専門家インタビュー
沖縄における死の現在ー火葬の普及・葬儀社の利用・僧侶への依頼ーについて
更新日:2024.08.23 公開日:2024.08.23
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研究内容について
Q1.「沖縄における死の現在ー火葬の普及・葬儀社の利用・僧侶への依頼ー」の研究を始めたきっかけは何ですか?
私のもともとの専門は、沖縄のシャーマニズム研究です。
従来、沖縄本島ではユタと呼ばれるシャーマンが死の領域を担ってきました。
しかし近年、仏教、あるいは仏式の葬儀が沖縄の一般の人々にも普及し、僧侶がユタに代わり葬儀に呼ばれることが多くなりました。
そのような変化が起こっていることを沖縄本島北部でのフィールドワークから知ったためです。
Q2.研究対象である、沖縄の伝統的死生観とは何ですか?
祖先崇拝がそのひとつです。
沖縄の人々は従来、子孫に恵まれ長寿を全うし、子孫から大切に祀られることを「幸福な死」とみなし、そのような死者は祖先、あるいはカミとなって子孫を見守る存在になると考えました。
また、水平線のかなたにニライカナイという場所があり、そこにそのような先祖やカミが住んでいるという伝統的死生観もあります。
逆に子孫が途絶えたり、不慮の事故死や夭死などを遂げた場合は「不幸な死」と考え、ユタによりしばしばそのことが災因として指摘され、除去儀礼がおこなわれたりしました。
その他、骨に魂魄が宿るという考え方もあり、洗骨の風習もみられました。
Q3.本研究の研究成果を教えてください。
本研究では、近年、沖縄本島北部においてユタから僧侶へという死の領域の担い手の変化が起こっていることを明らかにしました。
ただし、それでもなお、僧侶は基本的にはおこなわない「死者の口寄せ」など、死者との直接交流時においてユタを必要とする人々がいることも明らかにしました。
Q4.塩月様が考える本研究の意義を教えてください。
死の領域における伝統的巫者(ユタ)の役割の縮小にもかかわらず、僧侶には担えない部分(「死者の口寄せ」など)でユタの需要があることを実証的に明らかにした点です。
Q5.塩月様の研究における最終的な目標を教えてください。
東日本大震災のときには死者との直接交流を望む多くの遺族が東北の民間巫者であるイタコを訪れたといいます。
このような震災などの自然災害、あるいは戦争などの人為的災害など、危機時における精神的ケアの担い手やその変化について明らかにしていきたいです。
先生の経歴について
Q1先生の略歴を教えてください。(5つまで)
平成1年3月 慶應義塾大学文学部人間関係学科社会学専攻卒業
平成4年3月 慶應義塾大学大学院社会学研究科修士課程修了
平成15年9月 名古屋大学大学院文学研究科人文学専攻比較人文学講座博士課程修了
平成9年4月 日本女子大学助手
平成12年4月 日本橋学館大学講師・助教授(准教授)・教授
Q2.先生の資格・学会・役職を教えてください。(5つまで)
博士(文学)
跡見学園女子大学副学長
日本宗教学会評議員
社会デザイン学会副会長
先生の所属先
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