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遺品整理

遺品整理士はどんな仕事?業務内容・必要な資格・将来性を説明

更新日:2022.03.18

記事のポイントを先取り!

  • 遺品整理を手伝うのが遺品整理士
  • 遺品整理士には認定資格が必要
  • 少子高齢化により需要が拡大

遺品整理の専門家である、遺品整理士という職業があることをご存知でしょうか。
遺品の仕分けに関する専門知識を得たい方は、遺品整理士について知っておくと良いでしょう。

そこでこの記事では、遺品整理士の仕事について詳しく説明していきます。
この機会に、遺品整理士の業務内容や資格について理解を深めておきましょう。

不用品回収業者と遺品整理士の違いについても触れているので、ぜひご覧ください。

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  1. 遺品整理士とは
  2. 遺品整理士の業務内容
  3. 遺品整理士になるには?
  4. 遺品整理士は将来性がある職業
  5. 不用品回収業者との違い
  6. よくある質問
  7. 遺品整理士のまとめ
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遺品整理士とは

遺品整理士とは遺族の代わりに遺品整理を行う遺品に関する豊富な専門知識を有する業者のことです。
この職業に就くためには、一般社団法人遺品整理士認定協会が認定する資格を取得する必要があります。

遺品整理には遺品管理に関係する法律が多数関わっているため、遺族だけで行うと思わぬトラブルが生じる可能性があります。

遺品整理士は法令や遺品の取り扱い方についての専門知識も有するため、依頼すればそうしたトラブルも回避できます。

彼らに遺品整理をお願いすれば、法令に基づいて適切に遺品の仕分けや処分を行ってくれます。

遺品整理士はそれだけに留まらず、遺産相続不動産などの問題に関しても、アドバイスを行ってくれます。
遺族からの要望や相談に応え、必要であれば行政機関や弁護士などの専門家への仲介もしてくれるのです。

ただ遺品整理を行うだけでなく、故人や遺族に配慮して、故人亡き後のサポートを行う職業だといえます。
遺品整理士が担当する範囲は広いため、遺品や遺産全般に関して疑問に思ったことは気軽に相談できます。

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遺品整理士の業務内容

次は遺品整理士の業務内容を詳しく説明していきます。
この職業の業務内容は、想像以上に多岐に渡っています。

具体的に遺品整理士がどういった業務を行うのか知ることで、この職業への理解を深めていきましょう。

遺品の仕分け

遺品整理士の主な仕事のひとつが、遺品の仕分けをすることです。

遺品の量が多かったり遺品を見ることが辛かったりして、整理が行えない遺族に代わって遺品整理士が遺品の仕分けをします。

遺族の要望に合わせ、遺品を必要なものと不要なものに分けることで遺品整理のサポートを行うのです。
遺品整理士は、ただ法令や取り決めを遵守して最適な形で遺品整理を行うだけではありません。

供養の気持ちを大切に、故人の思いを尊重しながら遺品整理を行うことも重視しています。
遺族や故人に寄り添いながら遺族の遺品整理をサポートするのが遺品整理士の主な仕事だといえるでしょう。

不用品の回収・処分

遺品の仕分けを行っていると、遺品の中から不用品がたくさん出てきます。
そうした不用品の回収処分も遺品整理士の仕事のひとつです。

遺品の中にはまだ使えるものも含まれていることが多いため、それらを回収したり売却の手続きをしてくれたりします。

故人がコレクションしたものや、車・バイクなどの高価で運搬が大変なものも、遺品整理士が処分を手伝ってくれます。

リサイクル・回収できるものなのか、処分するものなのかなどの判断も遺品整理士が一緒に行ってくれます。

遺品の供養

故人の遺品の中で、特に思い入れのある品物に関しては、供養やお焚き上げを行って処分することがあります。

たとえば、故人がいつも身に付けていた衣服や小物などは、ゴミとして処分するのではなく寺院で供養するのが良いでしょう。

遺品整理士は、遺品の供養が可能な寺院と提携していることも多く、その寺院に遺族の代わりに供養を依頼してくれます。

家財の搬出

家具や家電などの家財は、遺族だけで運び出すのが難しい物品です。
特に遺族が高齢である場合には、自分たちだけで搬出作業を行うことは困難でしょう。

遺品整理士は、仕分けが終了したあとの家財の搬出を手伝うのも仕事に含まれています。家財も遺品の一部であるということを理解し、丁寧に搬出作業を行ってくれることでしょう。

整理後の清掃

遺品整理士の中には、整理後の清掃まで行ってくれる業者もいます。
死因が孤独死などであった場合、汚れや匂いを取るために特殊清掃を行う必要があります。

遺族にとっては心理的・肉体的負荷が大きいだけでなく、汚れ・匂いが落ちにくく自分たちだけで清掃するのはとても大変です。

特殊清掃は専用の薬剤などを使用して清掃を行うため、室内を綺麗な状態にすることができます。
中には、畳や床の張り替えを行うサービスを提供している業者もいます。

遺品整理士になるには?

遺品整理士になるには、一般社団法人遺品整理士認定協会が認定する遺品整理士資格を取得する必要があります。
資格を取得することで遺品整理に関する法令や、整理の進め方についての専門知識を習得することが可能です。

以下で遺品整理士の資格取得方法や、取得までにかかる費用、試験の合格率について紹介していきます。

遺品整理士の資格取得の概要


資格を取得するためには、一般社団法人遺品整理士認定協会が行っている通信教育課程の受講が必要です。
通信教育のため、勉強はすべて自分が好きな場所で行うことができます。

遺品整理士資格を取得するには、まずインターネットか電話で資格の申し込みを行います。
申し込みを行うと、受講に必要な「教本・資料集・問題集・DVD」の教材が郵送で届きます。

教材が届いたら、自分の好きなペースで教材を使用して勉強を行いましょう。
受講期間は2ヶ月ですが、それを過ぎてしまう場合には受講期間の延長が可能となっています。

教材をすべて学習し終えたら問題集を解き、指定された課題のレポートをネットか郵送で提出します
このレポートの提出によって、協会による合否の審査が行われます。

レポートが基準を満たしていると合格となり、遺品整理士資格が取得できます。
資格を取得すると遺品整理士の認定証書が発行されるため、資格取得の証明書類として使えます。

また、合否結果の通知はレポート提出から約2ヶ月後のため、資格取得がすぐにできるわけではないため注意しましょう。

遺品整理士に合格すれば、遺品整理の専門知識を有する人材であることを証明するために役立ちます。

遺品整理士の資格取得にかかる費用


遺品整理士の資格取得には、入会金2万5000円と、協会に入会するための会費7,000円がかかります。
会費には、資格認定手続きに必要な費用も含まれています。

そのため、遺品整理士を取得するまでには、合計で3万2000円の費用が必要です。

また、会費の有効期限は2年間となっているため、資格取得に2年間以上かかると、再度会費を支払う必要があります。

遺品整理士の合格率


遺品整理士の合格率は65%程度となっており、受講した方全員が合格するわけではありません。
必要な課題を提出したとしても、基準に達していなかった場合には不合格となる可能性があります。

しかし、各種資格の中では比較的簡単な部類に含まれる資格だといえます。
受講する際に配られる教材を使ってしっかりと勉強すれば、問題なく取得できるでしょう。

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遺品整理士は将来性がある職業


遺品整理士は将来性がある職業だと考えられています。
資格取得し、この職業に就くことを検討している方にとって、将来性というのは長く働くための大変重要なポイントです。

ここでは、将来性があると考えられる理由について詳しく説明していきましょう。

今後、需要はさらに増加する

今後、遺品整理士の需要は高まっていくものと考えられています。
これには、日本の少子高齢化社会が関係しています。

現在、日本では高齢者の割合が年々増加しており、今後その傾向はさらに強まると考えられているのです。
そうなると、当然ながら高齢者の死亡者数も増えていきます。

死亡者数の増加は、即ち遺品整理士の需要の増加を意味します。
近年は高齢者の一人暮らしが増えており、高齢者の孤独死が社会問題となっています。

これには、国内の核家族化・少子化が大きく影響しています。
孤独死の場合、親族が遠方に住んでいることが多く、遺品整理を親族だけで行うことが難しい場合が多いのです。

加えて、遺族の体力問題もあります。
近年、故人だけでなく遺族の高齢化も深刻で、体力的に遺族だけで遺品整理を行うことが難しいケースが増えているのです。

このように、遺品整理士の需要が増加すると予想されるのには、さまざまな社会問題が関係しているのです。
社会的な要因により、遺品整理に関しての専門知識が豊富な人材が多くの方に求められるようになっています。

遺品整理士は今後さらに必要とされていく職業になるでしょう。

遺品整理士の年収

遺品整理士の正社員の平均月収は2040万円程度と考えられています。
これは一般的なサラリーマンと同程度の平均月収だといえるでしょう。

しかし、上述した理由によって需要が拡大していくことから、今後年収の増加や安定が見込めます。
今のうちから職務経験を積んでいくことで、給与を向上させていくことは可能です。

給与の向上には顧客からの信頼が必要となります。
遺品整理士として働く上で顧客から信頼してもらうためには、資格取得や実務実績が重要になるでしょう。

不用品回収業者との違い

遺品整理士に似た職種として、不用品回収業者があります。
不用品回収業者と遺品整理士の違いは、物品の扱い方です。

ここでは遺品整理士と不用品回収業者の違いを説明し、遺品整理士の資格取得によるメリットをお伝えしていきます。

不用品回収業者とは

不用品回収業者は物品が遺品であることは配慮せず不用品とそれ以外と見なして不用品のみを回収します

そのため、遺品を要るもの・要らないものに仕分けることはしてくれません。
不用品回収業者は、依頼された物品はすべて不用品であると判断するのです。

回収業者に依頼するなら、遺族が事前に必要なものと不要なものを仕分けておく必要があります。
もし不要だと判断した物の中に貴重品や大切な思い出の品があったとしても、業者側でそれに気づくことはないでしょう。

遺品の仕分けが終わっている場合は、不用品回収業者を活用するのもいいでしょう。

遺品整理業者の遺品の扱い方

遺品整理士は物品すべてが遺品であると考えて故人や親族の思いを忘れず丁寧に物品を扱ってくれます
不要なものもゴミとして乱暴に扱うのではなく、故人の遺品であることを配慮して作業を行ってくれるのです。

また、遺品の仕分けも行ってくれるため、要らないものを明確にすることのお手伝いもしてくれます。
仕分けをする際も、故人や遺族の意向に沿って行ってくれるため、安心して仕分けの依頼ができるでしょう。

遺品整理士の資格を取得するメリット

ここからは遺品整理士の資格を取得すると、具体的にどういったメリットがあるかをご紹介します。
遺品整理士資格を取得すれば、遺品整理士鑑定協会から以下のようなサポートを受けることが可能です。

集客のサポート

遺品整理士認定協会では、行政・病院・介護施設などからの仕事の依頼を資格取得者に紹介しています。
協会を通して仕事の依頼を受けられるため仕事に繋げやすく、実務経験を積みやすいでしょう。

せっかく資格を取得したのに活かせないという悩みも、協会のサポートで解消できると考えられます。

求人のサポート

遺品整理士を募集している企業にとっても、資格の取得にはメリットがあります。
協会では、遺品整理士の人材紹介を行っているため、資格を取得した人材を紹介してもらい、雇用することも可能です。

現在は、少子高齢化の影響により、さまざまな職種で人手不足の問題が深刻化しています。
しかし協会のサポートを受ければ、自社に必要な優良人材を見つけやすくなります。

経営のサポート

遺品整理業の会社を経営する方に対してのサポートも行っています。
具体的には、遺品整理に関しての有識者や大手企業の経営者によるセミナー・研修です。

こうしたセミナー・研修を協会が主宰することで、会社の経営を軌道に乗せるための支援を行っています。
就職・転職を目指す方だけでなく、開業したい方や会社の経営を行っている方にも手厚いサポートが提供されているのです。

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よくある質問

Q:遺品整理士の給料は?

A:遺品整理士の月収は20~40万円程度です。

Q:遺品整理士になるための費用は?

A:協会の入会金と会費を合わせて、3万2000円が必要です。

Q:遺品整理士の資格はどれくらいで取得できる?

A:通信教育を2ヶ月受講して、レポートの試験を受けます。
試験の合否には2ヶ月間程度かかるので、通信教育を受けて4ヶ月はかかります。

遺品整理士のまとめ

ここまで遺品整理士の仕事内容や、資格を取得する方法を中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下のとおりです

  • 遺品整理士は遺族の代わりとなって遺品整理を行う職業
  • 遺品整理士になるには、一般社団法人遺品整理士認定協会が認定する資格が必要
  • 遺品整理士は少子高齢化の影響により、今後さらなる需要拡大が予想される
  • 一般社団法人遺品整理士鑑定協会では、集客・求人・経営のサポートを行っている

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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監修者

評価員(たなか)

田中 大敬(たなか ひろたか)

厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター

経歴

業界経歴15年以上。葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから著名人や大規模な葬儀までを経験。お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、特に士業や介護施設関係の領域に明るい。

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