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曹洞宗とは?経典・葬儀・仏壇の飾り方を徹底解説

更新日:2022.02.25

宗教

お墓の前で手を合わせる女性

記事のポイントを先取り!

  • 曹洞宗のご本尊はお釈迦様で、開山したのは道元禅師と瑩山禅師の両祖である
  • 正法眼蔵は、哲学的な仏教思想書である
  • 曹洞宗の葬儀は浄土へ旅立つための儀式がほかの宗派より多い

臨済宗や黄檗(おうばく)宗と並んで、三大禅宗の一つとして挙げられるのが曹洞宗です。

曹洞宗は葬儀や仏壇の飾り方に、ほかの宗教とは違うマナーがあります。

そこで、この記事では曹洞宗について詳しく説明していきます。

この機会に、曹洞宗の歴史も知っておきましょう。

後半では曹洞宗の座禅についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。

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  1. 曹洞宗とは
  2. 曹洞宗の経典
  3. 曹洞宗の葬儀
  4. 曹洞宗の仏壇の飾り方
  5. 曹洞宗の座禅とは
  6. 曹洞宗のまとめ
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曹洞宗とは

開いた本の上に置かれた虫眼鏡

日本の禅宗のひとつである「曹洞宗」は本尊のお釈迦様を敬い、座禅を通して日ごと精進して暮らしていくことを重んじています。

また、曹洞宗はお釈迦様から開祖たちによって受け継がれた「正伝の仏法(しょうでんのぶっぽう)」をよりどころにしている宗派です。

曹洞宗の歴史

曹洞宗は、中国・唐時代に禅宗の僧である「洞山良价(とうざんりょうかい)」が開山した中国の禅宗五家の一つです。

そのあと、鎌倉時代初期に、この曹洞宗が道元禅師(どうげんぜんじ)によって伝えられ広がったとされています。

京都で生を受けた道元禅師は、幼いころに父親と母親を亡くし、人生のはかなさや世の無常を感じて13歳で出家しました。

この悲しい体験が道元の仏道へすすむ大きな理由と言われています。

しかし、修行を重ねても「すべての人は仏性を持っているとお釈迦様は唱えているが、なぜ修行しなくてはならないのか?」という疑問を拭うことができませんでした。

そして、24歳のとき、払拭できない答えを求めて中国・宋へ渡り禅寺を巡り、その答えを見つけます。

そこで道元禅師は「私たちは仏だからこそ修行ができる」ということを悟り、中国の禅僧である如浄禅師(にょじょうぜんじ)から仏法を継ぐことを許されたのです。

日本に帰ってきた道元禅師は「正伝の仏法」を日本に伝え、その教えを瑩山禅師(けいざんぜんじ)が広めていき両祖が寺院を建立しました。

大本山は、現在の福井県にある「永平寺」と横浜市にある總持寺(そうじじ)です。

曹洞宗の教え

「人間はみな仏の心があり、正しい生活を送ることによって仏性を磨くことができる」と曹洞宗では考えられています。

自我や欲望など自分勝手な思考を改めて、自分以外の人やモノに目を向け、慈悲の心で思いやりをもつことによって「仏心」に近づける、というのが曹洞宗の教えです。

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曹洞宗の経典

紙に万年筆で書いている手元

曹洞宗には決まった経典というものはありませんが、開祖が教えを書き残した書物があります。

正法眼蔵の解釈

「正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)」とは曹洞宗の開祖である道元禅師が書き記した哲学的な仏教思想書のことです。

この「正法眼蔵」は、道元禅師が実に20年以上の長い歳月を費やして記した日本の仏教書物の最高峰に値する書物とも言われています。

書物のタイトル(=正法眼蔵)には、「(正法)お釈迦様が説いた正しい教えと、(眼)知恵を(蔵)収めているもの」という意味があります。

また、正法とは「曇りのない眼で対象物を見たとき、人は対象を正しく見て捉えることができる。経典もその曇りのない眼で読むことにより仏の教えを正しく理解することができる」と解釈ができます。

道元禅師は中国での修行を終えて、日本に戻ってから書き込んでおり、江戸時代には95巻にまでおよぶ大作となりました。

道元が説く主な思想は「心身脱落(しんじんだつらく)」です。

中国・宋の国で悟りを得る要因となった「心身脱落」という言葉は、自我意識やこだわりをなくし、真の世界をありのままに受け入れるということです。

これは一切のしがらみから脱し、苦しみや悲しみ、病や死すらも受け入れて行く境地で本来の姿に立ち戻ることを説いているのです。

よく唱える言葉

「南無釈迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ)」

曹洞宗や天台宗で唱えられるお経の一部です。

「南無」とは仏様に帰依(きえ)し教えに従います、といった意味があります。

「釈迦牟尼仏」はお釈迦様をさし、釈迦族の牟尼(聖者)という意味です。

曹洞宗では、読経を始める前に「南無釈迦牟尼仏」と唱え、ほかの宗教のように「南無阿弥陀仏」や「南無妙法蓮華経」と繰り返し唱えるものはありません。

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曹洞宗の葬儀

人差し指を立ててこちらを向いている女性

曹洞宗は数ある宗教の中で、お釈迦様を本尊とする「禅宗」のひとつです。

そのため、葬儀には特有のやり方やマナーがあります。

葬儀の特徴

曹洞宗の告別式や葬儀は「儀式」が多いことでも知られます。

その一つひとつに意味があり、死後にお釈迦様の弟子となるため授戒(じゅかい)を行い、仏の道へと進むための引導をする儀式でもあります。

葬儀の流れ

① 剃髪

剃髪(ていはつ)は、仏の徳を得るための儀式です。

導師(引導を渡す僧侶)がお経を唱えながら亡くなった方に対して頭を剃るしぐさをします。

② 授戒

授戒(じゅかい)では、故人が生前に犯したとされる罪を懺悔します。

酒水(しゃすい)で清き水を手向けて故人の身を清め、懺悔文(さんげもん)により生涯、犯した罪を懺悔します。

また、授戒は故人が浄土へ旅立つための大切な儀式となります。

③ 入棺諷経

入棺諷経(にゅうかんふぎん)は故人を棺に納めます。

昨今では、この時点ですでに納棺されている場合がほとんどなので、経読や焼香を行います。

④ 龕前念誦

龕前念誦(がんぜんねんじゅ)といい、棺を閉じるときに唱えるのが十仏名(じゅうぶつみょう)と回向文(えこうもん)です。

実際はすでに納棺を終えているため一連の流れとして行います。

⑤ 挙龕念誦

挙龕念誦(こがんねんじゅ)では邪気払いのため大宝楼閣陀羅尼(だいほうろうかくだらに)を唱えながら、鐃鈸(じょうはつ)といわれる太鼓やシンバルのような楽器を鳴らします。

これは曹洞宗の特徴のひとつでもあります。

⑥ 引導法語

導師が故人の生涯を漢詩で表したものを唱えます。

線香や松明(たいまつ)で円を描いて引導を渡し故人を仏の世界へと導きます。

故人があの世でも幸せに過ごすための儀式でもあります。

⑦ 山頭念誦

山頭念誦(さんとうねんじゅ)では、故人の仏性の覚醒を願い、読経します。

⑧ 出棺

一連の儀式は終了し、出棺します。

このときに喪主の挨拶や、棺の中に思い出の品を入れ故人と最期のお別れをします。

葬儀のマナー

宗派によって葬儀や告別式でのマナーは異なります。

曹洞宗でもほかの宗教とは違う点もありますので、作法を覚えておくとスムーズに対応できます。

焼香のマナー

祭壇へ進み、喪主や遺族へ向けて、一礼します。

そして、焼香台のすこし手前で立ち止まり、ご本尊や遺影、位牌に一礼します。

曹洞宗では、焼香を二回します。

一回目は右手でお香をつまみ、左手を軽く添えて額のあたりまで持ち上げます。

このことを「押し頂く」といい、念じながらお香を香炉へ入れます。

二回目に焼香するときはつまんだお香は押し頂かずに香炉へ投じます。

また、参列者が多い場合は「ご焼香は一回で」というアナウンスが入ることもあります。

数珠のマナー

数珠を持つ場合は、左手の親指と人差し指にかけて持ち右手を添え、房を下にたらします。

正式な数珠は、煩悩の数と同じ108個の珠からできており二重にして持ちます。

しかし、108個の数珠は重たくなってしまうため、22珠の片手念珠といわれる「略式数珠」を使用するのが一般的です。

香典のマナー

曹洞宗の葬儀に参列するとき、香典の表書きは「ご霊前」「ご香典」と書かれた不祝儀袋を用意しましょう。

下半分の中心部に自分のフルネームを「薄墨」で丁寧に書いていきます。

香典で包む金額で悩まれる方も多いと思いますが、故人との関係性によっても変わります。

親族や身内は1万〜10万円、職場の同僚は5,000円ほど、親しい友人・知人は5,000〜1万円くらいが一般的な目安です。

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曹洞宗の仏壇の飾り方

クエスチョンマークが書かれた積み木が3つ積まれている

曹洞宗の仏壇の飾り方について解説していきます。

ご本尊・脇侍の飾り方

曹洞宗のご本尊は仏教の開祖である「お釈迦様」です。

曹洞宗では「一仏両祖」の三尊仏と言われ、ご本尊は最上段の中央に配置し、脇侍として左側に「常済大師(瑩山禅師)」と、右側に「承陽大師(道元禅師)」をお祀りします。

仏具の飾り方

仏具を美しく飾ることで、仏壇は仏壇としての意味を果たします。

一般的な仏具である三具足(花立・香炉・火立て)のほかに、仏飯器や茶湯器・おりん・線香差し・高月などを配置していきます。

仏飯器や茶湯器・果物・お菓子は高月の上に乗せて、ご本尊の近くやすぐ下の段(中段)に位牌とともに飾ります。

このとき、ご本尊より位牌が高い位置に来ないようにします。

さらに、その下の段には香炉や火立て、おりんを設置します。

花立は向かって左側におき、美しい花を飾って仏様に喜んでいただきましょう。

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曹洞宗の座禅とは

頭にクエスチョンマークを浮かべているスーツの男性の後ろ姿

曹洞宗の修行の根幹である座禅は重要な意味をもっています。

日常生活の1つ

座禅の教えとは「行住坐臥(ぎょうじゅうざが)」のことで、「行」は歩くこと、「住」は止まること、「坐」は座ること、「臥」は寝ることを指します。

この4つの行為は人間の基本的な動作や日常生活の全てでもあり、座禅だけでなく普段の立ち振る舞いにも安住を見出せるとしています。

行住坐臥を通して、何の心配もなく、穏やかな日々を送ることが、生命本来の在り方であるという考えに基づいているのです。

仏教ではこの4つの動作を四威儀(しいぎ)とも言います。

座禅の仕方と臨済宗との違い

同じ禅宗でも曹洞宗と臨済宗には座禅に違いがあります。

曹洞宗の座禅は、雑念を捨てひたすらに坐る「只管打坐(しかんたざ)」で壁に向かって禅を組みます。

曹洞宗の根幹は座禅の教えであり、座禅をすることによって、心身や精神の安らぎを自覚し、自身が仏そのものであるとされているのです。

一方、臨済宗は人と向かい合って座禅を行います。

「公案」について考えながら行う「看話禅(かんなぜん)」という座禅法で、曹洞宗と思想について違いがあります。

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曹洞宗のまとめ

キーボードの上に載っている「ま」「と」「め」と書かれた積み木

ここまで曹洞宗の考え方や葬儀のマナーを中心にお伝えしてきました。

この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。

  • 曹洞宗は日本三大禅宗のひとつである
  • ご本尊はお釈迦様で、修行の根幹は座禅
  • 葬儀では焼香を二回する
  • 曹洞宗の葬儀は、儀式が多いことで知られている

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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