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浄土真宗のお墓はいらない?浄土真宗のお墓の特徴や永代供養について解説
更新日:2022.10.18 公開日:2021.07.18
浄土真宗のお墓についてご存知でしょうか?
「浄土真宗にはお墓はいらない」ということを聞いたことのある人もいるかもしれません。
浄土真宗のお墓には、他の宗派にないような特徴があります。
そこでこの記事では、浄土真宗のお墓はいらないのかについて詳しく説明していきます。
この機会に浄土真宗についてや浄土真宗のお墓の特徴を覚えておきましょう。
浄土真宗でも永代供養してもらえるのかについても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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浄土真宗とは
浄土真宗とは、浄土宗の開祖である法然の弟子・親鸞が自らの教えを宗教として独立させた宗派です。
阿弥陀如来(あみだにょらい)をご本尊とし、「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」という念仏を唱えます。
念仏を唱えることで阿弥陀如来を信じることで極楽浄土に行け、仏になるとされています。
これが浄土真宗における「他力本願」の考え方なのです。
こちらの記事で浄土真宗について解説しているので、ぜひご覧ください。
浄土真宗のお墓の特徴
浄土真宗にお墓はいらないと思う方もいるかもしれません。
ここでは、浄土真宗のお墓に対する考え方を深堀りしていきます。
お墓には魂や霊が宿らない
浄土真宗において、お墓は故人の魂が宿る場所ではないと考えられています。
故人は亡くなられたあとすぐに成仏して極楽浄土に行き、生まれ変わるからです。
この点が、「お墓はご先祖様の成仏を祈るためのもの」と考える他の宗派とは異なります。
浄土真宗のお墓の考え方
浄土真宗では、お墓は「極楽浄土へ旅立った故人のことを想いながら阿弥陀様への信仰心を新たにし、仏縁を結ぶ場所」と考えられています。
つまり浄土真宗におけるお墓の意義は、お墓に向かって手を合わせることで、ご本尊である阿弥陀如来を拝むことなのです。
浄土真宗のお墓は他の宗派と異なり、先祖の供養のためのお墓ではないことに注意です。
先祖供養の目的でお墓を建てる人も少なくない
浄土真宗では、お墓が無くとも信仰上に問題ないと考えられています。
しかし、実際には阿弥陀如来を拝む場所や心の拠り所としてお墓を建てる人も少なくありません。
お墓の形は不問
浄土真宗のお墓に、形の決まりはありません。
日本で一般的なお墓である和型墓石は、縦長の石を上に置いたデザインです。
一方で横長の石を使った洋型墓石や、独自のデザインのお墓も増えてきています。
また、お墓の方角や色、墓相も気にする必要はないと考えられています。
浄土真宗の墓石に刻む文字
墓石には、他の宗派のように「先祖代々の墓」や「〇〇家の墓」とは書きません。
正面には「南無阿弥陀仏」や「倶会一処」と刻むことが一般的です。
「南無阿弥陀仏(なもあみだぶつ)」は、「無限の命と光明をそなえた仏様を信じ、頼りにします」という意味です。
「倶会一処(くえいっしょ)」は、「共に1つのところに会う」という意味です。
簡単に言うと、縁のあった人々と共に浄土に集うことを意味しています。
もし家名を彫る場合は、「〇〇家」という文字を下部の台石に刻むと良いとされています。
戒名ではなく法名碑を建てる
他の宗派では、亡くなられてから戒名が付く場合がほとんどですが、浄土真宗では戒名ではなく、法名をつけます。
故人を極楽浄土へ迎える阿弥陀如来の働きを「法」と呼びます。
その法の中に生かされている私たちがいただく名前を「法名」と言います。
浄土真宗では、お墓の横には霊標ではなく、法名碑を建てる必要があります。
全ての人が平等であるという意味から法名は2文字とされています。
法名の前には、お釈迦様の弟子であることを意味する「釋(しゃく)」を付けます。
卒塔婆(そとば)や五輪塔はいらない
浄土真宗では供養のための卒塔婆や五輪塔はいらないとされています。
卒塔婆とは、別名「塔婆」とも言い、仏塔のことを意味しています。
追善供養のために経文や題目などを記載してお墓の後ろ側に立てる塔の形をした縦長の木片のことです。
五輪塔とは、5つの石材パーツから構成された和形墓石のことです。
四角形の石材の上に丸い石材、さらに屋根のような石材が上に乗っており、塔のような形をしています。
お墓を建てたら建碑法要
浄土真宗では新しくお墓を建てた時には建碑法要を行い、お墓の建立をお祝いします。
お墓に故人の魂が宿っているとは考えられていないため、開眼供養とは呼ばれません。
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浄土宗にとっての仏壇や位牌とは
浄土真宗にとっての仏壇や位牌の役割は、他の宗派と大きく意味合いが変わります。
以下で詳しく解説していきます。
仏壇は本来いらないもの
浄土真宗では、本来お墓と同じように仏壇も本来いらないものとして考えられています。
仏壇には小さなお寺としての役割があると考えられているため、ご本尊を拝むためにあってもよいとされています。
浄土真宗の仏壇で金仏壇が使われることが多いのは、阿弥陀如来のいる極楽浄土を表しているからなのです。
位牌ではなく法名軸や過去帳を用いる
浄土真宗では、位牌は祀らず、過去帳を仏壇にお供えします。
位牌や過去帳とは、亡くなった人の名前や死亡年月日を記載し、お祀りするものです。
浄土真宗では過去帳は位牌の代わりとして用いられるため粗末に扱ってはいけません。
浄土真宗のお墓参りの作法
ここでは、浄土真宗のお墓参りの特徴的な作法について解説します。
はじめに本堂の阿弥陀仏に挨拶をする
お墓参りの前に本堂にあがり、まずは本堂の阿弥陀仏に挨拶をします。
線香は立てず、折って寝かせる
浄土真宗の仏壇では、線香は2つに折って寝かせるのが一般的です。
しかし、香炉がないお墓の場合は、長いまま立てても構いません。
お墓に水をかけなくてもよい
墓石に水をかける行為には、故人の魂を浄化したり故人の喉の渇きを潤したりするという意味があります。
しかし、浄土真宗において故人はすでに極楽浄土にいるため、このような行為は必要ありません。
もちろん、お墓の掃除のために水をかけることは問題ありません。
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浄土真宗でも永代供養はしてもらえる?
ここまで説明してきたように、浄土真宗には供養という概念がありません。
浄土真宗でも永代供養はしてもらえるのか疑問に思った方もいると思います。
ここからは、浄土真宗と永代供養について詳しく解説していきます。
浄土真宗には永代供養の考え方がない
永代供養とは、霊園や寺院が家族に代わり、永代にわたって故人のために祈りを捧げることを意味します。
浄土真宗では、阿弥陀仏の本願によって全ての人が極楽浄土にいけるという考え方(他力本願)のため、供養を行う必要がありません。
そのため、浄土真宗には永代供養という概念がありません。
浄土真宗でも永代供養墓を利用できる
永代供養墓のニーズが増えていることから、浄土真宗であっても永代供養墓を利用することはできます。
現在では、本来の永代供養の意味に関係なく、お墓の継ぎ手がいない人のためのお墓を「永代供養墓」と呼び、利用者を募っているケースも多いです。
後継者がいなくても利用できるお墓を探していることを寺院に相談することがポイントです。
浄土真宗と他の宗派は一緒にお墓に入れる?
他の宗派と一緒のお墓に入れるかどうかは、墓地の管理者次第です。
墓地管理規約によって対応は異なります。
一般的に公営や民営の墓地では、宗派を問われないケースが多いです。
寺院墓地の場合は、家族であっても他の宗派の場合は同じお墓への納骨を断られることが多いようです。
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浄土真宗のお墓のまとめ
ここまで浄土真宗についての情報や、浄土真宗のお墓はいらないかなどを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 浄土真宗では、南無阿弥陀仏を唱えることで誰でも極楽浄土に行くことができると考えられています。
- 浄土真宗ではお墓はいらないとされていますが、心の拠り所としてお墓を建てる人も多くいます。
- 浄土真宗のお墓の正面には、「南無阿弥陀仏」や「俱会一処」を刻みます。
- 浄土真宗には永代供養という考え方はありませんが、永代供養墓を利用できます。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
山口 隆司(やまぐち たかし)
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。
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