専門家インタビュー
地域在住高齢者の要介護認定のリスク要因の検討 AGES プロジェクト3年間の追跡研究について
更新日:2024.11.01 公開日:2024.11.01
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研究内容について
Q1.「地域在住高齢者の要介護認定のリスク要因の検討 AGES プロジェクト3年間の追跡研究」の研究を始めたきっかけは何ですか?
農村計画分野を専攻する学生のころ、農村部で廃止されていく公共交通に関心がありました。農村地域の公共交通は乗客が少なく採算がとれないため、民間事業者は撤退し、一部は市町村営のコミュニティバスで維持される一方で、一部は財政負担の大きさのために廃止されるという問題に注目していました。
バスが廃止されたことにより移動手段がなくなり外出、社会参加できなくなって健康が失われれば、路線の維持費用は節約できても医療費や介護費がかかるようになるはずだ、と考えていました。
ただしその時点でその仮説が正しい根拠はなく、それを明らかにしたいというのがずっと目指していたことでした。
Q2.研究対象である、「要介護認定のリスク要因の検討」とはどのような内容ですか?
2003年に愛知県の5つの市町に居住する、要介護認定を受けていない高齢者を対象にアンケート調査を実施しました。
この調査に回答した9702人を2006年まで3年間追跡して、2003年時点でどのような特徴のあった人が要介護になりやすいかを明らかにしました。
Q3.本研究の研究成果を教えてください。
要介護になりやすい要因であることが示されたのは、年齢が高いこと、治療中の疾病があること、服薬数が多いこと、1年以内に転倒歴があること、咀嚼力が低いこと、排泄障害があること、生活機能が低いこと、主観的健康感がよくない、うつ状態であること、歩行時間30分未満であること、外出頻度が少ないこと、友人と会う頻度が月1 回未満であること、地域の会に参加していないこと、仕事をしていないこと、家事をしていないことでした。
Q4.平井先生が考える本研究の意義を教えてください。
本研究で明らかになった要因のうち、年齢や疾病など容易に変えられない要因がある一方で、外出や社会参加などの活動性には改善の可能性が残されています。
高齢化に伴い膨らんでいく介護費用を少しでも抑えること、健康で暮らせる期間を長くするための根拠の一部を示すことができたと考えています。
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今後の目標について
Q5.平井先生の研究における最終的な目標を教えてください。
健康寿命延伸を目指して食生活や運動などの生活習慣を正しくすることが呼びかけられてきましたが、このような個人のこころがけに依拠する方法では、健康意識の高い一部の人以外への効果は限定的です。健康意識の高くない人でもいきいきと生活できるまちをつくることで地域全体を健康できればいいと考えています。
前述の公共交通もその一つです。公共交通を走らせるにはお金がかかりますが、外出することで介護費用を節約できることが適切に評価されれば、公共交通に予算を使うことの根拠の一つになるはずです。
先生の経歴について
Q1.先生の略歴を教えてください。
1997年 京都大学農学部農業工学科卒業
2002年 京都大学大学院農学研究科地域環境科学専攻博士課程修了
2004年 日本福祉大学健康社会研究センター主任研究員
2011年 岩手大学工学部社会環境工学科准教授
2016年 山梨大学生命環境学部地域社会システム学科准教授
Q2.先生の資格・学会・役職を教えてください。
日本公衆衛生学会
日本疫学会
老年社会科学会(査読委員)
土木学会
日本都市計画学会
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先生の所属先
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