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専門家インタビュー

運動を通して心身ともに健康な生活を歩んでもらいたい

更新日:2023.01.29

福岡大学 柿本真弓教授


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  1. 研究内容について
  2. 今後の目標について
  3. みんなが選んだ終活のユーザー様へ一言
  4. 今回取材に協力していただいた先生
  5. 柿本教授の所属先
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研究内容について

Q1. 高齢者の体操についての研究を始めたきっかけは何ですか?

 
高齢者の運動に関する先行研究は、介護やリハビリの分野でも取り上げられています。その中では、体操を楽しく続けるための工夫として音楽が使われています。


音楽には、リズム・テンポ・速度・音の強弱・曲調などヒトの感情に刺激を与える要素があります。



軽快な感じの音楽は、楽しい・元気が出る・やる気が出るなど気分が高まるでしょう。逆に、静かでゆったりとした音楽は、気持ちが落ち着く・リラックスできるなどの効果が期待できます。



音楽を使用した体操は、使用音楽の特徴を生かし、それに合った動きを選び構成します。


それらの動きを「正しい姿勢」を意識して継続することで、日常生活の様々な動作にも対応できるカラダづくりができるのではないかと考えています。



カラダが元気になればココロも元気になります。



「音楽体操の効果」を明らかにしたいと考えたのが、研究のきっかけです。

Q2.研究対象である高齢者の体操とは、どのような内容ですか?

 

1.準備運動として、ストレッチ・柔軟体操などを音楽に合わせて行います。

 

2.主運動として、歩く・振る・回るなどの運動を組み合わせた一連の動きや、ボール・バチ・スカーフ等の用具を用いた体操を、音楽のイメージに合わせて動きます。


3.整理運動として、心身をリラックスさせるストレッチ等をゆったりとした音楽を使用して行います。以上の流れを軸とし、様々な動きに変化させた「音楽体操」として提供します。所要時間は60分~90分です。

* 使用する音楽の種類は様々です。テンポの良い洋楽や、癒し系の音楽、時には懐メロなども使います。



Q3.高齢者が体操をすることで、どういった効果があるのか教えてください。


身体的には、体力の向上と低下している部位の機能改善が期待できます。

例えば、腰痛・肩こり・冷え・むくみ・肥満などが改善され、いつの間にか歩くスピードも速くなっています。

精神的には、人との会話が増える、外出が億劫ではなくなるなど、ポジティブ思考になることが期待できます。
   

Q4.高齢者が長く健康でいられるために、どのような運動が必要ですか?                                          

長く健康でいるためにヒトのカラダの中で、最も重要な部位の動きを紹介します。

  1. 背骨の動き・・屈曲(上体を前に曲げる)       

           伸展(上体を後ろに反る)

        側屈(上体を右へ・左へ曲げる)
       
        回旋(上体を右へ・左へ捻る)

        

  1. 肩まわり

 肩関節・・・内旋(腕を体前で伸ばし内側に捻る)

       外旋(腕を体前で伸ばし外側に捻る)

       外転(気をつけした腕を体側で挙げる)

       内転(耳の横まで挙げた腕を体側に下げる)

       屈曲(腕を体前に挙げる)

       伸展(腕を体の後方へ挙げる)

 肩甲骨・・・内転(胸を反る動作で、肩甲骨同士を近づける)

       外転(背中を丸くする動作で、肩甲骨同士を引き離す)

       挙上(肩を挙げる動作で、肩甲骨が上方へ挙がる)

       下制(肩を下へ下げる動作で、肩甲骨が下方へ下がる)

       上方回旋(腕を上げる動作で、肩甲骨が上方へ動く)

       下方回旋(腕を下げる動作で、肩甲骨が下方へ閉じる)

3.腰まわり

 骨盤・・・・前傾(骨盤を前に傾ける)

       後傾(骨盤を後ろへ傾ける)

       挙上(腸骨の片方を上方に挙げる)

       下制(腸骨の片方を下方に下げる)

       回旋(上体を固定し、お臍の向きを右へ・左へ回す)

 股関節・・・内旋(脚が内股になる)

       外旋(脚が外股になる)

       内転(脚を内側へ閉じる動作)

       外転(脚を外側へ開く動作)

       屈曲(脚を前に挙げる)

       伸展(脚を後ろに挙げる)


以上の部位の動きの中でできそうな動きからご自分のペースでやってみましょう!気を付けることは、正しい姿勢で行うこと、毎日行うこと、永く継続することで「長く健康でいられる」と考えています。



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今後の目標について

Q1.柿本様の研究における最終的な目標を教えてください。

10年ほど前から毎週1回(株)ライコ代表取締役社長であり、パーソナルトレーナーの西村拓巨氏が提唱している機能改善トレーニングのセッションを受けています。


機能改善トレーニングとは、ココロとカラダが元気になるトレーニングです。


セッションの最初に行うのは、「スクワット」です。


スクワットの動き方を観てカラダのチェックをするのです。

機能が低下している部位があればそれに対応したトレーニングが始まります。

また、カラダだけではなくココロが辛い時にも、その症状にあったトレーニングを受けることができます。

所要時間は60分間です。

西村氏のセッションには自宅でできる宿題が出されます。

出された宿題のメニューを毎日行っていくうちに、「なんとなく調子が良くなった!」と感じることが多くなりました。

カラダとココロの調子が良くなり始めて思ったことは、このトレーニングを私の専門分野の「体操」に取り入れられないかということでした。

現在も機能改善トレーニングを取り入れた体操は、大学の授業や中高齢者の体操教室等で実践していますが、まだまだ知識が浅いと感じています。                  

ココロとカラダが元気でいるために、トレーニングで体得したことを、いかにアレンジして「音楽体操」に落とし込むかを常に考えています。

機能改善トレーニングは奥が深く、週1回のトレーニングの度に新たな発見や情報があり、刺激を受けています。

今後は、機能改善トレーニングをさらに深く勉強し、楽しく続けられる「音楽体操」を確立したいと考えています。そして多くの方々と一緒にカラダを動かして「元気」を共有したいというのが私の最終的な目標です。

Q2.今後はどういった研究を進めていく方針なのでしょうか?

ヒトのカラダの動きで重要な背骨・肩まわり・腰まわりの機能低下を予防または改善するトレーニングを、楽しく継続できる「音楽体操」にアレンジし、老若男女問わず提供したいと考えています。

そして、「音楽体操の効果」を検証し、さらに広めていけたらと思って研究を進めて参ります。

みんなが選んだ終活のユーザー様へ一言

Q.みんなが選んだ終活のユーザー様(高齢の方、高齢の親を持つ方)に何かメッセージをお願い致します。

ココロとカラダが常に軽い状態で元気なことが「健康」だと考えています。

体操に限らず、楽しい・落ち着く・心地良いなど、ご自分のカラダとココロが元気になるような日々のルーティンを見付けられたら如何でしょうか。

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今回取材に協力していただいた先生

福岡大学 スポーツ科学部

柿本 真弓教授


略歴

1980年 東京女子体育大学 体育学部体育学科卒業
 1984年 福岡大学 体育学部 助手
 1992年 福岡大学 体育学部 講師
 2008年 福岡大学 スポーツ科学部 准教授
 2016年 福岡大学 スポーツ科学部 教授

資格・学会・役職

日本体育・スポーツ・健康学会会員
 九州体育・スポーツ・健康学会会員
 日本体操学会会員
 福岡県体操協会理事
 福岡市体操協会理事
 (公財)日本体操協会認定 新体操女子一種審判員
 NPO法人 日本Gボール協会認定 JSAスモールGボールエクササイズインストラクター
 JSAトレーナートレーナー

柿本教授の所属先

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