法事法要
浄土真宗のお布施の相場は?入れた方や包み方を画像付きで解説
投稿日:2021.08.19
更新日:2022.05.18

記事のポイントを先取り!
- 浄土真宗のお布施は僧侶に対するお礼ではない
- お布施は法要の前か後に渡す
- お布施に水引きは不要
葬儀の際には、お坊さんへお礼としてお布施を渡します。
「お布施がそもそもどんなものかわからない」あるいは「さまざまな種類の法要があるため相場がわからない」という方は多いのではないでしょうか。
この記事では浄土真宗における葬儀のお布施の相場やお布施を渡す際のマナーについて解説します。
お布施以外の謝礼に関する情報も紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
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浄土真宗のお布施について
浄土真宗におけるお布施は阿弥陀如来(あみだにょらい)に対するお礼として納めるものです。
読経をしてくれた僧侶のお礼ではないことが浄土真宗のお布施の特徴です。
浄土真宗のお布施の相場の総額は12万円から54万円程度です。
浄土真宗のお布施の金額相場

浄土真宗のお布施は僧侶の読経に対するお礼ではないため、明確な金額が決まっていません。
そのため、渡す側の気持ちで決定してもいいとされていますが、相場は大体決まっているので相場を元にお布施を渡すといいでしょう。
葬儀のお布施の相場
通夜、葬儀、告別式の全ての葬儀を行なった場合のお布施の相場は10万円から30万円とされています。
また浄土真宗の「法名」をつけてもらう場合は、お布施が必要ては決まっていませんが、3万円から10万円程度のお布施を渡すことが多いです。
法名とは他宗教の戒名にあたります。
法要のお布施の相場
故人が亡くなった後の節目におこなわれる法要はいくつかあり、その金額はそれぞれ異なります。
数ある法要の中で、特に重要視されるお布施相場は以下の通りです。
初七日 | 2~3万円 |
四十九日 | 3~5万円 |
一周忌 | 3~5万円 |
三回忌 | 1~5万円 |
七回忌 | 1~5万円 |
法要の際のお布施の相場は地域や宗派によってもあまり差がありません。
金額に関してわからない場合はまず身内に相談し、それでもわからない場合はご寺院に直接尋ねるのも良いでしょう。
「お金のことだし聞きにくいな」とお思いかもしれませんが、心配いりません。
最近ではお布施の相場の一覧表を作成している所もあるようです。
お布施以外に渡す金銭
僧侶さまが車で来た場合や法要後の会食に参加しない場合にはお布施以外の金銭を渡す必要があります。
僧侶さまが車で来た場合に渡す「御車代」僧侶さまが会食に参加しない場合に渡す「御前代」について解説します。
御車代
御車代とは僧侶をお呼びした際、遺族側が送迎しない場合に交通費として渡す金銭のことを指します。
お布施の御車代の相場は5,000円〜1万円程度で、お寺から会場までの距離を目安に考えます。
また、法要を寺院でおこなうなど、移動を伴わない場合や遺族側が送迎する場合にはお車代は必要ありません。
御膳代
御膳代とは簡単に言うと食事代です。お通夜や葬儀、告別式には会食が設けられることがあります。
会食がそもそも設けられていない場合、または設けられているが、僧侶が会食に参加しない場合は、その食事代の代わりとして御膳代をお渡しします。
御膳代の相場は5,000円〜1万円程度です。
お渡しする際、表書きには御膳料と記載しましょう。
浄土真宗のお布施の書き方
お布施袋には中袋がないタイプと中袋があるタイプのものがあり、それぞれ書き方が異なります。
それぞれについて正しい書き方のマナーを解説します。
表書き
表書きとは、贈り物の目的に関する記載のことを指します。
記載する場所は袋の表面の上段です。
お布施の表書きには「御布施」と書き、その下のスペースに送り主の名前を記載します。
名前は基本的にはフルネームですが、名字だけでも問題ありません。
浄土真宗のお布施は寺院や僧侶に対するお礼ではないので、「回向料」「御経料」「志」とは書かないようにしましょう。
また、香典とは異なり、お布施は感謝の気持ちを表現するものであるため濃墨を使用します。
裏書
御布施袋の中袋がなく、直接金銭を収納する場合は裏書が必要です。
裏書きには以下の内容を記載する必要があります。
- お布施として包んだ額
- 住所
- 氏名
- 電話番号
お布施の金額を書く場合は大字(旧字体)の漢数字を使用します。
大字の漢数字を使っての書き方は、以下をご参考ください。
- 5,000円→金伍阡圓也、金伍仟圓也
- 1万円→金壱萬圓也
- 3万円→金参萬圓也
- 5万円→金伍萬圓也
- 10万円→金拾萬圓也
裏書は裏面の中央より少し右側に金額を大きく記載し、左側に住所と氏名を記載します。
ただし、個人情報を記載したくないという方はお布施の金額と氏名、もしくはお布施の金額だけでもかまいません。
中袋がある場合
お布施袋に中袋がある場合は、中袋に金銭を包み、表面にお布施の金額を記載します。
お布施の金額は裏書と同じように大字を使用します。
中袋の裏面には氏名・住所・電話番号を記載しますが、こちらも先程と同様に無理に記載する必要はありません。
お布施の包み方
お布施は包み方も重要です。
ここではお布施の包み方を、奉書紙で包む方法と白封筒で包む方法の2つに分けて解説します。
奉書紙で包む
奉書紙とは、弔辞を書いたり、香典・お布施を包む用紙として使われる和紙です。
奉書紙でお布施を包み、僧侶にお渡しすることは非常に丁寧な方法とされております。
奉書紙を使用してお布施を包む場合は、まず先に半紙でお札を包みます。
下記の画像を参考にしてください。

お札は肖像画の描かれている表面を上に向けて包みましょう。
お札を半紙で包んだ後は、奉書紙で中包みの上から被せるように包みます。
奉書紙には表裏がありますので、手触りがスベスベする方を表にし、ザラザラする面を裏にします。
奉書紙の折り方は左→右→下→上の順番です。
白封筒で包む
白封筒で包む方法は簡易的とされる方法です。
奉書紙がない場合、コンビニなどで売られている無地の白封筒を使用します。
白封筒には、お布施・御布施と印刷されたタイプの封筒と何も書かれていないタイプのものがあります。
どちらを使用することも可能ですが、二重封筒は不幸が重なることを連想させるため、避けるのが無難です。
白封筒を使う際の注意点して、中袋は用いず、封筒の裏に金額やその他の情報を記載します。
白封筒の使い方は下記の画像を参考にしてください。

お布施の渡し方
お布施を用意したのはいいものの、渡し方が雑になってしまえばせっかくの感謝も伝わりません。
ここでは僧侶にお布施を渡す際のマナーとタイミングを解説します。
渡す際のマナー
お布施を僧侶に渡す際、そのまま手渡ししないようにしてください。
お布施袋をそのまま渡すことはマナー違反となります。
お布施は袱紗の上に重ねたり、切手盆と呼ばれる小さなお盆に載せたりして、僧侶にお渡しします。
お布施を袱紗に包む際の包み方については下記の画像を参考にしてください。

袱紗の色は紺色や新緑色、灰青色、紫色などの暗い色を選びます。
また、渡す際はお布施袋を袱紗から取り出し、汚れや破れがないか確認した後に時計回りに90度を2回繰り返し、ご僧侶が表書きを見える方向でお渡しします。
お布施袋を載せた切手盆や袱紗は片手で扱わず、必ず両手で渡すよう注意しましょう。
渡すタイミング
お布施を渡すタイミングに特に決まりはありません。
読経の終了後にお礼の言葉を兼ねてお渡しするか、最初の挨拶をした時にお渡しすることも多いようです。
頃合いを見計らっていいタイミングでお渡しすることをオススメします。
お布施に水引は必要?
お布施に水引は必要なのでしょうか。また、必要であればどのような水引のお布施袋を使用すれば良いのでしょう。
ここでは水引についてのそもそもの必要性や選び方、種類について解説します。
基本的に必要ない
基本的にお布施に水引は不要です。水引は祝儀袋や不祝儀袋の表に用いられる飾り紐です。
水引は結び方によってさまざまな意味を持ち、お清めの効果があるとされていることから冠婚葬祭のシーンで活用されています。
お布施は弔意を表す香典とは異なり、感謝の気持ちを伝えるものであるため、水引は必要ではありません。
しかし地域によっては水引のあるものを使用するところもあるようですので、わからない場合は周囲の方に確認しましょう。
お布施の水引の選び方
水引にはあわじ結びと蝶結びの2種類がありますのが、お布施に使われる水引はあわじ結びとなります。
あわじ結び、蝶結びの特徴は以下の通りです。
あわじ結び
一度結ぶとほどけにくいことから、法事や結婚式などの一度だけしか行わない慶事や弔辞に使用されます。
蝶結び
蝶結びはあわじ結びと反対にほどけやすいことから、入学や出産など、複数回繰り返しても縁起のよい慶事に使用されます。
あわじ結びと蝶結びを間違えて使うとマナー違反になるので気を付けてください。
お布施の水引を選ぶ際には、必ずあわじ結びを使いましょう。
お布施の水引の種類
地域によって多少違いはありますが、基本的にお布施の水引には双銀や黄白を選びましょう。
基本的に通夜や葬儀の際、香典を入れる不祝儀袋は白黒か双銀になります。
しかし、お布施の場合は感謝の気持ちを表すものなので、不祝儀の意味が少し和らぐ、黄白を使用します。
よくある質問
Q:お布施の相場は?
A:総額で12万円から54万円程度です。
Q:初七日のお布施はいくら?
A:3万円程度が多いです。
Q:お布施はいつ渡す
A:法要の前か後で僧侶に挨拶するタイミングが渡しやすいでしょう。
お布施のまとめ

ここまでお布施について解説してきました。この記事をおさらいすると以下の通りです。
- 浄土真宗におけるお布施は僧侶ではなく阿弥陀如来に対するお礼
- 各行事でのお布施の金額相場は葬儀15万円〜50万円、法要1万円〜5万円
- お布施を渡す際はそのまま渡さず切手盆や袱紗を使用する
- お布施の包み方は奉書紙、もしくは白封筒で包む
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者コメント

監修者
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
山口 隆司(やまぐち たかし)
お布施はサービスに対する対価を料金として支払うものではありません。
このような特徴があるため、お布施の相場はあっても明確なルールなどは存在しません。
大切なのは、感謝の気持ちを込めて納めることなのでその心がけを忘れないようにしましょう。
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