閉じる

専門家インタビュー

地域高齢者が考える最期の迎え方に関する日中比較研究について

更新日:2024.09.16 公開日:2024.09.16

都道府県一覧から葬儀社を探す

こちらでご希望のエリアから葬儀社を検索できます。

mapImg
searchIconエリアから探す

こちらでご希望のエリアから葬儀社を検索できます。

  1. 研究内容について
  2. 先生の経歴について
  3. 先生の所属先
スポンサーリンク

研究内容について

Q1.「地域高齢者が考える最期の迎え方に関する日中比較研究」の研究を始めたきっかけは何ですか?

世界的に高齢化が進む中、高齢者個々人のQOL向上のみならず、社会全体にとっても元気なシニアの労働市場への参入や医療費・介護費の削減などに資する健康寿命の延伸が期待されています。さらに、穏やかな最期を迎えるためには高齢者個々人のニーズに則した対応が求められています。地域の場で様々な状況に対応できるエンドオフライフ・ケアへの充実が日本と中国の両国で重要視されていますので、本研究に着手しました。

Q2.研究対象である、「地域高齢者が考える最期の迎え方に関する日中比較研究」とはどのような内容ですか?

本研究の目的は、日中両国の地域で暮らす高齢者の死生観を調査することで、高齢者が考える人生の最期の迎え方に対する認識を明らかにし、終末期療養の現状と課題を把握するとともに、両国の違いについて考察することでした。研究方法としては、日中両国の地域に住む高齢者を対象に無記名自記式質問紙調査を実施しました。

Q3.本研究の研究成果を教えてください。

「死への不安と恐怖感を表す死生観」については、日中両国の性別、介護経験、死別体験と死生観の関連を調べたところ、中国側の不安感が有意に強かったです。「理想的な死のとらえ方」については、日本では「自然な死」「闘病生活が短い」という自らの死までの過程を考慮した回答が、中国では「人生に悔いがない」「闘病生活が短い」「家族に看取られる」「長生きをする」という死までの過程に加え、死へのQOLに配慮した回答が多かったです。また、「終末期療養への希望」については、「自宅」が両国ともに最多で、特に、中国に対比し、日本では「病院」と回答したほうが有意に多かったです。自宅外希望者の希望理由では両国ともに「家族の負担が大きい」が最多という結果でした。

Q4.張様が考える本研究の意義を教えてください。

本研究結果から日中両国において「自宅」での最期というニーズが潜在化していることが示唆されました。本来の終末期療養場所の希望は「自宅」でありますが、「家族に迷惑をかけたくない」という気遣いが伺えたため、高齢者の意思を尊重した、在宅生活が最期まで継続できるための家族支援をはじめとした介入方法の探究が今後の課題だと思います。

Q5.​​張様の研究における最終的な目標を教えてください。

地域包括ケアシステムの進化推進に伴って、介護家族の負担軽減が重要視される在宅サービスの基盤整備が強化されています。高齢者個々人の幸せな最期を自宅で過ごせるためには医療従事者からの支援はもとより、家族からの協力も必要不可欠のため、家族介護力確保に関する日中共同研究を遂行しています。今後、日中両国における在宅高齢者の家族からの「自助」の役割拡大につながる、新たな家族介護力の発掘並びに、家族介護力を向上させるための知恵を世界に発信していきたいと考えています。


スポンサーリンク

先生の経歴について

Q1.先生の略歴を教えてください。

中国で看護師として勤務しました。
日中医学笹川奨学金制度研修生として日本での看護研究を行いました。
千葉大学大学院博士課程修了後、埼玉県立大学保健医療福祉学部で看護教育に従事しました。
現在は、富山県立大学看護学部の教員として勤務しています。

Q2.先生の資格・学会・役職を教えてください。

看護師資格(日本)、看護師資格(中国)
日本老年看護学会、日本看護科学学会、日本地域看護学会、文化看護学会、等
富山県立大学看護学部老年看護学講座教授


先生の所属先

富山県立大学

スポンサーリンク

都道府県一覧から葬儀社を探す

こちらでご希望のエリアから葬儀社を検索できます。

mapImg
searchIconエリアから探す

こちらでご希望のエリアから葬儀社を検索できます。

専門家インタビューの関連記事

コラム一覧へ