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遺言書があっても遺留分は相続できる?相続できる遺産の割合を紹介

更新日:2022.11.17

遺言書

記事のポイントを先取り!

  • 遺留分は一定の相続人に認められる最低限の相続の権利
  • 遺留分は配偶者・子供・両親・孫・祖父母などに確保される
  • 認知されている隠し子は、実子と同じ遺留分の権利あり
  • 遺留分が侵害された場合は、遺留分侵害請求が可能

遺言書があっても、最低限、相続できる範囲が保証されている「遺留分」というものがあります。
遺留分があることで、遺言書通りに遺産が相続されないというケースがあります。

そこでこの記事では、遺言書の遺留分について詳しく説明していきます
この機会に、遺留分が侵害された場合の対処法についても知っておきましょう。
遺留分を破棄するやり方についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。

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  1. 遺留分とは
  2. 遺留分はいくらになる?
  3. 隠し子にも遺留分は適用される?
  4. 遺留分が侵害された場合
  5. 遺留分を放棄するには
  6. 遺言書の遺留分まとめ
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遺留分とは

そもそも遺留分とは何のことを言うのでしょうか。

遺留分とは、遺言書にかかわらず一定の相続人に対して認められている、最低限、相続できる権利のことを言います。
たとえ遺言書で相続拒否されたとしても、決められた相続人に対しては最低限、遺産を相続する権利があります。

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遺留分はいくらになる?

遺言があったとしても、配偶者や子供は最低限相続できる遺留分が保証されています。
では、相続人にとって遺留分がどのくらいの金額になるのかは、気になるところでしょう。

遺留分の金額は、故人との関係によって変わります。
相続人別の遺留分の割合についてまとめました。

配偶者の遺留分子供の遺留分親の遺留分
配偶者のみ1/2
配偶者+子供1/41/4
子供のみ1/2
配偶者+両親2/61/6

配偶者への遺留分

基本的に配偶者の遺留分は、相続財産の半分です。
遺言で他の人に残すと記されていたとしても、1/2の財産は配偶者がもらう権利があります。

子供もいる場合は?

配偶者と子供がいる場合は、財産の半分が遺留分となり、それを子供と配偶者で半分になりますので、1/4が遺留分となります。
子供が複数人いる場合は、子供の遺留分を頭数で割ります。
また、配偶者と直系の両親の場合は、2/6(1/3)が配偶者、1/6が親の遺留分となります。

隠し子にも遺留分は適用される?

亡くなったあとに、家族が知らない隠し子がいたという話は、珍しいことではありません。
父親と母親以外の女性の間に子供がいた、前妻との間に実は子供がいたなど、ケースは色々あります。
隠し子にも遺留分は適用され、相続する財産を分けなければいけないのでしょうか、詳しく解説します。

認知されていれば適用される

男性と婚姻関係がなく子供を産んでいた場合、男性がその子供を自分の子供として扱うためには「認知」が必要となります。
認知することで、婚姻していない男女の間にできた子供でも、法律上では父子関係が成立します。

認知には戸籍窓口に認知届を出すという手続きをしておく必要があります。
認知をしていないと、自分と血縁関係があったとしても法律上では他人となります。
父親が認知をしていれば、隠し子であっても相続権があり、遺留分も適応されます。
隠し子に相続させないという遺言を残していたとしても、認知されていれば法律上、実子として遺産をもらう権利があるということです。
遺留分の割合は実子と同じで、配偶者と子供がいる場合は1/4、子供のみの場合は1/2の遺留分を請求できます。

浮気相手には適用されない

愛人が、既婚男性の財産を相続する権利はありません。
男性との間に子供がいて認知されているとしても、母親である浮気相手は別です。
認知している子供と違って、法律上他人になるので、遺留分を請求することができません。
相手の男性が「全財産を愛人に残す」と遺言を残したとしても、男性の奥さんや子供には遺留分がありますので、全額をもらうことができないでしょう。

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遺留分が侵害された場合

公正証書遺言などの正式な書類によって遺言を残した場合でも、遺留分を侵害する行為は認められていません。
法定相続人は、最低限保証される遺産を取得することができます。

ここでは、遺言などによって遺留分が足りない場合に請求する、遺留分侵害請求について説明します。

遺留分侵害額請求ができる

兄弟姉妹以外の相続人が遺産の最低保証額である、遺留分について不足額を請求することを「遺留分侵害請求」といいます。
法律で決められている遺留分よりも少ない遺産しか相続できなかった場合、不足分に相当する金銭を承継した者に対して請求できると、民法で決められています。

遺留分侵害額請求のやり方

遺留分侵害請求を行うやり方は様々ありますが、まずはなにから始めればいいのか、どのような流れで請求するのか、やり方を説明します。

調査を行う

相続人には誰がいるのか、認知されている隠し子など思いもよらない相続人がいる場合もありますので、しっかり調査します。
また、遺産はどのくらいあるのかについても把握しましょう。

遺留分侵害請求の通知を行う

遺留分を侵害している方に請求しますという、意思表示を行います。
通知は何で行えばいいのかは決まっていませんが、証拠が残る内容証明郵便がいいでしょう。

返済額と期限について話し合う

相手と返済額や返済期限について話し合います。
話し合いで解決したら、正式に合意書を作成し支払いが行われ解決です。
話し合いに応じない、話し合いで相手が納得しない場合は、以下のやり方を検討します

調停の申し立て

遺留分を請求する相手の地域の家庭裁判所に、調停の申し立てを行います。
裁判官、調停委員などの第三者に入ってもらうことで話し合いを進めます。

訴訟の提起

亡くなった方の住所がある地方裁判所、簡易裁判所に訴えて訴訟を行います。
調停では話し合いで解決する道を探しますが、訴訟では裁判所に強制的に判断してもらう手続きを行います。

遺留分侵害額請求の注意点

遺留分請求は期間に制限がありますので、注意が必要です。
死亡を認識し遺言が発見されて、遺留分を請求せずに1年が経過すると時効になり、遺留分の請求ができなくなります。

遺留分請求は、1年以内に行わなければいけません。
また、相続開始から10年間の除斥期間が決まっています。
除斥期間とは、期間の経過によって確定的な権利が消滅することを言います。
10年が経過すると遺留分侵害額の請求は完全にできなくなります。

遺留分を放棄するには

相続に関するトラブルを避ける方法のひとつが、遺留分放棄です。
法定相続人は、遺言があっても遺産を相続する権利がありますが、放棄することによって受け取る権利を放棄することができます。

遺留分を放棄するメリットとやり方を紹介します。

放棄するメリット

遺留分の放棄は相続をスムーズに進めたいときに有効です。
遺言状を残して相続の希望を書いたとしても、遺留分がありますので全て思い通りにはいきません。

たとえば、父親の会社を長男が継いでいて、遺言状には財産を全て長男に残すと書いたとしても、兄弟は遺留分を請求することができます。
遺留分として遺産を他の兄弟に渡すと、長男の会社は存続するのが難しいケースがあります。

父親が生きているうちに、兄弟に遺留分を放棄してもらうことで、長男に財産をすべて残すことができ会社を残すことができます。
父親は他の兄弟たちには生前贈与を行い財産を残し、会社を守りつつ相続争いにもなりません。

遺留分放棄は遺言書と組み合わせることで、相続を円滑にするメリットがあります。

放棄のやり方

生前に遺留分放棄の手続きを行う場合は、家庭裁判所の許可をもらいます。
亡くなったあとの遺留分放棄は、手続きが必要ありません。
相続開始前に遺留分放棄の手続きを行うには、家庭裁判所に「遺留分放棄の許可申立書」を提出してください。
そのあとに家庭裁判所の審査が行われます。審査されるのは以下の項目です。

  • 本人の意思で放棄しようとしているのか
  • 合理的な理由があるのか
  • 遺留分放棄の見返りがあるのか

など

家庭裁判所の審査を経て、遺留分放棄が認められます。

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遺言書の遺留分まとめ

ここまで遺言書の遺留分についての情報を中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。

  • 遺留分は一定の法定相続人に認められている最低限相続できる権利のこと
  • 遺留分の割合は、配偶者のみの場合は半分、子供がいる場合はさらに半分の1/4
  • 隠し子が認知されている場合は、実子と同じ割合の遺留分が認められる
  • 遺言で遺留分が侵害された場合は、遺留分侵害請求ができる
  • 遺留分は放棄することも可能だが、生前の場合は家庭裁判所の審査が必要

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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監修者

評価員(やまぐち)

山口 隆司(やまぐち たかし)

一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター

経歴

業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。

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