お墓
骨壷に水が溜まるのはなぜ?水を抜く方法や対策について解説
更新日:2023.11.21 公開日:2022.01.27
お墓を開けてみたら骨壷に水が溜まっていたという経験のある方がいらっしゃるかと思います。
なぜ骨壷に水が溜まってしまうのでしょうか。
そこでこの記事では、骨壷に水が溜まる原因と対策、遺骨の乾燥方法について詳しく説明していきます。
濡れた遺骨の再火葬についても触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。
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骨壷とは
骨壷とは、火葬が終わった後の遺骨を納める壷のことです。
火葬が普及してからは遺骨を骨壷に納めるようになりました。
最近では生前に準備しておく人も増えてきているようです。
骨壷の歴史は、中国から日本へ仏教とともに、火葬などの儀式も一緒に広まりました。
当時上流階級の人の間で、蔵骨器(ぞうこつき)が使われたのが骨壷の最初と言われています。
骨壷の大きさは、東日本で7寸ほどの大型の骨壷、西日本で3寸〜5寸の小型の骨壷が使われています。
理由は、東日本では全ての遺骨を収骨し、西日本では一部しか収骨しないためです。
このように地域差はありますが、骨壷には大体2寸〜7寸のサイズがあります。
骨壷の形は、円筒の形が一般的ですが、最近では形が多様化しており、球体や四角い形の骨壷もあります。
骨壷の材質は、高温の遺骨を納めるため、陶磁器や焼き物、大理石のような耐熱性のあるものを使用します。
骨壷のデザインは白無地のものが多いですが、デザインが入ったものもあり、オーダーメイドで骨壷を作る人も増えてきています。
骨壷に水が溜まる理由
骨壷を持ってみると重く、蓋を開けてみると水が溜まっていたということが多くあります。
なぜ水が溜まってしまうのか、原因を紹介します。
結露
温度差により、水蒸気から水滴になることを結露と言います。
また、お墓の納骨室のことをカロートと呼びます。
カロートの中は太陽が当たらず、空気の出入り口がないのでジメジメしています。
骨壷には蓋がありますが、完全に閉まっている訳でなく、少し隙間があるのです。
その隙間から、カロートのジメジメした空気が入り込んでしまいます。
そうすると日中と夜の温度差により水滴が発生し、水が溜まるということになります。
骨壷には水の抜け道がないため、ご遺骨を納めてから数ヶ月でも水滴がつくこともあります。
数十年も放置していると、骨壷に水がいっぱいになってしまうことも多くあります。
東日本では7寸の骨壷を使用していることが多いので、5リットルほどの水が溜まることになります。
お墓の立地条件
お墓のある場所が湿度の高いところだと、なおさら骨壷に水が貯まりやすくなります。
大雨が降るとカロートの中が水浸しになり、骨壷が浮いてしまうこともあるようです。
お墓を選ぶときはその場所の湿度にも注意すると良いでしょう。
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骨壷に水が溜まらないようにする方法
骨壷に水が溜まる原因を紹介してきましたが、溜まらないようにすることはできるのでしょうか。
いくつか対策方法を解説するので、参考にしてみてください。
お墓に換気口を取りつける
カロートの湿度が重要になってくるので、湿気を外に排出できる換気口を付けることで対策できます。
最近では、カロートに換気用の穴を2つ空けることが増えてきています。
完全に換気することはできませんが、少しでもジメジメした空気が外に排出されれば、骨壷の水もましになるはずです。
今後お墓を建てる予定がある場合や、リフォームを検討しているのであれば換気口をつけてみるのも一つの方法です。
骨壷のすき間を塞ぐ
カロートの中の湿度が高い空気が、骨壷のすきまから入ってきてしまうので、そこを塞いでしまうという方法です。
電気材料用のビニール絶縁テープですきまに1周〜2周巻き付けると良いでしょう。
カロートの中は湿度が高いので、どれくらいの期間保つかは定かではありません。
定期的に様子を見る必要がありそうです。
排水口付の骨壷を使用する
骨壷に穴が空いており、排水できるようになっているものが販売されています。
相場は6,000円となっていますが、どこにでも売っているものではないので、探す手間がかかるかもしれません。
また、穴からご遺骨の粉がこぼれてしまうことや、逆に穴からゴミが入ってくる可能性もあるため検討が必要ですが、水が溜まることはありません。
乾燥性の高い材質の骨壷を使用する
溜まった水分を自然に外へ出してくれるような乾燥性の高い骨壷があります。
相場は約1万円からとなっています。
自然と外に水が染み出ていくので水が溜まる心配はありません。
ご遺骨をご自身で移すことに抵抗があれば、お寺や骨壷を購入した場所で引き受けてくれる場合があるので相談してみると良いでしょう。
納骨袋に置き換える
骨壷に納骨するのをやめて、布でできた納骨袋に納めるという方法です。
納骨袋は一般的に木綿で作られた巾着袋で、色や形に決まりがなく様々なデザインがあります。
サラシなどでできているため水が溜まることはありません。
仏具店や石材店、通販などで購入できます。
シンプルなものであれば1,000円以内で購入でき、お花の刺繍やレースなどで綺麗なデザインが施されているものは1万5千円ほどになるので、素材や柄によって相場はかなり異なります。
骨壷に溜まった水を抜く方法
水が溜まらないように対策をとっても、水が溜まってしまうことはあります。
遺骨が水に浸っていたらそのまま放置せず、水を抜いてあげましょう。
水抜きの方法を紹介します。
蓋を押さえたまま横向きにする
骨壷の蓋は様々なタイプがありますが、中でも上に乗っかっているだけのふたは注意が必要です。
蓋を押さえないで横向きにすると、ご遺骨が外に出てきてしまうからです。
蓋を押さえて横向きにし、水が出なくなるまで待つことで、水を抜けます。
骨壷の底に穴をあける
蓋が開かなくて、持ってみると重く感じる場合は水がたくさん溜まっている可能性が高いでしょう。
底に穴をあけて排水するのは1番楽な方法ではありますが、骨壷ごと割れてしまうこともあるので注意してください。
まずは横向きにして水を出すのがおすすめです。
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遺骨の乾燥方法
水に浸っていたご遺骨はしっかりと乾燥させましょう。
乾燥させずに骨壷に納めたままだと、カビが繁殖してしまう恐れがあるからです。
カビは相対湿度が60%を超えて、20度〜30度の気温が最も繁殖しやすいと言われています。
また、ホコリや手指についた皮脂などを栄養に繁殖する恐れがあります。
乾燥方法はいくつかあります。代表的な方法をご紹介します。
自宅で乾燥させる
自宅での乾燥方法は、気温が高い日に庭やベランダに新聞紙を3枚ほど重ね、その上にステンレスのトレイを置き、遺骨を並べます。
真夏の猛暑日に朝から干して夕方に取り込むという手順を3〜5日間繰り返しましょう。
干している間、数回ご遺骨の向きを変えてみると乾きやすくなります。
他の人に見られやすい庭やベランダに遺骨を干すと驚かれてしまうため、人目のつかない場所に干しましょう。
遺骨を再火葬する
火葬場で遺骨の再火葬をすることが可能です。
再火葬では数時間で遺骨を乾燥させることができます。
再火葬に必要な書類
多くの自治体では、改葬許可申請書と現在埋蔵している遺骨の焼骨埋蔵証明書の提出を求められます。
焼骨埋蔵証明書は、遺骨の管理者より発行されます。
古いお墓や共同墓地などで墓地管理者が不明な場合は、自治体が管理している場合があるため相談しましょう。
なお、再火葬に必要な書類は自治体ごとに異なるため必ず各自治体のホームページで確認してください。
再火葬のデメリット
再火葬すると、一度火葬した骨に再度高熱をかけることとなり、遺骨にかなりのダメージを与えます。
そのため、遺骨が黒く焦げる、骨がもろくなって形を残していない、少なくなる可能性が高いです。
乾燥を目的に再火葬するには以上挙げたことを考慮して判断する必要があるでしょう。
骨壷の水のまとめ
ここまでは骨壷に水が溜まる理由や、その対策法などを中心にお伝えしてきました。
今回の記事のポイントをまとめると以下の通りです。
- 骨壷の中が湿度の高い状態になり温度差によって水が発生する
- 骨壷のすきまを塞ぐことや乾燥性の高い骨壷を使って対策する
- 溜まった水は蓋を押さえながら横向きにして抜く
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
山口 隆司(やまぐち たかし)
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。
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