お葬式
家族葬とはどのような葬儀形態か|費用や流れを解説
投稿日:2021.07.21
更新日:2022.01.10

記事のポイントを先取り!
- 家族葬は遺族や親族を中心に行う葬儀形式
- 葬儀に100万円かからないケースが多い
- メリットは故人との最後をゆっくり過ごせること
核家族化や高齢化、さまざまな価値観の受け入れが進み、葬儀形態として「家族葬」の実施割合は増加傾向にあります。
この記事では、そもそも家族葬とはどのような葬儀なのか、なぜ家族葬の実施割合が増えているのか、かかる費用やメリット・デメリットを解説していきます。
近年は葬儀に関する考え方も多様化しています。
このような時代に自分や大切な方にとってより良い選択ができるように、今回は家族葬の情報をお届けします。
ぜひ最後までご覧ください。
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家族葬とは
そもそも家族葬とはどのような葬儀なのでしょうか。
実は家族葬には明確な定義はありません。
あえて家族葬を定義づけるとすれば、「参列者を遺族や親族などの特に故人と親しかった方のみに絞る葬儀形態」です。
一般的に「葬儀」や「お葬式」と聞いて多くの方が想像するであろう葬儀は「一般葬」と呼ばれていますが、この一般葬との違いは参列者の数、つまりは葬儀の規模感になります。
家族葬が選ばれる理由

上の円グラフは弊社が独自に行ったアンケートで「どの形態の葬儀をあげたか」を聞いたものになります。
1番回答が多かったのは「一般葬」で47.1%ですが、「家族葬」は47.0%で2番目に回答が多いという結果になりました。
全体の回答結果は以下の通りです。
順位 | 葬儀形態 | 回答割合 |
---|---|---|
1 | 一般葬 | 47.1% |
2 | 家族葬 | 47.0% |
3 | 直葬/火葬 | 3.9% |
4 | 一日葬 | 1.7% |
5 | 行っていない | 0.3% |
一般葬と0.1%しか変わらないことからも、家族葬は多くの方に選ばれている葬儀形態であることがわかります。
弊社のアンケート結果からも、家族葬の実施割合が高いことがわかりますが、どのような理由から家族葬は選ばれているのでしょうか。
高齢化による人間関係の希薄化
日本人の平均寿命は男女ともに伸びている傾向にあり80歳を超えていることが調査結果から明らかとなっています。
寿命が伸びたことで、仕事の定年退職から亡くなるまでの時間も長くなったため、その間に人間関係が希薄になり葬儀の参列者が少なくなることを見越して、近しい遺族や親族に絞った家族葬が選ばれるようになっているようです。
経済的理由から
家族葬は一般葬にくらべて、葬儀全体にかかる費用を抑えることができます。
一般葬に比べて、葬儀場を小さくできることや、参列者への会食費用を少なくできることが費用を抑えることができる要因です。
葬儀の費用を安くしたいといった方や、故人が生前に遺族にできるだけ金銭的負担をかけたくないという旨の希望を残した家庭に家族葬が選ばれることが多いです。
最後の時間をゆっくりと過ごせるから
参列者を多く招くと、喪主を含めた遺族の方は、どうしても参列者へのお礼や案内などの対応に追われてしまいます。
深い関わりのあった故人と最後の時間をゆっくりと過ごしたいという方にも家族葬は多く選ばれています。
家族葬にかかる費用

実際に家族葬にかかる費用の相場はどの程度なのでしょうか。
上記の図は、弊社が家族葬を行った方に聞いた独自のアンケート結果です。
1番回答が多かったのは「50万円未満」という回答で40.0%の割合でした。
次に回答が多かったのは「51万円以上100万円未満」という回答で38.4%の割合でした。
全体の回答結果は以下の通りです。
順位 | 費用 | 回答割合 |
---|---|---|
1 | 50万円未満 | 40.0% |
2 | 50万円以上、100万円未満 | 38.4% |
3 | 100万円以上、200万円未満 | 18.4% |
4 | 200万円以上、300万円未満 | 3.0% |
5 | 300万円以上 | 0.3% |
一般葬の葬儀にかかる費用の平均相場は約195万円と言われています。
もちろん地域や参列者の人数によって変動はありますが、100万円未満の回答の合計の割合が約8割を占めていることから、家族葬は一般葬よりも費用を抑えることができると言えるでしょう。
家族葬の流れ
ここから家族葬の流れを解説していきますが、基本的には一般葬と大きな違いはありません。
ご臨終
ご臨終の際に行うことは以下の3点です。
- 近親者、友人への連絡
- 死亡診断書の受取
- 火葬の手配
葬儀社の手配
葬儀をあげるために葬儀社の手配を行います。葬儀社の手配が済んだら以下のことを行いましょう。
- 葬儀の打ち合わせ
- 関係者へ家族葬を行う旨を伝える連絡
湯灌や納棺
打ち合わせが済んだら、湯灌や納棺を行います。
- 湯灌
- 故人の化粧や着替え
- 納棺
通夜から火葬まで
実際の葬儀の流れは一般葬と大きく変わりません。
- 通夜
- 葬儀・告別式
- 火葬
家族葬のメリット・デメリット
家族葬には実際にどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
メリット
家族葬の主なメリットは以下の通りです。
- 故人や遺族の希望を実現しやすい
- 費用を安く抑えることができる
- 故人との最後の時間をゆっくり過ごせる
故人や遺族の希望を実現しやすい
参列者を遺族や親族といった特に故人と関わりの深かった方のみに限定するので、比較的少ない人数で葬儀を行うことができます。
そのため、故人が生前に残した希望や遺族側の希望を葬儀で形にしやすくなるのが家族葬のメリットです。
費用を安く抑えることができる
続いて、葬儀費用を安く抑えることができるというのも家族葬のメリットです。
一般葬の平均費用は約195万円と言われていますが、家族葬の平均費用は100万円を超えないケースが多くあります。
先程示したアンケート結果からも家族葬は一般葬よりも費用を抑えることができるため、経済的な観点からも大きなメリットがあると言えます。
故人との最後の時間をゆっくり過ごせる
故人との最後のお別れの時間をゆっくり過ごすことができるのも家族葬のメリットとなります。
一般葬であれば、遺族側はどうしても参列者の対応などに追われてしまい、最後の一時を慌ただしく過ごすことになるという事例も珍しいものではありません。
参列者を絞る家族葬は、故人との時間を十分に取りたい方におすすめの葬儀形態になります。
デメリット
家族葬のデメリットは以下の通りです。
- 葬儀に参列したくてもできない人がいる
- 家族葬を受け入れてくれない人もいる
- 葬儀後の弔問の対応に追われる可能性がある
葬儀に参列したくてもできない人がでてくる
家族葬はなんといっても参列者の人数を絞るのが最大の特徴です。
そのため葬儀に参列して故人を見送りたかったのに、それができないという方もでてきます。
後のトラブルに発展させないためにも、事前に家族葬で故人を見送る旨と家族葬にする理由を伝えておくのがよいでしょう。
家族葬を受け入れてくれない人もいる
近年はさまざまな形態で葬儀が行われるようになっていますが、中には一般葬以外の葬儀に抵抗があり、家族葬を受け入れ難いと考える方がいるかもしれません。
家族葬を行う理由などを話して、納得してもらえれば良いですが、どうしても不安が消えないという方は一度葬儀社に相談してみるのも良いかもしれません。
葬儀後の弔問の対応に追われる可能性がある
家族葬では、参列者を少ない人数に絞るため、葬儀後に自宅へ弔問にくる方が多くなる可能性があります。
遺族としてもちろん丁寧に対応しなければならないので、大切な方を亡くして心身ともに完全に健全とは言えない状態の時に、そのような対応に追われるのが負担になってしまう場合もあります。
家族葬と密葬の違い

ここからは家族葬と密葬の違いについて解説していきます。
密葬とは
密葬とは、その後に本葬やお別れの会を行うことを前提とする葬儀のことを指します。
具体的には、有名人の方や企業の社長など、葬儀に多くの参列者がくることが予想される方に対して行われることが一般的です。
本葬を盛大に行うため、その前に家族や親族のみで静かにお別れの時を過ごしたいという場合に密葬が行われます。
家族葬との違い
家族葬と密葬の一番の違いは、それ自体が本葬なのか、その後に本葬が行われるのかということです。
家族葬はそれ自体がメインの葬儀になりますが、密葬はその後に本葬を行います。
つまり密葬は本葬の前に行う、人数を最小限に絞った葬儀ということができます。
家族葬に関するよくある質問
最後に家族葬に関するよくある質問とその回答を紹介していきます。
家族葬での参列の範囲は?
家族葬の参列の範囲には明確な定義はありません。
遺族や親族のみで行われることもあれば、故人と生前親しかった友人を招く場合もあります。
誰を招くのかは遺族でよく相談するべきですが、迷ったら呼ぶと決めておくのも良いかもしれません。
家族葬で香典は渡す?金額は?
特に喪主から香典の辞退の連絡がない限り、香典は一般葬と同様に持参します。
家族葬で包む香典の金額に明確な決まりはありませんが、ある程度の相場はあります。
一例をあげると以下の通りです。
- 自分の親:5~10万円
- 自分の兄弟・姉妹:3~5万円
さらに家族葬の香典について詳しく知りたい方は、こちらの「家族葬での香典や相場のマナー|一般的な葬儀との違いも紹介」の記事をご覧ください。
家族葬ならではのマナーはある?
家族葬のマナーは基本的には一般葬でのマナーと大きく変わることはありません。一例を以下で紹介します。
- 参列のお願いがない場合には遺族の意見を尊重し、参列しない
- 参列の際の服装はブラックフォーマル
- 香典などを遺族側が辞退した場合は、その意向に従う
- 家族葬を終えるまで、葬儀のことを口外しない
さらに家族葬のマナーについて詳しく知りたい方は、こちらの「【葬儀のマナー】徹底解説!参列者側と遺族側のマナーとは?」の記事をご覧ください。
家族葬についてのまとめ

ここまで家族葬の内容や、家族葬が選ばれる理由や式の流れ、メリット・デメリットについて解説してきました。
ポイントをまとめると以下の通りです。
- 家族葬とは参列者を遺族や親族といった故人と特に親しかった人に限定する葬儀形態
- 家族葬にかかる費用は100万円程度
- 家族葬のメリットは故人の希望を叶えたり、最後の時間をゆっくり過ごせる点
- 家族葬のデメリットは葬儀形態を受け入れてもらえない点
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者コメント

監修者
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
田中 大敬(たなか ひろたか)
近年、コロナウイルスの影響や葬儀に関する価値観の変化もあり家族葬を選ぶ方が増えています。
費用を抑えることは決して故人への想いがないということにはつながりません。
メリットやデメリット、その他リスクをしっかりと把握して満足のいく葬儀にしましょう。
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