檀家制度における問題点とは?檀家制度のトラブル内容についても紹介
更新日:2022.11.18 公開日:2022.01.28
檀家になると利点も多くありますが、問題点も存在します。
そのため、檀家に入る前は、檀家制度の問題点やトラブル事案について確認しておく必要があります。
そこで、この記事では檀家制度の問題点について詳しく説明していきます。
この機会に、檀家制度の目的についても知っておきましょう。
離檀する方法についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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檀家制度とは
ここでは、檀家制度についての概要を紹介していきます。
檀家とは
檀家とは、特定の寺院に所属し、お布施などの経済的支援をする代わりに、お葬式や供養などを執り行ってもらえる家のことを指します。
同制度は江戸時代から始まった制度であり、すべての家庭は檀家として、どこかの寺院に所属するのがきまりでした。
また、檀家になると、宗旨人別帳(しゅうしにんべつちょう)という戸籍台帳のようなものを作成します。
この帳簿には、檀家の家族構成や名前・年齢・所属している寺院などを記し、管理していました。
檀家制度の目的
檀家制度はキリスト教を廃止するために作られた制度です。
先述通り、同制度は江戸時代から始まった制度であり、江戸時代の幕府は日本にキリスト教が普及することを恐れていました。
そのため、檀家制度を作り、キリスト教を禁教にすることで、普及を全面的に阻止したいという目的がありました。
また、当時は鎖国的な文化を取り入れている時代でもあったため、このような制度を作ることで、我が国の身分制度や文化を守るという意図がありました。
スポンサーリンク檀家制度の問題点
寺院に檀家として所属すると利点も多いですが、問題点も出てきます。
どのような問題点があるのか、ここでは檀家制度の問題点について詳しく見ていきましょう。
寄付の負担がある
檀家制度の大きな問題点は、各方面でかかる寄付と広い相場価格です。
まず、檀家に入る際には入檀料が発生し、10万〜30万円ほどかかります。
葬儀や法要があった際は、お布施を払う義務が発生します。
寺院により異なりますが、法要だと3万〜10万円で、葬儀の場合は30万〜50万円ほどかかります。
これ以外にも、寺院の維持費として、寄付することがあります。
一口1万〜数万円ほどになり、修繕が必要な場合はさらに寄付をお願いされることもあります。
また、檀家をやめる際は、離檀料として5万〜20万円ほどが相場となります。
お墓の撤去をする場合は、離檀料とは別に、更に30万〜50万円ほどかかります。
寺院の決まりに従う必要がある
入檀した寺院と宗派が違う場合は、改宗が必要になります。
葬儀や法要などは寺院ごとのきまりがあるため、希望の葬儀や戒名があっても希望通りにならない可能性があります。
また、お祭りなど、寺院主催の行事のお手伝いとして運営に関わることができるので、地域社会に貢献ができる反面、苦手な人にとっては面倒事が増えたと感じる方もいるようです。
檀家制度の利点
一方で檀家制度には利点も多くあります。
ここでは、檀家制度の利点について紹介していきます。
葬儀・法要の相談がしやすい
人が亡くなるのは突然ですが、檀家になっていたら葬儀をしてくれる寺院を急いで探す必要がないので、大変心強いです。
また、お盆やお彼岸など繁忙期といわれる時期でも檀家であれば、優先して法要を行ってもらえるのも嬉しい利点のひとつです。
そのほかにも、仏事に関する不明な点を気軽に相談できるので、檀家としてはとても頼もしい存在だといえます。
供養・管理が手厚い
お墓(故人)への管理が大変手厚く、お墓の掃除から読経など、冥福を祈るすべてのことを檀家の代わりに行ってくれます。
遠方にいてなかなかお墓参りや管理ができない方にとっては、檀家にさえなっていればお坊さんが代わりに供養と管理をしてくれるので、安心できます。
スポンサーリンク檀家制度におけるトラブル
檀家制度であるからこそのトラブルがあります。
ここでは、檀家制度において、どのようなトラブルがあるのか見ていきましょう。
金銭トラブル
お布施はたいていの場合「お気持ちで」と言われ、明確な金額を提示されないことが多くあります。
そのため、相場よりも安く渡してしまう方もいれば、逆に寺院が提示する高額なお布施料を請求されてしまう方もいます。
はっきりとした金額を提示されなかった場合は、おおよその金額をお坊さんに聞いたり、ほかの檀家に相談してみるのがおすすめです。
離檀時のトラブル
離檀とは檀家をやめることを指し、離檀のときにも寺院とのトラブルが発生することがあります。
寺院にとって経済的支援をしてくれる檀家を失うのは、とても大きなダメージを受けます。
ですので、離檀をさせないように離檀料と称して、高額な離檀料を請求したり、恫喝を行うといったケースもあります。
また、離檀料は任意であり、義務ではないので支払う必要はありません。
もしトラブルが生じたら
もし、寺院との間にトラブルが生じてしまったら、まずは冷静にしっかりと話し合いましょう。
「遠方に行き、来ることがなくなる」、「嫁ぎ先で改宗する」、「お墓の面倒を見る人がいない」など、寺院が納得しやすい理由を伝えて早めに相談しましょう。
どうしてもうまくいかない場合は本山や役所、弁護士に相談するのが好ましいです。
離檀のやり方
離檀することになった場合のやり方や注意点、また離檀の流れを詳しく説明します。
離檀における注意点
離檀する際、お墓を撤去する墓じまいをする必要があります。
また、墓じまいには遺骨の扱いや、墓石を撤去する費用などまとまったお金が必要となってきます。
墓石撤去だけであれば10万〜30万円の費用となりますが、戻ってきた遺骨を改宗先のお墓に入れるか、散骨するかによって、そのあとに必要な費用が大きく変わってきます。
離檀の流れ
気になる離檀の流れを見ていきましょう。
菩提寺に相談をする
まずは、寺院に離檀したい理由を伝え、相談しましょう。
理由は人によってさまざまかと思いますが、「お墓を任せられる人がいないので永代供養墓にお墓を移したい」、「遠方で行けないので、近くの墓地に移したい」などの理由を伝えた方がスムーズに離檀できるかと思います。
またその際には、今までお世話になった感謝の言葉も伝えると、より円満に離檀の相談ができます。
必要な書類を用意する
墓じまいをするための墓石撤去、離檀届けなどの書類を住職と共に確認していきます。
改宗許可書申請には寺院の記名と押印が必要になりますので、しっかりと確認してもらいましょう。
閉眼供養をする
閉眼供養とは、お墓に入っているとされる仏様の魂を抜く儀式のことで、墓石の撤去前に行います。
離檀料を支払う
支払う義務はなく、任意となります。
離檀料を支払う相場としては、5万〜20万円と言われています。
離檀をしても葬儀・法要はできる
離檀をしても葬儀・法要はやってもらうことができます。
しかし、檀家と日程が被ってしまった場合などは、檀家を優先するために断られる可能性もあるので、注意が必要です。
スポンサーリンク檀家制度の問題点まとめ
ここまで檀家制度と問題点やトラブルの内容、離檀方法などを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 檀家制度は、経済的支援をする代わりに法要を執り行ってもらう関係性を指す。
- 檀家制度は、お布施や寄付の費用が負担と感じる方が多い。
- 離檀はできるが、高額な離檀料を求められるケースがある。
- 円満に離檀できずトラブルになったら本山、役所、弁護士に相談する。
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
山口 隆司(やまぐち たかし)
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。