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相続

遺産分割協議書の作成方法は?記載すべき内容から提出先まで解説

更新日:2022.04.11

遺産

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記事のポイントを先取り!

  • 遺産分割の詳細を書いたものが遺産分割協議書
  • 遺産分割協議書は相続人全員の合意が必要
  • 遺産分割協議書は明確に詳細に記述する
  • 遺産分割協議書の内容次第では無効となるケースもある

遺産相続を考える際に行う、遺産分割協議についてはご存知でしょうか。
遺産分割協議書が必要な場合の作成方法は、知らない方も多いと思います。

そこでこの記事では、遺産分割協議書の作成方法について解説していきます。

この機会に、記載内容や提出先などを覚えておきましょう。
後半には、遺産分割協議書が無効になる場合についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。

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  1. 遺産分割協議書とは
  2. 遺産分割協議書の作成が必要なケース
  3. 遺産分割協議書の作成が不要なケース
  4. 遺産分割協議書の作成手順
  5. 遺産分割協議書に書く内容
  6. 遺産分割協議書の基本のひな形
  7. 遺産分割協議書の提出先とは?
  8. 遺産分割協議書は無効になる時も
  9. 遺産分割協議書の作成方法まとめ
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遺産分割協議書とは

遺産分割協議書とは、遺産分割協議にて定めた遺産の分割内容についてまとめた書類になります。

遺産相続をするうえで、遺言書などがない場合は遺産分割協議にて各遺族に割り当てられる遺産の割合を確定しなければなりません。
遺産分割協議は、相続人全員が集まって全員が納得のいく割合を相談する協議のことです。

全員が合意した証明が必要となるため、遺産分割協議書の完成には各遺族の署名と押印が必要なので注意しましょう。

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遺産分割協議書の作成が必要なケース

そもそも遺産分割協議について知らない方は、どのような場合に必要なのかも知らないかと思います。

遺産分割協議をしなければいけないケースは主に、遺産相続の分配を遺族間で決める必要がある場合に行わなければいけません。

遺言書がなく、法律で定められた遺産相続分と異なる分配をしたいケースや、遺言書に記載されていない財産が後から見つかったケースなどが該当します。

遺産分割協議を行う場合は、その協議の内容を証明するために遺産分割協議書を作成しなければならないのです。
遺産分割協議を行ったとしても、遺産分割協議書がないとトラブルの原因ともなるので注意しましょう。

遺産分割協議書の作成が不要なケース

遺産分割協議を行わなければ、遺産分割協議書は不要です。
遺産分割協議を行わなくても良いケースは以下の通りです。

  • 遺言書が見つかっており、遺言書通りに遺産分割を終える場合
  • 遺言書はないけれど、法律で定められた遺産相続分の通りに遺産分割する場合
  • そもそも相続人が1人しかいない場合

相続人が複数人の場合でなければ、遺産分割の必要はありません。
また、遺言書や法律などによって、外的要因で定められた分配に合わせる場合も協議の必要はないのです。

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遺産分割協議書の作成手順

実際に遺産分割協議書が必要になった際、記述内容や作成手順に悩む方も多いでしょう。
遺産分割協議書に最低限必要なものは、相続人全員の合意証明遺産分割協議で定めた遺産分割内容です。

記述する用紙に特別な決まりはなく、内容が明確に記載されたうえでその内容がしっかり確認できれば問題ありません。
また、署名と押印以外は印刷でも大丈夫ですが、内容だけ間違えないように相続人全員がしっかり確認するようにしましょう。

どういった手順で遺産分割協議書を作成していくか解説します。

相続人を調査する

遺産分割協議は、相続人全員の参加が認められない場合は基本的に無効となります。
そのためまずは、遺族の誰が相続人に該当するのかを調べ、全員に遺産分割協議を行う旨の連絡をしましょう。

ちなみに、法的に相続人として認められる法定相続人は決まっており、故人との関係から順位にしたがった一部の遺族が法定相続人となります。

前提として、故人に配偶者がいた場合は配偶者が法定相続人の1人です。
配偶者に加えて、順位に応じた遺族が法定相続人となります。

法定相続人の順位は以下の通りです。
第1順位:子供→孫
第2順位:両親(義両親)→祖父母
第3順位:兄弟姉妹(義兄弟姉妹)→甥姪

各順位の前者が本来の法定相続人であり、そもそもいない場合や死去などによる除名が確認された際は後者の遺族が法定相続人になります。

たとえば、配偶者はいるが子供がいないケースでは配偶者と両親が法定相続人となり、祖父母より両親が先に死去していた場合には祖父母に相続人の権利が移るのです。

上記を参考に、法定相続人となる遺族を確認し、遺産分割協議を行う旨を伝えましょう。

相続財産を調査する

遺産を明確に分割するためには、故人が残した財産すべての把握が必須となります。
そのため、遺産分割協議を行う前に遺産となる財産を調べる必要があるでしょう。

遺族で協力して遺産を特定していきますが、早い段階で遺言書やエンディングノートなどが見つかれば、遺産の特定もスムーズに進めることが可能です。
特に遺言書は検認の作業も必要なため、遺言書があるかないかは早急に調べるようにしてください。

また遺産は、故人の残したプラスの財産もマイナスの財産も含みます。
調査する際は借金や返済が残っているローンがないかなども視野にいれ、確認できた遺産は財産目録などにまとめておくと良いでしょう。

遺産分割協議を行う

相続人と遺産を特定できれば、相続人の都合を合わせて遺産分割協議を行います
遺産分割協議では主に、遺産の分割内容を全員に納得を得られる形で確定していき、全員が合意する意思を見せなくてはなりません。

どうしても同じ場所に集まれない場合は、電話やテレビ電話などによる間接的な参加でも問題ありませんが、必ず全員が意思を示せる状況で行ってください。

遺産分割協議への参加を拒む相続人が1人でもいる場合は、裁判所に申し立てることで遺産分割調停なども可能です。
遺産分割調停は、遺産分割協議において調停委員会が参加することで公正な判断をする手段になります。

遺産分割協議の進行が困難であると判断された場合には、裁判所が最終的な判断を下す遺産分割審判が行われます。
これにより、遺族で話し合うことが不可能と判断された遺産分割であっても、公正な分割内容が確定するのです。

遺産分割協議で合意が得られた後に遺産分割協議書を作成する

遺産分割協議を終え、全員の合意が確認できた段階で遺産分割協議書を作成します。

遺産分割協議書に書く内容

遺産分割協議書に正式な書式はありません。
しかし、最低限以下の情報を記載するようにしてください。

  • 故人の氏名と命日
  • 相続人全員の合意意思
  • 具体的な遺産内容
  • 相続人の現住所と名前
  • 相続人の実印による押印

それぞれ誤りのないように明確かつ詳細に記述する必要があります。

遺産内容については、預金であれば口座番号や名義人まで、土地などであれば住所や土地の大きさなど、内容が確実にわかるようにしてください。
登記がある遺産については、登記通りに記載しましょう。

ただし注意点として、金額などを詳細に書きすぎると無効になるケースがあります。

具体例の1つとしては、預金残高を記したはいいものの利子などが発生して、協議書の確認段階で金額が変わってしまう場合です。
少しでも金額が異なっていると、内容の誤りを原因に協議書そのものが無効になる場合もあります。

こうしたトラブルを避けるのであれば、税理士などの専門家へ相談するのがおすすめです。

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遺産分割協議書の基本のひな形

令和年月日に死亡した被相続人(故人名)の遺産について、相続人(相続人名)、相続人(相続人名)は遺産協議を行い、下記のとおりの遺産分割に合意した。

1.相続人(相続人名)は以下の財産を承継する。

1:土地に関する権利
所在
地番
地目
地積

所在
家屋番号
種類
構造
床面積

2:自動車に関する権利
社名
登録番号
型式
車体番号

2.相続人(相続人名)は以下の財産を承継する。

1:金融資産に関する権利
銀行名
口座番号
口座区分
名義

2:家庭用財産に関する権利

3:被相続人の債務
上記のとおり遺産を分割し、将来発見された資産や負債については、相続人(相続人名)が承継するものとする。

本協議書が相続人全員の合意を得ていることを証するため、下記に署名と捺印したものを2通作成し、相続人各自で1通ずつ所有するものとする。

令和年月日(作成日)
住所
氏名 捺印

住所
氏名 捺印

捨印 捨印
※上記は一例であり、必要に応じて内容を変更してください。

遺産分割協議書の提出先とは?

遺産分割協議書を作成し承認された場合は、相続の証明として協議書を提出することにより、名義人の変更や相続税の申告などが行えます。
遺産分割協議書は各手続きで提出する場所も異なるため、以下を参考にしてください。

相続税の申告…税務署
預金の名義変更…金融機関
株式の名義変更…証券会社
不動産の名義変更…法務局
自動車の名義変更…運輸支局

手続きや内容によって、原本が必要な場合コピーでも問題ない場合があります。
原本を提出した場合、手続きによっては原則的に還付されないケースもあるので、そういった場合には手続きの数だけ原本を用意しなければなりません。

しかし、原本すべてのページをコピーして原本と変わりがないことを証明することで、特例として還付してもらえるケースもあります。
原本を何枚も用意するのは大変なため、可能であれば原本還付手続きをすることも考えておきましょう。

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遺産分割協議書は無効になる時も

遺産分割協議書は、承認されれば法的に相続手続きが行えるようになるものです。
しかし、その記述や遺産分割協議そのものに不備があった場合は、その事実が確認された段階で遺産分割協議書の効力がなくなります

記述の不備とは、法定相続人全員の合意証明が為されていない場合や、内容の誤表記があった場合です。
不備が確認されたり相続人の誰かが不備があったことを申し立てて承認されたりすれば、その遺産分割協議書は無効となります。

遺産分割協議そのものの不備とは、法定相続人全員の参加が事実でなかった場合判断能力に乏しい相続人に成人後見人となる代理人がいなかったケースです。
遺産分割協議は相続人全員の参加が絶対条件なため、不参加の相続人がいた場合は無効となります。

また、認知症や精神障害により判断能力に問題のある相続人は、判断を一任する成人の後見人を付けなければなりません。

不当な遺産分割を避けるためにも絶対的な条件であり、これが為されていない場合にはその相続人については不参加という扱いになります。

そのため、判断能力に問題のある相続人に成人後見人がいなかった場合についても、その遺産分割協議書は無効となるのです。

無効となることをさけるためにも、相続人全員が協議に参加したうえで、作成後の協議書は全員が確認して誤りがないことを確認するようにしましょう。

遺産分割協議書の作成方法まとめ

ここまで遺産分割協議書についての情報や、作成方法を中心に解説してきました。
まとめると以下の通りです。

  • 遺産分割協議書は遺産分割協議の内容をまとめた書類
  • 遺産分割協議書には相続人全員の合意を証明する記述が必要
  • 手続きによって遺産分割協議書の提出先は異なる
  • 記載内容の誤りや参加状況によって協議書が無効となるケースもある


これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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監修者

評価員(かまた)

鎌田 真紀子(かまた まきこ)

国家資格 キャリアコンサルタント ・CSスペシャリスト(協会認定)

経歴

終活関連の業界経歴12年以上。20年以上の大手生命保険会社のコンタクトセンターのマネジメントにおいて、コンタクトセンターに寄せられるお客様の声に寄り添い、様々なサポートを行う。自身の喪主経験、お墓探しの体験をはじめ、終活のこと全般に知見を持ち、お客様のお困りごとの解決をサポートするなど、活躍の場を広げる。

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