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遺品整理

形見分けは現金でもいい?形見分けのマナー・タイミングを説明

更新日:2022.02.04

豚の貯金箱と電卓

記事のポイントを先取り!

  • 現金での形見分けについて詳しく解説
  • 形見分けを行う意味やタイミングなども紹介
  • 現金で形見分けを行う場合のマナーや注意点

故人が愛用していた品を、親族や親しい知人で分けることを形見分けといいます。

もし、形見分けの品がない場合は現金でもいいのでしょうか。

そこでこの記事では、現金での形見分けについて詳しく説明していきます。

現金での形見分けには相続もからんできますので、しっかり確認しておきましょう。

形見分けを行う時期や注意点についても触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。

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  1. 形見分けとは
  2. 形見分けは現金でもいい?
  3. 形見分けを現金にする時のマナー
  4. 形見分けをするタイミングと贈る範囲
  5. 形見分けにお礼は必要?
  6. 形見分けで貰った現金の使い道
  7. 形見分け現金のまとめ
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形見分けとは

形見分けは日本に古くから残る風習で、故人が愛用していた着物やアクセサリーなどの品を親しい親族や知人などで分け合うことを指します

品物を見るだけで、故人が身につけていた姿を思い出せる品などを形見と呼び、その品を分け合うので形見分けといいます。

形見分けは故人を偲び、思い出を忘れないために行うものですので、基本的には故人愛用の物品を分けるのが一般的です。

形見を受け取った方は、形見の品を通して故人を偲びますので、供養の一つのかたちともいえます。

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形見分けは現金でもいい?

本来、形見分けでは故人愛用の物品を分け合うものですが、人に渡せるようなものが無い場合もあるでしょう。

そういったケースでは、物品の代わりに現金を渡してもよいのでしょうか。

現金の場合もある

もともとは故人の遺品を無駄にしないという意味もある形見分けですが、現在では物品を贈られても迷惑になるケースも少なくありません。

また「形見分けは現金で贈りたい」と故人が希望する場合もあるでしょう。

そのため、故人の愛用品を身近に置いて故人を偲ぶという形見分けの主旨から外れてしまいますが、現金での形見分けが行われることもあります。

しかし、現金での形見分けを行う場合は、相続に関係するため注意が必要です。

形見分けを現金にする時の注意点

故人が遺したものについては、本来すべて遺族などの相続人が受け継ぐべき遺産です。

高価な物品や現金を形見分けとして受け取る場合は、後になってトラブルになることもあるため注意が必要です。

相続税 ・贈与税

現金に限らず、1年間に110万円を超える価値のある絵画や宝石などを形見分けとして受け取った場合、受け取った側に贈与税が課せられます

また、故人の遺品に含まれる5万円以上の物品については、相続税の対象になるため遺産分割協議書への記載が必要です。

相続人と相談する

故人の遺産の中でも現金については、すべて相続人が相続すると民法で定められています。

そのため、現金で形見分けを行う場合は、相続人による遺産分割を行ったうえで、相続人の合意を得ておく必要があります。

ただし、故人が現金での形見分けを希望していた場合は、遺産分割前でも問題ありません。

押し付けない

形見分けは一般的な贈り物とは異なるため、先方が望まない場合は無理強いすべきではありません。

とくに、現金での形見分けは本来の慣習にそぐわないため、相応しくないと感じる方も多いようです。

先方が辞退した場合は、相手の気持ちを尊重しましょう。

形見分けを現金にする時のマナー

形見分けを物品で行う場合、決まったマナーはありません。

しかし、形見分けとして現金をむき出しで渡しては、受け取る方も抵抗があるでしょう。

先方に対して失礼にならないよう、一定の配慮は必要です。

贈る側のマナー

現金で形見分けを行う場合に決まった形式はありませんが、無地の白い封筒に入れて渡すのが無難でしょう。

表書きする場合は、仏式では遺品、神式では偲び草と書きます。

また、贈る金額についても、受け取った方が負担に感じないよう配慮が必要です。

渡す際には「形見分けに相応しい品が無いため、こちらをお受け取りいただけると幸いです」などと一声かけます。

現金だけ渡すのは物足りないと感じる場合は、簡単な手紙を添えるとよいでしょう。

受け取る側のマナー

現金に限らず、遺族から形見分けの申し出があった場合は、特段の事情がない限りは受け取るのが一般的です。

しかし、受け取ることに抵抗がある場合は、お断りしてもマナー違反にはなりません。

「お申し出はありがたいのですが、今はまだ故人を思い出してつらくなるので、お断りさせてください。」などと説明すれば角が立つこともないでしょう。

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形見分けをするタイミングと贈る範囲

故人を偲ぶための形見分けですが、行う時期は宗教によって異なります。

また、故人の形見を渡す相手には特に決まりはありませんが、礼儀として渡すべきでない方もいます。

形見分けをするタイミング

形見分けを行う時期に明確な決まりはありませんが、一般的な時期の目安は宗教によって異なります。

仏式では四十九日の法要後、神式では50日祭のあとに行うのが一般的です。

キリスト教では形見分けの習慣はありませんが、日本では追悼ミサ(カトリック)や召天記念日(プロテスタント)の際などに行われるケースが多いようです。

追悼ミサや召天記念日は、基本的に亡くなってから1か月後に行われます。

形見分けを贈る範囲

相続とは異なり、形見分けを行う範囲に決まりはありませんが、基本的には故人と親しい間柄の方が対象となります。

そのため、親族ではない親しい友人なども含まれますが、目上の方には贈らないのが礼儀とされています。

ただし、目上の方であっても形見分けを希望されている場合は、この限りではありません。

相続放棄をしている場合

何らかの事情から、相続放棄を希望している方が形見分けを受ける場合は注意が必要です。

故人が愛用していた文具やアクセサリーなどで、高価でないものであれば形見分けとして受け取っても相続放棄に影響はありません。

しかし、5万円を超える品や現金を受け取った場合は相続したとみなされ相続放棄できなくなる場合があります

相続放棄を希望する方は、形見分けを受ける前に弁護士や司法書士など専門家に相談したほうが確実です。

形見分けにお礼は必要?

通常は、何か贈り物を受け取った際にお礼をするのが一般的ですが、形見分けにお礼は必要なのでしょうか。

基本的に不要

基本的に形見分けは弔事にあたりますので、とくにお礼を用意する必要はありません。

弔事は喜ばしいことではありませんので、お祝いをいただいたときのようにお礼をするのは相応しくありません。

お礼ではなく連絡をする

形見分けはお祝いやプレゼントではないので、お礼を述べる必要はありません。

しかし、形見分けの品や現金が郵送されてきた場合は、届いた旨を伝えたほうがよいでしょう。

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形見分けで貰った現金の使い道

形見分けの本来の目的は、受け取った方が故人を思い出して偲ぶことです。

しかし、現金での形見分けの場合は、お金を眺めて故人をイメージするのは難しいでしょう。

形見分けを現金で受け取った方の中には、長く使える品物などの購入に使う方も多いようです。

形見を受け取った親族で多くみられるのは、常に身につけていられるようなアクセサリーや時計などです。

また、冠婚葬祭などで身につける真珠のネックレスや、数珠などの仏具を購入される方も少なくありません。

万年筆などの長く使用できる文具や、少量の金などを購入して子供にも受け継がせたいという方もいるようです。

花壇を作ったり木を植えたりして、自宅の庭を見ながら故人と過ごした日々に思いを馳せる方や、一緒にいられるように自宅を新築する際の資金の足しにする方などもいます。

友人の場合は、故人との思い出にまつわる品や共通の趣味に関係する品を購入する方も多いようです。

ワイン好きの方ならワイングラス、お酒好きの方なら酒器、グルメの方なら高級な食器といったイメージです。

故人が筆まめな方でしたら万年筆やボールペンなどの文具でもよいですし、料理好きな方なら鍋やフライパンなどの調理器具でもよいでしょう。

故人が愛用していた眼鏡と似たデザインの眼鏡を飾ったり、よく身に付けていた時計と同じものを身近に置いたりすれば、生前の思い出が甦る(よみがえる)かもしれません。

基本的に受け取った形見分けの使い道は受け取った方の自由ですし、使わずに専用の口座に残しておくという方や、故人直筆のメモなどに包んでしまっておく方もいます。

大切なのは形見分け本来の意味を忘れないことですので、その点を考慮に入れていれば思い思いの使い方で問題ないでしょう。

形見分け現金のまとめ

「fin」と書かれた紙

ここまで、現金で行う形見分けについての情報を中心にお伝えしてきました。

この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。

  • 一般的ではないが現金で形見分けをすることもある
  • 形見分けを押し付けるのは控えるべき
  • 現金で形見分けを行う場合は金額にも配慮が必要
  • 形見分けを行う時期は基本的に忌明け後

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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監修者

評価員(たなか)

田中 大敬(たなか ひろたか)

厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター

経歴

業界経歴15年以上。葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから著名人や大規模な葬儀までを経験。お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、特に士業や介護施設関係の領域に明るい。

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