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仏教の宗旨・宗派について

浄土宗や浄土真宗など、様々な種類のある在来仏教の宗旨・宗派は、仏教の長い歴史の中で派生して生まれた教義のことです。宗旨・宗派にはそれぞれどのような歴史や特徴があるのでしょうか。

歴史や伝統のある代表的な宗旨・宗派

仏教には様々な宗旨・宗派が存在します。ご自身の宗派が分からないという場合は、お題目(浄土宗の場合は「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」)から探すとたどりつきやすいかもしれません。ここでは、教科書でもおなじみの代表的な7つの在来仏教について解説いたします。

浄土宗
開祖
法然(ほうねん)
ご本尊
阿弥陀如来
本山
総本山 知恩院(京都府京都市)
大本山
増上寺(東京都港区)他
主な経典
浄土三部経(じょうどさんぶきょう)・観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)
お題目
南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)
お焼香の作法
抹香を額の高さまで掲げて(おしいただいて※)1~3回
お線香の作法
焼香の回数にならい1本または3本を立てることが一般的になっており、三途の川の橋渡しにちなんで1本、仏法僧にならって3本など諸説があります。
葬儀式
遺族・親族・参列者などが僧侶と一緒に10回のお念仏を唱えることで、故人の極楽浄土への往生を願う場面があります。南無阿弥陀仏10回(十念)を4回4回1回1回に区切り、最初の8回と最後の1回は「なむあみだぶ」と唱え9回目のみ「なむあみだぶつ」までを発音します。お坊さんがお経中に「同称十念:とうしょうじゅうねん」と言いますので、その後が「御十念:おじゅうねん」を唱えるタイミングです。
仏具
大リン、小リン、木魚
特徴
総本山 知恩院の地位が確立したのは室町時代とされ、建物の拡充は徳川家が天下を統一した時代に盛んに行われました。徳川家は古くから浄土宗に帰依していたことで知られています。

※「おしいただく」とは故人を敬って指でつまんだ抹香を顔の前面上方(額)にうやうやしく捧げ持つこと。

浄土真宗
開祖
親鸞(しんらん)
ご本尊
阿弥陀如来本山:西本願寺(京都府京都市)/東本願寺(京都府京都市)他
主な経典
浄土三部経(じょうどさんぶきょう)・無量寿経(むりょうじゅきょう)
お題目
南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)
お焼香の作法
おしいただかずに、お西1回/お東2回
お線香の作法
念香として用い、立てることはしません。火をつけたお線香を香炉に横に寝かせて焚きます。お線香が香炉に入らない時は、半分に折るなどして横に寝かせてお参りします。
葬儀式
浄土宗の開祖、法然の弟子が浄土真宗の開祖である親鸞のため、浄土宗に似ている面があります。お西(なまんだ~ぶ↑上げ調子)、お東(なんまんだぶ↓下げ調子)でお題目を唱え阿弥陀様をお迎えして成仏(即仏往生)を願います。浄土真宗は「他力本願」「往生即身仏」の考え方で葬儀式に授戒や引導を渡すことは行いません。
仏具
大リン、小リン
特徴
日本(特に北海道・九州)に門徒数が多く戒律がそれほど厳しくない宗派です。食肉妻帯を認め、剃髪(頭をまるめる)していないのも浄土真宗の僧侶の特徴です。
真言宗
開祖
空海(くうかい)
ご本尊
大日如来
本山
高野山真言宗 総本山 金剛峯寺(和歌山県伊都郡)など、十八もの本山あり
主な経典
大日経(だいにちきょう)・金剛頂経(こんごうちょうぎょう)
お題目
南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)
お焼香の作法
抹香を額の高さまで掲げて(おしいただいて)3回
お線香の作法
焼香の回数にならい3本を立てることが一般的になっています。
葬儀式
僧侶が入退場の際、膝を少し曲げては伸ばす動作を3度行うことや、なるべく人に見えない形で袈裟の袖の中で手指印を結び真言を唱え、灌頂(かんじょう:頭頂に水を注ぐ儀式)や土砂加持(どしゃかじ:土砂により祈祷する)などを行います。
仏具
大リン、小リン、木魚
特徴
教えを修めた限られた人たちのみの信仰が許される密教としての位置づけがあります。
臨済宗
開祖
栄西(えいさい)
ご本尊
釈迦如来 ※祖師の教え
本山
臨済宗妙心寺派 大本山 妙心寺(京都市右京区)、臨済宗建長寺派 大本山建長寺(神奈川県鎌倉市)、臨済宗円覚寺派 大本山円覚寺(神奈川県鎌倉市)他
主な経典
般若心経(はんにゃしんぎょう)・金剛般若経(こんごうはんにゃきょう)
お題目
南無釈迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ)
お焼香の作法
1回(おしいただく、おしいただかないに定めなし)
お線香の作法
焼香の回数にならい1本を立てることが一般的になっています。
葬儀式
臨済宗の葬儀では、授戒や引導を渡すことが中心となります。
仏具
大リン、小リン、木魚
特徴
禅系の宗派で座禅により悟りを開き、各宗派と比較して修業が厳しいと言われています。
曹洞宗
開祖
道元(どうげん)
ご本尊
釈迦如来本山:大本山永平寺(福井県吉田郡)/大本山總持寺(横浜市鶴見区)
主な経典:般若心経(はんにゃしんぎょう)・正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)・法華経(ほけきょう)など
お題目
南無釈迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ)
お焼香の作法
2回(1回目はおしいただき、2回目はおしいただかない)
お線香の作法
焼香の回数にならい2本を立てることが多いようです。
葬儀式
曹洞宗の葬儀は授戒や引導を渡すことが中心となり、複数人の僧侶で太鼓や鈸(はつ)を打ち鳴らす鼓鈸三通(くはつさんつう)が行われます。引導を渡す際に「喝」を入れるため、勢いのある住職の声に参列者が驚くことがあります。
仏具
大リン、小リン、木魚
特徴
禅系の宗派で座禅による悟りを中心にしています。曹洞宗では心を無にしてひたすらに座禅する黙照禅が行われ、スポーツ選手などが強靭な精神力をつけるために座禅の道場に通うなどが見受けられます。
日蓮宗
開祖
日蓮(にちれん)
ご本尊
釈迦如来・大曼荼羅・日蓮聖人
本山
日蓮宗 祖山 久遠寺(山梨県南巨摩郡)/池上本門寺(東京都大田区)他
主な経典
法華経(ほけきょう)
お題目
南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)
お焼香の作法
抹香を額の高さまで掲げて(おしいただいて)3回
お線香の作法
焼香の回数にならい3本を立てることが多いようです。
葬儀式
日蓮宗の葬儀は、死者を霊山浄土(りょうぜんじょうど)に導くために南無妙法蓮華経を中心に様々な仏様や菩薩などが記された十界曼荼羅(じっかいまんだら)を掲げて行います。
仏具
大リン、小リン、木鐘(木魚)
特徴
日蓮宗と近い名称に日蓮正宗があります。日蓮宗では祭壇の両脇に生花を用いますが日蓮正宗では樒を用いるため、緑が占める面積が多い祭壇飾りになります。
天台宗
開祖
最澄(さいちょう)
ご本尊
釈迦如来・薬師如来
本山
総本山 延暦寺(滋賀県大津市)
主な経典
法華経(ほけきょう)・阿弥陀経(あみだきょう)
お題目
南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)
お焼香の作法
1~3回(おしいただく、おしいただかないに定めなし)
お線香の作法
焼香の回数にならい3本を立てることが多いようです。
葬儀式
天台宗の葬儀は故人が菩薩となるために引導を渡して戒を授ける意味合いがあります。大きく分けて光明真言の秘法に基づく密教儀礼と阿弥陀様の力によって浄土に導く顕教儀礼の作法があります。
仏具
大リン、小リン、木魚
特徴
法華経中心ではありますが、朝題目夕念仏(あさだいもくゆうねんぶつ)の考え方で朝は法華経中心、夕方は阿弥陀経を中心に勤めます。人それぞれの縁に応じて広く受けとめ、修行も四種三昧といい四通りの方法が見られます。

宗派による戒名の違い

戒名とは仏様の弟子になったことを表す名前で、お位牌やお墓などに記されます。宗派によっては法名や法号と呼ばれます。仏の世界が身分の差なく平等であることを表すものとして、2文字であることが基本ですが、宗派によって戒名の構成は様々です。それでは、代表的な宗派の戒名の構成をご紹介しましょう。

天台宗・曹洞宗・臨済宗

戒名の上に道号をつける場合があります。道号とは中国発祥の戒名の上につける名前で、元々は禅門で用いられており、後に他の宗派に広まったものです。

例:××△△信士  ※××が道号

浄土宗

戒名の上に誉号をつける場合があります。誉号とは元々僧侶に与えられる称号のことで、現在は在家の男女に対しても授与されています。

例:●●院○誉△△居士

浄土真宗

浄土真宗では戒名のことを「法名(ほうみょう)」と言います。法名の上にお釈迦様の「釋号」をつけ、戒名の下につける位号は用いません。

例:●●院釋△△

真言宗

一番上に梵字を記し、ご本尊の大日如来の弟子になったことを表します。

例:◎ ●●院××△△大姉  ※◎が梵字

日蓮宗

日蓮宗では戒名のことを「法号(ほうごう)」と言います。戒名の下に「日号」をつけ、「日〇」とすることがあります。

例:△△日○信士

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