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骨壷は自宅で保管してもいいの?保管する際の注意点を解説
更新日:2022.04.23
骨壷はお墓の下に納骨するものというイメージが強いと思います。
ですが、自宅で骨壷を保管することが可能であるということをご存じでしょうか。
そこでこの記事では、骨壷の保管方法や注意点について詳しく説明していきます。
この機会に、骨壷の正しい保管方法を覚えておきましょう。
骨壷を自宅で保管することが難しくなった場合の対処法についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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- 骨壷とは
- 骨壷は自宅で保管しても良いの?
- 骨壷を自宅で保管する期間
- 骨壷を自宅で保管するのに適した場所
- 骨壷はどうやって安置する?
- 骨壷を自宅で保管する時の注意点
- ミニ骨壷なら自宅で保管しやすい
- ミニ骨壷への納骨方法
- 自宅で保管することが難しくなった場合
- 骨壷の自宅安置についてのまとめ
骨壷とは
骨壷とは、火葬した遺骨を納める容器であることをご存知の方も多いと思います。
そこで、骨壷についてもっと深く知っていただくために骨壷の歴史から地域別にみる骨壷の違いを説明していきます。
骨壷の歴史
骨壷は昔、蔵骨器(ぞうこつき)もしくは骨蔵器(こつぞうき)と呼ばれていました。
日本で骨壷の使用が始まったのは飛鳥・平安時代です。
中国から仏教が日本へ伝わると同時に浸透し使用が始まりました。
この時代の骨壷のような壷型の土器が多く発見されています。
この時代の骨壷は「土師器」(はじき)とよばれる素焼きの土器が使用されていました。
その後の古墳時代後期から「須恵器」(すえき)が使用されるようになります。
また、昔は火葬や納骨は上流階級のみが行っていました。
そのため、骨壷に装飾を施すことが多かったようです。
時代が進み、明治時代に火葬が法律で定められてからは骨壷の形状や材質も規格化されました。
地域別にみる骨壷の違い
地域によって基本となるサイズがあることから、2.5〜7寸(1寸=約3.3㎝)と様々なサイズがあります。
西日本では3〜5寸、東日本では7寸が基本の大きさです。
なぜ、基本のサイズが異なるのかというと、地域ごとに収骨(お骨上げ)の慣習の違いがあるためです。
西日本では部分収骨といってのど仏や歯など主要な骨だけを骨壷に納める場合や、足元から頭まで少しずつ遺骨を骨壷に納める場合もあります。
東日本では全収骨といって、全ての遺骨を骨壷に納めます。
骨壷は自宅で保管しても良いの?
現在の日本では墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号)があります。
- 第4条:埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。
- 第5条:埋葬、火葬又は改葬を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)の許可を受けなければならない。
遺骨を埋葬する場合は許可を得た土地でしか行えません。
自宅に埋葬する場合は違法になりますが、自宅に保管する場合は埋葬するわけではありませんので問題ありません。
近年では、ライフスタイルの変化からお墓を持たない方も多くなっています。
よって、お墓のいらない自宅にて供養が出来る手元供養を選択する方が増加しています。
どの供養方法が、最も良いとは一概にはありません。
供養方法よりも故人を弔う気持ちが大切です。
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骨壷を自宅で保管する期間
葬儀が終わり、骨壷に納めた遺骨は、一度自宅に持って帰ります。
そして、「後飾り」といわれる祭壇に遺影と一緒に埋葬の日もしくは忌明けまで、安置します。
納骨や散骨といった埋葬は、一般的に四十九日の法要を終えてから行われます。
なぜ、四十九日の法要を終えてからなのかは、仏教の教えが関係します。
仏教では輪廻信仰によって、人は亡くなってから49日間(7日ごと)生前の罪の裁きをうけ、転生する世界が決まると考えられています。
判決を受け、49日目に故人は来世へと旅立ちます。
そのため、四十九日が過ぎてから埋葬することが定着しました。
しかし、近年では埋葬する日にこだわらない傾向もあります。
百か日の法要の時に行う家庭もあれば、お墓を立てるまで自宅で保管する方もいらっしゃいます。
骨壷を自宅で保管するのに適した場所
四十九日までは後飾りの祭壇に安置されますが、それ以降は骨壷を自宅に保管する場合どこに置くのがよいのでしょうか?
適した場所を紹介していきます。
仏間
自宅に仏間や仏壇がある場合ならば、そこに骨壷を置く方が多いでしょう。
最近では、遺骨を置く場所を設けた仏壇の販売もあります。
遺骨を置く場所が設けた仏壇でない場合は、遺骨を置く専用台を作るのが好ましいです。
しかし、本来、仏壇は信仰の中心である「ご本尊」を祀るものなので骨壷を置くことはふさわしくありません。
後飾り祭壇をそのまま利用する
一般的には四十九日の法要が終わるまでの間、後飾り祭壇を設置し、骨壷を置きます。
後飾り祭壇とは骨壷を設置するという役割以外にも、通夜や葬儀に参列できなかった弔問客が訪ねてきた際に手を合わせる場としても使われます。
通常四十九日の法要が終われば処分されるものですが、そのまま骨壷を置くスペースとして利用される方もいます。
リビングや本棚の一角にスペースを作る
故人をいつも感じていたいと考える方はリビングや、本棚など普段から目に入る場所に置くこともあります。
最近では、骨壷も昔からある陶器製のものだけでなく、インテリアになじむようこだわって作られた骨壷も販売されています。
一見しただけでは骨壷とはわからないようなデザインのものまであります。
お好みのデザインを選べるので、設置出来るスペースや自宅のインテリアとのバランスをみて選ぶと良いでしょう。
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骨壷はどうやって安置する?
自宅に仏壇がない場合、あったとしても設置できるスペースがない場合は骨壷を安置するスペースに悩むのではないでしょうか。
そんな方にお勧めな骨壷を専用の台に安置する、または納骨できる仏壇があります。
それぞれどういったものであるのか説明するので、ぜひ参考にしてください。
専用の台
骨壷と遺影を専用のオープンな台の上に置くこともできます。
木製の柔らかなタイプからスタイリッシュなものまで様々な作りのものがあります。
ご自宅のインテリアと合うものを選ぶことができます。
また、ボックスタイプのものもあります。
来客がある際など、状況によって開閉できる点からおすすめです。
価格の相場は1万〜10万円になります。
配置のルールがなく、自由に自分らしく故人を弔うことができる点も人気のひとつです。
納骨できる仏壇
骨壷収納型の仏壇があります。
価格の相場は7万〜100万円まで大きく差があります。
使用している木材や装飾が施されているか、国内生産であるのかなど、様々な理由から価格に差が出ます。
骨壷を収納する分、仏壇自体が大きくなるので自宅に十分な設置スペースがある方におすすめです。
収納用の引き出しがあったり、お仏壇内部を優しく照らすダウンライトがついている機能性の高いものもあります。
また、スライド棚がついており、経机として使えるうえに骨壷の目隠しになるタイプもあります。
もちろん骨壷を必ずおかなければならないという訳ではなく仏壇まわりのもの、お参り用品を収納しても良いです。
既に仏壇をお持ちの方におすすめな仏壇の下部に骨壷を収納するタイプの専用の台があります。
価格の相場は3万〜10万円です。
内部に桐材を使用し、骨壷の大敵湿気の調節が出来るものもあります。
さらに、スライド板や鍵付きなど機能が充実しているのもおすすめな点です。
すでに仏壇を持っている場合、サイズが合うか心配になると思います。
しかし、色やサイズ展開も豊富でお手持ちの仏壇と合わせることも可能なので心配いりません。
また、オーダーメイドの商品もあるのでご自分のイメージ通りのものを手に入れることができます。
スポンサーリンク骨壷を自宅で保管する時の注意点
骨壷を自宅で保管する場合注意すべきは以下の3点です。
- カビの発生
- 最終的な扱いをどうするのか
- 自宅で保管する旨を菩提寺に伝えておく
なぜ、注意すべきなのか十分に理解し、トラブルの発生を事前に回避できるようにしましょう。
カビの発生
保管場所、方法によっては骨壷内にカビが発生します。
一度生えてしまったカビは、素人では取り除けません。
カビを発生させないことが重要です。
カビを発生させないためにすべき手順を紹介します。
粉骨する
遺骨を粉骨し、コンパクトにします。
かさを減らして真空パック内にまとめやすくするためです。
また、粉骨した状態は粉骨する前に比べて湿気を含みやすくなります。
そのため、粉骨した後はすぐに真空パック内に納めましょう。
真空パックにする
真空パックに入れて保管すると酸素がないため、もしカビの胞子が紛れていても繁殖することはありません。
ただし、発生を抑えるだけでカビが根絶したわけではありません。
そのため、真空パックを開けた場合カビが発生する恐れがあるので注意してください。
保管期間を決めておく
遺骨を自宅で保管する場合、自身が管理出来なくなった場合は子孫が受け継ぐことになります。
引き継ぐことになる子孫に負担をかけないために保管期間を決めておき、遺骨はその後どのように弔うのか決めておきましょう。
参考として遺骨のその後の弔い方ですが、散骨や永代供養といった方法があります。
菩提寺に伝えておく
菩提寺(ぼていじ)とは先祖代々のお墓のあるお寺のことで、葬儀や法事を執り行います。
自宅に骨壷を安置する場合は、必ず菩提寺の住職に相談しましょう。
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ミニ骨壷なら自宅で保管しやすい
ミニ骨壷とは、名前の通り小さなサイズの骨壷のことです。
手元供養品として、ミニ骨壷を使用する方が多くいらっしゃいます。
ミニ骨壷の種類
ミニ骨壷は素材、サイズ展開が豊富で多くの種類があります。
ミニ骨壷に使われる主な素材は、木、ガラス、陶器、金属です。
生前の故人を思い出し故人に似合う素材を選択しても、自宅のインテリアとの兼ね合いから選んでも良いでしょう。
サイズは2〜4寸(およそ直径6〜12センチ)程度になります。
喉仏を崩さず納めたい方は、入口の造りが大きいものを選びましょう。
ミニ骨壷の相場
ミニ骨壷の相場は数千円〜数十万円になります。
使用する素材や大きさによって、大きく差が出るためです。
先ほど紹介したミニ骨壷に使われる主な素材の、木、ガラス、陶器、金属の中で高価になりやすいのはガラス製のミニ骨壷になります。
その反対に、比較的安価に購入できるものは陶器製のミニ骨壷です。
スポンサーリンクミニ骨壷への納骨方法
ミニ骨壷への納骨方法は、通常の骨壷と同じです。
骨壷に入る分だけ納めればよいのですが、骨壷に納める適切な量の目安が難しいところだと思います。
そのほかにも、骨壷に収める際に遺骨袋を用いる場合や、そのまま納骨する場合など様々です。
なぜ遺骨袋を用いるのか、納める遺骨の適切な量について説明しますので納骨の際にぜひ参考にして下さい。
遺骨袋を用いる
遺骨袋はミニ骨壷とセットで販売されていることも多くあります。
中には、湿気防止になるよう正絹製の遺骨袋もあります。
しかし、遺骨袋は必ず用いる必要はありません。
ガラス製のミニ骨壷で遺骨が透けて見えることが気になる場合や、骨壷に直接遺骨を納めることに抵抗がある場合は利用しましょう。
また、遺骨袋は専用のものでなければならないというわけではありません。
故人の思い入れのある洋服の一部分や、ハンカチーフを利用しても良いでしょう。
遺骨と一緒に思い出の品を納めることで、故人をより感じることができます。
そして、自分が最後のときには、棺の中に一緒に入れて火葬してもらうこともできます。
納める量
ミニ骨壷といってもサイズや造りが様々なため、納められる量は一概には言えません。
目安としては、骨壷内の5〜7分目を目安に納めましょう。
イメージで納骨量を想像して遺骨を取り分けると、想像よりも入らなかったという事態になりかねません。
遺骨を取り分ける際は、実際にミニ骨壷に合わせて遺骨を取り分けましょう。
また遺骨は脆いので、無理に押し込むと崩れてしまいます。
喉仏は、仏さまが合掌をして座禅を組んでいるように見えることから、仏さまが宿っていると考えられ、大切に扱われるようになりました。
そのため、喉仏の形を崩したくない場合は特に、納める量に注意してゆとりをもたせるようにしましょう。
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自宅で保管することが難しくなった場合
骨壷を自宅で保管していたが、後を継ぐ子孫がいない、ライフスタイルの変化で骨壷を置くことができなくなったということも無きにしも非ずです。
骨壷を受け継ぐことが難しくなった場合の一般的な対処方法は永代供養、または散骨です。
それぞれの供養方法を見ていきましょう。
永代供養をしてもらう
永代供養とはお墓の管理が難しくなったときに、寺院や霊園が遺族に代わり供養や遺骨の管理を行ってくれる供養方法のことです。
お墓を持たないスタイルが近年のライフスタイルに合い、人気を集めています。
お墓を継ぐ子孫がいない、子孫に墓守りの負担をかけたくないなどの理由から選ぶ方もいらっしゃいます。
また、新しくお墓を建てるよりも経済的に済みます。
永代供養先を選択する際は、寺院や霊園によっては将来的に合祀になる可能性があることや運営者と供養に対する考えに差がないか、確認してから決めましょう。
各地に多くの永代供養を行う霊園や寺院があるので、お墓の管理が難しくなる前に自分で永代供養先の寺院や霊園をピックアップしておくと良いでしょう。
散骨をする
遺骨を粉骨し、海や故人との思い出のある土地に遺骨を撒くことを散骨といいます。
散骨は、一度に全て撒いてしまっても、複数回に分けて撒いてもどちらでも問題ありません。
ただし、撒く場所には注意が必要です。
自身の所有している土地ならば良いのですが、思い出があるからと他人の所有している土地に撒くことは絶対にしてはいけません。
また、散骨といえば海をイメージする方も多くいると思います。
しかし、地方自治体によっては海への散骨を禁止しているところもあります。
事前に散骨が可能であるのか調べたうえで散骨しましょう。
骨壷の自宅安置についてのまとめ
ここまで骨壷の自宅安置についての情報を中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 骨壷は一般的に馴染みやすい仏間に置くことが多い
- 四十九日の法要後も骨壷を後飾りの祭壇に飾ることもある
- 骨壷を保管する際はカビに注意、保管期間を決める、菩定寺に相談する
- 自宅での保管が難しくなった場合、その他の供養方法として永代供養や散骨がある
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
山口 隆司(やまぐち たかし)
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。
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