遺品整理
遺品整理を始めるタイミングとは?遺品整理の流れや処分方法を紹介
更新日:2024.08.01 公開日:2022.04.02

記事のポイントを先取り!
- 遺品整理は四十九日後にすることが多い
- 遺品整理は計画を立ててから行う
- ブランドものや金品の遺品は高く買い取ってもらえることがある
大切な人が逝去されたとき、遺品整理をどのようにすればよいかご存知でしょうか?
遺品整理をいつ行えばいいのか、誰が行うのかについて知っておきましょう。
ここでは遺品整理について詳しく説明していきます。
この機会に遺品整理の手順や遺品の処分方法を覚えておきましょう。
生前整理のメリットにも触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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- 遺品とは
- 遺品整理とは
- 遺品整理を始めるタイミング
- 遺品整理する際の服装や道具
- 遺品整理の流れ
- 遺品整理した遺品の処分の仕方
- 遺品整理での注意点
- 遺品整理を業者に頼む場合
- 遺品整理士とは
- 遺品整理より生前整理の方がメリットが多い?
- よくある質問
- 遺品整理のまとめ
遺品とは
遺品とは、故人が所有していたもの、生前に日常的に使っていたもの、家族のために残していたものなど、故人にゆかりのあるものすべてを指します。
家や土地、車、家具、家電、銀行預金、生命保険、美術品、洋服や装飾品、食器、写真や故人の思い入れのあるもの、クレジットカード、マイナンバーカード等多種多様なものが該当します。
遺品整理とは
遺品整理は、単に片付ければいいという訳ではありません。
不動産などの権利関係書類、車等は法的な手続きが必要となりますし、銀行預金や生命保険、高価なものは相続の手続きも必要となります。
遺品整理すると、故人が生きていた証となるものと改めて向き合うことになるため、悲しみや思い出がよみがえり、思うように作業ができないことが考えられます。
遺品を整理することで気持ちの整理がつき、新しい生活を踏み出すきっかけになることもあります。
遺品整理でやらないといけないことは多岐にわたり、精神的につらい状態で実施する必要があります。
遺品整理を始めるタイミング
遺品整理を始めるタイミングに決まりはありません。
精神的につらい方は数年経ってからでもいいですし、期限が決められている等で急いで整理する必要がある場合は、法要後すぐに行っても問題ありません。
「葬儀後すぐに遺品整理すると故人に申し訳ない」と考える人が多いようですが、各自が納得のいくタイミングで遺品整理しましょう。
遺族が故人への気持ちに区切りをつけることも遺品整理の目的の一つです。
一般的には下記に示す時期に実施することが多いようです。
葬儀後・四十九日後
まず、葬儀後に遺品整理することはどうなのでしょうか。
結論を言うと、遺族の気持ちの整理がついているのであれば、葬儀後に行ったほうがよいでしょう。理由は以下のとおりです。
- 相続税の申告期限等、「物理的に訪れる期限」があるため
- 特定の遺族が遺品を勝手に処分するリスクがあるため
- 故人が契約したサービスで、支払いが継続してしまいものがあるため
遺品整理を始めるタイミングで最も多いのは「四十九日後」です。
四十九日後くらいが、遺族の気持ちが落ち着くのがこのくらいの時期になるからです。
故人が亡くなると、遺族は悲しみのまま様々な手続き、手配等に追われるようになります。
時間ができ、気持ちが落ち着くタイミングが四十九日頃になります。
また、四十九日に親戚が集まるので、遺品整理しやすいという理由もあります。
遺品整理は感情が関わってくるのでタイミングは人それぞれとなりますが、できるだけ早く始めたほうがよいようです。
相続前
遺品整理はいつはじめても問題ありませんが、事前に相続については決めておく必要があります。
民法第921条に「相続人が相続財産の全部または一部を処分したとき、単純承認をしたものとみなす」と定められてます。
これによると、「相続したくないものを遺品整理すると、相続しないといけなくなる」可能性がでてきます。
遺品整理の前には親族で誰が何をどのくらい相続するか決定しておきましょう。
賃貸住居の退去時
賃貸住居を退去する際は賃貸借契約書を確認しましょう。
賃貸借契約書には、家賃、退去日、解約や違約金等について細かく定められてます。
故人が亡くなった場合、賃貸物件を解約する必要がありますが、退去日よりはやく撤去する場合は違約金が必要な場合があります。
また、原状回復義務が記載されている場合、ハウスクリーニング等の負担が発生する可能性もあります。
賃貸借契約をもとに大家さんと調整し、短期間での作業が必要な場合は業者へ依頼することも考慮する必要があるでしょう。
遺品整理する際の服装や道具
遺品整理する際の服装や道具はどうすればよいでしょうか。
自分でやる場合と業者に頼む場合によっても変わってくるかと思います。
ここでは自分でやる場合において、どのような服装でどのような道具を準備すればよいか説明していきます。
作業しやすい服装
遺品整理中はホコリを吸い込んだり、遺品を踏んで怪我する危険があります。
遺品整理する際におすすめする服装は以下のとおりです。
- 作業着、汚れてもいい服
- 軍手
- マスク
- スリッパ
資材や道具
遺品整理は大量のものを仕分けするので、資材は多く準備しましょう。
廃棄する場所が遠い場合は運搬用の台車があると便利です。
おすすめの資材、道具は以下のとおりです。
- 段ボール
- ガムテープ
- ゴミ袋
- カッターやはさみ
- ロープ
- マジックペン
- ペンチ、ドライバーなどの工具(家具などを処分する際に必要)
- 台車
- 軽トラやワゴン車などの運搬用の車
遺品整理の流れ
ここでは、自分で遺品整理する場合の流れについて説明します。
作業予定を決める
作業に入る前に作業計画を立てます。
遺品整理していると、故人との思い出がよみがえり、作業が中断してしまうことがあります。
ここで計画をたてずに作業すると、目途がつかず整理が終わらなくなる場合があります。
作業工程を細分化し、「今日は居間の遺品整理をする」、「明日は寝室の遺品整理」等の具体的な計画を立てます。
事前に計画があるかどうかで作業効率に大きな差がでます。
遺品を分類する
スケジュールを決めたら、次は遺品を分類します。遺品を分類することでその後の整理が円滑に進みます。
分類は主に「貴重品」「形見」「リサイクル品」「廃棄」の4つにします。
貴重品
貴重品の中でも貴金属類は資産として売買することもできます。
適宜買い取り業者に相談しておきましょう。
また、貴重品類の合計次第では財産相続に関わる場合があります。
専門の税理士や司法書士に相談が必要となるかもしれません。
形見
形見として残したいものは様々です。
資産価値が高いものは財産相続に関わる場合もあるため、専門家に相談してください。
リサイクル品
リサイクルできるものをまとめます。
処分方法は色々とあります。
粗大ごみに出すと処分費用がかかりますが、リサイクルの場合、無料で引き取ってくれることもあります。
物品によっては買い取ってくれる場合もあります。
廃棄
リサイクルできないもの、かつ形見として残さないものは「一般廃棄物」として処分します。
遺品整理した遺品の処分の仕方
遺品の分類が終われば、分類ごとに遺品を処分します。
リサイクルショップで買取してもらう
比較的新しい家電やブランド物の衣類やバッグなどは、リサイクルショップで買取してもらいましょう。
状態がよければ高値で取引してくれる場合もあります。
出張買取もありますので、持参できない場合は出張買取を利用しましょう。
不用品回収業者に引き取ってもらう
古紙・古布、金属製品などは専門の事業者に依頼すれば引き取ってもらえます。
値段がつかない場合でも無料で引き取ってくれるため、処分費がかからない分お得な方法です。
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自分でごみに出す
破棄に分類したものはごみに出します。
ゴミ出しのルールは自治体によって異なるため、ルールにしたがって処分してください。
量が多い場合やゴミの収集日を待たずに処分したい場合は、自分でゴミ処分場に持ちこむこともできます。
ただし、自治体によっては持ち込み処分を受け入れてないところもありますので、事前に確認が必要です。
ごみとして出せない遺品
ごみとして出せない遺品についてはメーカーや購入店に引き取ってもらいます。
遺品整理での注意点

自分で遺品整理する場合の注意点を説明します。
騒音に気を付ける
遺品整理すると、思いのほか騒音が出る場合があります。
騒音が原因で近所から苦情が来ることがありますので、十分に注意する必要があります。
具体的には、「整理する時間帯に気を付ける」、「事前にご近所の方に挨拶して遺品整理する旨を伝える」といった対策をします。
予想以上に時間がかかる
遺品整理は予想以上に時間がかかります。
故人の思い出の品を目の前にし、肉体的負担や精神的負担を感じる方も多くいます。
そのため、スケジュール通りに整理が進まない場合もあります。
事前に計画を立てて無理せずにすすめましょう。
誤って処分することがある
遺品を誤って処分するケースも多いようです。
財産や税金関係の書類、土地の権利書等を処分すると、トラブルになる可能性があります。
遺品整理を業者に頼む場合
遺品整理を業者に頼む場合の流れについて説明します。
業者の選び方
遺品整理業者を選ぶ場合、どのような基準で選べばよいか説明します。
適切な見積や対応をしてくれるか
遺品整理業者の価格決定方法には統一されたルールがありません。
よって、金額は各社バラバラなのが実情となります。
見積もり段階では安く提示し、遺品整理の当日になって追加料金を請求する業者もいますので、事前に追加費用の有無についても確認する必要があります。
複数の業者に見積もりをとり、金額や応対方法について確認し、納得する業者を選びましょう。
遺品整理士認定の業者か
遺品整理士認定協会の認定資格を取得している業者は、一定の水準以上のノウハウとモラルを持っています。
よって、資格を持っているかどうかが、優良事業者なのかどうかの判断材料のひとつになります。
口コミを確認する
遺品整理士認定協会の認定資格がない業者にも優良な業者は多くいます。
その場合は、利用者の口コミを確認しましょう。
実際に利用した方の体験談を確認することで、優良な業者を見つけられます。
サービスの流れ
業者に遺品整理を依頼した場合、まず作業前に部屋の広さや間取り、作業時間や捜索品の有無などのヒアリングがあります。
その後、故人宅に業者が訪問し、遺品整理が行われます。
遺品の仕分け後は、簡易清掃と不用品の運び出しまで行ってくれるところもあります。
所要時間は、ワンルームの場合で2~3時間、2LDK以上になると6~8時間程度かかるのが平均的です。
建物が一戸建てか集合住宅か、遺品の種類、量によって作業時間は前後します。
費用相場
費用相場は部屋の広さが基準となります。下記の価格帯を基本として、遺品の量やハウスクリーニングの有無等で追加料金がかかります。
- 1R・1K:5万~8万円
- 1DK、2K:9万~12万円
- 1LDK、2DK、3K:13万〜16万円
- 2LDK、3DK、4K:17万〜20万円
- 3LDK、4DK:21万〜24万円
- 4LDK〜:25万円〜
遺品整理士とは
遺品整理士とは、遺品整理にまつわる一定の知識と技術を備え、遺族に代わって遺品を整理する専門家です。
近年の少子高齢化と、核家族化に代表される社会構造の変容に伴い、遺族が遺品を整理することが難しくなってきてます。
こうした社会的な背景を受け、遺品整理業の事業者数は年々増えています。
しかし、遺品整理業に関する法整備がほとんど整っていないこともあり、不要品を不法投棄したり、不当に高額な料金を請求するような業者も少なからず存在します。
そこで遺品整理業の社会的役割と、事業者数の増大に伴うモラルの低下を是正することを目的とし、遺品整理士が誕生しました。
遺品整理より生前整理の方がメリットが多い?

近年、終活の一つとして生前整理という言葉が話題になっています。
生前整理は遺品整理との違いはなんでしょうか。
ここでは生前整理について説明します。
生前整理とは?遺品整理との違い
身の回りの品物や財産の整理を、自分が元気なうちに整理しておくことを「生前整理」といいます。
不要なものを選別し、廃棄やリサイクルなどで処分することで、相続の際に遺族の負担やトラブルを減らせます。
生前整理も遺品整理も、身の回りの品物や財産を整理するという目的は同じですが、整理を自分で行うのか、亡くなった後に遺族が行うのかが大きな違いになります。
生前整理のメリット
生前整理のメリットは以下となります。
遺品整理の負担を減らすことができる
生前整理の大きなメリットとして、遺族が実施する遺品整理の負担を減らせるという点があります。
生前整理の対象には「財産」「品物」がありますが、負担軽減のメインとなるのは「財産」の整理となります。
まずは財産リストを作成し、自身の財産がどのくらいあるのかを把握します。
次に財産リストの項目ごとに今後どうしたいのかを明確にします。
今後どうしたいのかが決まれば、それを形にするために実行します。
相続トラブルを防げる
生前整理で財産を整理しておくことで、相続トラブルを回避できます。
相続トラブルは、財産の全貌が分からない、財産を誰が引き継ぐのか決まっていない場合に起こります。
あらかじめ財産リストを作成し、リストごとの状況と相続人を明記しておくことで、相続トラブルを防げます。
身の回りがきれいになる
生前整理は遺される人のことを考えて身の回りを整理することです。
自分がいなくなることを前提としているため、生活に必要なもの以外はできるだけ処分して、大切なもの、遺族に遺したいものはその旨が分かるように整理しておきます。
よくある質問
Q:遺品整理はいつから始める?
A:遺品整理は葬儀後や四十九日後に行う方が多いです。
遺品整理を行う時期に明確な決まりはありませんが、お金周りについては気を使いましょう。
Q:遺品整理の費用は?
A:1R、1Kの場合は5~8万円です。
部屋の数や広さによって遺品整理の相場が異なります。
Q:遺品整理のやり方は?
A:遺品整理の計画を立ててから、遺品の分類をします。
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ここまで遺品整理の正しいやり方についてお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 遺品整理はできるだけ早い方がよい
- 遺品整理は計画的に手順を決めて行う
- 業者は、遺品整理士の認定有無と口コミで選ぶ
- 遺品整理よりも生前整理がおすすめ
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
参考:大阪・関西での遺品整理・特殊清掃なら【おうち整理士】
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監修者

田中 大敬(たなか ひろたか)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴15年以上。葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから著名人や大規模な葬儀までを経験。お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、特に士業や介護施設関係の領域に明るい。