閉じる

相続

遺産分割協議はやり直せる?相続トラブルに詳しい弁護士が解説

更新日:2026.08.13 公開日:2026.08.13

遺産

相続人全員で遺産分割の方針を決める話し合いのことを「遺産分割協議」と言います。

また、この協議で決定した遺産分割の内容は書面にまとめ、「遺産分割協議書」として作成する必要があります。ところが、遺産分割協議書を作成した後で、遺産分割の内容に不満を抱くケースが少なからずあります。

都道府県一覧から葬儀社を探す

こちらでご希望のエリアから葬儀社を検索できます。

mapImg
searchIconエリアから探す

こちらでご希望のエリアから葬儀社を検索できます。

  1. 遺産分割協議の内容に納得がいかない理由の例
  2. 遺産分割のやり直しは原則できない
  3. 遺産分割のやり直しが認められるケースは?
  4. 遺産分割をやり直さなければならないケースも
  5. 遺産分割協議の実施時に気を付けるべきこと
スポンサーリンク

遺産分割協議の内容に納得がいかない理由の例

  • 後から冷静になってみると、不平等な分割方針になっていた
  • 他の相続人に脅されて、強引に遺産分割協議書に署名押印させられた
  • 遺産を隠している相続人がいた

このような場合、「納得できない」と主張して、遺産分割のやり直しはできるのでしょうか?

スポンサーリンク

遺産分割のやり直しは原則できない

まず原則として、遺産分割協議をして相続人全員が合意した場合、後からやり直すことはできません。

遺産分割協議書に署名押印した以上は、遺産分割協議の内容に合意していることになるからです。協議が終わった後から「冷静な判断ができなかった」「気が変わった」などと主張しても、遺産分割協議をやり直す理由としては認められません。

ただし、例外的にやり直しが認められるケースもあります。

遺産分割のやり直しが認められるケースは?

①財産の漏れがあった場合

遺産分割協議時に大きな財産が調査から漏れていて、その財産の存在がわかっていれば遺産分割に合意しなかった場合には、相続人は「錯誤取り消し」を主張し(民法95条)、認められれば遺産分割は取り消されます。この場合、遺産分割協議をやり直すことができます。

②詐欺、強迫があった場合

ある相続人が故意に虚偽の事実を述べて他の相続人を騙して遺産分割協議を行っていた場合(=詐欺)や、遺産分割協議の際に他の相続人に強迫された相続人がやむなく遺産分割協議に署名押印させられた場合などは、相続人はその遺産分割協議の取消すことができます(民法96条)。この場合にも、遺産分割協議のやり直しが可能です。

③遺産分割協議のやり直しに全員が合意した

1や2のような取消の理由がなくても、相続人全員が合意すれば、遺産分割協議のやり直しは可能です。ただし、1人でも反対する相続人がいればやり直しはできません。

遺産分割協議をやり直すことは一度合意した遺産分割の内容を覆すことになりますので、相当の理由がない限りは、1人も欠けることなく全員の合意を得るのはなかなか難しいでしょう。

スポンサーリンク

遺産分割をやり直さなければならないケースも

なお以下については、遺産分割協議の要件が満たされていないため、遺産分割をやり直さなければならないケースです。

①遺産分割協議に参加していない相続人がいた

遺産分割協議には、相続人全員が参加していなければなりません。相続人にあたる人物が一人でも欠けていた場合には、遺産分割協議のやり直しが必要です。

②意思能力のない人が参加していた

遺産分割協議は法律行為に該当します。そのため、認知症を患っている人や未成年者など、意思能力が欠けている人が遺産分割協議に参加していた場合、その遺産分割協議は無効になります。この場合、認知症の場合は「成年後見人」、未成年者は親権者が代理するか「特別代理人」を家庭裁判所で選任し、あらためて遺産分割協議を実施する必要があります。

③利益相反があった

たとえば、父親が亡くなり、配偶者である母親と未成年者であるその子どもが相続人になった場合を考えます。このとき母親は、母親自身の相続分を主張する権利と、子どもの代理人の立場としての相続分を主張する権利どちらも有しており、この状態は利益相反にあたります。
利益相反であるかどうかは客観的な状態のみで判断されるので、仮に法定相続分どおりで遺産分割をしたとしても、利益相反は解消されません。

子どもの代理人を利益相反のない人(=相続人以外)から立てて、遺産分割協議を行わなければなりません。

④新たに相続人が現れた

遺産分割協議後に新たな相続人が現れた場合には、その相続人を交えて再度遺産分割協議のやり直しをしなければなりません。

相続人調査が不十分で相続人が漏れていたことが判明した際は、遺産分割協議のやり直しが必要です。また、ごくまれに、遺産分割協議後に父を定める裁判や親子関係存在確認の裁判等によって親族関係が変動し、新たな相続人(=裁判で認められた父母の子ども)が増えることもあります。

遺産分割協議の実施時に気を付けるべきこと

法律上の違反があるか、要件を欠いていない限りは、遺産分割協議のやり直しはできません。遺産分割協議の実施の際は、簡単にはやり直せないことを理解したうえで、特に下記に気を付けましょう。

  • 漏れがないように相続人調査や相続財産調査を行うこと
  • 安易に遺産分割の内容に合意し、署名捺印をしないこと
  • 意思能力を欠く相続人がいないかを確認すること

遺産分割協議のやり直しができるのか判断できない場合や、すでに揉めてしまっている場合には、弁護士に相談する方法もあります。ご不安なことがあれば、専門家の力を借りることも検討してみましょう。


【監修】

弁護士法人Authense法律事務所

弁護士 堅田 勇気(神奈川県弁護士会所属)

堅田先生

一橋大学法学部法律学科卒業。相続分野マネージャー、横浜オフィス支店長を務める。相続を中心に、離婚、不動産法務など、幅広く取り扱う。

相続人が30人以上の複雑な案件など、相続に関わる様々な紛争案件の解決実績を持つ。

Authense法律事務所は、「すべての依頼者に最良のサービスを」をミッションに掲げ、遺産相続や離婚相談、交通事故をはじめとする個人法務の他、上場企業からスタートアップ企業までを支える企業法務や、建物明渡訴訟などの不動産法務、誹謗中傷対応や刑事事件まで、幅広いリーガルニーズにお応えする総合法律事務所です。


スポンサーリンク

都道府県一覧から葬儀社を探す

こちらでご希望のエリアから葬儀社を検索できます。

mapImg
searchIconエリアから探す

こちらでご希望のエリアから葬儀社を検索できます。

相続の関連記事

コラム一覧へ