相続
遺族年金はいくら支給されるの?計算方法について説明
更新日:2022.04.10 公開日:2022.05.14

記事のポイントを先取り!
- ・遺族年金がいくらになるかは、納めた保険料で変わる
- ・自営業や会社勤めなどの違いにより遺族年金の受給額も異なる
- ・死亡一時金や寡婦年金についても知っておくと良い
家族を亡くした場合、遺族年金がいくら支給されるかご存知でしょうか。
ご家庭の状況と遺族年金の仕組みから、受給額がいくらになるか知っておくことが大切です。
そこでこの記事では、遺族年金はいくらになるかについて解説します。
この機会に、遺族年金の申請方法も覚えておきましょう。
後半には寡婦年金と死亡一時金の受給額についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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遺族年金とは

遺族年金とは年金制度のひとつで、亡くなった故人が条件を満たしていた場合に遺族に支払われる年金です。
遺族年金の目的
一家の生計を担う方が亡くなってしまった場合、残された遺族は金銭的な問題を抱えて生きていくことになります。
遺族年金はそのような金銭的弱者を救うためという目的があり、日本の社会保証制度の一つとして存在しています。
遺族基礎年金と遺族厚生年金について
遺族基礎年金と遺族厚生年金は、老齢年金と同じ位置付けで考えられます。
日本国民であれば加入している国民年金の加入者は、遺族基礎年金の対象者です。
会社などに勤めていた厚生年金加入者が、遺族厚生年金の対象者です。
細かい条件などもありますが、基本的には上記のように覚えておくと良いでしょう。
遺族年金はいくら貰える?

生きていくうえで欠かせないお金ですが、遺族年金はそれぞれいくらもらえるのでしょうか。
遺族基礎年金の場合
遺族基礎年金は、配偶者にくわえ子供が何人いるかで、いくらもらえるかが変わります。
基本的な金額が78万900円、2人目までの子供1人につき22万4,700円、3人目以降が1人につき7万4,900円です。
2021年度となる現在では、配偶者と子供1人で100万5,600円、配偶者と子供2人で123万300円、配偶者と子供3人で130万5,200円です。
子供の定義は、18歳の誕生日を迎える年度末までが対象となります。
遺族厚生年金の場合
遺族厚生年金がいくらもらえるかは、複雑な計算式によって決まります。
計算式は下記のようになります。
【平均標準報酬月額x7.5/1,000x平成15年3月までの被保険者期間月の数】+【平均標準月額x5.769×1,000/平成15年4月からの被保険者期間月の数】x1,000×3/4
遺族年金がいくらになるかは、概算で下記のように計算できます。
平均標準報酬月額が20万円の場合=年間支給額は25万円
平均標準報酬月額が30万円の場合=年間支給額は37万円
平均標準報酬月額が40万円の場合=年間支給額は49万円
平均標準報酬月額が50万円の場合=年間支給額は61万円
平均標準報酬月額が60万円の場合=年間支給額は74万円
正確な数字は、年金事務所に問い合わせて確認すると良いでしょう。
最終的な金額
最終的な金額がいくらになるか気になる方も多いでしょう。
働き方によっていくら支給されるかは変わりますが、故人がサラリーマンや公務員だった場合は、遺族基礎年金と遺族厚生年金を合わせた額が支給されます。
遺族年金はいつまで貰える?

遺族年金がいくらもらえるかわかったところで、次に気になるのはいつまで貰えるかということではないでしょうか。
遺族基礎年金の場合
遺族基礎年金は、受給条件に18歳未満の子供がいることとあります。
よって、受給者の家族にいる子供の年齢が18歳となる年度末までが受給期間です。
遺族厚生年金の場合
遺族厚生年金は、例外を除き一生涯受給できます。
例外のパターンは、受給者が結婚する場合や養子になる場合です。
遺族年金は税金対象?
遺族年金を受給することは、所得を得ることに関係するのではないかと考えられます。
そうなると、税金がかかるかどうかという疑問を持つ方も多いかもしれません。
税金を支払う必要があると、生活のために受給する遺族年金で生活が苦しくなってしまう場合もあるでしょう。
しかし遺族年金は、非課税とされている年金です。
そのため、受給金額が高額であった場合でも、課税対象とはなりません。
遺族年金の申請方法
家族には、できるだけ長く生きていて欲しいものですが、万が一の際を考えて遺族年金の申請方法についても確認しておきましょう。
申請方法
遺族年金の申請は基本的に、年金事務所や年金相談センターなどの年金関係の窓口で行います。
遺族年金の申請には書類や記入が必要ですので、窓口に問い合わせて確認しましょう。
申請の期限
遺族年金の申請期限は、被保険者の命日から5年間です。
もし5年を過ぎてしまうと、遺族年金受給の資格がなくなりますので注意してください。
寡婦年金と死亡一時金の受給額
思わぬ事故や病気によって家族を失うことで、遺族は大きなショックを受けます。
また悲しみの中で葬儀や法要を執り行うなど、精神的ダメージにくわえ身体的にも辛い生活が続きます。
それにくわえて、亡くなった家族が一家の金銭面を支える大黒柱だった場合、追い打ちをかけるように生活費や教育費などの不安がよぎる方もいるでしょう。
そのようなアクシデントや直面する問題に対して、遺族年金は金銭面の補助となります。
また遺族年金以外にも、寡婦年金(かふねんきん)や死亡一時金といった救済制度について知っておくことも大切です。
そこで本記事の最後に、寡婦年金と死亡一時金について解説します。
寡婦年金の場合
遺族厚生年金であれば子供が何歳であろうと、例外を除いて一生涯受給できます。
しかし遺族基礎年金の場合は、子供の年齢によって受給の有無が異なるものです。
もしも受給条件に合わないとなると、生活費などの収入源が断たれてしまう家庭も出てくるかもしれません。
そこで用意されている制度が寡婦年金です。
寡婦年金とは、特定条件を満たす夫を失った妻が、その際60歳以上であった場合に受給される年金です。
寡婦年金がいくらになるかというと、国民年金の保険料を納めていた期間で受給額が決まります。
寡婦年金支給額の計算式の一例をご紹介します。
30年間保険料を納めていた場合の寡婦年金は、約44万円です。
78万900×30年÷40年=58万5,675円
58万5,075円の3分の4=43万9,256円
死亡一時金の場合
死亡一時金とは、条件を満たす国民年金加入者の死亡時に遺族に支給されるお金です。
納めていた保険料の月数により、12万円〜32万円が支給額に設定されています。
ただし、遺族基礎年金を受け取れる場合は対象外となります。
また受給期限は、死亡日から2年間ですので注意が必要です。
遺族年金はいくらまとめ
ここまで遺族年金についての情報や、遺族年金はいくらもらえるかについて解説してきました。
まとめると以下の通りです。
- 故人が年金を納めていれば遺族年金の対象者となる可能性がある
- 遺族年金には遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類がある
- 遺族年金が受給できずとも寡婦年金や死亡一時金がもらえる可能性はある
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者

鎌田 真紀子(かまた まきこ)
国家資格 キャリアコンサルタント ・CSスペシャリスト(協会認定)
経歴
終活関連の業界経歴12年以上。20年以上の大手生命保険会社のコンタクトセンターのマネジメントにおいて、コンタクトセンターに寄せられるお客様の声に寄り添い、様々なサポートを行う。自身の喪主経験、お墓探しの体験をはじめ、終活のこと全般に知見を持ち、お客様のお困りごとの解決をサポートするなど、活躍の場を広げる。