。

ただし、自宅で急死した場合や、外出先で亡くなった場合には、警察による検視が行なわれます。事件性がないと判断されたら2~3日程度で遺体が引き渡されるのが一般的です。

しかし、事件性がある場合は司法解剖を行なうことになるため、遺体の引き渡しに時間がかかることになります。

ご遺体の安置

日本の法律により特別な場合を除き、死後24時間は火葬を行なうことができません。

そのため、直葬をする場合でも、遺体を一時的に安置する必要があります。

直葬で遺体を安置する場所としては、自宅や葬儀関係施設の霊安室・安置室などが挙げられます。

故人が自宅で亡くなった場合などで、引き続き自宅での安置を望む場合でも、葬儀社に連絡をして準備を進めたほうが遺族の負担は軽減できるでしょう。

葬儀社に連絡をすると、担当者が枕飾りやドライアイス、防水シートなど、必要なものを自宅まで持ってきてくれます。

一方、葬儀社の霊安室などで遺体を安置することもできます。
このケースでは、遺体が安置されている場所に遺族らが集まって面会をしたり、火葬の日程について話し合ったりします。

そして、遺体を安置所に搬送させた後は、葬儀社の担当者と火葬の日程など細かな打合せを行ないましょう。

直葬を希望して諸々の条件があう場合は、臨終の翌日に火葬となるケースもあります。

納棺・出棺

直葬をする場合はお通夜と告別式を行なわないこともあり、親族が集ってゆっくりと故人を偲びながら納棺する場面を失いがちです。

火葬場に直接安置する場合は、納棺も葬儀社任せになってしまうことが多くなります。
そのため、お花や故人が愛用していた品などの副葬品を納めるタイミングについて葬儀社とよく相談するようにしましょう。

ただし、棺に納める副葬品として禁止されている物もたくさんあります。
たとえば、眼鏡や指輪、入れ歯、腕時計などは、故人が生前愛用していた品であっても、棺に納めてはいけません。

副葬品として棺に納めてよいかどうかという点で悩んだ場合は、葬儀社の担当者もしくは火葬場にあらかじめ確認をしておきましょう。

ご遺体を自宅に安置した場合は、火葬当日に自宅から火葬場に移動することになります。
このタイミングを自宅から出棺するなどと表現されます。

出棺の際に故人とお別れをした後で、地域によっては「釘打ちの儀」が行われます。棺の蓋に遺族が釘を打ち、その後棺を霊柩車に納める流れです。

元々は土葬の習慣から来ていることもあり、近年では棺の機能性が向上したことから、釘打ちの儀は省略されるケースが多くなっています。

火葬

出棺とともに、すみやかに火葬場へと移動しなければなりません。

火葬は火葬場で行ないますが、直葬でも僧侶に読経をあげてもらいたい場合には、出棺前のタイミングか火葬炉の前で供養をお願いしましょう。

火葬場により規定がありますので、葬儀社とすり合わせるなどして、事前に可否を確認することが大切になります。

火葬では、1~3時間程度の時間がかかるのが一般的です。
火葬が終わるまでの間、遺族は休憩室などで待つことになります。このとき、喪主は親族らに対して茶菓や食事などを振る舞います。

火葬にかかる時間は各火葬場によって異なります。
時間が長い火葬場の場合は、直葬でも茶菓などの用意を検討しておくとよいでしょう。

休憩室では大きな声で話をすることは控え、担当者から火葬終了のアナウンスがあるのを静かに待つようになります。

収骨・骨上げ(拾骨)

火葬が終了すると、火葬場の職員からアナウンスがあります。案内があったら火葬炉まで移動して、収骨・骨上げを行います。

骨上げにもマナーがあるため、遺族はマナーを守りつつ、火葬場職員の案内にそって収骨しましょう。
最初に、火葬場の職員からご遺骨の部位に関する説明があります。

説明がひと通り終わった後は、ご遺骨の足元から順番に上半身に向けて骨上げをするのが一般的になります。
骨上げでは、2人1組になり専用の箸を用いてご遺骨を骨壺に納めていきます。

前述したやり方は骨上げの一般的なものですが、骨上げにも地域差がありますので、地域ごとの風習に従って行なうようにしましょう。

たとえば「必ずしもペアにならなくともよい」「故人の遺骨を骨壺にすべて納めない(主に関西圏)」逆に「遺骨はすべてを骨壺に納める(主に関東圏)」というような地域差があります。

骨上げを終えたら、火葬場から埋葬許可証を受け取りましょう。

遺骨をお墓や納骨堂に納める際には、この埋葬許可証が必要となるため、なくさないように管理することが大切です。

紛失防止のために火葬場の職員が骨壺を覆う桐箱の中などに入れることがありますので「埋葬許可証をなくしてしまった!?」という時にはまず、骨壺の周辺から探すことをおすすめします。

直葬にかかる費用は?

一般葬や家族葬などと比較した場合、直葬は費用負担が抑えられます。
直葬を行なう場合、車両や葬具などの一式に消費税などを含めるとおよそ20~40万円の費用が目安です。

極端に安い価格で誘引する葬儀広告も見受けますが、最終的な税込の支払い金額に大差は生じないことでしょう。

直葬の場合にかかる費用の内訳として、故人の移動車両、安置施設使用料や火葬料金、収骨容器、休憩室料金などが挙げられます。

直葬ではご遺体を病院から火葬場に運ぶことが多くありますが、24時間以内の火葬を禁止する法律があるため、すぐには荼毘にふすことが叶わず、安置施設の使用料などが発生しやすくなります。

また、自宅に安置する場合には、火葬場までの移動車両費用がかかるなど、条件により必要なお金が異なってきます。収骨容器とは、いわゆる骨壺のことで骨上げの際に必要になります。

加えて、火葬をする際には1~3時間程度の時間を要します。火葬場により待機時間が異なりますが、その間は休憩室で過ごすことが多く部屋代がかかることがあります。

ただし、これらの費用に関しては、地域によって金額相場が大きく異なるため、事前に利用する火葬場での見積りを葬儀社などに確認することが大切です。

また、火葬場の費用は別と考えて提示しない葬儀社もあるため、必ず人数や想定地域などの諸条件を伝えて総額で見積りを取るようにしましょう。

「葬儀費用の中身についてよく知らない」という場合は、葬儀費用の内訳や相場などについて今一度チェックしておきましょう。

僧侶を招くなら追加費用が必要になるケースも

直葬は宗教色を排除した形で行われることが多いですが、宗教者に依頼して読経をしてもらったり戒名を付けてもらう事もできます。

その場合は、追加で費用を払う必要が出てくるかもしれませんので、葬儀社との打ち合わせ時に明確にしておく必要があります。

読経料

概ね1回3万円~5万円と捉えておくといいでしょう。

火葬場で1回読んでもらうのか、遺体安置所や自宅でも読んでもらうのかによって、額は変動します。

戒名料

戒名は数万円~50万円、立派な戒名を付けていただく場合は100万円近い金額を払う必要があります。

どの程度のランクが必要なのか、あらかじめ考えておく必要があるでしょう。

直葬の費用相場には地域差がある

直葬の費用相場を調べてみると、地域によって結構差異があることに気づく方も多いのではないでしょうか。

実は、火葬場の使用量は地域によって大きな差があります。
上でも軽く触れましたが、自治体住民に対して無料開放しているような所であれば、かかる費用は当然ゼロになりますよね。

民間の火葬場では、6万円近く取るところも存在するため、その費用差がそのまま直葬の費用差になってきます。

オプションを付けていくことによって、中には一日葬と変わらない金額になる事もありますので、見積書をよく確認しながら、葬儀社と打ち合わせをするようにしてください。

直葬のメリット

直葬は昔からある葬送の形ですが、近年ではインターネットの普及などによる情報の広まりにともなって、葬儀の自由度が高くなっているという側面があります。

そのため、故人の遺志を尊重しつつも、遺族が納得できる形で送るのが理想です。

極端にシンプルな葬儀を望む場合には、直葬が好まれる傾向にあります。
ここからは、直葬をした場合のメリットについて見ていきましょう。

費用が抑えられる

直葬を選んだ場合、一般葬で行なうようなお通夜や告別式は省略されます。
直葬では、故人のご遺体が病院などから火葬場へ直接運び、納棺した上で火葬当日までご遺体を預けます。

そして、死後24時間の経過後の時間帯に火葬炉を予約して荼毘にふす流れになります。

このように、直葬では、一般的な葬儀に見られるお通夜・告別式を行なわないため、式場使用料や付帯費用は一切かかりません。

加えて、ご遺体も式場を経由しないことから、霊柩車の費用が発生することもありません。

さらに直葬の場合、参列するのは故人とごく近しい間柄の人物に限定されるケースがほとんどです。
そのため、返礼費用や飲食費用なども不要となります。

直葬をすると、20万~30万円程度の費用で葬儀を執り行なうことができます。

2016年1月に(一財)日本消費者協会が行なった「葬儀についてのアンケート調査」によると、葬儀にかかる費用の平均は195.7万円(2017年)というデータが公表されており、この点だけを比較しても直葬が額面だけで見て安価であることが分かるでしょう。

時間があまりかからない

一般葬や家族葬を執り行なった場合は、お通夜や告別式があります。

そのため、祭壇の飾り付けをしたり、僧侶が読経をあげたりするなどの時間も必要です。
加えて、一般葬の場合は親族以外に、友人や職場の関係者も参列されるため、遺族は会葬者に礼をつくすことが必要になります。

対して、直葬を選んだ場合は、お通夜や告別式は行なわないため、数時間で葬儀(火葬)が終わります。

法律により、死亡診断書に記載された死亡時刻から24時間は経過を待つ必要がありますが、経過を待つ時間を除けば、数時間で直葬は終了となります。

遺族の精神的・体力的負担が少ない

一般葬と比べ一日葬の場合は、式の最中、葬儀社、宗教者、参列者やスタッフへの気遣いが求められます。

直葬の場合は、お葬式の際に関わる人が葬儀社と近親者、火葬場のスタッフのみであるため、気遣いをする人が少なく精神的な負担は軽くなります。

また、直葬にかかる時間は、長くなったとしても半日前後のため、体力的な負担も非常に少ないと言えます。

特に遺族の中に高齢者や健康に不安のある方が多い場合は、選択肢として挙がってくるのではないでしょうか。

近親者だけで最後のときを過ごせる

繰り返しになりますが、通常の葬式の場合、近親者以外の多数の方々に対しての対応が求められるため、実質的に故人と向き合える時間は長くはありません。

直葬の場合は、実質故人と近親者だけで全てが完結するため、故人との最後の時間を過ごす際、周りを気にしなくてもいい事がメリットになります。

コロナ禍での感染拡大予防になる

コロナ禍の終息が見えない状況の中、多人数での集まりはどうしても制限せざるを得ません。

その中において、直葬であれば最低限の参列者で執り行うことができますので、コロナ禍においてより注目される形式となります。

直葬のデメリット

直葬には「短時間で葬儀が終わる」「費用負担が抑えられる」などのメリットがありますが、これらのことがデメリットになる場合もあります。

直葬を視野に入れている場合は、メリットだけでなく、デメリットについても正しく理解しておくことが大切です。ここからは、直葬のデメリットを3点ご紹介します。

故人とのお別れの時間が短い

直葬を選ぶと、お通夜と告別式の両方が省略されます。そのため、故人とのお別れの時間が十分確保できないという点はデメリットといわざるを得ません。

費用負担や所要時間が少なくて済むなどの理由から直葬を選んでしまうと「あのとき、しっかりと時間をかけてお別れをしておけばよかった」と、将来的に後悔する可能性もまったくないとはいえません。

現に「あまりにあっけなくて、本当にあれでよかったのか…」と、さいなまれている方からの相談を受けたこともありました。

また、時間をかけて葬儀を行なうことによって、遺族は少しずつ故人の死を受け入れられるという側面もあります。お通夜や告別式などの段階を踏まないまま火葬をしたことが原因となり、数日後に突然大きな悲しみが押し寄せてくるということもあるのです。

直葬を執り行なう場合は、短い時間の中、故人を偲ぶ充分なタイミングがない、送り出す気持ちを整理する場面や時間が取りにくいことを知っておきましょう。

親族の理解が得られないことがある

葬儀の形式をめぐる親族間のトラブルは、意外に起きやすいのが実情です。

特に、高齢者や年配者の親戚のなかには「最期はきちんとお葬式を行ないたい」という考えを持っている方もいるでしょう。

直葬をした場合は、このような考えの親戚と気持ちが合わずに、トラブルになる可能性があります。

「故人をしっかりと偲びたい」という考えがあるものの「通常の葬儀よりも所要時間や費用は抑えたい」と考えている場合には「一日葬」も検討してみましょう。

一日葬ではお通夜に儀式は行なわず、葬儀・告別式の1日に偲ぶタイミングを集約するという形式が特徴になります。

一日葬はお通夜の儀式がないため、故人と過ごす最後の夜を失いやすいといった注意点はありますが、一日だけでも僧侶が読経をあげるなどの偲ぶ時間があるため、親戚などの理解が、ある程度まで得やすくなることもあります。

また、親戚の他にも、お付き合いのあるお寺(菩提寺)などの理解を得ずに直葬を強行してしまうと、遺骨をお墓に納骨させてもらえないなどのトラブルに発展する恐れがあります。

古くから付き合いのある菩提寺がある中で直葬を行ないたい場合は、事前に相談して理解を得てから行うようにしましょう。

葬儀の種類(故人の送り方)については、さまざまな形があります。やり直しがきかないことだけに親戚や菩提寺とのトラブルを回避するためにも、形式ごとのメリット・デメリットを正しく理解したうえで葬儀のスタイルを選ぶようにしましょう。

葬儀の種類については、下記の関連記事をご参照ください。

参列する人が限られる

直葬では故人が逝去した後、遺体は火葬場に直接運ばれ、すぐに納棺されて預けられます。

この時間はわずかであるため、身内をはじめそれ以外の方にまで連絡を取るのは難しいという問題に加えて、連絡が取れたとしても火葬場の安置施設・霊安室は面会などに適さず、スペースも広くないことが多く、偲ぶ時間をとることが現実問題として難しいといえるでしょう。

実際、参加する側としても、直葬は式場や受付がない葬儀形式であり、どのようにしたらよいか戸惑うことが多くあります。

このように、立会人が限定されてしまうのは、直葬のデメリットです。

直葬をする場合で、「生前親交があった人に対して、故人とお別れしてもらう時間を持ちたい」と考えるなら、葬儀後に別途、弔問を受付けるなどの配慮をすることも検討してみましょう。

供養した実感が得られないことも

直葬は、式の当日のうち、実質の拘束時間は半日近くしかないため、本当に「あっという間」に終了します。

そのため、気が付いたら、その後の手続きや相続に突入し、いつ供養が終わったのか実感が持てないという方が一定する出てしまいます。

直葬を選択する場合は、ご自身や遺族・親族内で、何を優先するかを明確にした上で選択する必要があります。

直葬のマナーとは?

直葬は通夜も告別式もありませんが、葬式であることに変わりはありませんので、マナーについても基本は一般葬や一日葬と同じになります。

以下、それぞれ見ていきます。

服装

服装は、正式な葬式ほどかしこまったものにする必要はありませんが、男性であれば黒のスーツと白いワイシャツを合わせて黒ネクタイ、女性であれば黒のワンピースやスーツに黒い靴とストッキングがいいとされています。

別途服装の指定がある場合は、その指示に従うようにしますが、カジュアルな服装は失礼に当たるためやめましょう。

香典

香典は必要であるとする場合と、そうでないとする場合がありますので、参列者になった場合は、状況を見ながら判断する必要があります。

喪主側である場合は、受け取った際には香典返しを手配するのを忘れないようにしましょう。

受け渡し時は、火葬前後の待ち時間に行われる場合が多く、通常の葬式と違い受付がないため、直接手渡しが基本になります。

直葬の香典の相場

香典の相場は、どのような形の葬式であっても変わることはありません。

故人との関係性によって、包むべき金額は変わってきます。
故人との関係性別の相場を以下の通りまとめましたので、参考にしてください。

概ね、関係性が近ければ近いほど、金額は高くなる傾向にあります。

両親

最も関係性が近いと言える間柄ですので、一番多くの額を包むことになります。

概ね5万円〜10万円の範囲内で包むようにしましょう。

兄弟

両親の次に関係性が近いと言えますので、次に多くの額を包む必要があります。

概ね3万円〜5万円が相場です。

祖父母・従兄弟

祖父母は2親等、従兄弟は4親等にあたりますが、どちらも1万円が相場になります。

その他

直葬の場合は、親族以外の方が参列することは極めて稀です。

それでも、無いわけではありません。

相場は概ね3千円~5千円と覚えておけばいいでしょう。

職場の取引先の方の場合だけ、少し多めの1万円が相場となっています。

直葬は香典不要?

一般的に、直葬では香典は不要と言われています。

しかし、もし他の参列者が香典を用意していて、自分は何も持っていない、となった場合、非常に気まずい事になるのは容易に想像できるのではないでしょうか。

仮に香典が不要であったとしても、相場分の用意だけはしておき、鞄の中に入れておくことをお勧めします。

直葬を選ぶ人はどのくらいいる?

ここまで直葬についてご説明してきましたが、

直葬をどのくらいの方が利用されているのかご存知でしょうか?

直葬を選ぶ人の割合

首都圏に限定すれば、約3割の方が直葬を選択しています。

個人間の関係性が希薄な所で直葬を選ぶ方が増えている傾向にあると言われています。

直葬を選ぶ人が増えている理由

直葬を選ぶ方は近年増えているということを聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?

直葬を選ぶ方が増えた原因として以下のものが挙げられます。

高齢化による葬儀参列者の減少

近年は少子高齢化が進行し、日本は超高齢化社会に突入しています。

その中において、葬儀の参列者も高齢化する傾向にあるため、肉体的な負担が少ない直葬が選ばれる傾向にあります。

核家族化による親戚付き合い・近所付き合いの希薄化

社会構造の変化により、核家族化や親戚付き合い・近所付き合いの希薄化が進み、中には隣家であっても、葬儀が営まれるまで気づかなかったという事もあります。

このような状況の中、そもそも故人の葬儀を執り行ったところで、参列者が多くはないという実情があり、直葬の割合が増えてきているものと思われます。

宗教意識の希薄化

近年日本は無宗教化が進んでいると言われており、葬儀の時以外に自身の宗派を意識することはないのではないでしょうか。

直葬は読経すら省略することができるため、特に宗教色を嫌う方の中で、直葬を選ぶ割合が増えています。

葬儀の形式の多様化

近年は、一般葬や家族葬といった枠にとらわれない「お別れの会」「偲ぶ会」といった形式のお別れの場を設定する方も増えてきています。

葬儀の在り方が増えてくる中で、選択肢が分散されるため、必然的に直葬が選ばれる割合も増えることになります。

直葬に反対されたらどうしたらいい?

直葬は非常にシンプルな形の葬式なので、特に故人が生前交友関係の広い方であれば、周囲からの反発が予想されます。

ここでは、そのような場合にどうするべきかについて見ていきます。

親族や知人に反対された場合

直葬は通夜も告別式も行わない関係上、ある程度の反発は予想されます。

ここでは、そうした場合にどうすればいいのかを見ていきます。

故人の遺志であればその旨を伝える

故人の遺志で、シンプルな形の葬儀をお願いされていた場合は、その旨を伝えるようにしましょう。

故人の希望であった場合は、それを尊重せざるを得ないと考える方も出てくるでしょう。

もちろん、頭でわかっていても感情で理解できないのが人間だと思いますので、伝え方や、その後のフォローは十分に行う必要はあります。

後日お別れの会などを行う

後日お別れの会を営むことで、実質的に通常の葬儀と同じような形で故人を偲び供養する場を提供することができます。

お別れ会を開催する場合は、ある程度手続きや相続が落ち着き、ご自身の心の中の整理がつくような時期に設定することが望ましいです。

一般的には、直葬を執り行った日から1~2ヶ月後程度がいいとされています。

菩提寺に反対された場合

菩提寺に反対される可能性もあります。

その場合についても見ていきます。

読経や戒名だけでもお願いする

故人が特に菩提寺と関係が深かった場合は特に注意を要する点ですが、菩提寺が直葬に反対し、読経や戒名の対応をしてくれないという場合があります。

可能な限り菩提寺に対応してもらうのが望ましいですが、戒名がないと先祖代々のお墓に入れてもらえない可能性すら出てきますので、どうしても厳しい場合は葬儀社から寺院や宗教者を紹介してもらい、読経や戒名だけはお願いをするようにしましょう。

他の納骨方法を考える

菩提寺の理解が得られない状況の中、それでも直葬を選択する場合は、他の納骨方法を考える必要があります。

対応として、公営墓地や納骨堂を探して納骨をお願いする、葬儀社に相談をして、納骨してくれる寺院を紹介してもらうことが考えられます。

ただ、このような状況に陥る前に、菩提寺とは密にコミュニケーションを取りながら、穏便に事を運ぶことをお勧めします。

直葬以外の選択肢は?

直葬以外に、経済的・精神的負担を減らすことが可能な葬儀形態は、以下の2つが考えられます。

家族葬

家族葬は、参列者を親族に限定して、一般葬と同じ流れで執り行う葬式です。

参列者に故人の生前の関係者が入らなくなるため、参列者のおもてなしにかかる費用を抑える事が可能になります。

一日葬

一日葬は、通夜を省略し、それ以外の流れは一般葬と同じ形の葬儀です。

通常2日間かかる一般葬と比較し、日数が少なくなるため、参列者のおもてなしにかかる費用や、使用する式場の使用量を抑えることができます。

直葬の流れや費用相場についてまとめ

このページでは、以下の内容についてまとめてきました。

  • 直葬が非常に簡素化された式であり、費用も抑えられること
  • 社会的な構造変化や事情から、直葬を選ぶ人が増えていること
  • 直葬に反対された場合でも、伝え方や後日対応で対処可能であること

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。

監修者

評価員(たなか)

田中 大敬(たなか ひろたか)

厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター

経歴

業界経歴15年以上。葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから著名人や大規模な葬儀までを経験。お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、特に士業や介護施設関係の領域に明るい。

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