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遺族年金の計算方法を種類別に解説!受給金額の目安を知っておこう

更新日:2023.11.19

遺族

記事のポイントを先取り!

  • 遺族年金の種類は、遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類
  • 遺族年金は、種類によって受給額や受給者が異なる
  • 未納や滞納などによって遺族年金が受け取れない場合もある
  • 遺族年金が受給できない人向けの救済措置もある

遺族年金は故人の遺族が受け取れる年金ですが、その種類についてご存知でしょうか。

遺族年金の種類や種類別の計算方法について知っておきましょう。

そこでこの記事では、遺族年金について解説します。

この機会に、遺族年金の受給額について覚えておきましょう。

後半では、遺族年金を受給できないケースについても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

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  1. 遺族年金とは?
  2. 遺族基礎年金を受給できる人
  3. 遺族基礎年金の計算方法
  4. 遺族厚生年金を受給できる人
  5. 遺族厚生年金の計算方法
  6. 65歳以上の遺族厚生年金の受取額について
  7. 遺族厚生年金を受給する妻の加算制度
  8. 遺族基礎年金がもらえないケース
  9. 遺族年金がもらえない人のための救済制度
  10. 遺族年金の計算方法まとめ
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遺族年金とは?

遺族年金とは、国民年金または厚生年金に加入していた方が亡くなられた際に遺族が受け取ることのできる年金のことを指します。

この遺族年金には、加入している年金制度によって、遺族基礎年金遺族厚生年金の2種類に分けられます。

ここでは、それぞれの遺族年金の違いについて説明していきます。

遺族基礎年金

遺族基礎年金とは、20歳以上60歳未満の国民全員が加入している国民年金(基礎年金)被保険者が以下の条件を満たした際に受け取れる遺族年金です。

つまり、遺族基礎年金は主に、自営業を営んでいる方向けの遺族年金になります。

  • 国民年金の加入中に亡くなった場合
  • 国民年金に加入していた亡くなった方が、60歳以上65歳未満かつ日本国内に住所を有していた場合
  • 老齢基礎年金を受け取る権利があった方が亡くなった場合
  • 老齢基礎年金の受け取り資格を満たした方が亡くなった場合

ただし、3番目と4番目に関しては、保険料納付期間と保険料免除期間の合計が25年以上あった場合のみになります。

また、令和8年3月31日までに65歳未満で亡くなった場合、亡くなった月の前日から前々月までの直近1年間で保険料の未納がなければ遺族基礎年金を受け取ることができます。

たとえば、国民年金の被保険者が令和8年3月20日に亡くなった場合には、令和7年1月から令和8年1月までに保険料の未納がなければよいということです。

遺族厚生年金

遺族厚生年金とは、厚生年金保険に加入している会社員や公務員が以下の条件を満たした際に受け取れる遺族年金です。

  • 厚生年金保険に加入している間になくなった場合
  • 厚生年金の被保険者である最中に、初診日がある傷病が原因で初診日から5年以内に亡くなった場合
  • 1級または2級の共済(障害厚生)」年金の受け取り資格がある方がなくなった場合
  • 老齢厚生年金を受け取る権利があった方が亡くなった場合
  • 老齢厚生年金の受け取り資格を満たした方が亡くなった場合

ただし、遺族基礎年金と同様に、4番目と5番目に関しては、保険料納付期間と保険料免除期間の合計が25年以上あった場合のみになります。

また、令和8年3月31日までに65歳未満で亡くなった場合、亡くなった月の前日から前々月までの直近1年間で保険料の未納がなければ遺族厚生年金を受け取ることができます。

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遺族基礎年金を受給できる人

遺族年金を受け取ることができるのは、故人が養っていた18歳年度末までの子または子どものいる配偶者です。

ただし、障害年金の障害等級1級または2級を持っている子の場合は、20歳未満まで受け取ることができます。

遺族基礎年金を受給できる条件として、故人が国民年金の被保険者だったことが挙げられます。

つまり、主な対象は、自営業を営んでいて子どもがいる人が対象となります。

ただし、会社員や公務員で遺族厚生年金の対象になる場合でも、条件を満たせば遺族基礎年金も合わせて受け取ることが可能です。

反対に、故人に18歳未満(または20歳未満)の子どもがいない場合は、受け取ることができません。

また、子どもが婚姻している場合には受給資格がありませんので注意しましょう。

遺族基礎年金の計算方法

令和2年4月以降の遺族基礎年金の受給額は、一律78万900円となっています。

さらに、子どもの人数によって加算金額が変わります。

以下で、例を挙げて金額の計算方法について説明していますので、参考にしてください。

妻と子の場合

遺族基礎年金受給者が妻の場合には、子ども2人まで1人あたり22万4,700円が加算され、3人目以降は1人あたり7万4,900円が加算されます。

たとえば、妻と子どもが3人いる場合には、「78万900円+(22万4,700)×2 + 7万4,900円=130万5,200円」となります。

子のみの場合

妻がおらずに、受給する方が子どものみの場合は、子供1人目が78万900円、2人目は22万4,700円、3人目以降は7万4,900円です。

たとえば、子どもが3人の場合、「78万900円+22万4,700円+7万4,900円=108万500円」となります。

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遺族厚生年金を受給できる人

遺族厚生年金を受け取ることができるのは、在職中に亡くなった会社員や公務員が養っていた配偶者や子どもなどになります。

遺族厚生年金には、受け取り資格に優先順位があります。

受け取り資格の高い順から、

  • 配偶者または子ども
  • 故人の両親
  • 故人の孫
  • 故人の祖母

となりますが、それぞれに条件があるので覚えておきましょう。

まず、第一順位である配偶者でもさらに細かい優先順位があり、優先順位が高い順から

  • 子がいる配偶者
  • 子ども
  • 子のいない配偶者

となります。

配偶者が受け取る場合ですが、受け取る方が夫の場合には妻が亡くなった際に55歳以上であることという条件があります。

ただし、妻が受け取る場合、年齢による制限はありませんが、夫が亡くなった際に30歳未満で子供がいない場合には5年間の期限付きの給付になります。

子や孫が受け取る場合には、18歳年度末以下または、障害年金の障害等級1級または2級を持っている20歳未満の子に限ります。

故人の両親や祖父母が受け取る場合には、故人が亡くなった際に55歳以上であることが条件になります。

遺族厚生年金の計算方法

遺族厚生年金の受給額は老齢厚生年金の受給額の3/4とされていますが、その計算方法は遺族基礎年金よりも複雑です。

まず、遺族厚生年金の支給は、遺族基礎年金に上乗せされる場合と、厚生年金保険の独自給付として支給される場合に分かれます。

さらに、「被保険者期間の月数を最低300ヶ月として年金額を計算する方法」と、「実際の被保険者期間の月数で計算する方法」があります。

死亡した人の要件が短期要件に当てはまる場合

以下の条件に該当した場合を、短期要件といい、年金額を被保険者期間の月数を最低300として計算します。

  • 厚生年金被保険者期間に亡くなった場合
  • 厚生年金被保険者期間に初診日がある傷病が原因で、5年以内に亡くなった場合
  • 障害の程度が1級または2級の障害年金を受給している方が亡くなった場合

被保険者期間が300ヶ月未満であっても、最低300ヶ月として計算するため、「高齢厚生年金額÷加入月数×300ヶ月×3/4」が計算式になります。

死亡した人の要件が長期要件に当てはまる場合

保険料納付期間などが25年以上または老齢厚生年金などを受給している方が亡くなった場合には、実際の被保険者期間の月数で計算をし、これを長期要件といいます。

「老齢厚生年金の年金額の報酬比例部分×3/4」が計算式になります。

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65歳以上の遺族厚生年金の受取額について

遺族厚生年金は、65歳を境に受け取り方法が異なり、同時に受取額も異なります。

夫が亡くなった場合を例に、受取額の計算方法についてそれぞれ説明していきますので参考にしてください。

まず、65歳以下の遺族厚生年金の受取額の計算方法は、「(夫の老齢厚生年金の報酬比例部分)×3/4 +(中高齢寡婦人加算・58万6,300円)」です。

報酬比例部分は、夫が老齢年金受給中の場合は「年金証書」「年金決定通知書」「支給額変更通知書」、

老齢年金受給前の場合は、毎年の誕生月に日本年金機構から送られてくる「ねんきん定期便」または、インターネット上で年金記録を確認することのできる「ねんきんネット」で確認が可能です。

つぎに、65歳以上の受取額の計算方法は、「(夫の老齢厚生年金の報酬比例部分)×3/4 +(経過的寡婦加算)」となります。

ただし、妻が遺族厚生年金を受給していた場合には「(遺族厚生年金)-(妻の老齢厚生年金額)」が、受取額になるので注意しましょう。

遺族厚生年金を受給する妻の加算制度

遺族厚生年金を妻が受給する場合には、中高齢寡婦加算経過的寡婦加算という加算給付制度があります。

それぞれについて詳しく説明していきます。

中高齢寡婦加算

中高齢寡婦加算とは、厚生年金の被保険者が亡くなった際に、40歳以上65歳未満の期間中に、以下の条件を満たした場合に加算されるお金のことです。

  • 夫が亡くなった日に40歳以上65歳未満、かつ、遺族基礎年金を支給される子がいない
  • 遺族年金支給開始時にいた子が条件を満たせなくなったことで遺族基礎年金を受け取ることができなくなった

支給額は年間で、遺族基礎年金の3/4相当の58万5,700円です。

経過的寡婦加算

専業主婦の方で、年金制度の加入が任意だった期間に、年金制度に加入していなかったために減少する老齢基礎年金を補う目的で加算される額のことを経過的寡婦加算といいます。

中高齢寡婦加算は65歳で打ち切られてしまうため、それの代わりとなる加算という認識です。

経過的寡婦加算は、以下のいずれかに該当する場合に受け取ることが可能です。

  • 昭和31年4月1日より前に生まれた妻が65歳以上になり、遺族厚生年金を受け取る資格が発生した場合
  • 中高齢の加算があった昭和31年4月1日より前に生まれた妻が65歳に達した場合

経過的寡婦加算の金額は、昭和61年4月1日から60歳になるまで国民年金に加入していた場合の老齢基礎年金の金額と合わせて中高齢寡婦加算の金額と同額になるよう支給されます。

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遺族基礎年金がもらえないケース

国民年金保険や厚生年金保険に加入していても、遺族年金を受け取ることができない理由として以下の例があります。

保険料の未納・滞納

保険料が未納または滞納している場合、遺族年金を受け取ることができません。

詳細は以下の通りになります。

  • 保険料の滞納期間が、被保険者期間全体の1/3を超えている
  • 亡くなった日の前々月から直近1年間をさかのぼって、保険料の未納がある

このような場合は受け取ることができません。

国民年金は、2年前までの保険料を、さかのぼって支払うことが可能です。

ご自身が亡くなった際に、ご家族にかける負担が少しでも少なくて済むよう、保険料の未納や滞納がある場合には支払いを済ませておきましょう。

生計維持が認められなかった

故人が養っていた人のことを、故人が生計を維持していたといいますが、遺族年金を受け取れる場合の生計維持には以下の条件があります。

  • 前年または前々年度の年収が850万円未満、あるいは、年間所得が655万5,000円未満
  • 亡くなった方と住民票上同一世帯であった、または、別居していても仕送りなどで同一家系だった

これを満たしていない場合には、故人が生計を維持していた家族でも、遺族年金を受け取ることができません。

遺族年金の受給権を失っている

遺族年金は、配偶者または子供のいずれかが受給権を失うと支払いが停止されます。

配偶者が遺族年金の受給権を失うタイミングは以下になります。

  • 結婚をした
  • 亡くなった

子供が遺族年金の受給権を失うタイミングは以下になります。

  • 18歳になった年度の3月31日を過ぎた
  • 結婚をした
  • 亡くなった
  • 養子になった

子供が結婚した場合、「子のある配偶者」という遺族年金受給資格の条件に該当しなくなります。

そのため、遺族年金の受給は停止となりますので、注意しましょう。

遺族年金がもらえない人のための救済制度

遺族年金がもらえないからといって、必要以上に落ち込む必要はありません。

遺族年金が受給できない方のための救済処置も用意されていますので、遺族年金をもらえな

い場合には参考にしてください。

寡婦年金

寡婦年金とは、夫が10年以上国民年金を納付していた場合に受け取れる故人の妻のみの年金で、妻が亡くなった場合でも夫には給付されません。

また、この寡婦年金は内縁の妻であっても受給が可能になります。

国民年金の10年間以上の納付、故人の妻である以外にも、寡婦年金を受給するには以下の条件を満たしている必要があります。

  • 夫が老齢年金を受給する前に亡くなった
  • 夫が障害年金などを受給したことがない
  • 妻は夫によって生計を維持されていた
  • 夫が亡くなった際の年齢が65歳未満であった
  • 夫が亡くなってから5年以内に申請をした

ただし、以上の条件を満たしていても、事実婚を含む婚姻をしたとき、直径婚族または直径血族以外の養子になったとき、亡くなったときには寡婦年金の支給は停止されます。

寡婦年金は、夫がもらう予定だった老齢年金の3/4を受給することができますが、受給できる期間は60歳から65歳までの期限付きです。

死亡一時金

死亡一時金は、亡くなった月の前月までに納付した保険料の納付済期間によって、受給できる金額が変わるお金になります。

金額は以下の通りです。

保険料の納付済期間受給額
36ヶ月以上180ヶ月未満12万円
180ヶ月以上240ヶ月未満14万5,000円
240ヶ月以上300ヶ月未満17万
300ヶ月以上360ヶ月未満22万
360ヶ月以上420ヶ月未満27万
420ヶ月以上32万

さらに、追加保険料を36ヶ月以上納付した方が亡くなった場合には、8,500円が加算されます。

死亡一時金は必ずしも受け取れるわけではなく、遺族基礎年金を受給している遺族がいる場合には受け取ることはできません。

また、寡婦年金の受給資格もある場合にはどちらか一方のみを受給することが可能です。

死亡一時金の受給資格は、2年で時効になるので注意しましょう。

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遺族年金の計算方法まとめ

ここまで遺族年金の種類や受給額の計算方法について解説してきました。

まとめると以下の通りです。

  • 遺族年金は、遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類
  • 遺族基礎年金は主に自営業、遺族厚生年金は会社員や公務員の遺族に支給される
  • 遺族年金は種類によって受給者も受給額も異なる
  • 未納や滞納などの理由により遺族年金を受給できない場合もある

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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監修者

評価員(やまぐち)

山口 隆司(やまぐち たかし)

一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター

経歴

業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。

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