子どもが困らないお墓選び

一般的にお墓と聞いてイメージする「一般墓」や、遺骨の集合住宅のような「納骨堂」、自然に還す埋葬方法である「散骨」など、一口にお墓といってもさまざまな種類があります。そうした中で、例えば一般墓の場合は代々継承していくことが前提となるため、将来的には子どももそのお墓に入ってもらえるかどうかも考えておかなければなりません。

他にも、散骨の場合であれば遺骨を自然に還してしまうため、お参りをする対象が無くなってしまい、後になって一般的なお墓にしておけばよかったと、子どもたちに後悔させてしまう可能性もあるでしょう。お墓を管理し、見てくれるのは自分の子どもたちになるのですから、彼らにとってそれがどういう存在になるかをしっかりと想像し、相談もした上で、お墓の種類を選ぶようにしなければなりません。

「どうせなら景色の良いところにしたい」「静かな場所がいい」など、お墓の立地に求める条件もさまざまあると思います。しかし、そこで大事になってくるのが、将来お参りに行きやすい場所なのかということです。お墓は建てて終わりではなく、定期的にお墓参りなどをするようになります。その際に、あまりにも自宅から遠い場所にあったり、行くための交通手段が限られていたりすると、お参りする子どもたちはどうしても不便を感じてしまいます。

また子どもたちもいずれは高齢となり、体力が落ちていってしまうものです。今は良くても、将来的にはお参りするのが厳しい状況になってしまうことも十分に考えられます。今現在だけでなく、長い目で見た上で、立地を決めていかなければなりません。

また立地やアクセスを見る上で一つ確認しておきたいのが、お盆やお彼岸時期の混雑状況です。お墓を探している時は大抵混雑するシーズンではないため、道や駐車場も空いており、快適にお参りできると感じることがあります。しかし、いざお参りのシーズンになると、道は大渋滞で、駐車場も満車で身動きが取れない、などと言う状況も珍しくありません。ハイシーズンでも余裕を持って訪れることができるかどうかも、重視するポイントの一つにしておきましょう。

お墓の立地はもちろんですが、併せて霊園内の設備や管理状況についてもしっかりと確認しておかないと、子どもたちがお参りをする際に予想以上の苦労が掛かってしまうケースがあります。例えば水場が近くになく、長い距離を重いバケツを持って移動しなければならなかったり、坂道や段差が多かったり、ひどいところでは霊園内の高低差が激しく、雨の日には川のような水が押し寄せてきてしまうような霊園も存在します。

自分自身で実際に歩いてみて、果たして快適にお参りができるのかどうかをしっかりと確認するようにしてください。お参りをしてみて、初めてわかる苦労というのもありますので、実際のシーンを体験してみるのが、失敗しないお墓選び最大のコツと言っても過言ではありません。