遺品整理
いつから遺品整理を始めれば良いの?遺品整理のコツや注意点も解説
更新日:2022.04.23
故人の生前の所持品を親族で整理する、遺品整理についてはご存知でしょうか。
遺品整理をいつ始めればいいのかわからないという方も多いと思います。
この記事では、遺品整理を始める時期について解説していきます。
この機会に、遺品整理の正しいやり方についても覚えておきましょう。
遺品整理業者についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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遺品整理はいつから始める?
まずは、いつから遺品整理を始めるのが良いのかを紹介します。
遺品整理は、具体的にいつまでに行わなければならないという規則はありません。
自分がやりやすいタイミングを以下から選んで行いましょう。
葬儀後すぐ
故人が賃貸物件に住んでいたら、契約の関係ですぐにでも遺品整理を始めなければいけない場合があります。
もし葬儀後すぐに遺品整理を行うことが難しい場合は、物件の管理会社や大家に事情を話して相談してみましょう。
しかし、部屋を借りている間は家賃を払い続けることになるので注意が必要です。
また、親族が遠方に住んでいる場合には葬儀後すぐに遺品整理をしてしまうのも手です。
しかし葬儀後は多忙になりがちのため、余裕が無ければまた別の機会にしても良いでしょう。
四十九日法要の後
仏教では、四十九日まで故人は旅に出ており、四十九日を迎えると極楽浄土へ旅立つとされています。
そのため仏教の思想に則って、遺品整理は故人が旅立ってから行うのも良いでしょう。
法要というのは、遺族が集まるタイミングでもあります。
遺族が集まることから、遺族間での形見分けがしやすいというメリットもあります。
そのため、法要で集まったタイミングにみんなで遺品整理を行うのも良いでしょう。
四十九日だけでなく、百日忌や一周忌などの法要で遺品整理を行っても問題ありません。
相続税が発生する前
故人が亡くなってから10ヶ月以内に相続税の申告をしなければ、相続税の控除が受けられなくなります。
相続税は相続する財産が相続税の課税対象になっているかを確認する必要があります。
遺産の確認をするのに遺品整理をする必要があるので、故人の死後10ヶ月以内に遺品整理をします。
心の整理がついてから
故人が亡くなってからすぐの遺品整理は、心の整理がついておらずなかなか思うように進まないこともあります。
特に故人が写っている写真やアルバムといった類のものを見ると、故人との思い出が蘇り辛い気持ちになることもあるでしょう。
そのため、遺品整理は急がずに精神的に落ち着いてきた時期に行うのもおすすめです。
しかし、期限がないと整理がなかなか進まない可能性もあります。
事前にいつまでに終わらせるかを決めておくことで、後回しにならないように整理を進めることができるでしょう。
事前に自分で終わらせる時期を決めておけば、心を整理する時間も取りやすくなるのでおすすめです。
遺品整理の時期の注意点
遺品整理を行う上で、注意しなければならないのが相続税です。
相続税は故人の財産を相続する時にかかる税金のことをさします。
相続税の届け出は故人が亡くなってから10ヶ月以内となっており、それを過ぎると控除が受けられなくなるため注意が必要です。
故人がどれだけ財産を持っているかは、実際に遺品整理を行ってからでなければ分かりません。
そのため、遺品整理をいつから始めるか決める際には、相続税の申請期間についても考慮する必要があるでしょう。
前述したように故人の家が賃貸であった場合も、退去のために時期を早めなければいけなくなる可能性があります。
賃貸では、引っ越す前と同じ状態にして部屋を退去しなければなりません。
そのため、遺品整理と共に部屋の掃除なども行わなければならないものです。
また、故人が亡くなって持ち家が空き家となった場合、放置してしまうと金銭的な負担やリスクが生じる可能性があります。
具体的には、固定資産税の支払いや特定空き家指定による増税の可能性です。
もし空き家である状態が続くようなら、売却や解体などを早めに行いましょう。
遺品整理のやり方
ここからは遺品整理の一般的なやり方を紹介します。
以下の手順で行うことで、計画的に遺品整理を進められることでしょう。
計画を立てる
遺品整理を始める前に、まずは計画を立てましょう。
その際、まずはいつまでに遺品整理を終える予定かを考えます。
事前に遺品整理に参加する人数などを加味して、余裕のあるスケジュールを立てましょう。
また、終わらせる日を決めるだけでなく日ごとの目標も具体的に立てると、よりスムーズに進みます。
日によって整理を進める場所や、どこまで終わらせるかを明確にしましょう。
事前に日ごとの目標が明確になっていると、目標なく進めるよりも作業の進みも早くなります。
最終的な遺品整理の終了日に合わせて、一日のペースを考えておきましょう。
要る物と要らない物に分ける
計画を立てたら、次は遺品を残すものと捨てるものに仕分けしていきます。
まずは故人との思い出の品や、再利用できるもの・捨てるものなど大まかに分けていきましょう。
また、財産に関するものやカード・年金手帳・印鑑・保険証などの貴重品は必要となるため残しておきます。
形見分けする品物や写真・アルバムなども仕分けて、相続人がそれぞれ何を貰うのかを明確にしましょう。
要らない物を処分する
要るものと要らないものが具体的になったら、次は要らないものを処分しましょう。
要らないものの中でも、再利用できるものは売却したり業者に引き取ってもらったりします。
特に、大型の家具や冷蔵庫などは遺族だけで運び出すのは難しいため、業者に依頼してまとめて引き取ってもらいましょう。
また貴金属類を売る場合には、価値のわかる鑑定士のいる業者を選ぶと、損することが少なくなります。
自分で物品を売る時には、インターネットオークションやフリマサイトなどを利用するのもおすすめです。
しかし、要らない物の中には業者に買取してもらえないものもあるかもしれません。
そういった遺品をゴミに捨てることに抵抗のある方は、供養をしてもらったり寄付したりといった方法もあります。
デジタル遺品の扱いについて
近年、話題になっているのがデジタル遺品の扱いです。
具体的な品物として存在している一般的な遺品とは異なるため、取り扱いには注意が必要となります。
ここからはデジタル遺品の適切な扱い方について解説していきましょう。
デジタル遺品とは
デジタル遺品とは、スマホやパソコンの中の写真やデータのことを指します。
こうした機器は、中に個人情報を中心とした膨大なデータが保存されているため、取り扱いには注意が必要です。
また、インターネット上に存在する情報も、デジタル遺品に含まれます。
例えば機器以外に、以下のような物もデジタル遺品の一部です。
- クレジットカードの情報
- SNS
- メール
- ブログ
- 使っていたブラウザ内に保存された情報
- インターネットサービスのアカウントデータ
- 写真や動画、チャットをはじめとしたプライバシーに関わるデータ
- クラウド上に保存された情報
パソコン上のデータだけでなく、こうしたインターネット上に存在しているアカウントや情報についても適切に処分する必要があります。
デジタル遺品の処分方法
故人のスマホやパソコンの情報にアクセスできたら、端末内に保存された情報とクラウドに保存されている情報を確認しましょう。
もし故人が配信サイトなどの定額サービスに登録していた場合には、それを解約して料金の支払いを止める必要があります。
また、パソコンやスマホを売却する場合には、ハードディスクやSSDなどに保存されたデータを事前に削除しましょう。
また、クラウド上の情報に関しては故人のアカウントでログインして削除したり、ローカルの媒体に保存し直したりしましょう。
通常の遺品と違ってデータ上の遺品であるため取り扱いが難しくなりますが、悪用されないように適切に処分する必要があります。
中でも特に注意が必要なのが、ネットバンクやネット証券などの資産です。
こうしたものも遺産相続の対象となるため、チェックしておかなければいけません。
相続税がかかる可能性があるため、なるべく早く確認しましょう。
端末内のデータの確認が終わったら、データの処分や端末の初期化をした上で端末の処分をします。
パソコンはゴミとして出すことはできないため、メーカーや業者に回収してもらいましょう。
データの削除がしっかりできているか不安な場合は、業者に依頼して削除してもらうことをおすすめします。
パスワードが分からない場合は?
パスワードが分からない場合は、自分で無闇に入力すると端末がロックされる可能性があります。
そのため、パソコンのパスワードを解除したい場合には業者に依頼すると良いでしょう。
パスワード解除に関しての専門知識が豊富な業者に依頼すれば、中のデータを取り出せる可能性があります。
しかし、必ず成功するわけではないため注意しましょう。
特にiPhoneを中心に、最近のスマホは二段階認証が基本となっており、セキュリティが頑丈になっています。
パスワードを解除できない場合には無闇にパスワードを入力せず、手がかりとなるものが見つかるまで保管しておきましょう。
また、端末を初期化してしまうと、データが消える可能性が高いため注意が必要です。
遺品整理をする際の注意点
ここからは遺品整理をする上での注意点をご紹介します。
遺品整理をスムーズに行うために、以下のポイントに注意しましょう。
親族間トラブル
一人だけで遺品整理を行ってしまうと、後から問題が生じる可能性があります。
ゴミを捨てていただけだとしても、親族から遺品を勝手に持ち帰ったと疑われるかもしれません。
相続人同士のトラブルを避けるためにも、遺品整理は相続人の間で了承や確認を得ながら進めましょう。
近隣トラブル
遺品整理をする際、近隣トラブルにも注意しましょう。
遺品を分けたり、物を運び出したりする時には思っているよりも騒音が出ます。
そのため、深夜や早朝などの整理は極力避けて、なるべく迷惑にならない時間を選びましょう。
また近隣トラブルを未然に防ぐために、近所の人に遺品整理でうるさくなることを伝えておくと良いでしょう。
遺言書やエンジェルノートの確認
遺品整理をする中で、故人の遺言書やエンディングノートが見つかる場合があります。
これらには遺産相続や遺品整理に関しての重要な情報が記載されていることが多いです。
もし遺言書などが見つかったら、それにしたがって整理を行いましょう。
遺言書やエンディングノートは、相続人の間でのトラブルを避けることにも繋がります。
遺言書やエンディングノートが見つからない場合、遺品整理業者にお願いすると見つかる可能性があります。
これらの文書が残されている可能性がある場合は、業者に頼むことも可能です。
また、公正証書遺言が残されている可能性もあるため、公証役場に確認を取るのも忘れないようにしましょう。
忙しい時には業者がおすすめ
遠方に住んでいたり仕事が忙しかったりする場合には、遺品整理を進めるのが難しいこともあるでしょう。
その場合には、遺品整理専門業者に依頼するという方法もあります。
業者にお願いすれば、業者が親族の代わりとなって要るものと要らないものを分けてくれます。
またそれだけでなく、不用品やゴミの処分、遺品の買取なども行ってくれる場合が多いです。
中には故人の持ち物を回収後に供養してくれる業者もいるため、遺品をゴミに出すことに抵抗がある方でも利用できます。
優良な業者であれば、事前に無料で見積もりをだしてくれるため、費用が心配な方も安心です。
業者に依頼する場合、当然ながら自分で進める場合よりも金銭的な負担は大きくなります。
しかし、葬儀や法要が続いて心身共に疲れている方は、業者を利用することで遺品整理を進めやすくなるでしょう。
もし遺品整理がなかなか進まずに困っているという方は、業者を利用することをおすすめします。
よくある質問
Q:遺品整理はどうやってやる?
A:計画を立ててから、遺品の仕分けをします。
Q:遺品整理はどれくらいかかる?
A:遺族間で行うと数日から長いと1ヶ月かかることもあります。
Q:デジタル遺品のパスワードは?
A:スマホやPCのパスワードがわからないまま無理矢理に開けようとするとロックがかかってしまうので、業者に依頼しましょう。
スポンサーリンク遺品整理を始める時期のまとめ
ここまで遺品整理についての情報や、整理のタイミングを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 遺品整理は諸事を終えた後や心の整理の後に行うと良い
- 遺品整理を行う際は具体的なスケジュールを立てる
- デジタル遺品の処分を忘れないようにする
- 忙しい時には業者に依頼すると、遺品整理を代わりに行ってくれる
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
田中 大敬(たなか ひろたか)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴15年以上。葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから著名人や大規模な葬儀までを経験。お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、特に士業や介護施設関係の領域に明るい。