死亡後の手続き
死亡診断書は再発行できる?再発行にかかる費用と必要な場面を説明
更新日:2024.04.08
人が亡くなると、死亡診断書が発行されます。
死亡診断書はさまざまな手続きの際に必要になりますが、医師しか書くことができません。
そのため、再発行が必要になった際の流れや費用などまで詳しく理解している人は少ないかと思います。
そこでこの記事では、死亡診断書の再発行の方法や、その費用についてご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。
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- 死亡診断書とは
- 死亡診断書と死体検案書の違い
- 死亡診断書は条件付きで再発行できる
- 死亡診断書を再発行する方法
- 死亡診断書の再発行にかかる費用
- 死亡診断書が必要な場面
- 死亡診断書はどこに提出する?
- 死亡診断書作成の流れ
- 検案書作成の流れ
- 死亡から埋葬までの書類手続きの完全ガイド
- 身寄りがない人の場合はどうする?
- よくある質問
- 死亡診断書の再発行のまとめ
死亡診断書とは
死亡診断書とは法律上で定められている書類で、人が亡くなった際に発行されます。
医師の手により記入され、医学的に死亡したことを証明するものになります。
死亡診断書には死亡日時や場所、死亡原因となった疾患名や診断年月日、死亡するまでの経過などを医学的・客観的に細かく記載します。
死亡診断書を記載する際には、医学的知見に基づいた死亡の判断の証明が必要になるため、記載できるのは医師のみになります。
死亡診断書が受理されない限り死亡届も提出することができないため、葬儀に必要な火葬や埋葬の手続きも行えません。
そのため、死亡診断書は非常に重要な書類になります。
スポンサーリンク死亡診断書と死体検案書の違い
検案書とは
検案書は、通常、家庭の医師ではなく警察医によって、死亡した際の外傷や死因を調査した後に発行されます。
特に「事件性が疑われる場合」、「事故」、「自殺」、または「死因が明確でない」場合など、警察が直接関与して検案と検視のプロセスを経ます。
検視は、事件に関連する疑いがある際に行われ、事情の聴取や現場調査などを含みます。
一方、検案は死亡した人の体に見られる外傷や死の状況について、警察医が詳細に調べる作業を指します。
事件性が認められる場合には、一般的に司法解剖へと進むことが多く、これは通常、遺族の同意なしに行われますが、費用は公費で賄われるため遺族の負担にはなりません。
作成には1日から1ヶ月ほど要し、その過程は複数のステップを含むため、死亡診断書と比較して料金が高くなりがちです。
検案書の発行には、数万円から10万円程度の費用がかかる場合が多く、このコストには遺体の搬送や検案、解剖などに要する費用が含まれます。
検案書は、遺族にとって負担が大きいこともありますが、死因の特定や法的手続きに必要不可欠な文書としての役割を果たします。
死体検案書の再発行について
死体検案書は、事故死や急死、または原因不明の死亡が発生した場合、または検視が実施された際に警察や法医学者から発行される公式文書です。
この文書は、死亡届の提出に必要な書類の一つであり、死亡診断書と同じ法的価値を持ち、故人の手続きにおいて広範囲にわたって利用されます。
死体検案書の紛失や不足が生じた場合、関連手続きを進めるためには再発行が必要になります。
この再発行は、原則として警察署にて申請し受け取ることができます。
再発行手続きとその費用
死体検案書の再発行手続きは、遺族などの関係者が警察署に直接行い、死亡診断書の再発行時と同様の流れで進められます。
申請にあたっては、故人との関係を証明する書類や、必要に応じて身分証明書などの提出が求められます。
具体的な必要書類や申請資格者は、地域により異なるため、事前に所轄の警察署への確認が推奨されます。
初回発行時の費用は、遺体の保管や検案作業にかかる納体袋代や検察代を含め、一般的には3万円から10万円の範囲ですが、再発行に伴う費用は自治体や具体的なケースにより異なります。
一部の地域では、納体袋代や検察代が公費負担や無料となる場合もあり、再発行費用も変動するため、具体的な費用については事前に所轄の警察署に確認することが重要です。
以上の情報を踏まえ、死体検案書の再発行が必要な場合は、早めに所轄の警察署へ連絡し、必要書類の準備と費用の確認を行いましょう。
死亡診断書は条件付きで再発行できる
役所で発行する場合
死亡診断書の再発行は3親等以内の家族あるいは配偶者が条件付きでできます。
死亡診断書の原本はもらえませんが、死亡診断書を提出した役所や管轄内の法務局で、「死亡届の記載事項証明書」という死亡届の写しがもらえます。
死亡届の記載事項証明書をもらうには、「身分証明書」「戸籍謄本」「委任者からの署名・押印がある委任状」などの書類が必要です。
死亡届の記載事項証明書は、年金関連の手続き、100万円以上の郵便局の簡易保険の支払いの手続きでの使用のみに発行できます。
詐欺などの不正利用防止のため、使用用途を証明できないと死亡届の記載事項証明書は発行できないので注意しましょう。
医療機関が再発行する場合
記載事項証明書が発行できない、死亡届の原本を紛失してしまったなど役所で再発行できない場合は、病院や医師に死亡診断書の発行を要請できます。
医師は、死亡診断書の再発行の要請を受けたら再発行することが義務ですが、正当な理由があれば診断書の再発行を拒否できます。
日医NEWSより
医師が診断書の発行を拒否できる正当な理由は、「患者に病名を知らせることが好ましくない」「診断書を不正利用される恐れがある」「再発行を認められていない第三者が請求してきた」「医学判断が不可能なとき」などです。
診断書の再発行をめぐって患者と医師や病院と裁判に発展する可能性もあります。
弁護士法人杜協同法律事務所 所有ページより
患者の自覚症状と医師の診断が異なることがあるので、医師は患者が訴える症状と医師の所見を区別して診断書を記載するなどの対応が望ましいでしょう。
死亡診断書を再発行する方法
死亡診断書を発行した病院で要請を行えば、再発行を行うことが可能になります。
ただし、再発行の申請ができる人は限られており、必要な書類もあります。
以下で詳しく説明していきます。
再発行の申請ができる人
再発行の申請は、誰でも行える訳ではありません。
再発行の申請を行うことができるのは、原則として故人の配偶者か、3親等以内の親族に限られます。
代理人が受け取ることも可能ですが、その場合は委任状が必要となります。
再発行に必要な書類
再発行に必要な書類は以下の通りです。
- 身分証明書(運転免許証やパスポート、保険証など)
- 故人との関係性を証明できる書類(戸籍謄本や戸籍抄本など)
- 委任者からの署名と印が押された委任状
医療機関によってはこの他にも必要な書類があるケースもあるため、まずは病院に連絡して必要な書類を確認することをおすすめします。
死亡診断書の再発行にかかる費用
死亡診断書の再発行にかかる費用は、最初に発行したときの費用と同額になります。
この費用は法律などで明確に決められているわけではないため、医療機関によって費用に差があります。
費用の相場としては、3000~1万円程度になります。
再発行までの期間も医療機関によって異なるため、時間に余裕を持って申請することをおすすめします。
スポンサーリンク死亡診断書が必要な場面
死亡診断書はさまざまな手続きで必要になります。
そのため、10枚程度のコピーをとっておくことをおすすめします。
具体的には以下の手続きで死亡診断書のコピーが必要となります。
- 医療保険や雇用保険などの停止の手続き
- 生命保険や損害保険の死亡保険金の請求手続き
- 携帯電話の解約手続き
- 遺族年金の受給手続き
- 不動産や銀行口座、車などの所持者の名義変更手続き
- 公共料金の名義変更手続き
これらは一般的なものになりますが、人によってはこの他の手続きが必要なケースもあります。
毎回再発行すると大変になりますが、余分にコピーしておくことでスムーズに手続きをすることができます。
死亡診断書はどこに提出する?
死亡診断書を含む死亡届は、故人が亡くなってから7日以内に提出する必要があります。
医師から受け取った死亡診断書は死亡届とセットになっており、用紙の半分が死亡診断書でもう半分が死亡届になっています。
死亡届に必要事項を記入した上で署名・捺印(認印)し、死亡診断書とともに提出する形になります。
死亡診断書の提出先は主に以下の通りになります。
- 死亡した人の死亡地の役所
- 死亡した人の本籍地の役所
- 届出人の所在地の役所
死亡届の提出は、役所の戸籍課で24時間365日受け付けています。
役所の休日や祝日でも受け付けていますので、ご安心ください。
海外在住の人の場合には、居住地の大使館や領事館で受け付けしています。
スポンサーリンク死亡診断書作成の流れ
病院での死亡が確認された後の手続きについて、一般的な流れを説明します。
最初に、担当医師は死亡の確認を行い、その結果を基に死亡診断書を作成します。
この間に、遺体のケアを行う「エンゼルケア」が看護師によって施され、故人を尊重した形で整えられます。
この時期、遺族は葬儀の準備を始めることが求められます。
もし直ちに葬儀を執り行う葬儀社が決まっていない場合は、まず遺体を一時的に預けられる葬儀社を探すことが大切です。
この際、「一時預かり」のニーズがあることを葬儀社に明確に伝えましょう。
死亡診断書を医師から受け取った後は、死亡届の必要事項を記入します。葬儀社が病院に到着したら、死亡診断書と共に遺体を葬儀社に引き渡します。
これは、死亡診断書がなければ遺体の搬送が認められないためです。
その後、葬儀社と共に葬儀から埋葬に至るまでの詳細な流れを確認し、準備を進めます。
検案書作成の流れ
検案書の作成は、死亡診断書に比べて複雑な手順を要し、完成までに時間がかかります。
死因に応じて、検案書の作成過程には差異があり、これに伴いコストも変動します。
以下では、死因が明確な場合と事件性が疑われる場合の二つのシナリオに分けて、検案書作成の過程を詳細に説明します。
死因が明確な場合
事故や自殺など、死因が即座に特定できる状況では、警察による検視・検案の後に速やかに検案書が発行されます。
この場合、検案書は警察医から数日以内に遺族に渡され、遺体も同時に家族に返還されることが一般的です。
プロセスが迅速に進むため、関連費用も比較的抑えられます。
事件性が疑われる場合
もし死亡が事件に関連している可能性がある場合、死因や具体的な状況を明らかにするために遺体の解剖が行われます。
このプロセスには数日から1ヶ月程度の時間が必要とされ、解剖の種類には「承諾解剖」及び遺族の同意を必要としない「行政解剖」や「司法解剖」があります。
事件性が高いと判断されるケースでは、ほとんどが司法解剖となり、遺族の同意は必要ありません。
この段階を経て、検案が完了し検案書が作成されると、最終的に遺体は家族に返却されます。
検案書の作成に関わるプロセスは、死因の特定から遺族への遺体返却まで、複数の手順を含みます。
死因が即座に特定できる場合と比較して、事件性が疑われる場合はより時間とコストがかかることを理解し、遺族は適切に準備を進める必要があります。
スポンサーリンク死亡から埋葬までの書類手続きの完全ガイド
死亡が確認された後、埋葬までに必要な書類手続きは、一見シンプルに思えるかもしれませんが、実際には複数のステップを踏む必要があります。
ここでは、死亡診断書から埋葬許可証の取得までのプロセスを順を追って説明します。
ステップ1: 死亡診断書と検案書の取得
最初に、医師または警察医によって死亡診断書や検案書が作成されます。
これらの書類は、死亡事実を公的に証明するために不可欠です。
この書類を基に、遺族は死亡届を作成し、これらを一緒に市役所に提出します。
ステップ2: 火葬許可証の申請
市役所で死亡届を提出する際に、同時に火葬許可証の申請も行います。
この許可証がなければ、火葬は行えません。死亡診断書や検案書と共に、この申請を行うことが必要です。
ステップ3: 火葬と埋葬許可証の取得
火葬許可証を得た後は、指定された火葬場で火葬を行います。
火葬が終了すると、火葬場から埋葬許可証が発行されます。
この許可証は、故人を埋葬する際、つまり寺院や公共の墓地、納骨堂などに遺骨を納める際に必要となる書類です。
ステップ4: 埋葬の準備と実施
埋葬許可証を得た後は、遺族は埋葬場所と埋葬の方法について決定します。
これらの手続きと準備を経て、ようやく故人を安らかに送り出すことができます。
国内では、死亡から7日以内、国外では3ヶ月以内に市役所に死亡届を提出する必要があります。
多くの場合、葬儀社がこれらの手続きを代行してくれますが、手続きの内容と必要書類を理解しておくことが重要です。
以上のガイドを通じて、死亡から埋葬までの手続きがより明確になり、適切な準備を進めることができるでしょう。
身寄りがない人の場合はどうする?
さまざまな事情によって、身寄りがいない方もいらっしゃいます。
そのような方が亡くなられた場合には、基本的にその地域の市町村が最低限の葬儀などを行うことになります。
どのような流れで葬儀の手続きが進められるのか、気になる方も多いでしょう。
そこで最後に、身寄りがない人の場合、手続きがどのような流れになるのか紹介します。
市町村に管理してもらえる
亡くなられた人に遺産があった場合、その遺産は市町村が一旦管理する仕組みになっています。
亡くなられた方に財産があった場合には、生前の分の治療費に加え、死亡診断書などの諸費用は市町村を通してこの故人の財産から支払われます。
役所への連絡が必要
身寄りがない人の管理は市町村がしているため、死亡診断書の再発行など何かの手続きが必要になった場合、まずは市町村に相談してみることをおすすめします。
スポンサーリンクよくある質問
親族が死亡届の届出を拒否した場合、どうすればいいですか?
死亡届の届出人は通常、故人の親族が務めますが、親族がいない場合や連絡が取れない、あるいは届出を行うことを拒否している状況にある場合には、その責任は他の者に移ります。
具体的には、故人が居住していた建物の管理人や、もし亡くなった場が市立病院などの公的機関であればその所長が、民間病院や民間の住居であれば家屋管理人が届出人として死亡届を提出することになります。
このように、親族以外にも特定の条件下で届出人になれるルールが設けられており、故人の死亡届けが適切に処理されるようになっています。
死亡診断書に記載されている内容に誤りがあり、書き直しが必要な場合、どのように対応すればよいでしょうか?
死亡届出をする前に死亡診断書(または死体検案書)の内容に誤りがあることに気付いた場合は、医師にその内容を訂正または新たに書き直してもらう必要があります。
特に故人の氏名、性別、生年月日など、個人を特定するための重要な情報に誤りがある場合、これらが正確に訂正されるまでは、死亡届は受理されません。
そのため、正しい情報に基づいた新しい書類を作成してもらい、それを用いて死亡届を提出してください。
誤りの訂正は故人の正確な情報を記録するために重要ですので、速やかに対応をお願いします。
法務局における死亡診断書の保存期間はどれくらいですか?
法務局では、死亡診断書を原則として27年間保存します。
これは、死亡診断書が直接的な死因だけでなく、間接的な原因も記載している重要な文書であるためです。
保存される主な理由は、市区町村が管理する戸籍情報が災害等で失われた際に、これらの情報を復元するための基礎資料として利用されるためです。
そのため、死亡診断書は非常に重要な役割を持ち、長期間にわたって保管されることになっています。
死亡診断書の再発行のまとめ
ここまで、死亡診断書の再発行の流れや注意点などを中心にお伝えしました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 死亡診断書とは死亡を医学的に証明する書類である
- 死亡診断書を再発行できるのは3親等以内か配偶者
- 医師は法律上、死亡診断書の再発行に応ずる義務がある
- 医師は正当な理由があれば診断書の再発行を拒否できる
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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