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単立寺院になるメリットとは？デメリットや単立化する方法も紹介
更新日：2022.11.17 公開日：2022.02.14
記事のポイントを先取り！
- 単立寺院は独立した寺院
- 単立寺院にはメリットもデメリットもある
- 単立化には多くの手続きが必要
寺院の種類のひとつとして、単立寺院というものがあることをご存知でしょうか。
初めて聞いたという方も少なくないかと思います。
そこでこの記事では、単立寺院について詳しく説明していきます。
この機会に、単立寺院のメリットやデメリットを知っておきましょう。
単立寺院の探し方についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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単立寺院とは
寺院の多くは包括宗教法人に属しており、一般的な寺院は包括宗教法人に属する寺院が多くなっています。
単立寺院とは、その包括宗教法人やその傘下にも属さない寺院のことをさし、特例的な存在になります。
特例的な立場にある単立寺院ですが、一般的でないからといってその宗派が特別ということはありません。
単立寺院となる理由は教義の解釈や寄付、お布施の考え方が総本山・神社本庁との食い違った場合などが多いようです。
有名な単立寺院では、秋篠寺や鎌倉長谷寺などが挙げられます。
こちらの記事で単立寺院について詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
単立寺院になるメリット
単立寺院は寺院として独立しているため、各宗派でよく聞く総本山などとの関係が希薄になります。
大々的な教義を大切にする宗教において、単立寺院となるメリットがあるのかという疑問を持つ方も少なくないでしょう。
ひとつの寺院が単立寺院としてやっていくメリットについて、簡単に説明します。
総本山への寄付金が不要
総本山とは、ひとつの宗派における大本となる寺院のことで、多くの寺院はこの総本山に統括されて成り立っています。
そこには少なからず上下関係は存在しており、総本山の傘下となる寺院は総本山に対して、ある程度の寄付金を必要とします。
しかし、単立寺院は総本山の傘下につくこともなく、独立して存在する寺院です。
総本山への寄付というものが不要であり、寺院で受け取ったお布施などは政治的な側面を除けば寺院のものとなるメリットがあります。
余計なしがらみがなく自由にできる
上記までに説明した通り、総本山を持たない寺院が単立寺院です。
総本山の傘下にある寺院では、総本山からの取り決めなどがあれば従わないわけにはいきません。
しかし、単立寺院ではそういった取り決めもなく、寺院内で自由に考えることができるので、檀信徒のために最大限機能できます。
壇家からのお布施に関する考え方しかり、宗派における一般的な考え方も含め、寺院で行うあらゆる施策を自由に行えます。
ですが、単立寺院もひとつの寺院であることに変わりはありません。
その宗派は基本的に特別なものではなく、宗教的な考え方は他と変わらないのです。
単立寺院だから法要を依頼するのは不安、などといった考えは必要ありません。
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単立寺院になるデメリット
自由であることが単立寺院のメリットである反面、自由であることが単立寺院のメリットとお伝えしました。
自由の代わりに、単立寺院ではどういったデメリットがあるのか気になる方もいるでしょう。
総本山とのつながりがないからこそのデメリットとなりますので、簡単に説明していきます。
援助が期待できない
単立寺院のメリットとして、施策やお布施に関して自由があるとお伝えしましたが、新しいことというのはトラブルがつきものです。
総本山の傘下となる寺院では、万が一トラブルが発生した場合でも、ある程度までは総本山が解決の手助けをしてくれます。
しかし、単立寺院においては壇家などとトラブルを起こしても、自力で解決しなくてはいけません。
自由が高いが故にトラブルとは隣り合わせとなり得る独立寺院ですが、仮に法的なトラブルに巻き込まれたとしても手助けがないのです。
寺院の関係者に対応できる者がいなければ、そのまま廃寺となってもおかしくはないでしょう。
信用されにくい
新しく設立された独立寺院であれば、その知名度は皆無ともいえます。
知名度もなく寺院の総本山も無い、あるいは不明と伝わればその寺院へ依頼する方もいなければ、壇家となる家庭も滅多に現れないでしょう。
長く続いており知名度もあれば、違った評価になるかもしれませんが、新参の独立寺院はその信用度は底辺ともいえます。
その状態から寺院の価値を周知させるというのは、とても大変なものです。
独立寺院はその初期段階において、一般的な寺院よりもはるかに苦労するものとなっています。
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単立寺院になるためには
単立寺院のメリットやデメリットを理解した知った上で、寺院を単立化したいと考える選択肢があります。
実際に単立寺院を目指す上でなにをしなくてはいけないのか、どういった問題が起こりうるのかを誰もが考える問題点に触れつつ説明していきます。
単立寺院に必要な手続き
寺院の単立化を考えた際に最初に行うのは、寺院内部における包括関係解消の手続きです。
端的に言えば、寺院を単立化したいという申請書を作成し、他必要書類と一緒に提出することです。
この場合、申請書には宗教法人規則変更認証申請書や印鑑証明などが必要となります。
最初に単立化を申請する寺院が包括関係にある総本山に向けて、包括関係の廃止を通知する必要があります。
同時にまた、単立化の申請をした予定日の二ヶ月前までに、壇家を含めた寺院の関係者にその単立化する旨を伝えなければいけません。
関係者に伝える上で、単立化を申請する寺院が包括関係にある総本山に向けて、包括関係の廃止を通知する必要があります。
上記の手続きを終え、所轄庁に単立化する旨の規則変更手続きの認証申請をします。
認証申請が受諾され正式に登録が変更されれば、晴れて単立寺院となるのです。
単立化は邪魔されない？
総本山にとってその傘下にいる寺院が必要である場合、単立化を目指す過程で総本山の妨害が懸念されます。
実際、寺院によっては単立化を申し込んだところ、その役員などを除名したという例もあるようです。
しかし、宗教法人法と呼ばれる法律の中では、単立化を申請した寺院に対して、総本山が妨害措置にあたる行為を行ってはいけないというものがあります。
寺院の単立化における妨害は、法律によって禁じられているのです。
とはいえ、細かな法律などは調べたからといって全てを理解するのは困難かと思います。
実際に寺院の単立化を目標としている方は、法律事務所へ相談して弁護士を雇った方が、安心して単立化を完了できるでしょう。
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単立寺院から本山に所属するには
前述してきた内容で単立化した寺院が、維持が困難と判断したり前とは違う包括団体に加盟したいと考える場合がありますこともあるでしょう。
世間から見れば都合のいい寺院と思われるかもしれませんが、寺院を管理するというのは大変なことです。
過去とは違う包括団体でも、過去と同じ包括団体でも、再加盟は可能となっています。
基本的な流れは、単立寺院になるときと変わりません。
必要書類を作成して提出し、包括関係となる二ヶ月前までに関係者へ通達し、所轄庁を介して認証申請し受諾されれば、被包括宗教団体となります。
単立化と違う点は、包括関係となる本山へと連絡を取り、認証申請以前に包括関係となる承諾を得なくてはいけません。
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単立寺院の探し方
単立寺院について知り、単立寺院として成立している寺院はどんな寺院があるか気になる方もいるでしょう。
そうした際にどうやって単立寺院を見つければいいのか、簡単に説明します。
検索サイトを使って探せる
説明というほど難しいことはなく、単立寺院について検索エンジンで調べれば確認できます。
一部の例であれば「有名な単立寺院」や「単立寺院 お寺」などで検索すると著名な単立寺院の一覧などを観ることができるでしょう。
ただし、新しい単立寺院や小さな単立寺院となると探すのは難しいかもしれません。
近所で見かけたらか調べたい、などの場合は寺院名を入力すれば公式ページを見つけることができるかもしれませんので、一度検索してみましょう。
著名な寺院
著名な単立寺院となると、伏見稲荷大社（京都市）のすぐそばにある伏見妙見寺や世界遺産とされる宇治市にある平等院などがあります。
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単立寺院のメリットまとめ
ここまで単立寺院についての情報や、単立化の手順などを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 単立寺院とは、総本山を持たない寺院のこと
- 単立寺院のメリットは自由であること
- 単立化は弁護士などを雇うとやりやすい
- 単立寺院を探す際は検索エンジンを利用すると良い
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
山口 隆司（やまぐち たかし）
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。
