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専門家インタビュー

特別養護老人ホーム入所に関わるアカウンタビリティーとアドボカシーについて

更新日:2024.10.09 公開日:2024.10.09

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  1. 研究内容について
  2. 今後の目標について
  3. 先生の経歴について
  4. 先生の所属先
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研究内容について

 

Q1.「特別養護老人ホーム入所に関わるアカウンタビリティーとアドボカシー」の研究を始めたきっかけは何ですか?

前職で居宅介護支援事業所のケアマネジャー(介護支援専門員)や地域包括支援センターの社会福祉士をしていた際に、在宅で暮らすお年寄りやそのご家族から特別養護老人ホームなどの福祉施設に入所したいといった相談が寄せられることが多くありました。担当ケアマネジャーからは施設入所の支援はケアマネジャーの仕事ではないといわれてしまうケースや特別養護老人ホームのリストを手渡されるだけのケースなど具体的な支援に至っていない事例が多々ありました。

 
また、特別養護老人ホームに入所申込をしている場合でも、入所の順番は申込順ではなく、入所の必要度や緊急性を考慮し決められるが、申込をした当時の情報から状況が変わっていても、そうした情報が施設に伝わることがなく、本来早急に入所すべき人が入所できずにいたこともありました。もし必要な情報がケアマネジャーから施設に伝わっていればもっと早く入所できたのではないかと思うケースもありました。

 
居宅介護支援事業所のケアマネジャーの主たる業務はケアプランの作成とそれに基づいた居宅介護サービスの調整ですが、施設入所の支援も業務の範疇であるにも関わらず、そこに対する介護報酬もなく、その点に関しては行政からの指導監査も行き届かないのが現状でした。
こうしたことから、居宅介護支援事業所のケアマネジャーの役割とは何かを施設入所の支援の面から再考したいと考えました。

 

Q2.研究対象である、「アカウンタビリティーとアドボカシー」とはどのような内容ですか?

ここでいうアカウンタビリティーとは、居宅介護支援事業所のケアマネジャーが施設入所について相談された際に、担当ケアマネジャーとして果たすべき説明責任を意味します。また、同様にアドボカシーは権利擁護と同義で、施設入所が必要なお年寄りや介護に疲弊した家族を守る具体的な援助活動を意味します。

 

Q3.本研究の研究成果を教えてください。

居宅介護支援事業所のケアマネジャーは、施設入所支援に対して真摯に対応している方が大多数であったものの、何割かのケアマネジャーはその役割を担っていない事実が明らかになりました。また、説明責任や権利擁護を果たす基礎となる知識の不足が多くみられ、ケアマネジャーという社会福祉を専門としない基礎資格を持った実務経験者も含んだ専門職の課題も明らかになりました。さらには、社会福祉を専門とする社会福祉士や介護福祉士といった国家資格所持者であっても、施設入所支援について十分とはいえない状況もみられ、社会福祉援助における価値や倫理に重きを置いた養成教育の必要性が示唆されました。

 

Q4.佐藤先生が考える本研究の意義を教えてください。

「福祉とは何か」「援助とは何か」といった根本的な問いに対する明確な答えを持たない者が少なくないケアマネジャーの実態が明らかになり、どのような基礎資格を持っていても一定の福祉専門職的な素養を担保できるケアマネジャーの養成体制の整備が急務であることが明らかになった点は意義があったと思います。

 
福祉は対象者の人生や生命に関わる重要なインフラであるため、そこに関わる人材の資質は重要であり、その質が伴っていなければ、どんなに優れた福祉制度やサービスでも絵に描いた餅にしかならず、「福祉は人なり」といわれるとおり、そこに携わる人材の育成が制度の成否を左右することを示唆できたことは重要な点だったと感じます。

 

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今後の目標について

 

Q5.佐藤先生の研究における最終的な目標を教えてください。

福祉を必要としている人々が、福祉制度やサービスの課題について声を上げたり、調査をしたりすることは難しく諦めたり、泣き寝入りしたりすることも多々あります。福祉に関する経験と学識のある人間として福祉制度やサービスの課題を明らかにし、その方策を示唆し続けることで誰もが安心して暮らせる社会を実現していくことが私の目標です。

 

先生の経歴について

 

Q1.先生の略歴を教えてください。

2019年10月~ 帯広大谷短期大学社会福祉科 教授

 

Q2.先生の資格・学会・役職を教えてください。

学位:修士(社会福祉学)

学会:日本社会福祉学会、日本学校ソーシャルワーク学会

資格:社会福祉士国家資格、介護支援専門員、高等学校教諭一種免許状(福祉)など

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先生の所属先

帯広大谷短期大学

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