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生前整理のメリットとデメリットとは?流れとポイントを解説
更新日:2023.03.17 公開日:2022.04.25
生前整理とは、生前に不要物を処分することや、財産を整理することをいいます。
そんな生前整理のメリットやデメリットについてご存知でしょうか。
そこでこの記事では、生前整理について解説します。
この機会に、生前整理の流れについて覚えておきましょう。
後半では親に生前整理をしてもらいたい場合の対処法についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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- 生前整理とは
- 生前整理のメリット
- 生前整理のデメリット
- 生前整理を行うポイントと流れ
- 生前整理の不用品の処理方法
- 生前整理と遺品整理の違い
- 生前整理と同時に進めておくべきこと
- 親に生前整理をしてもらいたい場合
- よくある質問
- 生前整理のまとめ
生前整理とは
生前整理とは、不要物を処分し身の回りのものを必要最低限に整理すること、また財産の整理をすることです。
生前整理は、自分のために行うものと家族のために行うものがあります。
それぞれについて詳しくみていきましょう。
自分の為に行う生前整理
遺産の分け方や葬式の有無、供養方法を自分で指定したい場合に行う生前整理は、自分のために行うものといえます。
遺言書で財産分与について指定したり、葬儀や供養などの希望をエンディングノートに書くことで、自分の本心を遺族に伝えることができます。
また、遺族に見られたくないものがある場合は事前に処分しておきましょう。
パソコン内のデータも、見られたくない場合は忘れずに処分しておくようにします。
家族の為に行う生前整理
財産を整理していない場合、相続の際に遺族は遺産整理の手間がかかってしまいます。
また、借金などの負の財産の存在を隠していた場合、負の財産を発見した遺族は混乱してしまいます。
相続トラブルを引き起こさないためにも、自身が存命中に財産目録を一覧で作成しておくとよいでしょう。
必要最低限のものだけを残しておくことで、遺族が行う遺品整理の負担を軽くすることができます。
自分はもちろん、家族のためにも生前整理を行うようにしましょう。
https://www.eranda.jp/column/24661
スポンサーリンク生前整理のメリット
生前整理を行うことで、得られるメリットは多くあります。
各メリットについて、詳しく説明していきます。
家族の負担を軽減できる
遺品が多ければ、残された家族に遺産整理の負担をかけてしまいます。
また、個人で処理しきれない場合、遺品整理業者に依頼するなど、経済的にも負担をかけることもあります。
遺品整理を行うことで、残された家族の負担を軽減することができるのです。
現在同居している方が同じ家に継続して住むのであれば、徐々に遺品整理に取り掛かることができるでしょう。
しかし、一人で賃貸に住んでいる場合、賃貸契約の都合で退去日までに遺品整理をしなければいけません。
退去日まで数日しかない、という場合もあります。
その場合、残された家族は慌ただしく遺品整理を行うことになるでしょう。
よって一人で賃貸に住んでいる方は、特に生前整理を行うべきといえます。
相続トラブルを回避できる
現金や預貯金、不動産、株式、投資信託、負債についても明らかにしておきましょう。
財産目録などの一覧を作ることで、自分も忘れていた財産を思い出すことがあります。
また、漏れなく財産分与することで、残された家族が相続トラブルに悩むこともありません。
万一の時に困らない
生活を送っていくうえで、病気や事故で急に入院することも十分に考えられます。
そんな万一の時に身の回りの品を整理しておくと、入院などの手続きに必要なものの場所を自身で把握できているはずです。
代わりに手続きを行う方が必要なものを探す手間が省ける、というメリットがあります。
判断能力が低下しても安心
認知症などを患い、自身の判断能力が低下した場合でも、重要な書類や通帳をまとめておくことで紛失を防ぐことができ安心です。
自身の判断能力が低下した場合、誰に管理してもらうのか指定しておくことも大切です。
自分の希望を実現できる
亡くなった後では、残された家族に自分の希望を伝えることができません。
遺言書やエンディングノートを作成しておくことで、残された家族が希望に沿う形で葬儀や供養を執り行ってくれるでしょう。
しかし、抽象的に書いてしまうと、残された家族を困らせてしまいます。
希望の内容はなるべく詳しく書きましょう。
気持ちも部屋もスッキリする
生前整理をして部屋がすっきりすることで、気分も一新するでしょう。
しかし、わざわざ生前整理をしたにもかかわらず、無駄なものを増やしては意味がありません。
すっきりした状態を継続できるよう、注意してください。
生前整理のデメリット
時間と労力がかかる
生前整理の中でも、不要物の整理は時間的にも体力的にも負担が大きいものです。
衣服や雑貨などが大量にある場合、必要なのか不要なのか分別することから始まるため、1日で終わらせることは難しいでしょう。
また、大型の家具や家電は専門の業者に依頼するか、自身で処理場まで運ぶ労力もかかります。
そのため、無理のないよう何日かに分けて進める必要があります。
費用がかかる
生前整理は、ごみの処分費用だけでなく、財産整理や遺言書の作成費用がかかります。
トータルでかかる費用は個人によって差はありますが、数万円から数十万円かかるでしょう。
生前整理を行うポイントと流れ
生前整理を行うときのポイントを、流れに沿って説明していきます。
「物」の整理をする
まずは、整理しやすい「自身の持っているもの」の整理からはじめましょう。
必要なもの不要なものの仕分け
「現在も使用している必要なもの」「不要なもの」の2択だけで仕分けてしまうと、なかなか判断できずに作業が止まってしまう場合があります。
そのため、「現在使ってはいないが手元に残したいもの」という選択肢をつくることをおすすめします。
「現在使ってはいないが手元に残したいもの」は、ある一定の期間が過ぎても使用しない場合は捨てるといったルールを決めておきましょう。
ルールがあることで、いつまでも処分できないという事態を回避できます。
貴重品の保管
保険証書や通帳、株式などの重要書類は、盗難のリスクから複数箇所に分けて保管している方も多いと思います。
しかし、遺産整理の観点から見ると、まとめて一か所に保管したほうがよいでしょう。
まとめて保管することで、何かあった時に忘れることなく全ての書類を揃えることができるのでおすすめです。
デジタル機器
パソコンやスマートフォンなど、デジタル機器内の不要なデータの削除も必要です。
ほかにも削除する必要があるのは、SNSや通販サイトなどの会員になっている場合のアカウントです。
アカウントを削除する場合、多くはパスワードが必要です。
現在使用していないアカウントは、なるべく削除しておきましょう。
また、現在使用しているアカウントは、自身が亡くなったあとに削除してもらう必要があります。
手書きの場合、読み間違いが起こりかねないので、パソコンなどで入力したパスワードの一覧を作っておきましょう。
「財産」の整理をする
財産の整理をするためにすべきことは、財産資料の整理、財産目録の作成、実物財産の整理です。
それぞれ詳しくみていきましょう。
財産資料を整理
保険証書や通帳、株式、保険証券などの財産資料をまとめて保管します。
ただし、盗難のリスクを考え、金庫で保管することをおすすめします。
さらに安全性を高めるためにも、印鑑やキャッシュカードは別で保管するとよいでしょう。
財産目録を作成
財産資料がまとまったら、財産資料の情報を用いて財産目録を作成します。
しかし、作成しても残された家族の手に渡らなければ意味がありません。
資料の保管場所は、家族に伝えておきましょう。
実物財産を整理
相続税対策のためや、親族間でトラブルを発生させないためにも、実物財産の整理をします。
実物財産の整理の一例として、将来的に価値のなくなりそうな不動産や土地を売却する、相続財産を減らすために生前贈与する、などがあります。
しかし、実物財産の整理は素人がやみくもに行えるものではありません。
税理士や司法書士といった専門家に相談し、適切なアドバイスを受けましょう。
遺言書を作成する
遺言書とは、自身が保有する財産とその相続人を記載した、法的な効力をもつ書類のことです。
遺言書は自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類に分類されます。
それぞれ作成方法など異なる点はありますが、正しく作成すればどれも法的に効力をもちます。
自分に合った作成方法で遺言書を作成し、残された家族に遺産を相続しましょう。
「エンディングノートを活用」する
エンディングノートとは、その名の通り人生の終焉について記入したノートです。
エンディングノートは、遺言書と異なり法的効力がありません。
そのため、記入した内容が必ず叶えられるとは限らないといえるでしょう。
エンディングノートには明確なルールがなく、記入する内容は個人で自由に決められます。
一般的には、家族や友人に伝えたいメッセージや、葬儀・供養方法の希望を記入することがほとんどです。
残された家族に自分の希望を伝え、自分の希望通りに最後の時を過ごせるようにしましょう。
生前整理の不用品の処理方法
生前整理を行って出た不用品の処理方法に悩まれる方も多いでしょう。
処分にはいくつかの方法があるので、それぞれの特徴をみていきましょう。
一般のごみとして出す
お住まいの自治体のごみに出せるものは、ルールに従って一般ごみとして処分します。
ごみに出す際は、個人情報の流出に注意が必要です。
個人情報が記載されているものを処分する場合、「シュレッダーにかける」「黒塗りで読めなくする」などの処理をしましょう。
不用品処理業者
自治体で回収不能なごみの処理でおすすめなのは、不用品処理業者に引き取ってもらうことです。
民間の不用品処理業者であれば、早朝や深夜でも対応している業者もあるため、自分の都合のよい時間に回収してもらえます。
リサイクルショップ
ブランド品、貴金属、ジュエリーなど価値のあるものは、リサイクルショップに持ち込み換金するとよいでしょう。
遺品(生前)整理業者
不用品処理業者に頼む、リサイクルショップに行くなどの作業を、全てまとめて行ってくれる遺品(生前)整理業者があります。
作業日数は荷物の量によって前後しますが、2日〜1週間程度かかることが多いようです。
しかし、作業期間中、常に立ち会うことは難しいと思います。
そのため、何社か見積もりをとり、価格もサービス内容も信頼できる業者に依頼しましょう。
生前整理と遺品整理の違い
生前整理と遺品整理は一見混同しやすいですが、行うタイミングや行う人、目的、整理する対象となるものが異なります。
生前整理と遺品整理の違いを理解して、自分は何をすべきなのか考えましょう。
整理をするタイミングが違う
生前整理は自身が「生存中に行うもの」で、遺品整理は「死亡後に行うもの」です。
整理を行う人が違う
生前整理は「本人」が行い、遺品整理は「残された家族や故人の関係者」が行います。
整理を行う目的が違う
生前整理を行う主な目的として考えられるのは、「自分や残された家族の負担を減らすため」です。
遺品整理は、故人の遺品を整理することで故人への気持ちを整理するためだったり、荷物を放置することで起きる弊害を防ぐため、義務的に行います。
整理する物が違う
生前整理は、まだ亡くなる前なので所有物や財産が対象になります。
遺品整理は、亡くなったあとなので遺品が対象になります。
生前整理と同時に進めておくべきこと
生前整理を考えたとき、同時に進めておくべきことに「生前贈与」「任意後見契約」「家族信託」があります。
認知症や寝たきりとなった場合の対策として、同時に進めておくことをおすすめします。
生前贈与
自分に判断力があるうちに、残された家族へ価値のある財産は贈与しましょう。
贈与税の節税対策にもなり、認知症や寝たきりとなった場合に無用なトラブルを回避することもできます。
任意後見契約
任意後見契約とは、認知症や寝たきりになった場合に備えて、自身で選択した方(任意後見人)に代理でしてもらいたいことを契約しておく制度です。
任意後見契約をしておくことで、認知症や障害をもったときに、任意後見人が契約した内容を代理で行ってくれるため安心です。
なお、任意後見人は親族ではなく第三者(弁護士、司法書士や法律、福祉に関わる法人など)が選ばれることが一般的です。
家族信託
家族信託とは、家族に自分の財産を委託し、代理で管理してもらう制度です。
財産管理にともなう報酬が発生しない、家族間で自由に契約内容を決められるなどのメリットがあります。
家族信託は新しい財産管理方法として、近年注目を集めています。
最近では、以下のような家族信託をサービスとして請け負っている会社も存在します。
財産管理を家族などに委託することによって、資産が使えなくなってしまうことを防ぐサービスです。
スポンサーリンク親に生前整理をしてもらいたい場合
親に生前整理をしてもらいたい場合、伝え方を間違えれば険悪な雰囲気になる恐れがあります。
そのような事態を防ぐためにも、親に生前整理をしてもらいたい場合の対処法を紹介します。
片づけの目的を伝え理解してもらう
いきなり「生前整理をしてほしい」と伝えるのは、いくら実の親であっても失礼なお願いになります。
まずは、なぜ生前整理を行って欲しいのか、その目的やメリットを伝え、必要性を理解してもらいましょう。
目的やメリットを理解してもらうことで、親のモチベーションが維持され、中断される心配もなくなります。
一緒に作業する
子どもに生前整理を行ってほしい旨を伝えられても、親にも予定や生活リズムがあります。
その場合、なかなか作業を開始してもらえないこともあるでしょう。
そのため、まずは生前整理を始めるきっかけをつくることがポイントです。
最初は親に手伝ってもらう形でもよいので、子どもから作業を開始します。
そして、親が作業をすることに前向きになるよう声をかけつつ、一緒に作業しましょう。
価値のあるものは、リサイクルショップやフリマアプリで換金しましょう。
不要だったものがお金に変わることで、さらにモチベーションアップにつなげることができます。
ゆっくりと時間をかけて行う
生前整理は、親にとっては大変な作業です。
他人から見れば不要な品でも、親にとっては思い出の詰まった品の場合もあります。
それらを整理していくことは、自身の生きてきた証を整理していくといっても過言ではありません。
また、いくら子どもでも親の許可なしに親の所有物を処分してはいけません。
トラブルを防ぐためにも、必ず確認を取ってから処分しましょう。
急いで生前整理を終わらせようとせず、親のペースに合わせ、ゆっくりと時間をかけて行うのがポイントです。
https://www.eranda.jp/column/24477
よくある質問
Q:生前整理にすることは?
A:所有物や財産の整理、エンディングノートの作成など多岐に渡ります。
まずは、所有物で必要な物と不要な物を分けましょう。
Q:生前整理のデメリットは?
A:生前整理はこれまで生きてきた物を整理するため、かなりの時間と労力がかかります。
Q:生前整理と遺品整理の違いは?
A:遺品整理は故人の死後に行うため、遺族が行います。
生前整理は、生前に行うためご自身や家族と行います。
Q:銀行の預金や株式などの金融資産はどうする?
A:財産目録を作成したり、税理士や司法書士などの専門家に相談をしましょう。
スポンサーリンク生前整理のまとめ
ここまで生前整理のメリット・デメリットなどについて解説してきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 生前整理は時間と労力、費用がかかる
- 不用品の処分は、不用品処理業者やリサイクルショップを活用する
- 生前整理は「自身の持っているもの」の整理からはじめる
- 生前整理と同時に生前贈与、任意後見契約、家族信託も進める
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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