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死亡後の手続き

死亡退職した時の源泉徴収票は?確定申告についても解説

更新日:2022.05.17

死亡退職

記事のポイントを先取り!

  • 死亡退職でも源泉徴収票は交付する
  • 源泉徴収は支給日や死亡日の関係によって異なる
  • 死亡日によって給与課税の対象範囲も異なる

会社で死亡退職者が出てしまった際、どのような手続きが必要になるかご存知でしょうか。
退職後の手続きとして、源泉徴収をどうすれば良いのかを知っておきましょう。

そこでこの記事では、死亡退職した時の源泉徴収票について解説します。

この機会に、死亡退職した際の源泉徴収の内容や手続きも覚えておきましょう。
死亡退職時の確定申告についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。

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  1. 死亡退職とは
  2. 死亡退職した時は源泉徴収を行うの?
  3. 死亡退職した後の退職手当は源泉徴収票に記載されるのか
  4. 死亡退職した際の源泉徴収票は誰が受け取る?
  5. 死亡退職した場合の源泉徴収票と給与課税
  6. 死亡退職して源泉徴収票をもらったら確定申告をするの?
  7. 死亡退職した場合の源泉徴収票のまとめ
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死亡退職とは

死亡退職とは、会社勤めの方の退職理由の一つで、死亡によって退職することになった際のことを指します。
退職理由として、少なからず発生し得る理由でありながら、実際に身近な方で死亡退職してしまう方を見ることは少ないでしょう。

そのため、さまざまな手続きなどについて詳しい方も多くはありません。
万が一に備えて、死亡退職者が出てしまった際のことを知っておくことは大切です。

死亡退職金とは

死亡退職金は、従業員が死亡退職してしまった際、本来その人物に支払われる予定だった退職金を遺族に支払う制度です。
金額や手続きなどは、基本的に通常の退職金と同様に考えて問題ないでしょう。

ただし、死亡退職の際の退職金は、従業員への給料としてではなく遺族への相続財産として支払われるもののため、さまざまな手続きにおいて注意が必要です。

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死亡退職した時は源泉徴収を行うの?

そもそも源泉徴収は、事業主が従業員の給料から従業員が払うべき所得税などの金額を天引きし、事業主側で支払う制度です。
そのため、故人であれ事業主として従業員だった者に給料を支払う以上、原則は源泉徴収を行います

あくまで給料に対しては源泉徴収を行いますが、以下のケースでどうなるのかを解説します。

給料の支給期の前に亡くなった場合

給料の支給期とは、給料が支払われるべき支給日と考えて良いでしょう。
そのため、給料の計算締め日ではなく、実際に口座に給料が振り込まれる支給日を指します。

仮に給料の支給期が毎月15日だったとして、もし13日に死亡した場合はその方の退職日は13日となります。
この場合は、給料が支給される以前に退職したことになるとともに支給は退職後になるため、給料は相続財産として扱われます。
そのため、源泉徴収は行いません

給料の支給期の後に亡くなった場合

支給期が死後の場合は、そのお金に関しては故人に対して支給された給料として扱われるため、源泉徴収の対象となります

給料の支給期が生前なのか死後なのかで、源泉徴収の対象か否かを判断することを覚えておきましょう。

死亡退職した後の退職手当は源泉徴収票に記載されるのか

死亡退職であっても退職金は支払わなければなりませんが、この際の死亡退職金に関しては故人の所得としては扱われません。
退職金の支払期限は退職後1カ月となっており、相続財産として扱われます。

そのため、死亡退職金は源泉徴収票に記載する必要はありません
ただし、死亡退職金を渡すこととなっている相続人に対して、退職手当等受給者別支払調書を提出しなければなりません。

退職手当等受給者別支払調書については以下で解説しますので、ぜひ参考にしてください。

退職手当等受給者別支払調書とは

退職手当等受給者別支払調書とは、上述の死亡退職金が死亡退職者の遺族に対して支払われる際の支払先証明書のようなものです。
この退職手当等受給者別支払調書は受給者ごとに作成しなければならず、死亡退職金の受給者が複数の場合は人数に応じて作成する必要があります。

記載内容に問題があると、支給内容が認められない場合もあるため、しっかりと確認して記述するようにしてください。

退職手当等受給者別支払調書の提出先は?

退職手当等受給者別支払調書は、税務署長に提出してください。

この際、必要書類や書類の記入方法などに疑問がある場合は、税務署窓口で相談して誤表記のない書類を提出しましょう。

退職手当等受給者別支払調書はいつまでに提出すれば良いの?

退職手当等受給者別支払調書は、死亡退職金を支払った日を基準として、その翌月の15日までに提出してください。
期限を過ぎてしまえば支給が認められなくなり遺族にも負担をかけるため、必ず期限を守るようにしましょう。

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死亡退職した際の源泉徴収票は誰が受け取る?

通常の退職であれば、退職者に直接源泉徴収票を交付します。
しかし、死亡退職の場合は本人に交付することができず、誰に交付すれば良いのかわからないという方もいるでしょう。

死亡退職者が出た際の源泉徴収票は、原則として相続人となる故人の身近な遺族に交付します。
この理由として、遺族に義務付けられている準確定申告が関係しています。

準確定申告は、故人に代わって遺族が確定申告をする手続きを指し、故人の生前勤務状況などにより必要性が異なる手続きです。
必ず行うものではないものの、もし行うこととなった際に源泉徴収票がなければ遺族も困ってしまうので、必ず遺族に対して交付しましょう。

死亡退職した場合の源泉徴収票と給与課税

基本的に、給与課税の対象となるのは生前に支給された給与のみです。
そのため、死亡後に支払われる死亡退職金や給与については、給与課税から除外します。

源泉徴収票に記載する支払金額の欄には、生前に支給した給与のみを記載してください。
故人の死後に支給日がくる給与や退職金については、遺族の相続財産として扱われるので間違えないようにしましょう。

給与課税にならないものは?

給与の支給日が故人の死後に訪れるものに関しては、すべて給与課税から除外されます。
この際、支給日が生前であれば、実際に支払われる日程が死後であっても給与課税の対象となります。

例えば、給与の支給日が15日と規定されている場合、13日に死亡退職するとその月の給与は課税対象外です。
上記の例において、死亡退職日が16日にもかかわらず、休日などが重なり実際の支払いが17日になるケースもあります。
この場合に関しては、支払日が生前に訪れていたため、実際に支払われるのが死後であっても課税対象となるので注意しましょう。

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死亡退職して源泉徴収票をもらったら確定申告をするの?

家族が死亡退職してしまった場合、故人の生前勤務先から源泉徴収票を交付してもらうことになります。
この際、故人が生前にどのような勤務形態であったかによって、準確定申告をしなければならない状況があります

準確定申告と、準確定申告する際の注意点を解説しますので、ぜひ参考にしてください。

準確定申告とは

準確定申告とは、死亡退職した故人に代わり、その遺族が確定申告をする手続きです。
たとえ死亡してしまったとしても、生前の所得税等の処理は正常に行わなければならないため、確定申告が必要な際は準確定申告を行う必要があります。

準確定申告はすべての遺族が行わなければならない手続きではなく、あくまで故人の生前状況によって必要性の有無が決まります。

故人が以下の要件を満たした人物であった場合は、準確定申告しなければなりません。

給与収入が2000万円以上の場合
年金受給額が400万円以上の場合
副業等により20万円以上の所得がある場合
複数箇所から給与を受けていた場合
生命保険などを受け取っていた場合
土地や家屋の売却を行った場合

基本的には、故人が確定申告しなければならなかった場合と覚えておけば良いでしょう。
また、上記要件を満たした故人の遺族であっても、相続放棄した遺族については準確定申告をする必要はありません。

準確定申告は誰が行う?

故人が確定申告しなければならない人物だった際、その相続人となる人物が準確定申告をしなければなりません
この際、法定相続人となる人物全員が行う必要があります。

基本的には連署することとなりますが、各相続人で行うことも可能です。
ただし、各相続人が個々で準確定申告する際は、その内容について他の相続人に通知する必要があるので注意しましょう。

確定申告を行う際の注意点

準確定申告において、期限と対象範囲について注意する必要があります。

準確定申告の提出期限は相続を知ってから4カ月以内です。

多くの場合では、故人の死亡日を基準と考えて4カ月以内に提出する必要があるため、忘れないようにしましょう。
万が一期限を過ぎてしまえば、加算税などを払わなければならなくなるので注意してください。

対象範囲については、あくまで故人の生前所得に限ります。
故人の死後の所得については、基本的に相続財産として扱われるため、準確定申告の際の所得としては扱いません。

この際、要件を満たしていれば配偶者控除や扶養控除などを受けられますが、闘病生活を送っていた場合の医療費などは対象外になるので注意しましょう。

死亡退職した場合の源泉徴収票のまとめ

ここまで死亡退職時の源泉徴収票の情報や、関係する手続きなどを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。

死亡退職した場合でも原則的に源泉徴収票を交付する
死亡日によって源泉徴収の範囲が異なる
死亡退職時の源泉徴収票は相続人に交付する
必要に応じて遺族全員で準確定申告する必要がある

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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監修者

評価員(はかまだ)

袴田 勝則(はかまだ かつのり)

厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター

経歴

業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。

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