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専門家インタビュー

身寄りのない独居高齢者の身元保証問題に対する 医療ソーシャルワーカーの望ましい支援とは-兵庫県・岡山県の実態調査より-について

更新日:2024.08.28 公開日:2024.08.28

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  1. 研究内容について
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研究内容について

Q1.「身寄りのない独居高齢者の身元保証問題に対する 医療ソーシャルワーカーの望ましい支援とは-兵庫県・岡山県の実態調査より-」の研究を始めたきっかけは何ですか?

きっかけは、当時、共同研究者でもあり、医療ソーシャルワーカーでもあった富田幸典氏からの相談でした。

富田氏は、医療現場において、身寄りのない独居高齢者の入院や医療に関する意思決定が困難なケースが増加しているという社会問題に直面していました。

特に、医療機関が家族等がいることを前提とした運用を行っている現状において、身寄りのない高齢者は、医療を受ける際に様々な困難を抱えていることを教えていただきました。

ですので、この問題に対して、医療ソーシャルワーカーがどのような支援を行えば良いのか、その実態を明らかにし、より良い支援へと繋げたいという思いから、本研究の支援を開始しました。

Q2.「身寄りのない独居高齢者の身元保証問題に対する 医療ソーシャルワーカーの望ましい支援とは-兵庫県・岡山県の実態調査より-」とはどのような内容ですか?

本研究の対象は、「身寄りのない独居高齢者の身元保証問題」です。

具体的には、医療機関における「身元保証・身元引受等」の仕組みが、身寄りのない高齢者に対してどのように機能しているのか、そして、医療ソーシャルワーカーがどのような支援を行っているのかを、兵庫県と岡山県の医療機関を対象に実態調査を行いました。

この実態調査は研究人員体制、研究予算や研究時間にも限りがあることから2県のみに限定されていますが、悉皆調査(全数調査)として実施したものです。

Q3.本研究の研究成果を教えてください。

主な研究成果は3つ挙げられます。

1つめは、ガイドラインの活用状況についてです。
調査によって、医療機関において、身寄りのない人の入院及び医療に係る意思決定に関するガイドラインが十分に周知・活用されていないことが明らかになりました。

2つめは、医療ソーシャルワーカーの支援についてです。
医療ソーシャルワーカーは、成年後見制度や生活保護制度の活用、地域の協力による多職種連携、本人との信頼関係構築など、様々な支援を行っていることがわかりました。

3つめは、望ましい支援のあり方についてです。
身元保証問題に対する医療ソーシャルワーカーの望ましい支援として、
①成年後見制度、生活保護制度などの活用を図る
②地域の協力を得て、多職種多機関連携の要となる
③本人への説明と信頼関係の構築を図る
という3点が挙げられました。

Q4.谷川様が考える本研究の意義を教えてください。

本研究がもつ意義として、身寄りのない独居高齢者が安心して医療を受けられるような社会を実現するための基礎資料を提供することにつながったのではないかと考えられます。

とりわけ、このような調査研究を実施し、回答データを収集し、収集したデータの結果を分析し考察していくなかで、実態を丁寧に整理することができました。

このことは、日々奮闘されている医療ソーシャルワーカーの皆さまの役割を明確化し、その専門性を高めることにも、いずれ繋がってゆくものと考えています。

Q5.谷川様の研究における最終的な目標を教えてください。

本研究の最終的な目標は、身寄りのない独居高齢者が、医療機関において安心して意思決定を行い、適切な医療を受けられるような社会システムを構築することではないでしょうか。

そのためには、医療機関、行政、地域住民など、様々な主体が連携し、より良い支援体制を構築していく必要があります。

また、兵庫県・岡山県内のみならず全国調査としての全数調査(悉皆調査)も将来的に視野に入れておかねばならないでしょう。

いずれにせよ、調査対象地が限定された調査であることは他の地域との比較可能性も残すこととなります。
そして、調査分析自体も極力タイムラグを生じさせないように留意しなくてはなりません。

なお、最近この種の研究(本テーマに関連するもの)が増えてきています。
ますます充実していくことを祈念したいです。

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先生の経歴について

Q1.先生の略歴を教えてください。(5つまで)

1996年 社会福祉法人健祥会に入職
1997年 立正大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学
2001年 宇都宮短期大学人間福祉学科に奉職
2003年 関西福祉大学社会福祉学部に着任
2019年 同大学・大学院教授

Q2.先生の資格・学会・役職を教えてください。(5つまで)

資格:社会福祉士、人間関係士
学会:日本人間関係学会常任理事
   日本看護福祉学会指命理事
   日本福祉図書文献学会理事・事務局長
   日本ヒューマンリレーション研究学会理事
受賞歴:日本人間関係学会学会賞(2019年度)

先生の所属先

関西福祉大学

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