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専門家インタビュー

日本人のアイデンティティーと和の心を探求していきたい

更新日:2023.02.23

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  1. 研究内容について
  2. 今後の目標について
  3. 今回取材に協力してくださった先生
  4. 正眼短期大学ホームページ
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研究内容について

Q1.『「宗教」と「Religion」についての一考察』の研究内容と研究成果について教えてください。

 宗教といいますと、仏教も神道もキリスト教も、その他、比較的新しい教えも含めましてすべて宗教という言葉に集約されているように思います。

そこで、宗教という語は英語のReligionの訳ですが、Religionの語源religio(religioから派生した言語も含めまして。)には「再び」「結びつける」というような意味合いがあるようです。

一方、日本語の「宗教」を見ますと「宗」は元々や根本というような意味があります。

根本と言いますと、根源的なということもいえるのではないでしょうか。

更に、「宗」の字が、サンスクリット語から漢訳される際に用いられ『楞伽経』の中ではsiddhãntaの訳語の際、「宗」の字があてられ、Sid-dhãntaとはsiddha(成就されて完成されたもの)とanta(最高の状態を意味する極致・終り)との合成語とされているようです。

この「宗」が仏教によって成就されたものの最終至上の極致という意味と解され、「宗」とは根本という意味、佛教の根本真理を自らの自内証において体得することによって到達した究極的な悟りの境地を意味するものであるとされています。

このような「宗」の「教え」ということになるのかと思っております。

つまり日本語の「宗教」と「Religion」では意味がまったく違うのではないかと思います。

もちろん「宗教」という語は大変便利で使いやすい言葉だと思いますので、今後も使って行きたいと思っております。

宗教という語のその意味や扱いについてさらに研究(まだまだ研究不足ですが)を進めているところです。

Q2.その研究を行った経緯を教えてください。

 日本の伝統文化の中には、初詣、お彼岸、お盆、法事や葬儀など神道と仏教だけでもさまざまな宗教行事があります。

このような行事には抵抗なく参加していますが、なぜか「宗教」という言葉に対しては、多少なりとも抵抗があるように感じます。

そこで、少なくとも宗教というのは何かという研究をすることで、宗教についてより深く理解出来るのではないかと思いました。

Q3.『日本人の道徳的性情について』の研究内容と研究成果について教えてください。

 日本では、物をスーパーなどで置き忘れをすると、かなりの確率で手元に戻ってくると思います。私も経験しております。

そのような素晴らしい精神文化があるにもかかわらず、現代の日本社会を見渡しますと、他者批判が多いように思います。

国が悪い、政治が悪い、経済が悪い、あの人がこの人が、誰々が悪い等々の「批判社会」になっているように思えてしまいます。

現代の日本社会において、例えば、廊下に物が置いてあり躓いて転けるというような場合、誰がここに置いたのかとなるのではないかと思います。

ところが、一昔前の日本では、自身の「不徳」という「外」への批判より「内」に向かって敬虔にして自身を知るではありませんが、自分の反省とし、歩くときは気をつけて歩くという心構えを通して、さらなる心の成長に繋げていく一面があったのではないかと考えるとともに、それが、日本人の道徳心にも反映されていたように思います。

もちろん、ここに置いては危ないですよと、置いた人に対して指摘してそのようなことがないようにすることは当然大切なことではあります。

この道徳心を通して心がどのように平穏になるのかということも興味深いところです。


少なくとも不平不満を常々心に抱いているのと、そうでないのとでは違うのではないかと思います。 

もちろん価値観などは人それぞれですし、また、諸外国にはそれぞれの道徳心があると思います。



この道徳心を通して心がどのように平穏になるのかということも興味深いところです。

少なくとも不平不満を常々心に抱いているのとそうでないのとでは違うのではないかと思います。 

もちろん価値観などは人それぞれですし、また、諸外国にはそれぞれの道徳心があると思います。

Q4.宇佐美様が考える本研究の意義を教えてください。

よく今の若者はといいます。

同時に両親や祖父母に対し、お父さん、おかあさん、おじいちゃん、おばあちゃんは、古いから今は違うというようなやりとりです。


自分、父母、それから祖母祖父、それぞれ時代が違うのですが、例えば、私の父母は昭和初期、祖父母は明治中頃、その前は江戸時代となります。

たった3代遡るだけで江戸時代となります。

父母、祖父母と時代は違えども道徳心は同じでないかと考えています。

その同じ道徳心の深いところには何があるのかというようなことを研究の対象としました。

その先にいじめ問題などについてどうしたらよいのかというようなことも考えられたらと思っています。

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今後の目標について

Q1.宇佐美様の研究における最終的な目標を教えてください。

 日本人のアイデンティティーについて、時代を超えた、聖徳太子様の「和」の精神もそうですが、そういったことを既成宗教である仏教の教えと合わせて研究していきたいと考えております。

Q2.今後はどういった研究を進めていく方針なのでしょうか?

 基本的には「二元論的な物の見方や捉え方」に対して「一言論的な物の見方や捉え方」ということを比較しつつそれが人の心の部分と現象として現れる両側面について研究を進めていきたいと考えております。

今回取材に協力してくださった先生

正眼短期大学

宇佐美之規先生

禅・人間学科 教授


略歴

平成17年 日本大学大学院総合社会情報研究科人間科学専攻博士前期課程修了
 平成23年 正眼短期大学 講師
 令和 1年   〃    准教授
    4年   〃    教授

資格・学会・役職

日本内観学会
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正眼短期大学ホームページ

http://shogen.ac.jp/

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