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お墓

お墓がいらない場合の供養方法とは?新たな葬儀スタイルも解説

更新日:2022.11.18 公開日:2021.06.18

永代供養

記事のポイントを先取り!

  • お墓を持たなくても供養できる
  • お墓がいらない場合は、永代供養・樹木葬・散骨といった方法がある
  • 既にお墓がある場合は墓じまいをする必要がある

お墓を建てるには高額な費用がかかるだけでなく、お墓を管理する必要もあります。避けられない出費と考える方が多いのかもしれませんが、お墓に関して多様な選択肢があるのをご存知でしょうか。

そのうちの1つがお墓がいらないというものです。

ですが、お墓がいらないと思っても、「お墓以外の供養方法には何があるの?」などの疑問がたくさんあると思います。

そこで今回は、お墓がいらない場合の供養方法、お墓を持たないメリット・デメリットなどについて解説していきます。

葬儀や埋葬を行わない「0葬」という新しいスタイルについても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

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  1. お墓はいらないと考える人が増える背景
  2. そもそもお墓はなぜ必要なの?
  3. お墓がいらない場合の供養の種類
  4. 永代供養の一般的な金額
  5. お墓を持たないメリット・デメリット
  6. 既にお墓があるときは墓じまいが必要
  7. お墓を放置することで起こる問題
  8. お葬式もお墓もいらない「0葬」とは?
  9. お墓がいらない場合の供養まとめ
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お墓はいらないと考える人が増える背景

ノートパソコンを頭に載せて「HELP」と書いた旗を持った男性

近年、お墓はいらないと考える人が増えてきています。
そのように考えられる原因はどこにあるのか説明します。

お墓の後継者がいない

お墓は世代を超えて家族や先祖との繋がりを保つ場所ですが、当然お墓を守っていくための後継者が必要です。
しかし核家族化・少子高齢化の進む現代では、後継者がいない家族も増えてきました

加えて単身者や未婚率は上昇し、結婚せず、子供をもたない人も多くいます。
そのような方は「お墓はいらない」と考えるのも当然です。

お墓が遠方にあり維持が困難

進学や就職などで、故郷を離れて都会へ引っ越す人も増えています。
都会に住んでいるのに、家族のお墓が田舎にあるままだとお墓参りが困難に感じられます。

そのため、同じ場所に居続ける墓石を購入するのを躊躇う人も多いでしょう。

お墓を改葬して引っ越しすることもできますが、それなりの費用もかかります。

お墓の金銭的な負担

お墓を購入するためには、墓石の区画代に加え墓石代、墓地管理費、御布施などが必要です。
お墓を使用している期間は、管理費として年間数千円〜1万円程度支払う必要があります。

管理費は墓地の管理や清掃に使用されますが、この管理費が負担に感じる方もいるようです。
さらにお墓掃除の費用や交通費、お供えの費用もかかります。

浄土真宗ではお墓がいらない?

上記で説明した要因の他に、宗派によってはそもそもお墓はいらないという考えのところもあります。

浄土真宗では、本尊である阿弥陀如来の力により、故人は死後すぐに成仏するという考え方のため、故人の供養を願うためのお墓はいらないとされています。

そのためお墓は故人の魂が宿る場所ではなく、阿弥陀如来への信仰心を高め、仏縁を結ぶ場所という意味合いが強いのです。

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そもそもお墓はなぜ必要なの?

普段から信仰の強い方であれば気にすることもないと思いますが、あまり宗教などに興味のない方は、お墓の必要性について疑問を感じる方もいるでしょう。

お墓には歴史があり、主に仏教においてはさまざまな意味合いを持っています。

親族との縁を作るため

現実的な意味合いでは、今後の法要のためであったり親族との縁を作るためであったりします。
寺院によってはお墓を建てない家族の法要に協力してくれない場合もあります。

また、普段会うことのない親族と会うきっかけとなる法要やお墓参りなどもお墓があってこそです。

魂が遺族のもとにくるための標識のような役割

宗教的な意味合いでは、人の死後は肉体がなくなっても魂は残るとされています。
その魂が遺族のもとにくるための標識のような役割を果たすのがお墓です。

故人と遺族の縁をつなげるためにお墓が建てられます。

また、お墓という故人をイメージさせるものがあることで、遺族の心に穏やかな気持ちを作り出す役割もあるでしょう。

現実的な理由でも精神的な理由でも、お墓は大切な役割を担っています。
とはいえ、昨今では散骨や手元供養などでお墓を建てない家庭も増えています。

最終的には、故人を想う遺族の気持ちがもっとも大切であることだけは忘れないようにしましょう。

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お墓がいらない場合の供養の種類

そもそもお墓とは、亡くなった人の遺骨を納めたり、残された人たちが祈りを捧げる場所です。これは神道や浄土真宗など、宗教にかかわらず同じことが言えます。

ですが、必ずしもお墓を持たないといけないわけではありません。

お墓を持たなくても故人やご先祖様と向き合うことができれば、供養はできるのです。

ここでは、お墓がいらない人には、どのような選択肢があるのかをご紹介します。お墓以外の供養方法として代表的なものを4つご紹介します。

永代供養

永代供養とは、子供や孫などの承継者の代わりに寺院や霊園に遺骨の管理や供養を任せる方法です。

多くの永代供養墓では契約後13年や33年間は個別供養期間を設け、一般的なお墓と同じようにお参りをすることができます。

期間終了後は他の遺骨と合祀され、永代供養となることが一般的です。
はじめから合祀墓へ合葬することも可能です。

こちらの記事で永代供養について解説しているので、ぜひご覧ください。

樹木葬

樹木葬とは永代供養の一種で、墓石ではなく樹木の付近に納骨する供養方法を指します。

一般的には、寺院や霊園の中の整備された場所に墓標となる樹木(シンボルツリー)を植えて、その周りに埋葬することが多く、自然や樹木が好きな方に人気の高い供養方法です。

こちらも永代供養墓と同じように、期間終了後は合葬される場合が多いです。

こちらの記事で樹木葬について解説しているので、ぜひご覧ください。

納骨堂

元々納骨堂は一時的に遺骨を預かるための場所でしたが、お墓の代わりに利用したいというニーズの高まりに合わせて、お墓以外の供養方法として利用者が増えています。

納骨堂には仏壇型、ロッカー型、墓石型など、さまざまなタイプがあり、最近ではコンピューター制御自動搬送型システムを採用しているところもあります。

一般的に納骨堂の利用期間は3年、13年、33年といったように、それぞれの法要の節目に合わせた利用プランが用意されていることが多いです。

こちらの記事で納骨堂の種類や費用について解説しているので、ぜひご覧ください。

散骨

散骨故人の遺骨を粉状にして、生前ゆかりのあった土地や海に撒く供養方法です。
樹木葬や納骨堂のように供養場所を必要としないため、費用の負担が少ないのが特徴です。

こちらの記事で散骨について解説しているので、ぜひご覧ください。

手元供養

手元供養とは、遺骨の一部や全部を自宅で保管し、供養することを指します。
中でも、一部の遺骨を加工してアクセサリーにしたり、小さな骨壷に入れて自宅で供養したりする方法が人気です。

遺骨を散骨や合祀する前に、分骨して手元供養として残しておくことができます。
遺骨が自宅にあれば、お墓がなくとも故人を身近に感じることができるでしょう。

こちらの記事で手元供養について解説しているので、ぜひご覧ください。

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永代供養の一般的な金額

永代供養の費用相場は10万円〜150万円とされており、永代供養というくくりでは判断が難しいものとなっています。

永代供養といってもひとりで眠る単独墓から、多くの方を一緒に埋葬する合祀墓とあり、単独墓であれば高く、合祀墓であれば安くなる傾向にあります。

また、他には納骨堂などもありますので、事前にお墓の形態などを決めておくと良いでしょう。

ちなみに、合祀墓であれば10万円程度で供養可能なこともありますが、単独墓であれば基本的に100万円以上の費用が必要です。

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お墓を持たないメリット・デメリット

お墓がいらない場合の供養方法を解説してきましたが、本当にお墓がなくても良いのか不安な方もいるのではないでしょうか?ここでは、お墓を持たないことのメリットとデメリットを紹介します。

お墓を持たないメリット

お墓を持たないと、費用面などで様々なメリットがあります。ここでは、お墓を持たないことによるメリットを大きく2つ取り上げます。

費用が抑えられる

お墓を建てるのには、墓石代や永代使用料など、多額の費用がかかります。一般墓だと100万円を超えることも珍しくありません。

また、一般墓以外でも樹木葬などは管理費を支払わなければいけない場合もありますが、多くの場合はお墓を持たないことによって管理費や維持費は一般墓に比べかなり安くなります。

お墓を建てないことによって費用が抑えられることは大きなメリットになります。

承継者の心配をしなくて良い

お墓を持つ人の中には、お墓を後世にわたって管理する承継者の心配をしている人も多いのではないでしょうか。

お墓を持たない場合は継承者を必要としないため、承継者の心配がなくなることは大きなメリットだといえるでしょう。

お墓を持たないデメリット

お墓を持たないことにメリットがある一方、デメリットも存在します。ここでは、お墓を持たないデメリットを3つ紹介します。

理解を得られないことがある

樹木葬や納骨堂などに納骨すると決めた場合でも、お墓を持たないことについて、良くない印象を持つ親族もいるかもしれません。

お墓を持たないと決める場合でも、周囲の理解も得られるように事前に相談する必要があります。

合祀後は遺骨の取り出しができない

合祀とは、一定期間お骨を納骨堂などで供養した後、他の人の遺骨と一緒に埋葬することです。

合祀が行われたら、遺骨の取り出しを行うことはできなくなってしまうため、合祀が行われるタイミングをあらかじめ確認しておきましょう。

子孫のお墓がなくなる

お墓には、家族代々で入ることも少なくありません。お墓を持たない選択をする場合は、家族代々で同じ墓に入れないことも理解しておきましょう。

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既にお墓があるときは墓じまいが必要

すでに先祖のお墓を持っていて、自分がお墓を持たないという場合には、先祖代々のお墓を撤去する墓じまいをする必要があります。

ここでは、墓じまいの手順や費用について詳しくご紹介します。

墓じまいとは

墓じまいとは、今あるお墓を解体・撤去し、更地にして墓地の管理者に敷地を返還することです。お墓から出した遺骨は別の墓地に移すか永代供養などに「改葬」します。

このように墓じまいとは単に墓石を解体することではなく、別の形で供養するという意味を含んでいます。

墓じまいの手順

墓じまいの手順は以下の通りです。

  1. 新たな受け入れ先を決める
  2. 墓じまいに必要な行政手続きをする
  3. 墓石を撤去する
  4. 新しい納骨先へ遺骨を供養する

それぞれの状況などによって多少変わるところもありますが、基本的にはこのような流れで墓じまいをします。

墓じまいの費用

墓じまいにかかる費用は工程や地域によって変動はありますが、相場は50~100万円程度となっています。
費用の中には墓石・墓誌の解体工事やお布施が含まれており、さらに墓じまい後の遺骨をどのようにするかによっても値段が大きく変わります。

費用面の負担が決して小さくないことも頭に入れておきましょう。

こちらの記事で墓じまいの手続きについて解説しているので、ぜひご覧ください。

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お墓を放置することで起こる問題

お墓を引き継ぐ人が途絶え、寺院や墓地でお墓を放置した状態の無縁墓が増えているようです。

無縁仏とは、お葬式や供養をする家族や親族がいなくなった故人とお墓のことを指します。管理が行き届いておらず、雑草が伸び放題の古びたお墓を見たことがある人もいるかもしれません。

生前に親族と絶縁状態になっていたり、継がせる人がいないなど、様々なケースが考えられます。

墓地管理料の未払いや連絡が取れないなどの状態が続いた場合、そのお墓は墓地の管理者によって解体撤去されてしまいます。

場合によっては未払いだった管理費や新しく納骨する費用などを後から一括請求される可能性もあります。
すでにお墓を持っている場合は、墓じまいのことなども考えておきましょう。

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お葬式もお墓もいらない「0葬」とは?

最近注目を浴びている、お葬式もしない、お墓もいらない0葬(ゼロ葬)をご存知でしょうか。

0葬とは、葬儀・遺骨の引き取り・埋葬などを行わない新しい葬送スタイルのことを言います。
0葬という考え方は、宗教学者の島田祐巳氏の著書『0葬 ーーあっさり死ぬ』(2014年)をきっかけに世間に広まったと言われています。

0葬の最大の特徴は火葬場から遺骨を引き取ることがない点です。
そのため、葬儀、お墓の購入や維持、散骨などの負担がなくなります。

費用も安く抑えることができるため、お墓がいらないと考えている方は、1つの手段として検討するのも良いかもしれません。

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お墓がいらない場合の供養まとめ

キーボードの上に載っている「ま」「と」「め」と書かれた積み木

今回は、お墓がいらない場合にはどのような選択肢があるのかについて解説してきました。
内容をまとめると以下の通りになります。

  • お墓を持たなくても供養できる
  • お墓以外の供養方法は永代供養樹木葬納骨堂散骨手元供養といった方法がある
  • お墓を持たないと、費用を抑えられるが、周囲の理解を得られない可能性がある
  • 既にお墓がある場合は、墓じまいする必要がある

「お墓がいらない」という考え方ですが、お墓に対する多様な考え方が認められてきています。これを機に、ご自身と親族にとってのお墓の必要性を考えてみてはいかがでしょうか。

これらの情報が少しでも皆さんの役に立てば幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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監修者

評価員(かまた)

鎌田 真紀子(かまた まきこ)

国家資格 キャリアコンサルタント ・CSスペシャリスト(協会認定)

経歴

終活関連の業界経歴12年以上。20年以上の大手生命保険会社のコンタクトセンターのマネジメントにおいて、コンタクトセンターに寄せられるお客様の声に寄り添い、様々なサポートを行う。自身の喪主経験、お墓探しの体験をはじめ、終活のこと全般に知見を持ち、お客様のお困りごとの解決をサポートするなど、活躍の場を広げる。

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