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一人ひとりの歴史を自分史に刻む|「人となり」を紹介

更新日:2022.11.17

皆様は「自分史」をご存知でしょうか。

自分史とは「自分自身の生涯あるいは半生の出来事を文章化したもの」と一般的に定義されます。
(※人となりホームページより引用)

今回は、過去から現在、そして未来へと時空のイメージを広げ、伝承することで感動と誇り溢れる「今」を感じていただくために一人ひとりの自分史制作によりそう人となりを紹介いたします。

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  1. 自分史とは
  2. 自分史制作「人となり」の特徴
  3. 代表池田様にインタビュー
  4. 代表池田様からのご挨拶:「形見」
  5. 会社概要
  6. 取材を終えて
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自分史とは

自分史とは冒頭で述べた通り「自分の歩んできた人生の記録」です。

近年では自分のことをより深く知るためのツールとして注目を浴びるようにもなってきています。

これまで自分がどのような道をたどり、その中でどのような選択をしてきたのか、そして未来に何を残すのか。

自分史はそのような思いを形として残すことができます。

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自分史制作「人となり」の特徴

自分史制作はこのように盛り上がりを見せているため、さまざまな企業が制作代行を行っているのですが、「人となり」の特徴はどこにあるのでしょうか。

以下に「人となり」の特徴をまとめます。

  • プロによる本格的な撮影取材スタイル
  • インタビュー形式での綿密な打ち合わせ
  • プロのクリエーターによる制作作業の分業化
  • 製本タイプ、サイズ共に豊富なバリエーション
  • 安心していただけるデザイン校正
  • ご要望に合わせた最適なプランをご提案
  • 1冊から発注可能
  • 無料でデジタル化

※「人となり」ホームページから引用

このように豊富な特徴を持つ「人となり」ですが、代表の池田様にインタビューを行わせていただいたので以下からインタビューの内容を紹介します。

代表池田様にインタビュー

みんなが選んだ終活:

自分史作成のサービスを開始されたきっかけや、サービスに込められた思いを教えてください。

池田様:

自分史制作のスタート地点は「家族の記録」でした。

私の本業はカメラマンということもあり、家族に関わるイベントの撮影は日常的でしたが、ある時 お付き合いのあるご家族の一人が亡くなられたことをきっかけに、その方を忍んで所持品などを撮影して冊子にまとめて欲しいという依頼をいただきました。

対象となられた方のコレクションは 数十年に渡るお茶の免状や掛け軸など、質素な生活をなさっていながらも、とてもキャリアを感じる所持品が多数ございました。

その所持品を撮影しながらご家族の方々と案件を進めていくにつれ、いつの間にか家族の皆さんがその制作に色々な形で関わっていただくことができました。

出来上がった冊子は「記録」というよりは「自分史」でした。

その自分史は一般的な文章を主体とするものではなく、写真を中心にキャプションなどで開示していくような、どちらかといえば写真集みたいなものになりましたが、ビジュアルでテンポよく閲覧できる冊子は「見やすい」との好評をいただき、そのことが後々このサービスを始めるきっかけになりました。

このサービスへの思いは「時間の伝達」に尽きると思います。

過ぎ去る時間や止まった時間をいかに未来へと伝達できるのか。

スタートした案件が写真集に近い「ビジュアルで見る自分史」であったこともあり、写真というストレートな時間表現を自分史の大枠とすることで、親しみやすく読みやすい、そして視覚的にも忘れられない冊子を作ることを最優先のテーマとしております。

みんなが選んだ終活:

自分史には文章が中心のもの、写真が中心のアルバム形式のもの、雑誌タイプのもの等、様々なスタイルがあると思います。

「人となり」で制作する自分史にはどのような形式や、内容のものがあるのでしょうか。

池田様:

自分史のスタイルや形状に関しては一切制約がありません。

昔ながらによくある伝記のような上製本や、マガジン感覚の無線綴じ冊子に至るまで、全てはお客様のオーダー(どうしたいか)によって制作のプランを決めてまいります。

お客様によっては代筆をオーダーなさる方もいらっしゃれば、写真の選別や整理なども含めて自身の日記をまとめて欲しいという方もいらっしゃいます。

ご要望の幅を広げるということは、一見主体性がなく何でもかんでも請け負うような自分史制作に捉えられがちだと思うのですが、当サービスの場合は、個性のあるクリエーターがそれぞれの担当箇所(プランニング・デザイン・代筆・撮影)を分業することで、型にはめたありきたりな制作スタイルからは逸脱しているともいえます。

お客様のオーダーを的確にはめ込むことができる形式的なプラン提示は、制作に関わる入り口までは必要ですが、その後の展開はクリエーターからの意見も含めてご提案をさせていただくようにしております。

ここ最近の傾向としては、かさばらずに手に取りやすく、小ロットの製本においてもコストパフォーマンスのいい「フォトブック形式」の冊子に人気がございます。

自分史の内容は親族に向けた「遺品整理の写真集」や、お孫さんに向けた「自身の社会経験を伝える伝記」、3世代で80年間続けたご商売の記録を数ヶ月かけて取材した「商売の記録史」など、いずれもお客様の想いの積もった内容が多岐に渡ります。

みんなが選んだ終活:

自分史制作においては、本や冊子の形式と動画形式をご提供されていると思います。

選択するにあたって、それぞれ、どのような特徴や違いがございますか。

池田様:

製本と動画の違いは「親近感」「空気感」「臨場感」でしょうか。

自分史を創ろうとするお客様の最終目的によっても捉え方は変わると思うのですが、一言で言ってしまえば 動画は感覚を制作側の方で強制的に誘導していくことが容易いので、その意味ではインパクトは強いものになると思います。

製本された自分史の文章、静止画、キャプションなどでは感じられない「親近感」「空気感」「臨場感」を、音や映像と共に視聴することになりますので、製本では味わえないリアルな感覚がそこにはあります。

一方で完成された動画の視聴はどのようなタイミングで行えるのかという、行動的な制約もそこにはございます。

製本された自分史はその製本さえ手元にあればすぐに閲覧することはできますが、動画の場合は何かしらの映像機器(スマートフォン、ディスプレイ、オーディオ機器など)を必要とします。

先ほど動画の「親近感」「空気感」「臨場感」について述べましたが、製本は対象的な「存在感」にあたると考えます。

映像はとりあえず記録メディア(DVDやブルーレイ)に付随するカバーなどのデザインでその存在感を示しますが、製本はそのもの自体に存在感があります。

つまりそのものがあれば、すぐに見れる、触れる、読める、持ち運べる、ということです。

このことは「存在感」とは切っても切れない関係にあり、「存在感」のあるものは、そのものがそばにあるだけで「安心」できるものでもあるのです。

このように現代の「自分史」というモチーフとしては、製本も動画も一長一短はあると思います。

お客様へはオーダーからのヒヤリングの後、最適な取材方法を実施させていただいております。

今まで聞き取り取材だけで対応していた内容も、映像を取り込む動画取材になれば、自ずと表現の幅が格段と上がるため、実際にその自分史をお客様が将来どのように扱いたいかによって様々なご提案をさせていただいております。

みんなが選んだ終活:

「人となり」のサービスならではの特徴や、強みを教えてください。


池田様:

当サービスの特徴は

  • お客様のオーダーに沿った製造ラインをその都度組み上げるプランニングの融通性
  • 専門分野のクリエーターをマッチングさせるクォリティーの高いプロデュース能力
  • 形式ばったフォーマットには沿わず、お客様のなさりたいことが自由にできる制作内容の拡充

などが挙げられます。

案件ごとにそれぞれの担当プロデューサーが仕切り、制作内容はそれぞれ選抜された担当クリエーターが対応いたしますので、一辺倒で同じようなテイストの制作物には決してなりません。

そして重要なことは「お客様のオーダーに沿う」ということなので、スタート時点においては制作の制約にあたる「フォーマット」という概念がまるでないのです。

みんなが選んだ終活:

どういった背景からご利用されるお客様が多いですか。

また、こういった方々に利用していただきたいという思いはございますか。

池田様:

ご依頼をいただくお客様それぞれに「特別な想い」を持たれている方がほとんどです。

その「特別な想い」の意味するものは「将来への不安」や「遺言」「伝言」「継承」などと結びついていく場合が多いのですが、お客様の中には何かしらの「タイムリミット」と背中合わせの状況でご依頼をいただくことがございます。

一例としては

  • 自身で立ち上げた自営業の方で、ここ最近で脳梗塞を患い、将来の事業や家族に対しての不安が一挙に高まった。
  • コロナ感染症の影響から、数ヶ月で自身の経営する商業施設をたたまなければならなくなった。
  • コレクターの先代からコレクションを引き継ぎ間もない若い相続人が、交通事故で急死してしまった。

このような例では、ご自身や近親者のアクシデントなどから負の連鎖を避けるためにも、終活や自分史などの選択肢を選ばれているのだと思います。

当サービスにお越しいただくまでの情報経路はインターネットが圧倒的で、次が口コミ、既存のお客様からのご紹介と続きます。

ご利用いただくお客様にとって「自分史」という捉え方も変わりつつあるように感じます。

中年層から若年層に至っては「自分史」というキーワードの認知はまだまだ低く、その単語すら興味のない方もおられます。

反面「写真集」は、ほぼすべての年齢層においての認知度があります。

このような背景からも、従来より「想いをしたためる」内容の多かった自分史は、今後は「想いを伝えていく」自分史へと変化していくのではないかと思います。

何かを伝えようとする手段として、言葉とともに写真のような分かりやすいビジュアルを添えておくこと、それは電子機器に依存するような存在の薄いものではなく、目の前にしっかりと形として存在するものにする、それが自分史でもあり写真集でもあるのです。

終活の際は物質的な「物品の処分」を避けて通ることはないと思います。

ただ、処分していく物への想いは、そもそもが他人が伺い知れる余地すらないと思うのです。

そんなデリケートな想いを記録し、次のステップへとその「想い」をリレーすることは、当サービスの責務であると考えます。

お客様の人生がより豊かになること、そしてそのことによる幸せを感じていただけること。

当サービスへ終活のサポートや自分史制作をご依頼をいただくお客様へは、いつもそんな想いを込めて接しております。

みんなが選んだ終活:

終活のサポートにも取り組まれていらっしゃると思います。

終活という観点から、自分史を作成するメリットや自分史の役割について教えていただけますでしょうか。



池田様:

終活をなさる方々は、何かしら時間のライン引きをしておられる方が多いかと思われます。

「そろそろ家も建て替えるし」

「まるで片付かず、そろそろ歳も歳だし」

「新しい生活を歩もうかなと」

「環境の変化を自身でチャレンジしてみたい」

終活のやりかたは人それぞれなので、その方の価値観はとても大切なのだと思います。

ただしその価値観は凝り固まっている場合が多く、結果的に物が捨てられず右往左往してしまい時間ばかりが過ぎていき、引き出しを開けて色々取り出していたら日が暮れていたなんてことは、どうやら笑い話でも無いようです。

当サービスが推奨する一番の終活のポイントは「きれいな写真に残しておく」というビジュアルを利用したご提案になります。

形見やコレクション、世代が変わればまるで興味や価値観が変わる場合は多く、結果的に理解なく雑に処分されてしまったり、思いばかりが募っていて実際には「タンスの肥やし」で捨てられてしまうような気の毒な品々も多々あると思います。

そんな品々との「踏ん切り」を後ろ髪引かれることなくサクッと解決するのには、記録としての写真を撮ることでその思いを断ち切ろうという、ある意味「誘導」であるとも言えます。

終活を時間制限を設けて行う場合、この「踏ん切り」や「誘導」は決して一人で容易くできるものでは無いはずです。

私どもの終活サポートへの取り組みは、このような「気持ちの切り替え」をお手伝いするものでもあると考えております。

色々な義理や思い出からどうしても手放せないものや、諦めがつかないもの、場合によっては物に囲まれていないと不安になってしまう方がいらっしゃるのも事実です。

終活という観点からは、ビジュアルで観るような自分史をお手元に残せるという選択肢で、終活のハードルを下げる一つの要因として扱っていただきたいと願ってやみません。

自身を振り返りその半生をまとめることができる自分史は、終活を円滑に進める「潤滑油」として捉え、そこから次元の変わるであろう新しい人生のモチーフとしても、積極的に活用をしていただきたいと考えております。

みんなが選んだ終活:

終活サポートではどのような取り組みを行っていらっしゃるのでしょうか。

池田様:

まずはご依頼いただいたお客様への聞き取りを充分行います。

処分品の確認や、今後の人生設計から生活に関わる一連の不安内容などを順序立てて理解し、場合によっては処分業者を斡旋したりもします。

当サービスにご依頼をいただける案件は少なからずタイムリミットがかかった案件が多いため、お客様の経済状況などを鑑みながら、無理なく終活できるプランを一緒に考えます。

本来、我々の最終目的は終活のサポートではなく「終活への起爆剤」ともなる「記念のアルバム」制作です。

ただしその過程には終活サポートは必須項目であり、それなしではまるでうまくいきません。

この「終活」をやらなければならない地味なイベントと捉えるのではなく、「新しい明日への取り組み」として考え、お客様との笑顔やコミュニケーションを、取材や自分史を通じて分かち合いたいと考えております。

みんなが選んだ終活:

サービスを提供する中で、印象に残っているエピソードや、お客様の声で印象に残っているものを教えてください。



池田様:

ご高齢のお客様の場合、ご自身の持ち物全てを把握しておられるわけでは無い場合が多く、訪問時の後先で「紛失疑惑」をいただいてしまう懸念が常にあります。

特に同居人、近隣の方などの複雑な人間関係は元より、そこに物があったか無かったかとのいわゆる「勘違い」は意外と多く、場合によってはそのトラブルに巻き込まれてしまう場合も想定してあります。

終活の取り扱い内容によっても異なるのですが、場合によってはお客様の持ち物を一度お預かりして当サービスの撮影スタジオで撮影する場合もございます。

そのような時のルールとして当サービスでは、お客様からの依頼時に「物品借用書」をお互い同じ書面で捺印したものをお渡ししています。

それと訪問時の身なりや振る舞い、持ち物などにも気を使います。

未だに「紛失疑惑」をいただいたことはございませんが、お客様からは「物品借用書」の提示に関しても、安心できるとのお褒めの言葉をいただいたことがあります。

印象に残るエピソードとしては、このような現場で、お客様との信頼関係が生まれていく瞬間なのだと思います。

みんなが選んだ終活:

サービスを通して広めたい思いや今後の展望をお伺いしてもよろしいでしょうか。

池田様:

以前あるお客様から

「遺品になっていく我々の持ち物は、あんまり撮影はしたくないんだよね」

というお話をいただいたことがあります。

どうやら遺産相続に向けた税金の兼ね合いらしいのですが、かなりシビアなお話に、妙に関心や納得をした記憶があります。

その方は終活という目的で当サービスをご利用ではなく、代筆を主体とした自分史を、自身が所持をなさっているの膨大な家族写真の整理と一緒に依頼をされた方だったのですが、その際に私が感じたことは「写真」の捉え方一つとっても様々な考え方があるのだなということでした。

「家族の記録」からスタートした当サービス「自分史制作なら 人となり」ですが、様々な案件をいただくうちに、ほぼ全ての案件で共通な事柄が分かってまいりました。

それは制作される内容がいかなるものでも、お客様は「未来」を考えていらっしゃるということでした。

それは

  • この環境、状況、瞬間を残しておきたい
  • 自分の思想、考え方、教わった知恵や技術を伝えておきたい
  • 言葉では伝えきれない今の現状や複雑な事柄をしっかりとまとめておきたい

というような内容に結びつきます。

この中には行動を示す言葉として「残す」「伝える」「まとめる」という動詞が出てきますが、これは全て未来を前提で用意をする、まさにその行動なのだと思うのです。

終活のサポートや自分史制作など制作の最中で、いつも心がけていることの中の一つに、この「未来」があります。

今オーダーをいただいている案件は一見、過去から今に遡った処理しているように思えるのですが、実は数年や数十年先へ伝達物としての準備をしていることなのだと思います。

「このページにある先代の日本間に飾ってあった掛け軸なんだけどさ、ちょっと見てよこれ素敵でしょう」

「ほらっ、ここに写っている棚の中に素敵な掛け軸がいっぱいあったのよ」

「実家を処分する時にみんな整理してしまったんだけどね、全部記念に撮影しておいてもらったのよ」

「へ~すご~い、素敵な掛け軸いっぱいあったんだね~、先代のお人柄もなんとなく分かるね」

このような未来の会話が理想と考えます。

終活のサポートを含めた情報収集や整理を通じて、今、そして将来のお客様へ少しでも幸せを感じていただけること。

そのためには、そのイメージをいかにお客様へお伝えしていくことができるのか。

自分史制作の仕事は、お客様と一緒に共有できる「未来のビジョン」がなければ、なりたたない仕事なのではないかとつくづく思うのです。

みんなが選んだ終活:

みんなが選んだ終活の読者へ向けてメッセージをお願い致します。

池田様:

終活や自分史制作など、その目的意識は千差万別で、内容に関しては「正解」とか「完成」のような終着点のようなものはないのかもしれません。

自分史の制作時にいつも感じることは「伝えていく」ということの難しさです。

著名人の伝記ひとつとっても翻訳者や編集者のニュアンスにより、際立つ「人となり」やその方のイメージはガラッとかわります。

先日、80年の歴史に幕を降ろすことになった、都内のある商業施設を取材したときのことですが、支配人の方とのやりとりに心を打たれたできごとがあります。

経営者はその施設の「終焉」を選択していましたが、一方で支配人の方はその事実を受け入れることができていませんでした。

ちなみにこの取材での経営者と支配人は親族関係にあります。

そしてその案件は施設の経営者から直接「自分史制作」の依頼を受けたわけではなく、施設のヘビーユーザーでもあるお客様からの依頼であったため、スタート時点から「取材」に関わるお互いの行動に若干の温度差を感じてはいました。

むろん施設の経営者にしてみれば、この時点では取材どころではなく、終焉後に向けた様々な後処理の段取りと日常の激務に追われ、さすがに常連のお客様からのリクエストだとしても、正直なところ相当なストレスがのしかかっていたのだと感じ取ることができました。

取材も終盤を迎えた頃、施設の看板の前で支配人の方に写真を撮ろうとご提案をしたところ、いままで何事もなく取材を受けていただいていたその方が、初めて取材を受けることを拒否されました。

「この事実を、未だに受け入れることができないから・・・」

その支配人の方は半世紀近くをこの商業施設で従事され、ほぼ人生の大半をここで過ごされた方でもあるのです。

取材としてたかだか1~2ヶ月ほど通っただけの我々取材班の捉え方と、支配人の方の施設の捉え方はまるで次元が異なるものでした。

この一件で当初予定していた商業施設の取材シナリオは、大きく舵取りを切らざるを得なくなりました。

それは、まさか施設の支配人が看板とともにその歴史には参加したくないと表明されたからです。

その言葉は私以外の取材班の心にも響きました。

すでに計画をされていた自分史のデザインや、支配人のお気持ちに配慮したシナリオの変更には数日を要しましたが、その修正中に我々スタッフ間では「取材をする側」と「取材を受ける側」の隔たりに対して様々な議論がされました。

終活の見解から鑑みて今回の場合は、ある意味、制限時間を突きつけられ強制的に「生前整理」を強いられているような状況でもあります。

「生前整理」と「遺品整理」の違いは、このような「制限時間」にも関わることなのだと思います。

もちろん遺品整理においても、様々な理由から制限時間がかけられる案件もあることは承知しております。

文字どおり「終活」という言葉は終焉に向けて活動をする内容ですので、それはまさに活動することができる方がいらっしゃることが前提で「生前整理」になります。

反面「遺品整理」は「遺品」という言葉が示すように、持ち主がいなくなって時間が止まっている状態での物の整理になります。

そして最大の違いといえば、同じ整理でも「自分が関わる・関わらない」なのではないでしょうか。

今回の支配人の方の場合、前者の「生前整理」でご自身が関わることの整理になったわけですが、どちらかというと「遺品整理」よりも「生前整理」の方が、関係する方々のご苦労が多いのではないかと思うのです。

遺品には「おいてある場所」「物の価値」「所持する方の価値観」「遺族への思い」など自分とは直接的に関係が浅い場合が多いのではないかと思われますが、生前品とも言える自身の持ち物は、ほぼ100%が自分と何かしらの関わりのある物になります。

同じ「整理」という括りの中でも、この差は大差なのだと感じました。

現代の日本では不自由が少なくなり物が溢れ、リサイクルや有効活用を推進する環境に配慮した仕組みづくりが急激に進んでいます。

ご高齢者の方々が必死に支えてこられてきた戦中直後の日本では、その世代の方々は物を大切にする精神と、何よりも戦中において限りある資源をいかに大切にするか、ストックをしておくかという知恵と感覚が身に染み付いている世代でもあるはずです。

今、遺品整理に踏み切れない方々の中にはこのような流れを汲み、ご先祖様の思いや息遣いなどが感じられる遺品を前に、二の足を踏んでらっしゃる方が本当に多いのではないでしょうか。

今回制作させていただいた商業施設の自分史、というよりは「社史」に値しますが、我々スタッフの提案として、ご先祖様の遺影や表彰状、免状、許可証などを、あえて強引にページを割いて掲載させていただきました。

それにより支配人の方が少しでも終活に向けた「踏ん切り」になればと考えました。

と同時に、先代がいらしたからこその80年(存続期間)という、基本的な歴史の概念は風化させてはならないと思いました。

このことはお客様の歴史を刻む立場にある、我ら制作者の使命であるとも考えております。

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代表池田様からのご挨拶:「形見」

製本された写真集や自分史は、昔ながらのしっかりとした紙媒体です。

デジタル画像とは違うので、すぐに見れたり、瞬時にどこかに送ったりすることはできません。

それなりに場所はとるし、かさばるし、そこそこ重いので、片手間で手軽に扱うことすらできません。 

ついでに写真をのぞいたり文章を眺めたりと、それとなくおっくうになりがちな存在でもあります。

「今時そんなこと、スマートフォンですべて解決できるじゃないか」  

って、近くの誰かはささやきます。 

手のひらサイズの通信技術は、テキストや音声、映像に至るまであらゆる情報をコンパクトに手元でまとめてくれます。

しかもその情報源は無尽蔵であり、とめどなく求めることで、何時しかその時間は翻弄されます。

そこにあるように見えてもすぐ消える、消えたようでいてもまたすぐに現れる、そして保管したつもりになる・・・

これが「デジタル」  

VR(バーチャル・リアリティ)は仮想現実。 コンピューターで作り出された人工環境の世界は、人類の認知を拡張するのだとか・・・ 

そして時代は AI (エイアイ)と呼ばれる人工知能で、コンピューターを擬人化しながら、人々の五感に刺激と活力を創生し始めています。  

とにかく今は、素晴らしく便利な時代みたいです。 

デジタルの進化は私たちの生活をスマートにし、道具は驚くほどコンパクトになり、手間もかからず、様々な行動をスピーディーにしてくれました。 

でも不思議です。

分厚い写真集や単行本は、未だにミリオンセラーが出るのです。

「デジタル版が出ないからでしょう」 って、真しやかにつぶやく人もいます。

ただ、そんなビジネスライクなくくりの中で、分厚い写真集や単行本と便利なデジタルを比較するのはナンセンスなのかもしれません。

写真集や自分史の魅力は、いったいどんなところにあるのでしょうか ? 

「人となり」では制作時、常にこんなことを考えながら制作をしています。

「人に伝えるってどういうこと ?」

「先の人に伝えるためには、今どのようなことをしておくべき ?」

「人に伝えるために関わる事柄へ、時代の先読みはできる ?」  

結論が出るのは数十年先の将来  

そこにあるものが物体なのか電気信号なのかは、今を生きている人それぞれの考え方なのだと思います。 そしてしつこいくらい「伝える」ことにこだわると、シンボリックな物が現れます。  

それが「形見」  

「形見」は便利である必要はなく、そこにあるのは存在感

必要な時にすぐ手に取れて部屋の片隅に置いておけば、それがあるだけで何故か平穏。

そこに電気はいらないし、それを映し出す端末すらも不要で、実にシンプルなおもむきです。

2013年の8月よりスタートした「人となり」が手がける自分史は、そんな将来をデザインできる存在でありたいと思っています。

会社概要

会社名人となり
電話番号0466-65-3878
営業時間平日 AM9:00 ~ PM5:00
所在地〒251-0031神奈川県藤沢市鵠沼藤が谷 2-7-3
お問い合わせinfo@hitotonari.jp
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取材を終えて

今回の取材を通して、自分の歴史や思いを未来に残すことができる自分史の魅力だけでなく、自分史制作を通して人に寄り添う池田様の思いを感じることができました。

池田様、お忙しい中ご協力いただきありがとうございました。

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