お墓
散骨はお墓がいらない？メリットや種類、供養方法まで詳しく解説
更新日：2023.11.24
故人を埋葬するために、従来はお墓を用いることが一般的でした。
しかし近年では「お墓がいらない」という考え方も広まってきています。
お墓を管理する継承者の不足や、お墓自体の値段が高いことが原因です。
お墓がいらない埋葬方法として散骨を考えたことのある方もいるのではないでしょうか。
今回の記事では
- そもそも散骨とは
- 散骨のメリット・デメリット
- 散骨にはどのような種類があるのか？
- 散骨後に供養する方法
を解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
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散骨とは
散骨とは、細かく砕いた遺骨を海や山に撒いて埋葬することを意味します。
散骨は自然葬の一種です。
自然葬とはお墓に遺骨を還すのではなく、山や海などの自然に遺骨を還す埋葬方法のことです。
散骨以外にも樹木葬が自然葬にあたります。
散骨の特徴は埋葬場所の管理の必要がないということです。
またお墓よりも価格を抑えられるのも散骨の特徴といえます。
お墓がいらないという考え方
近年ではお墓を維持する負担から、お墓がいらないと考える方も増えています。
理由としてはお墓の後継者不足・お墓がある霊園へのアクセスの不便さ・お墓の管理料の問題があります。
いまあるお墓を改葬し、区画を墓地に返還する墓じまいを検討している方も多数います。
近年では、お墓を建てない供養方法も一般的になりつつあります。
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散骨のメリット・デメリット
散骨は遺骨粉砕して自然に撒く埋葬方法です。
散骨のメリット・デメリットを、お墓を建てる場合と比較しながらご紹介いたします。
メリット
まずは、散骨のメリットを紹介します。
継承者を気にする必要がない
先祖代々から引き継いでいるお墓があれば、誰かがお墓を管理するために跡継ぎが必要になります。
散骨はお墓を作らないため、後継者について悩む必要はありません。
そのため散骨を利用する方は、身寄りのない人や後継者がいない方が多いようです。
費用がかかりにくい
散骨はお墓を購入する必要が無いため、費用を抑えることが出来ます。
お墓を一から建てた場合には、200万円程度かかるのが相場です。
しかし散骨の場合は20万円程度で済むことがほとんどです。
そのため散骨はお墓を建てる場合と比べて、10分の1程度の費用で抑えられます。
デメリット
次に、散骨のデメリットについてご紹介します。
遺骨が残らない
散骨は山や海洋に遺骨を撒いてしまうため、一度撒いた遺骨を再び回収することはできません。
全ての遺骨を供養するのか、一部を手元で保管しておくのか、あらかじめ検討する必要があります。
遺族間でトラブルになりやすい
散骨はお墓がいらない埋葬方法ですので、親族間でトラブルになりやすいです。
徐々に世間に浸透しつつある散骨という埋葬方法ですが、まだまだ馴染みがないのが現状です。
そのため遺骨をお墓に入れないで、山や海に遺骨を撒くということに抵抗がある人も少なくありません。
後々のトラブルを避けるためにも、事前に親族との相談は欠かせません。
散骨の種類
散骨とひとことで言っても、いくつか方法があります。
散骨方法や費用について解説していきます。
海洋散骨
海洋散骨は、多くの方が散骨といってイメージする、海へ散骨する方法です。
散骨ができる沖合まで船に乗り移動して、散骨をおこないます。
海洋散骨する場合は、散骨の専門業者に船を手配してもらうことになりますが、船に乗る人数によって費用は変わります。
船に乗る人数が増えれば増えるほど、費用は増えることになります。
一家族で船を貸し切って散骨する場合、25万円程度が相場です。
さらに費用を抑えたい場合には、散骨を完全に業者に委託することで費用を抑えられます。
業者に完全に委託して散骨してもらう場合、5万円程度に収まります。
山岳散骨
山岳散骨とは、山間部に散骨する方法です。
自然回帰というイメージで樹木葬に近いですが、土をかぶせたり土の中に埋めることはできません。
市街地に散骨することも可能ではありますが、難しい点は多いとされています。
散骨は遺骨を粉末状にして撒くため、遺骨が風に乗っていきやすいです。
そのため市街地のような風が強く吹く環境では、遺骨が予期しない場所に飛ぶ可能性も考えられます。
このような観点から、もし遺骨が予期しない場所に飛んだとしても影響の少ない、人気のない山岳で散骨するのが一般的です。
業者が管理している山岳に散骨するのであれば、5万円程度が相場です。
例外として私有地として山を持っている場合は、無料で散骨できます。
宇宙で散骨
散骨は地球だけにとどまらず、宇宙でも散骨可能です。
宇宙でおこなう散骨のことを宇宙葬と呼びます。
宇宙に対して憧れがあった方は、最新の技術を利用して宇宙に遺骨を撒ける時代に突入しています。
宇宙葬のなかでも風船を利用したバルーン葬であれば、20万円程度で散骨可能です。
ロケットを利用して宇宙に遺骨を撒く、ロケット葬も可能ですが、120万円程度かかります。
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散骨後の供養の仕方
これから散骨を検討する方の中には、「散骨後はどのように供養すればいいのだろう」と疑問に思う方もいると思います。
散骨後の供養方法は多くの方は全ての遺骨を散骨せずに、手元に少しだけ遺骨を残しておくそうです。
これを手元供養といいます。
手元に残した遺骨をペンダントなどに入れたり、小さな棺に入れたりして供養することができます。
散骨以外でお墓がいらないときは
散骨だけに限らず、近年ではお墓のいらない供養方法が多様化しています。
以下ではお墓のいらない供養方法について簡単にご紹介します。
納骨堂
納骨堂とは建物の中に遺骨を収蔵するスペースのことをさします。
あらかじめ決められたスペースに、遺骨を骨壷に入れた状態で収蔵します。
仏壇型やロッカー型、マンション型と呼ばれる自動搬送機能のついた納骨堂まで、様々な種類があります。
分骨
亡くなった方の遺骨を二箇所以上に分けて供養する方法です。
お墓が遠くにある方や、手元供養したい方にとって人気の供養方法といわれています。
ただし分骨は遺骨をいくつかに分けることから、魂がさまよってしまうという考え方もあります。
そのため親族間でトラブルになる可能性もあります。
後のトラブルを避けるために、親族間での話し合いは必須です。
樹木葬
樹木葬とは木々をお墓に見立てて、木々の周辺の土の中に遺骨を埋葬する供養方法です。
自然葬の一種として知られています。
お墓を持つことより安く供養できることから、近年では人気になりつつある供養方法です。
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お墓がいらない散骨についてのまとめ
ここまで散骨の種類やメリット・デメリットなどを中心にお伝えしてきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- 散骨とは、遺骨を海や山に撒いて供養する方法
- 散骨のメリットは継承者や管理費用を気にする必要がない
- 散骨のデメリットは一度撒いた遺骨を回収することはできない
- 散骨の方法として海洋散骨・山岳散骨・宇宙葬がある
これらの情報があなたのお役に立てれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
袴田 勝則（はかまだ かつのり）
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。
