お墓
みんなが安心できる海洋散骨を|一般社団法人日本海洋散骨協会を紹介
更新日:2022.12.14 公開日:2022.05.13
皆さんは、海洋散骨についてご存じでしょうか。
海洋散骨とは故人のご遺骨を粉骨し、船に乗って海上にて散骨する供養の形態です。
近年、テレビや雑誌にも取り上げられることも多くなり、一般への認知や実際に行われる方も増えてきています。
そんな海洋散骨ですが、海に散骨する特性からトラブルに発展するケースも見られます。
心残りのない散骨を行うためには、環境や周囲の人々に配慮して行うことが重要です。
今回は海洋散骨におけるガイドライン作成やアドバイザー育成を手がける、「一般社団法人日本海洋散骨協会」をご紹介します。

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一般社団法人 日本海洋散骨協会とは
「一般社団法人日本海洋散骨協会」は海洋散骨における、海を生業とする方々とのトラブル防止や、環境保全の観点から問題視される可能性のある海洋散骨を抑止する目的で設立された団体です。
海洋散骨に関してのガイドラインを定め、これを遵守することにより、節度ある海洋散骨を通じて、ご遺族に安全かつ安心できる海洋散骨を提供しています。
また、海洋散骨について体系的な知識を持って消費者にアドバイスができる専門家として「海洋散骨アドバイザー」の認定試験も行っています。
協会ご担当者様にインタビュー
一般社団法人 日本海洋散骨協会について
みんなが選んだ終活:
海洋散骨協会が設立されたきっかけを伺ってもよろしいでしょうか。
担当者:
ご遺骨を海洋で散骨するという特殊な事柄から、海を生業とする方々とのトラブル防止や、環境保全の観点から問題視される可能性のある海洋散骨を抑止する必要があると考え、「一般社団法人 日本海洋散骨協会」を設立しました。
そのために、海洋散骨に関してのガイドラインを定め、これを遵守することにより、節度ある海洋散骨を通じてご遺族に安全かつ安心できる海洋散骨の提供を行っています。
みんなが選んだ終活:
どのような方々が団体の運営に関わっているのでしょうか。
担当者:
団体には散骨業者だけではなく、葬儀社、海運会社など様々な業種、業態の方々が加盟しております。
みんなが選んだ終活:
広く海洋散骨に携わっている事業者様を中心に運営されているのですね。
みんなが選んだ終活:
海洋散骨に関してのルールやマナーを守っていくことに重点を置かれていると感じました。
海洋散骨を「普及していく」「広めていく」といった役割も担っていらっしゃるのでしょうか。
担当者:
海洋散骨を普及させていくことは、我々が一番重視している点です。
そのためには、安心して海洋散骨を依頼してもらうことのできる環境が必要だと考えています。
当協会では、散骨のガイドラインを定め、ガイドラインに沿って節度をもった散骨を行って頂くことで、安心して海洋散骨を行っていただく環境作りを行っています。
また、「海洋散骨アドバイザー」という認定試験を実施しており、海洋散骨について体系的な知識を持って、消費者にアドバイスができる専門家を育成しております。
海洋散骨アドバイザーについて

みんなが選んだ終活:
海洋散骨アドバイザー資格を取得されるのは、海洋散骨に携わる方が多いと思いますが、その他に取得されるのはどのような方がいらっしゃるのでしょうか。
担当者:
海洋散骨のプランを販売していらっしゃる葬儀社様や、これから海洋散骨の事業を始めようとしている方々が多いですね。
みんなが選んだ終活:
やはり、海洋散骨アドバイザー資格を取得された方がいらっしゃることで、海洋散骨のサポートが充実したものになるのでしょうか。
担当者:
サポートももちろんですが、海洋散骨に関して勉強をして資格を取得していただくことで、海洋散骨を行う上でのトラブルを予防することに繋がります。
海洋散骨のガイドラインについて
みんなが選んだ終活:
海洋散骨のガイドラインについて伺ってもよろしいでしょうか。
担当者:
ガイドラインについては、厚生労働省が出しているものがベースとなってくると思います。
制作するにあたって我々も参画しており、最低限守っていただきたい内容が盛り込まれた内容となっています。
みんなが選んだ終活:
ガイドラインについては、貴団体でも作成していらっしゃいますよね。
担当者:
厚生労働省作成のガイドラインも、我々が作成したガイドラインも、言葉や使用している例が変わっていますがほとんどが同じ内容となっており、根本に流れる趣旨は一致しています。
厚生労働省としても、散骨事業を営んでいる商売人側の目線ではなくて、国民目線で作る意識が強かったと思います。
その点では、B to Cのイメージで取り組んできている私たちのイメージと合致しているので、かなりの部分で同じ内容となっています。
みんなが選んだ終活:
B to Cのイメージについて伺いたいと思います。
ガイドラインには散骨におけるルールや規制についての内容が多いのではないかと予想していたのですが、拝見すると、確かに消費者に向けての目線も多く盛り込まれていると感じました。
担当者:
私たちはB to Cのイメージを持った活動を行っており、消費者との連携を密に取りながら進めていくスタンスに立っています。
そして、お客様に快く散骨していただくためには、散骨に携わる方、海に携わる方の思いも大切にしなければいけないという中でのガイドラインです。
例えば、「喪服の着用をしない」「漁業場を避ける」というのは、散骨後にクレームが入ってしまうよりも、地域の理解を得た上で行った方がお客様のためになるという観点でルール化しています。
この観点は供養という面でも、地域という面でも散骨の共存共栄を図るために必要であると我々は考えています。
ガイドラインの今後
みんなが選んだ終活:
今後は他の協会とも提携して、新しいガイドラインの作成も検討が必要というお話を伺いました。
ガイドラインに現状足りない部分や、これから更新が必要な部分はあるのでしょうか。
担当者:
ガイドラインは時代に即して変わっていくものなので、バージョンを上げていかないといけないと考えています。
我々が行ってきた今までの活動を元に厚生労働省がガイドラインを発表するなど、国も動いてくれています。
しかし、私たち組織として現状を踏まえて未来に向けた場合に、このままでは古くなってしまう部分に関しては更新が必要だと考えています。
今後、国と連携を取りつつ、他の協会とも連携して進めていきたいですね。
みんなが選んだ終活:
海洋散骨が実際に行われている中での気づきであったり、周辺の環境の変化に対応してガイドラインもバージョンアップが必要ということですね。
担当者:
そうですね。
お墓を含めて供養方法の多様化にあたって、海洋散骨自体が近年バージョン2.0に上がった段階なので、今後も変わらないという保証はありません。
それに合わせて、時代やニーズに合ったガイドラインにしていく必要があります。
海洋散骨におけるトラブル
みんなが選んだ終活:
海洋散骨において、発生しやすいトラブルや、過去に発生した大きなトラブルなどございますでしょうか。
担当者:
養殖場で散骨をしてしまい、地元業者の間でトラブルになってしまったり、散骨自体を良く思わない人からクレームが入り、一部の港で散骨が禁止されていたりします。
その他では、潮の流れで献花が流れてしまったことによるトラブルがございます。
みんなが選んだ終活:
こういったトラブルはガイドラインの策定や更新の中で、減ってきている実感などはございますか。
担当者:
当協会に加入される以前に散骨をされていた方がたくさんいらっしゃって、数年前まではトラブルがあっても見えてこないような状況でした。
そういった方々が加入されて、あるいは散骨というものがメジャー化してきたことに伴い、散骨というものが表に出てきたということも踏まえて、昔に比べて多少増えてきたと感じています。
しかし、ガイドラインを合わせて守っていただくことによって、クレームが増えるんではなく、クレームに対応した散骨や、クレームを出さない散骨をできるようになってきているという状況です。
海洋散骨と利用者様
みんなが選んだ終活:
海洋散骨が認知されるようになってきた背景にはどのような要因があるのでしょうか。
担当者:
背景としては、墓守の減少や少子化、そして経済的な面からお墓を建てるのが難しいという事情が挙げられます。
また、遺族に負担を掛けたくないと、実際に自身の散骨を希望される方も増えています。
散骨を希望する方々が増えた要因としては、テレビや雑誌などで海洋散骨の特集などが組まれて認知度が広まったことや、昨今「墓じまい」が増えていること、そしてコロナや少子高齢化の影響で墓参りをする人が減少し、負担をかけたくないといった理由が考えられます。
みんなが選んだ終活:
海洋散骨はどのような方が利用されることが多いでしょうか。
担当者:
「後継ぎがいない」「子供達が遠方に住んでいる」「遺族に負担をかけたくない」と考えてらっしゃる方が多いです。
また、「自然に還る」という新たな供養の選択肢をご希望の方にもご利用いただいております。
みんなが選んだ終活:
海洋散骨はまだあまり馴染みがないため、不安を感じる方も多いかと思います。
埋葬の方法として海洋散骨のメリットはどんな点でしょうか。
担当者:
「費用面」や、「遺族に負担を掛けたくない」「お墓・納骨堂を購入するコストの削減」という理由に加えて、故人の意向という部分が多い印象です。
みんなが選んだ終活:
確かに、お墓の場合ですと購入にも費用がかかりますし、お墓参り、お墓の手入れといった管理の負担が発生しますよね。
海洋散骨の場合は、皆様どのようにされているのでしょうか。
担当者:
協会全体ということでお話しするのは非常に難しい内容です。
例えば、散骨だけをされている事業者様や、弊社のように「樹木葬」「海洋散骨」「墓じまい」をワンストップで行っている会社など様々あるので、その会社の抱える事情によってお客様にご提示できる選択肢も変わってくるかと思います。
私の見解としましては、前もって墓じまいをされている方々が多いと感じています。
海洋散骨を望まれる方は、「後継がいない」「ご結婚されていない」「子供がいない」という方々が多くいらっしゃいます。
そのため、ご先祖様のお墓を持っていても今後管理できる方がいらっしゃらないので、その方が亡くなった場合には誰かがお墓を撤去しなくてはいけないということになってしまうという事情があります。
また、気持ちの面でも、海洋散骨という拠り所があることで、不安が消えて非常にイキイキとした生活をされている方が多い印象です。
みんなが選んだ終活:
では、そういった方々は、ご先祖様の墓じまいとして海洋散骨をされて、ゆくゆくは自分も海洋散骨を想定されていらっしゃるのでしょうか。
担当者:
そうですね、お墓じまいに関しては地域、地方のやり方によって異なります。
もちろん、散骨される方もいらっしゃいますし、お寺の方に預ける方もいらっしゃいます。
あるいは、火葬場で再火葬してもらう方など様々だと思います。
みんなが選んだ終活:
お客様によって異なってくるものとして、宗教や宗派というものも挙げられるかと思います。
散骨の際にはどのように対応されているのでしょうか。
担当者:
私のお客さまでは宗教について厳密なご要望をされる方は少ないですが、散骨への理解がある和尚様が一緒に乗船される場合もありますね。
当協会の散骨検定の講師には真言宗の和尚さんもいらっしゃいます。
個人での散骨について
みんなが選んだ終活:
費用や手続きの手間など様々な理由から、海洋散骨を個人で行うことを考える方もいらっしゃるかと思います。
そのような方々へアドバイス、あるいは懸念などございますでしょうか。
担当者:
散骨に関しては不特定航路などの法的な縛りが多くあります。
例えば、ある映画の中で漁船で散骨をするシーンがありましたが、これは法律違反になります。
法律に則って行わなければ、頼んだ方も、引き受けた方も罰せられてしまいます。
また、お骨に関しても、海水浴客が集まる海岸にお骨が流れてしまった場合に、風評被害で大変なことになってしまう可能性があるので、粉骨というパウダー状に加工する過程が必要になります。
これを踏まえると、ルール化された枠組みの中でやっていただくのがベストであり、散骨協会に加入している事業者様にお願いしていただくことをおすすめします。
散骨における資格をきちっと持っているかどうかを散骨協会が把握しているという安心感を買っていただくというような形ですね。
費用に関しても、委託散骨や個人チャーターですと10万円、20万円とかかってしまう場合もありますが、他のお客様と乗合のプランを利用すると5万円程度で行うこともできます。
下手に何も知らない方が漁船で散骨することはとてもリスクが高いです。
細かい内容に関しては、ガイドラインを見て適切なラインを把握していただくのが良いと思います。
今後の展望
みんなが選んだ終活:
今後の展望についてのお考えがございましたら教えてください。
担当者:
今後の一般社団法人日本海洋散骨協会の目的としては、
①散骨業者の海洋散骨における倫理及び社会的責任の明確化
②漁業者など海洋関連業界の理解
③一般への正しい海洋散骨の在り方の周知及び普及
の3つを掲げています。
①と②については積極的に取り組んでいますが、③についてはまだまだ当協会としては一般のお客様と触れ合う機会がなかなかありません。
当協会としては、「海洋散骨アドバイザー」が一般の方と触れ合い、正しい知識をお伝えできるような体制を作っていきたいと考えております。
アドバイザーの活躍をもって、散骨業者の協会への加入率も上がることを期待しています。
みんなが選んだ終活:
最後に、「みんなが選んだ終活」の読者に向けてメッセージがございましたら、お願いします。
担当者:
海洋散骨というのは、未だに「法律的にグレーだよ」という言われ方をすることが多いです。
しかし、今回の厚生労働省の指針によって、一番わかりやすく白黒がはっきりしたと思います。
決してグレーなものではなく、法律に則ったきちっとした供養の一形態として元々認められていたものが、明文化されたと言って良いと思います。
ですから、散骨をされたい時に「これってグレーだよね」「いいか悪いかわからないから利用しない」と考えることは間違っており、「散骨は自由な宗教活動の一つ、埋葬の一つになっているんだよ」ということを大きな声で伝えたいです。
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協会情報
名称 | 一般社団法人日本海洋散骨協会 |
設立 | 2014年12月01日 |
協会所在地 | 〒130-0002 東京都墨田区業平3-8-4 ビレッジマルタニ3F |
電話番号 | 03-6658-4410 |
FAX番号 | 03-6658-4110 |
営業時間 | 平日 10:00~17:00 |
URL | https://kaiyousou.or.jp/ |
取材を終えて

取材を通して、海洋散骨におけるマナー、ルールを普及して維持していくために強い思いを持って活動していらっしゃることを感じました。
そして、その根底には「利用される消費者様が快く散骨を行うことができる環境を実現したい」という思いが込められていました。
これから海洋散骨をされる方も、海洋散骨を検討されている方も、ガイドラインを遵守して心残りのない海洋散骨を実現していきましょう。
今回は、海洋散骨におけるルール作りや有識者の育成を行う、一般社団法人 日本海洋散骨協会を取材をさせていただきました。
ご担当者様、お忙しい中取材に応じていただきありがとうございました。

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