お墓
塔婆を出す人は誰?塔婆はどんな時に立てるのかも解説
更新日:2022.11.17 公開日:2022.04.12
「塔婆(とうば)」は故人やご先祖様の供養のために立てるものですが、誰が出すのかご存知でしょうか。
塔婆を出す人やどのようなときに立てるものか知っておきましょう。
そこでこの記事では、塔婆は誰がどのようなタイミングで出すのか詳しく説明していきます。
この機会に塔婆についての理解を深め、塔婆を出す際のマナーを覚えておきましょう。
神道における塔婆についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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- 塔婆とは
- 塔婆を立てるには
- 塔婆を立てるのは誰?
- 塔婆はどんな時に立てるの?
- 塔婆の費用相場
- 塔婆料の渡し方のマナー
- 古くなった塔婆の処分方法
- 現在の塔婆は簡素化したもの
- 神道にも塔婆はあるの?
- 塔婆を出す人についてのまとめ
塔婆とは
塔婆とは故人や先祖の供養を目的にお墓の後ろや脇に立てる木の板のことで、「卒塔婆「そとば・そとうば」とも呼ばれます。
ここでは塔婆の由来や意味を説明していきます。
塔婆の由来
塔婆の由来は、インドのサンスクリット語で「塔」という意味を持つ「ストゥーパ」が語源と考えられています。
ストゥーパが中国へ伝えられた際に「卒塔婆」と漢字が当てられ、その後日本にも伝えられました。
ストゥーパとはお釈迦様の遺骨を納めた塔を意味し、これが五重塔の起源であると考えられています。
その後、五重塔をもとに「五輪塔(ごりんとう)」が建てられ、これが簡略化していったものが塔婆です。
塔婆を立てる意味
塔婆は細長い白木の板で作られます。一般的な塔婆は高さが1.5mほどですが、中には2mを超える大きなものもあります。
塔婆をお墓に立てて供養することを「塔婆供養」といい、仏教においての追善供養の1つになります。
追善供養とは、生きている人が故人やご先祖様の冥福を祈る供養のことです。
また、追善供養には「善行を積む」という意味合いもあり、生きている人が良い行いをすると故人も同じ行いをしたとされ、故人の成仏につながると考えられています。
塔婆を立てるには
ここでは、塔婆を立てるときの流れを説明していきます。
お寺に連絡する
塔婆を立てる際はまず寺院に連絡し、塔婆を立てたい旨を伝えましょう。
その際に申し込み方法についての指示を受け、それに従って進めていきます。
一般的には寺院側で塔婆供養の申込用紙を用意しているケースが多いようです。
用紙は直接寺院に持参して渡すか、郵送やファックスにて受け付けている場合もあります。
専用の用紙がない場合は電話のみの口頭で伝えるのではなく、用紙に記載して渡したり、メールなどで申し込んだりと、形が残るようにすることをおすすめします。
明文化することで「申し込んだ」「申し込んでいない」といった水掛け論や書き損じを防げます。
日時・塔婆料の相談
申し込みが済んだら寺院と自分のスケジュールを合わせて法要の日時を決めていきます。
塔婆を作るには一文字一文字筆で手書きにするため、それなりの時間が必要になります。
そのため、なるべく早めに申し込みをすることが大切です。
目安としては、希望日よりも2週間ほど前までにお寺に依頼する必要があります。
遅くても法要の10日前までには申し込みを済ませておくようにしましょう。
日時の調整の際に塔婆料についても確認しておくといいでしょう。
塔婆料が事前にわかっていれば当日用意する際にも安心できます。
法要の打ち合わせ
塔婆を立てるのと法要とを同時に行う場合は、法要の打ち合わせについても進めていきましょう。
法要の規模や会食の有無、案内状の作成など法要はやるべきことも多くなるので、抜けなくできるように不安な点は寺院に確認しておくことをおすすめします。
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塔婆を立てるのは誰?
ここでは、塔婆は誰が立てるのか説明していきます。
遺族・親族
塔婆は遺族や親族によって立てられることが多いです。
立てる本数に決まりはなく、1本でも複数でも構いません。
立てる本数はお墓の広さによって制限されるため、一般的に1〜2本程度がおすすめです。
場合によっては、塔婆を立てたいと希望する人が多くても、広さ的に複数本立てることが難しいこともあります。
こういったケースでは全員分の塔婆料をまとめて合計し、1本材質の良いものを立てることが多いようです。
友人・参列者
遺族や親族以外に、友人や参列者が塔婆を立てるケースもあります。
塔婆を立てる人に明確な決まりはありませんので、希望すれば誰でも立てることが可能です。
塔婆を立てることを希望する人が複数人いる場合には、代表として施主が塔婆申込書に要望を書き込み、施主からお寺へまとめてお願いすることが一般的です。
希望する場合には、まずは施主に相談することをおすすめします。
塔婆はどんな時に立てるの?
ここでは塔婆を立てるタイミングについて説明していきます。
納骨式
「納骨式」とは、故人の火葬後、遺骨をお墓に納める儀式のことです。
基本的に塔婆はお墓に立てるものなので、最初に塔婆を立てるタイミングは納骨式となります。
中には仏壇の周りに立てるケースもありますが、お墓に立てることがほとんどです。
なお、納骨式は単独で行う場合もあれば、四十九日や一周忌などに合わせて執り行うこともあります。
年忌法要
塔婆を立てるタイミングとして「年忌法要」が挙げられます。
年忌法要は「法事」ともいい、故人が亡くなった翌年に一周忌、亡くなってから2年後に三回忌を行います。
その後、最後の法要である「弔い上げ」まで複数回の年忌法要がありますが、その回数は地域や風習によって異なります。
一周忌や三回忌の法要は重要度が高いため、その都度塔婆を立てたほうが良いとされています。
祥月命日
「祥月命日(しょうつきめいにち)」とは故人が亡くなったのと同じ月日のことで、一般的には「命日」と呼ばれています。
祥月命日は年忌法要ほど大がかりなことをするわけではありません。
仏壇を掃除したり、故人が好きだった食べ物や花を供えたり、お墓参りをしたりすることが多く、このときも塔婆を立てるタイミングとして最適です。
遠方に住んでいるなどの理由から祥月命日にお墓参りすることが難しい場合には、塔婆の作成のみを依頼できることもあるので、菩提寺へ相談してみましょう。
お盆
仏教では、お盆の時期になるとあの世からご先祖様や故人が帰ってくると考えられています。
お盆は馴染み深い仏教行事であり、この時期にお墓参りしたり仏壇に手を合わせたりする方も多いでしょう。
故人やご先祖様の供養につながるということで、この時期に塔婆を立てたいと希望する方も多いようです。
春と秋のお彼岸
「彼岸(ひがん)」はあの世、「此岸(しがん)」はこの世を意味します。
彼岸はあの世とこの世がもっとも通じやすくなる時期と考えられているため、春彼岸や秋彼岸には故人を偲んだりお墓参りしたりします。
またこの時期、ご先祖様の御霊を慰めて成仏を祈る「彼岸会(ひがんえ)」が多くの寺院で行われ、このときに塔婆を立てる方も多いようです。
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塔婆の費用相場
塔婆を立てる際、塔婆に梵字や経文などを書いていただいたお礼として塔婆料を寺院に納めるのがマナーです。
塔婆料は、お布施のように気持ちを示す金額を自由に渡すこととは異なり、しっかりと寺院ごとに料金が定められているのが一般的です。
塔婆の費用相場は3,000円〜1万円程度が一般的ですが、不安な場合は寺院に直接確認しても失礼には当たらないので、あらかじめ聞いておきましょう。
塔婆料の渡し方のマナー
塔婆料の渡し方にはマナーがあります。
ここでは塔婆料の渡し方について説明していきます。
包み方について
塔婆料は、和紙で作られた白くて厚い紙である「奉書紙(ほうしょし)」に包んで渡すことが正式なマナーとされています。
しかし、最近では「御塔婆料」と印刷された香典袋が売られているので、市販の香典袋を使用するケースが多く、また、水引が付いていない無地の白封筒を使用しても問題ありません。
封筒の場合、薄墨ではなく濃墨を使っても問題ありません。
ただし、ボールペンや鉛筆、万年筆などでは書かず、筆ペンの使用がマナーとなります。
また、葬儀の場合は古札を包むのがマナーですが、塔婆料はお寺へ納めることが事前にわかっているため新札でも問題ありません。
表書きについて
表書きには「御布施」「塔婆代」「塔婆料」「御塔婆料」などと記載します。
奉書紙の場合は表面の上段に「御塔婆料」、下段に願主の名前を書きます。
複数の塔婆をまとめて依頼するケースでは、本数分の塔婆料をまとめて1つの封筒に入れても問題ありません。
この場合「〇〇家塔婆建立者」と書きます。
塔婆の本数や金額を封筒に直接書くことはせず、それぞれの氏名がわかるようにメモ用紙を封筒の中に入れると安心できます。
メモ用紙には縦書きで、右から施主・親族・親戚の順に名前を、左端に合計の塔婆料の金額を記載します。
中包みの表面部分には「金〇〇円」というように金額を、裏面部分には名前や住所を記載します。
なお、塔婆料の封筒は、法要時に僧侶へ渡すお布施とは別で用意するのがマナーです。
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古くなった塔婆の処分方法
塔婆はお墓に立てるものなので、雨風や紫外線、寒さなどで徐々に劣化していきます。
ここでは、古くなった塔婆の処分方法について説明していきます。
お寺でお焚き上げをしてもらう
最も一般的な塔婆の処分方法として、お寺でお焚き上げしてもらう方法があります。
塔婆は供養のための大切なものであるため、ごみとして処分することに抵抗を感じる方も多いでしょう。
そのため、お寺できちんとお焚き上げしてもらうことを希望する方も多いようです。
処分方法はお寺や墓地によって異なりますが、新しい塔婆を立てる際に古い塔婆を回収してくれることが一般的です。
また、新しい塔婆を立てる場合、古い塔婆の処分料はかからないことがほとんどです。
お寺の中には、お彼岸が過ぎた後に処分したり、定期的にお焚き上げの日を設けているところもあります。
業者に依頼する
塔婆を自分で処分することに抵抗がある場合、専門の業者に依頼するのも1つの方法です。
産業廃棄物として業者が引き取ったり、大型のシュレッダーのような機械で粉砕したりと、業者に依頼するといろいろな方法で塔婆を処分してもらえます。
自分で処分する
塔婆は自分で処理することも可能です。
ただし、平成16年に施行された「焼却炉規制」で、塔婆を勝手に焼却処分することが禁止されました。
この規制に違反すると罰則や罰金が課せられるので注意が必要です。
自分で処分する場合は、焼却以外の方法を取りましょう。
お墓の敷地内に穴を掘り、細かく粉砕した塔婆を埋める方法が多いようです。
現在の塔婆は簡素化したもの
お墓といえば縦長の長方形が一般的ですが、江戸時代以前は五輪塔といって塔の形をしていました。
五輪塔はインドの仏教思想をもとに、日本で独自に進化したものです。
五輪塔は5つのパーツで構成され、それぞれ灯籠のような形をしています。
上から順に尖った球体、半球、傘のような三角、1番下には四角い形をした石があります。
仏教では、この世は「空(宝珠)」「風(請花)」「火(笠)」「水(塔身)」「地(基礎)」の五大要素から成り、五輪塔の5つのパーツはこれを表しているとされています。
この五輪塔を簡略化したものが塔婆であるといわれ、そのため、卒塔婆には五輪塔と同じような仏教思想が込められています。
五輪塔を表すように、切り込みが入っているのも特徴的です。
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神道にも塔婆はあるの?
仏教には塔婆を立てる風習がありますが、神道にはその概念がありません。
しかし、神式の一部のお墓においては、塔婆に似たような形状で「諡名(おくりな)」などを記載した「霊祭票(れいさいひょう)」や「神道塔婆」が立てられることもあります。
塔婆を出す人についてのまとめ
ここまで、塔婆は誰がどのようなタイミングで出すのかを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 塔婆をお墓に立てることは塔婆供養といい、追善供養の1つである
- 塔婆は誰でも出せるが、一般的には遺族や親族が多い
- 塔婆は納骨式や年忌法要、祥月命日、お盆、お彼岸に立てることが多い
- 塔婆料の相場は3,000円〜1万円で、包み方や表書きのマナーがある
- 神道には塔婆の概念がないが、霊祭票や神道塔婆を立てることもある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
田中 大敬(たなか ひろたか)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴15年以上。葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから著名人や大規模な葬儀までを経験。お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、特に士業や介護施設関係の領域に明るい。
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