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専門家インタビュー

社会福祉士の「実践知」形成過程に関する仮設的研究について

更新日:2024.09.27 公開日:2024.09.27

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  1. 研究内容について
  2. 今後の目標について
  3. 先生の経歴について
  4. 先生の所属先
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研究内容について

 

Q1.「社会福祉士の「実践知」形成過程に関する仮設的研究」の研究を始めたきっかけは何ですか?

社会福祉の現場と研究との乖離が課題となっていたことが問題意識の発端です。社会福祉の研究は現場の役に立ってこそ意味があるわけですから、理論研究だけでなく、もっと現場に寄り添う研究をしてみたいと考えるようになりました。

 
近年では、実践研究やアクションリサーチと呼ばれる手法による研究の蓄積も増えてきたように思います。知識の創造のみならず、問題解決や参加者の成長も期待できるこうした研究には、強い関心を持っています。

 

Q2.研究対象である、「社会福祉士」とはどのようなものですか?

社会福祉士は、高齢化社会の到来を見据えて、1986年に制度化されました。

根拠法である「社会福祉士及び介護福祉士法」には、社会福祉士とは「専門的知識及び技術をもって、身体上もしくは精神上の障害があること、または環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者との連携及び調整その他の援助を行うことを業とする者」とされています。

 

わかりやすく言うと「日常生活に困難を抱える方がよりよく生活ができるよう、医療・福祉サービスの提供や関係者との連携によって支援を行う人」のことです。

 

Q3.本研究の研究成果を教えてください。

社会福祉実践の場に身を投じるなかで獲得される教訓的知識、すなわち「実践知」は、実践の手本になるモデルの模倣や反面教師的な参考、そこから得られたアイディアを実際に試みること、さらにこれらを言語化していくといった行為を反復・循環していく中で、徐々に形成されていくことがわかりました。

 
良質な実践知の形成には、①実践の手本になるモデルや支援者にたくさん出会い相談できるか(模倣)、②モデルを参考に「試みる」ことが許される環境か(試み)、③そうした試みを振り返り言語化する機会が保障されているか(言語化)が肝要と言えそうです。

 
わたしたちの「思い」や「考え」というのは、時間の経過とともに流れていったり、変化していったりするものでもあり、意識的に言語化しておくことは、わたしたちの日常生活でも大切だと思います。

 

Q4.齋藤先生が考える本研究の意義を教えてください。

この研究は、社会福祉分野の専門職のうち、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士ら約40人に対する聞き取り調査により、実践から得られた教訓的知識(実践知)がどのように形成されていくかをまとめたものですので、多少なりとも現場に寄り添う研究ができたのではないかと思っています。

 
そして、実践知の形成には「模倣―試み―言語化」の好循環をいかに起こしていくかが肝要であることを明らかにすることができたことは、現場での職員教育で大切な視点や大学教育で大切にすべきことについても、示唆を提示することができたと思っています。

 

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今後の目標について

Q5.齋藤先生の研究における最終的な目標を教えてください。

現在、誰もが安心して暮らし続けることができる地域づくりについて検討しています。

具体的には、自分の得意なことで困っている誰かのためになることを、地域のなかで共有する仕組みづくりです。多様な世代が参加できるワークショップを、自治体と協働して定期的に開催していることもその一つです。

 
人はそれぞれに得意なことがあるはず。それを共有する機会や発揮する舞台があれば、もっと一人ひとりが輝けるし、地域の困りごとは減ると思います。そんな地域づくりができれば、目指す「地域共生社会」に近づくことはできるのではないか。そう思っています。

 
こうした研究に明確なゴールがあるわけではありませんが、住み慣れた地域での支え合いの仕掛けづくりに、ささやかでもお手伝いができればと考えています。

 

先生の経歴について

Q1.先生の略歴を教えてください。

北海道医療大学大学院看護福祉学研究科博士課程単位取得満期退学

高知女子大学社会福祉学部・助手

帯広大谷短期大学・専任講師

社会福祉法人帯広福祉協会・支援員

北海道教育大学教育学部函館校・教授(現職)

 

Q2.先生の資格・学会・役職を教えてください。

社会福祉士

日本社会福祉学会、日本地域福祉学会、日本教育支援協働学会 他

函館市地域包括支援センター運営協議会・会長(他、公職多数)

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先生の所属先

北海道教育大学

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