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相続

遺産の平均額は?相続税の計算方法や手続きについて解説

更新日:2022.04.26

遺産

記事のポイントを先取り!

  • 相続税の計算方法や分割方法は複数ある
  • 遺産相続には注意点がある
  • 相続財産は原則現物分割である


遺産相続と聞いてどのようなイメージを持つでしょうか?

現金や宝石、不動産などの価値あるもののみを受け取ると考える方が多いのではないでしょうか。
遺産とは故人が所有していた全ての財産のことで、「相続財産」とも言いますが、金銭的な価値のあるプラスの財産だけではありません。
借金などの弁済しなくてはならないマイナスの財産も遺産に含まれます。

そこでこの記事では、遺産の平均額や、相続税の計算方法、手続きについて詳しく説明していきます。

この機会に相続税の計算方法や遺産の有効な活用方法を覚えておきましょう。
遺産相続する際の注意点についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。

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  1. 遺産はいくらが一般的?
  2. 相続人の平均年齢
  3. 相続した財産額と内訳
  4. 相続税を支払っているケースは約8%
  5. 相続税の計算方法
  6. 遺産の分割方法によって相続税が0円になる
  7. 遺産の有効な活用方法
  8. 遺産相続する際に注意すべき4つのポイント
  9. 相続財産の分け方
  10. 遺産の平均額まとめ
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遺産はいくらが一般的?

遺産の一般的な金額はどれくらいなのでしょうか。
平均額や中央値について解説します。

遺産の平均額

複数の民間調査によると、相続人が相続する遺産の平均額は大体2,000万円〜3,000万円となっています。

しかし、相続した財産の金額分布では、半数以上がこの平均額未満に収まっているという結果です。
このことから、多額の遺産を相続した人が平均額を押し上げている可能性があると考えられます。
また、男性と女性では、男性の方が遺産を多く相続しています。

遺産の中央値

まず、中央値とは調査結果の数字を小さい順から並べた時に丁度中央に位置する値のことです。
遺産の中央値は1,600万円で、上記で述べた平均値から離れています。

これは、多額の遺産を相続した人が平均額を押し上げている可能性があるということが理由として挙げられます。そして、平均値よりも中央値の方が一般的な家庭の遺産の金額であると言えます。

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相続人の平均年齢

親が死亡した時の本人の年齢に関する調査結果からは、父親の死亡時で39.1歳、母親の死亡時で46.4歳となっています。ただ、片方の親が死亡した際にはもう一方の親が全ての遺産を相続するケースが多いことから、この平均年齢=相続人の平均年齢を示すとは限らないということに注意しましょう。

また、2020年の平均寿命は女性が87.74歳、男性が81.64歳であることから、相続人である子の年齢を逆算すると、平均年齢は50歳前後だと推測されます。
これらのことから、相続人の平均年齢は40代以上であると言えます。

相続した財産額と内訳

相続した財産額とその内訳に関して表にまとめると次の通りです。

不動産48.1%
現預金38.6%
有価証券12.1%
借入金-5.3%
その他資産6.5%

財産額の内訳において最も割合の高い不動産が5割弱
次いで、現預金が4割弱、有価証券が1割強という結果になっています。

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相続税を支払っているケースは約8%

遺産を相続すると相続税の負担が気になる人も多いのではないでしょうか。
しかし、遺産を相続する人全てに相続税が課税されるわけではありません。相続税には基礎控除額があるため、遺産の総額が基礎控除額以下である場合、相続税は課税されません。

そのため、実際に遺産相続したケースのうち相続税を支払っているケースは8%ほどです

この8%に含まれる場合の理由としては、価値の高い不動産を遺産として受け取っていることが多く、相続額が大きくなるからです。また、相続税を納税しない場合においても相続手続きは必要です。

相続発生時から10ヶ月以内に税務署に申告しましょう。
相続税が発生しているのに申告しないままの場合には、無申告加算税や延滞税を支払うことになるため注意が必要です。

相続税の計算方法

相続税の計算方法についてそれぞれ説明します。

相続人を確認する

まず、相続人には、法定相続人とその他の相続人の2種類が存在します。

法定相続人とは、法律によって遺産を相続することが認められている人のことです。
法定相続人は戸籍謄本によって確認する必要があります。
故人の「生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍謄本」を集めて確認します。

その他の相続人とは、遺言や生前贈与などによって遺産を相続する人のことです。
その他の相続人は、遺言書等がある場合には、封を開けずに家庭裁判所での検認手続きをする必要があります。

遺産の金額から基礎控除分を差し引く

相続には基礎控除分が定められています。

遺産の金額が基礎控除分以下の場合には相続税の支払いは不要です

相続の基礎控除は、相続税の課税最低限度額で、法定相続人の数によってその金額が決定します。
この基礎控除分の計算式は、3,000万円+(600万円×法定相続人の数)で求められます。

相続税の課税遺産総額を計算する

相続税の課税遺産総額とは、正味の相続財産額から基礎控除額を控除した金額のことです。

正味の相続財産とは、相続税がかかる財産のことであり、相続で取得するのはプラスの財産だけではありません。被相続人の債務や葬式費用といったマイナスの財産も相続人が負担します。

課税遺産総額は、相続税がいくらかかるのかを計算する基礎となる金額です。

正味の相続財産額が基礎控除額以下であれば、相続税は課税されません。
正味の相続財産の計算式は、相続財産の総額 −(非課税財産+債務+葬式費用)で求められます。
また、課税遺産総額の計算式は、正味の相続財産−基礎控除額で求められます。

相続人ごとの課税遺産額を計算する

課税遺産総額が算出されたら、各相続人が民法規定上の法定相続分の通りに相続したものと仮定して各相続人の課税遺産額を計算します。これはあくまでも相続税を計算するための仮の分割割合であるため、実際の分割割合や、誰が何を相続するといったことは遺産分割協議で決定されます。

各相続人の相続税額の計算式は、課税遺産総額×割り振り率(各人の法定相続分の割合)で求められます。

相続人ごとの仮の相続税額を計算する

相続税は、法定相続人が法定相続分で遺産を相続したと仮定して計算します。
各相続人の課税遺産額が決まったら、それに応じた税率をかけて、そこから課税遺産総額の範囲で設けられた控除額を差し引いて各相続人の仮の相続税額を計算します。

各相続人の仮の相続税額の計算式は、課税遺産総額×法定相続分×税率 − 控除額で求められます。

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遺産の分割方法によって相続税が0円になる

遺産は必ずしも平等に分けないといけないというわけではありません。
上手に遺産分割することで、相続税を0円にすることが可能です。

例えば、配偶者と2人の子に遺産分割すると、第一子と第二子にはそれぞれ相続税が発生します。
しかし、全てを配偶者が相続した場合、相続税は1円もかからないことになります。
これは、配偶者が法定相続分以内の遺産を相続する際には相続税を支払わなくても良いからです。

遺産の有効な活用方法

遺産の使い道は基本的には相続人の自由ですが、故人の好意を無にしないためにも有効に活用できると良いでしょう。
具体的な活用方法を紹介します。

不動産や車など高価な買い物をする

不動産や車などの高価な買い物をする際に、遺産を使って一括で支払うという活用法があります。
一括で支払うことで利息がなくなる分、遺産を有効に活用できると言えるでしょう。

仮に、購入したいものが遺産総額を上回る場合でも、ローンの頭金として遺産を使用することにより、負債と利息を軽減させることができます。

貯金する

将来に備えて貯金するというのも堅実な活用法です。

もしも家族が病気になった場合には、医療費に充てることもできます。
他にも自分の将来の介護費用として備えておくこともでき、子どもの経済的な負担を軽くすることもできます。

運用して増やす

ローンを抱えていない場合には、投資などの資産運用をして額を増やすというのもおすすめです。
株式、不動産、金の購入、M&Aなど、投資にはさまざまな方法があるため、生活に余裕がある場合には自分に合った方法での資産運用も良いでしょう。

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遺産相続する際に注意すべき4つのポイント

遺産相続する際の注意点についてそれぞれ詳しく説明します。

遺言書の有無を確認する

まずは遺言書の有無を確認しましょう。

遺産相続の手続きをするにあたり、多くの書類を提出しなければなりません。
これらの手続きを終えた後から遺言書が見つかった場合、もう一度相続手続きをやり直すことになる可能性があります。手間を少しでも減らすためにも、遺言書があるのかどうかを確認しておきましょう。

生前贈与分も相続財産として計算する

相続財産には、相続が発生する3年以内に贈与されたものも含まれます

そのため、死亡前の3年間に贈与されたものがある場合には、死後の遺産と合わせて計算したものが遺産総額となります。法定相続分に従って遺産分割する際には、贈与を受けた人は既にその金額分の遺産をもらっているものとして相続手続きを進めます。

不動産は購入価格ではなく実勢価格で計算する

不動産は購入価格ではなく、実勢価格に基づき計算します。

実勢価格とは、実際に市場で取引される価格のことで、土地を売買する際に実際に取引が成立する価格、もしくは取引した価格のことです。実勢価格は、その土地の特徴や当事者間の事情により適正価格より高くなる場合も低くなる場合もあります。

なお、居住用不動産を相続する場合には、相続税を支払わなくても良いケースが多いようです。
例えば、被相続人の配偶者が存命であり、相続前から対象不動産に住んでいた場合には配偶者居住権を主張することで相続せずとも住み続けることが可能なケースもあります。

相続税の納付期限切れに注意する

相続税の納付期限は意外に短く、被相続人の死亡を知ってから10ヶ月となっています。

葬儀などで何かと忙しいでしょうが、なるべく早めに相続人が集まり、相続を進めるようにしましょう。10ヶ月以内に相続税の申告や納付ができない場合には、税務署に「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出すると最長で3年間待ってもらうことが可能です。

しかし、納付期限に遅れた分に関しては延滞税などが発生する可能性があるため注意が必要です。

相続財産の分け方

相続の際に相続人が複数いる場合には遺産分割をして相続財産を分ける必要があります。

では、相続財産の分け方にはどのようなものがあるのでしょうか。
遺産分割の方法には、現物分割、換価分割、代償分割といった方法がありますが、基本的には現物分割が原則です。
しかし、相続人間での合意があれば現物分割以外の方法をとることも可能です。

相続人の利害が対立することも多く、揉めてしまう可能性がある遺産分割ですが、どのような方法で分割するのかを、4つに分けてそれぞれ説明していきます。

現物分割

現物分割とは、遺産に属する個々の財産をその形状や性質を変更することなく、遺産の現物をそのまま分配するという分割方法です。
遺産分割は、可能な限り遺産の現物をそのまま相続人に受け継がせるのが望ましいとされています。

更に、現物をそのまま分配することが最も単純で分かりやすい方法であるため、遺産分割方法の原則的な方法として現物分割が定められています。

換価分割

換価分割とは、不動産などの遺産を売却した際に得られた売却金を法定相続人間で分配する分割方法のことです。
相続財産や代償分割が難しい場合にはこの方法が用いられることがあります。

また、共同相続人全員が望んでいる場合にもこの方法が用いられることがあります。
更に換価分割には、要らない遺産を処分でき公平な遺産分割が可能であるというメリットがあります。

代償分割

代償分割とは、一部の相続人に相続分を超える額の財産を取得させる代わりに、他の相続人に対し超過分の額相当の代償金を支払う債務を負担させるという方法です。

遺産分割審査において、現物分割が不可能である場合や、現物分割することで分割後の財産の経済的価値を著しく損なうため不適当である場合などの要件を満たす必要があります。

共有分割

共有分割とは、あえて遺産を相続分に応じて共有する方法のことです。

遺産分割の手続きは、基本的には共同相続人間での話し合いにより定められるものであるため、合意できるなら法定相続分にこだわらない遺産分割も可能です。

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遺産の平均額まとめ

ここまで遺産の平均額や、相続税について中心に書いてきました。

この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。

  • 相続人が相続する遺産の平均額は大体2,000万円〜3,000万円
  • 遺産の中央値は1,600万円で、平均値より中央値が一般家庭の遺産金額である
  • 相続人の平均年齢は40代以上
  • 相続税の計算方法や分割方法は条件や内容により異なる

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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監修者

評価員(かまた)

鎌田 真紀子(かまた まきこ)

国家資格 キャリアコンサルタント ・CSスペシャリスト(協会認定)

経歴

終活関連の業界経歴12年以上。20年以上の大手生命保険会社のコンタクトセンターのマネジメントにおいて、コンタクトセンターに寄せられるお客様の声に寄り添い、様々なサポートを行う。自身の喪主経験、お墓探しの体験をはじめ、終活のこと全般に知見を持ち、お客様のお困りごとの解決をサポートするなど、活躍の場を広げる。

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