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単立寺院ってなに?一般的な寺院との違いを解説。

更新日:2022.11.17 公開日:2022.03.03

霊園

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  • 単立寺院は独立した宗教法人
  • 単立寺院は自由に運営できる
  • 宗門寺院は繋がりや信用を得やすい
  • 伝統宗派系の単立寺院もある

全国にある寺院の中には、単立寺院と呼ばれる形態のものが存在しています。
この単立寺院という言葉について、聞き馴染みのない方や、知っていても意味が分からない方もいらっしゃることでしょう。

そこで今回の記事では、単立寺院とは何かを詳しく解説していきます。

一般的な寺院と単立寺院にどのような違いがあるのかを知ることで、理解を深めておきましょう。
有名な単立寺院や、単立寺院での葬儀の方法などについても触れているので、ぜひ参考にしてください。


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  1. 単立寺院とは
  2. 単立寺院と一般的な寺院の違い
  3. 単立寺院になるメリット
  4. 宗門寺院のメリット
  5. 単立寺院だからといって思想が違うとは限らない
  6. 単立寺院になるための手続き
  7. 有名な単立寺院
  8. 単立寺院に葬儀や法要を依頼できる?
  9. 単立寺院についてのまとめ
  10. みんなが選んだ終活の無料相談はこちらか
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単立寺院とは

「単立寺院(たんりつじいん)」とは、上位組織の傘下に属しておらず、独立して存在している寺院のことを指します。

この上位組織とは寺院の場合は総本山のことで、伝統的な宗派では総本山の傘下に所属している寺院が大半を占めています。

そのため、それらと区別するために単立寺院という言葉が使われているのです。

しかし、単立寺院だからといって、必ずしもどの宗派にも属していないという訳ではありません。
単立寺院の宗派や教義に関しては、後述する項目で詳しく解説いたします。

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単立寺院と一般的な寺院の違い

寺院や神社に代表される宗教法人には、「単位宗教法人」と「包括宗教法人」の2種類が存在しています。
また、単位宗教法人のなかにはさらに「被包括宗教法人」と「単立宗教法人」の2種類が存在しています。

被包括宗教法人とは、上位組織の傘下に入っている単立宗教法人のことを指す言葉です。
それに対し、単立法人は被包括ではない宗教法人のことを表す言葉で、単立寺院もこれに該当します。

寺院や神社などの宗教法人の多くは宗派があり、その宗派の上位組織に所属している場合がほとんどです。
そのため、一般的な寺院の多くは何らかの宗教法人の傘下にある、被包括宗教法人だといえます。

つまり、単立寺院と一般的な寺院の違いは、包括宗教法人に属しているかどうかという点にあるのです。

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単立寺院になるメリット

ここでは、その単立寺院になることで得られるメリットについて詳しく解説していきます。

自由に運営できる

単立寺院は、一般的な寺院と比較すると自由に運営しやすいという点が大きなメリットとして挙げられます。

たとえば、被包括寺院であった場合、所属している包括宗教法人の方針やルール、ほかの所属寺院への配慮が必要となります。

それに対し、単立寺院は独立した存在であるため、そうした方針やルールを気にせず、自分たちがやりたいように運営することが可能です。

特に寺院では、伝統的な宗派で総本山が存在する場合、旧来の伝統に則って運営することとなるため保守的になりがちです。

しかし、単立寺院であれば挑戦をしやすい環境のため、新たな試みにも取り組みやすくなります。

自由な運営によって檀家や信徒に寄り添えば、より身近な寺院であることにも繋がります。
寺院がその地域にとってより良い形で在りたいと思う場合には、単立寺院であることがプラスに働くこともあるのです。

資金面での負担が減る

資金面での負担が減るというのも、単立寺院であることのメリットとして大きな点です。

被包括寺院であった場合、本山などの上位組織に対し、上納金やお布施が必要となる場合が多くあります。
そうなった場合、傘下の寺院には資金面で少なからず負担が発生します。

資金の負担は寺院運営にも影響を与えます。

単立寺院のなかには、こうした上納金やお布施が必要であることをデメリットと考え、独立した場合もあります。

単立寺院として運営すれば、こうした資金面の負担を減らしてより必要なところに資金を使うことが可能になります。

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宗門寺院のメリット

宗門寺院とは、ある宗派の本山に所属しており、伝統的な思想・教義を有している被包括寺院のことを指します。
ここでは前述した単立寺院のメリットに対し、宗門寺院であることのメリットをご紹介します。

看板の信用

宗門寺院は伝統宗派に属する寺院であることが多いため、信用を得やすくなるというメリットがあります。
無名の単立寺院では、伝統がないことにより、地域の信用を得にくい場合があります。

信用を得にくいと、思ったように檀家を獲得できず、寺院運営にも悪影響となるでしょう。

しかし、伝統的なだれでも聞いたことのある宗派の場合には、本山の看板を掲げることで、地域から受け入れてもらいやすくなります。

寺院の運営が安定しやすいのは、宗門寺院ならではのメリットです。

徒弟教育の便宜

単立寺院では、徒弟教育を自分たちのみで行わなければなりません。
しかし宗門寺院では本山で教育を行う期間があったり、道場で教育を行う資格をもらえたりします。

こうした徒弟教育の便宜は、宗門寺院だからこそのメリットだといえるでしょう。
また、伝統的な徒弟教育は、世代交代によって教義にブレが生じることを未然に防ぐという面でも重要です。

単立寺院で無宗派の場合には教義の根幹が不安定なことも多く、世代交代と同時に教義がぶれる可能性があります。

それに対し、徒弟教育がしっかりしている宗門寺院では、伝統的な宗派を受け継いでいける仕組みがあるため安心です。

地域のお寺同士のつながり

地域の寺院同士でつながることができる点も、宗門寺院のメリットのひとつです。
近くに自分たち以外にも同じ宗門の寺院がある場合、季節の行事や経典の勉強に関しての情報交換が行えます。

こうした情報交換は、より地域に適した形で寺院を運営していくことにも役立つでしょう。
また、ほかの寺院から葬儀や法事などのお手伝いに来てもらうことも可能です。

単立寺院の場合、こうした寺院同士のつながりを築くことは宗門寺院よりも難しくなります。
単立寺院は独立した状態で運営されるため、ほかの寺院とのつながりが希薄になる傾向にあるためです。

困ったときに助け合える存在がいるというのは、宗門寺院の大きなメリットといえるでしょう。

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単立寺院だからといって思想が違うとは限らない

単立寺院は上位組織に属していないからといって、思想・教義も独立したものであるとは限りません。
単立寺院のなかには、伝統的な宗派に則って教えを説いていることもあります。

そのような場合には、思想を受け継いでいる宗派の名前を入れて「〇〇派」などということもあります。
総本山の傘下にないからといって、必ずしも特殊な信仰を行っている訳ではないのです。

単立寺院というのはあくまで、法的な形式のことを表す言葉であり、思想が違うとは限らないということを覚えておきましょう。

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単立寺院になるための手続き

被包括寺院は教義の解釈の違いを始めとするさまざまな理由により、独立して単立寺院になる場合があります。
ここからは、独立して被包括法人から単立寺院になるための手続きの流れを詳しく紹介していきます。

単立寺院になるためには、以下の順番で正式に所轄庁への書類の提出を行わなければなりません。
法律に則って独立するための方法を知っておきましょう。

申請の2か月前までに信者や関係人に公告

単立寺院になるためには、書類による認証申請を行う前に信者や関係人に対して、単立寺院になることを公告する必要があります。

公告とは、ある事柄を多くの人に広く知らせることをいい、ここでは「単立寺院になること」を知らせます。
また、公告では掲示板・新聞・ネットへ掲載するといった方法が取られます。

また、公告を受けて関係人や信者から異議が述べられる場合があります。
異議が述べられたままでも、公告が終了したら認証申請を行うことは可能です。
しかし、訴訟などに発展して問題が大きくなることもあるため、事前に協議して話を通すのが良いでしょう。

また、公告は認証申請をする際に3名以上に公告が確認されている必要があり、申請には3名の署名捺印などの証明が必要となります。
広告は申請に必要となる手続きのため、必ず期間を守って実施しましょう。

包括宗教団体に対して包括被包括関係廃止の通知

広告期間が終わったら、包括宗教団体から認証申請前に被包括関係廃止に関しての通知を行います。
被包括関係廃止にあたっての手続きに違反があった場合、包括団体は所轄庁に報告することが可能です。

所轄庁に報告することで、廃止が取りやめになることはありませんが、審査は報告を加味して行われることとなります。

また、包括団体から承認が必要だといわれる場合がありますが、実際には承認がなくても認証申請を行うことはできます。

これは承認を得られなかった場合、信教の自由が包括宗教団体によって制約されてしまうためです。

所轄庁による認証・登記

公告から2ヶ月が経過したら、都道府県の所轄庁に対して規則変更認証申請書を提出しましょう。

所轄庁では、責任役員会議での承認や総代の同意、広告の実施など、寺院規則に則って手続きが行われているかの確認が行われます。

確認が完了し、規則通りに手続きが行われていることが認められたら、所轄庁から認証書の交付がなされます。

認証が行われると、被包括関係の解消が法的に認められるため、最後に認証書の交付から2週間以内に変更登記の申請を行います。

登記完了後、登記事項証明書を所轄庁へ提出したら手続きは完了です。

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有名な単立寺院

単立寺院のなかでとくに有名なものとしては、法然院善光寺鎌倉長谷寺などがあります。

法然院は1680年に建立された由緒ある寺院です。
もともとは浄土宗の傘下にある寺院でしたが1953年に独立し、現在では単立寺院となっています。
また、善光寺は無宗派の寺院であるため、単立となっています。

善光寺の「一光三尊阿弥陀如来像」と呼ばれる日本最古の仏像があります。
これは6世紀に百済から伝来した仏像で、大変歴史あるものとして現在も多くの観光客が参拝する仏像です。

鎌倉長谷寺は浄土宗系の寺院で、高さ約9メートルの日本最大級といわれる木造の仏像、「十一面観音菩薩像」があります。
もともとは浄土宗の傘下にあった寺院ですが、現在では単立となっている寺院のひとつです。
単立寺院はさまざまな理由から、本山から独立して独自運営をしています。

上述の内容からも分かる通り、単立寺院は必ずしも歴史が浅い訳ではなく、そこには歴史の長い格式高い寺院も含まれています。

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単立寺院に葬儀や法要を依頼できる?

単立寺院であっても、伝統宗派に属している寺院であれば、葬儀・法要も問題なく依頼が可能です。
単立だからといって、伝統的な葬儀・法要が行えない訳ではありません。

どちらかというと、その寺院の教義や宗派に大きく左右されるでしょう。
葬儀・法要を依頼する際は、その地域に根差して活動をしているかどうかを基準にして判断すると良いでしょう。

単立寺院であるか、宗門寺院であるかどうかは関係なく、その寺院に必要とする葬儀や法要が依頼できるかという視点が重要です。

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単立寺院についてのまとめ

ここまで単立寺院の特徴や、一般的な寺院との違いなどを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。

  • 単立寺院とは、ほかの宗教法人の傘下に入っていない寺院のことを指す
  • 単立寺院は自由に運営でき、上位組織にお布施や上納金を渡さなくて良い
  • 宗門寺院は信用を得やすく、徒弟教育の環境も整備されており、ほかのお寺とのつながりを得やすい
  • 単立寺院だからといって、伝統的な宗派や教義に従わない訳ではない

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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監修者

評価員(はかまだ)

袴田 勝則(はかまだ かつのり)

厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター

経歴

業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。

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