お墓
檀家の費用相場はいくら?やめる時の費用相場・お墓の移設費用を説明
更新日:2022.11.18 公開日:2022.01.29
新しくお墓を建てる時などに関わってくる檀家制度(だんかせいど)をご存じでしょうか。
寺院墓地(じいんぼち)にお墓を建てる場合は、一般的にその寺院の檀家になる必要があります。
そこでこの記事では、檀家の費用相場について詳しく説明していきます。
檀家をやめる際の費用相場や、お墓の移設費用についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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檀家とは
檀家とは、特定の寺院に所属してお墓を建て、その寺院に経済的支援をし、その代わりとして葬祭や供養などを優先して行ってもらう家のことをいいます。
寺院は、檀家によるお布施などの金銭の支援により運営し続けられているともいえます。
一方で檀家は、寺院に葬儀や法要の事前相談ができる他、優先的に必要な対応をしてもらえるなどのメリットがあります。
また、お墓の管理も任せられるという相互関係があります。
檀家になるのは個人ではなく「家」単位なので、自分自身が知らなくても葬祭などを通して檀家だったことに気づいたという方は多いかもしれません。
檀家制度は江戸時代に始まりました。
徳川幕府が施行した寺請制度(てらうけせいど)が元になっていると考えられています。
寺請制度の目的には、キリスト教の布教を妨ぐこと、年貢の徴収に漏れが生じないようにすることがありました。
そして、全世帯がどこかの寺院の檀家となることを義務付けていました。
寺請証文という身分証明書を受け取らせ、幕府に提出させることで長い間統制してきたのです。
江戸、明治、昭和、平成、令和の時代の経過とともに、「家」という考え方は以前ほど重要とされていません。
生まれ育った土地に亡くなるまで住み続けるという考え方も薄れ、自由に引っ越しも行われるため、過疎化が進むところも多く見受けられます。
このような流れから、檀家制度は徐々に衰退しているのが現状です。
檀家になる時に必要な費用
前述でも触れましたが、檀家になると所属する寺院に金銭的な支援をしていくことになります。
ここでは、檀家になる時に必要な費用について説明していきます。
入檀料
檀家になることを入檀(にゅうだん)といい、入檀する際の初期費用が入檀料です。
費用相場は宗派や地域によって様々ですが、およそ10万〜30万円と見ておくと良いでしょう。
入檀料には、墓地の利用料が含まれる場合とそうでない場合(別途必要)があるので、事前に寺院に確認するのを忘れないようにしてください。
法要・葬儀のお布施
法要・葬儀の際は、檀家として所属している寺院にお布施を支払うことになります。
費用相場は、地域や法要・葬儀の規模などによって違います。
例えば法要であれば、四十九日や一周忌のお布施の金額は3万〜10万円です。
三回忌以降は1万〜5万円が妥当でしょう。
護持費・維持管理費
護持費(ごじひ)・維持管理費とは、お墓の清掃・管理、お寺の運営のために必要な費用のことで、檀家が負担することになっています。
費用相場は、年間でおよそ5000〜2万円です。
修繕費などの寄付金
檀家になると、寺院の修繕費などの寄付を求められることがあります。
あくまでも寄付なので強制ではありません。
費用は状況によりけりで、1口いくらからと金額を選択できる場合もあるようです。
本堂の修繕費や建て替えになると、寄付額は高額になることが予想されます。
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檀家をやめる時の費用
諸事情により寺院に経済的支援を続けることが難しくなった場合や、寺院が現在の住まいから遠いなどの理由で、檀家をやめたいと考える方もいるでしょう。
結論を言えば、檀家をやめることはできます。
離檀料
所属している寺院の檀家をやめることを離檀(りだん)といいます。
離檀することで、これまでの寺院とのお付き合いは終わることになります。
離檀するときに寺院に渡すお布施のことを離檀料といいます。
支払いは義務ではありませんが、今までお世話になったことへのお礼として包むものです。
寺院によっては離檀料の受領を拒否するところがあったり、逆に離檀料を請求されたりということもあります。
離檀料の相場は、地域や寺院との今までの関係などにより様々です。
一概には言えませんが、一般的にはおよそ3万〜20万円と見ておくと良いでしょう。
墓地の移設費
所属の寺院に離檀を伝えた後にしなければならないことに「お墓の引き上げ(墓地の移設)」があります。
このお墓の引き上げの際にも様々な費用が必要となります。
閉眼供養の費用
閉眼供養(へいがんくよう)とは、お墓の引っ越しなどを行う際に行われる儀式です。
ご遺骨を取り出し、墓石の魂抜き(たましいぬき)をします。
閉眼供養の費用相場は、3万〜10万円です。
墓石の撤去費用
墓石を撤去してその土地の整備をする費用の相場は、10万〜20万円です。
いくつかの石材店に見積りの依頼をしてみましょう。
遺骨の取り出し費用
遺骨の取り出し費用の相場は、一人分の遺骨につきおよそ3万円です。
この遺骨の取り出し作業は、石材店にお願いするケースが多いようです。
なお、業者に依頼せずに自分で取り出せば、もちろん費用はかかりません。
墓石運搬料
墓石運搬料とは、元々使っていた墓石を移転先まで移動させるのにかかる費用です。
費用相場には墓石の大きさや移動距離によって幅があり、20万〜80万円ほどです。
墓石建立費
新しい土地に新しくお墓を建てる場合の墓石建立費の相場は、100万〜300万円です。
この金額には、墓地代と墓石工事費が含まれます。
移動前の元々の墓石を使う場合は、墓石代は不要です。
しかし墓石運搬料も含めると場合によっては、新しくお墓を建てる場合より高額になることもあります。
そのため、既存の墓石は解体し撤去するケースも多いようです。
開眼供養の費用
お墓を移動した後、開眼供養(かいげんくよう)が行われます。
開眼供養とは、墓石への魂入れ(たましいいれ)のことです。
費用相場は、3万〜10万円です。
埋骨費用
移転先のお墓への埋骨費用は、一人分の遺骨につき3万円ほどです。
この作業も石材店に依頼するケースが多いのですが、自分で行うなら費用はかかりません。
墓地の移設の各種費用についてはここまでです。
なお、お墓から遺骨を移動することを改葬(かいそう)といいます。
改葬する場合は各自治体の改葬許可証が必要です。
お墓の引っ越し先が決まった時点で、役所にて改葬許可証の交付を受けましょう。
スポンサーリンク檀家のメリットとデメリット
檀家制度にはメリットもデメリットもあります。
ここでは、その代表的なメリット・デメリットについて取り上げました。
メリット
- 葬儀や法要の際に檀家は優先的に対応してもらえる
お彼岸やお盆など寺院の繁忙期でも、檀家であれば優先してくれるので心配ありません。 - 葬儀や法要についての事前相談ができる
特にはじめての葬儀は、困惑しながらたくさんの要件をこなさなくてはなりません。
専門家に頼れるということは、大きな精神的支えとなります。 - お墓を管理してもらえる
家族が毎日お墓を管理するというのは現実的ではありません。
お墓を管理してもらえるという安心感は大きいものです。 - 手厚い供養を受けられる
寺院側は、檀家とゆっくり話し合う時間を作ってくれます。
親切丁寧で、家族が望む供養を受けられるよう心配りをしてくれます。
デメリット
- 入檀・お布施・寄付など出費が多い
檀家制度の一番のデメリットは、この費用問題といえるでしょう。
入檀の際だけではなく、様々な場面での出費は家計に大きく響きます。 - 寺院のルールに従わなくてはならない
例えば、戒名(かいみょう)の問題があります。
つけたい戒名がつけられないなどのケースがあるようです。 - 他のお寺へ葬儀を頼むことができない
葬儀や法要は所属の寺院に依頼することが前提なので、他の寺院とお付き合いすることができません。 - 離檀するのにも費用(離檀料)がかかる
お世話になったお礼として、前述で触れたように決して安くはない金額を支払わなくてはなりません。
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お墓の移動先の候補と費用相場
檀家をやめ、お墓を移設する場合、新たにお墓を建てる場所として視野に入ってくるのが、民営墓地と公営墓地です。
なお、墓地の種類には大きく分けて3種類あります。
前述でご説明した寺院墓地、その他に民営墓地と公営墓地です。
ここでは、民営墓地と公営墓地について説明していきます。
民営墓地の特徴
民営墓地とは、宗教法人や民間企業が管理・運営する集合墓地のことです。
民営墓地は昭和30年代からスタートしました。
寺院墓地や後ほど触れる公営墓地だけでは、墓地の不足が懸念されたためです。
民営墓地は、寺院墓地のように檀家になる必要がありません。
公営墓地を利用するには条件があります。
民営墓地には購入するハードルが低いというメリットがあり、人気が高いのです。
その他にも、民営墓地には次に挙げるような魅力があります。
- 充実した設備(水くみ場やお手洗い、売店、駐車場など)
- 豪華な花に囲まれた公園のようなたたずまい
- お墓のデザインが豊富
- アクセスの良さ(都心に近い)
- バリアフリーや警備システムの完備
ここに挙げる利点以外にも、利用者の要望を聞き常に改善されているようです。
しかし、メリットがあれば、デメリットもあるものです。
民営墓地のデメリットには次のようなことがあります。
- 公営墓地と比較して管理費などが割高になる
- 指定された石材店でしか墓石購入・建設ができない
- 人気があるためすぐ売り切れる
- 運営会社が倒産するかもしれない
費用相場
民営墓地の費用相場は、およそ90万円〜と見ておきましょう。
内訳は、永代使用料(えいたいしようりょう)がおよそ20万円、管理費がおよそ5000円、墓石代が60万〜200万円程です。
なお、永代使用料とは、お墓の土地を使用する権利を得るための料金です。
公営の墓地の特徴
公営墓地とは、地方自治体(都道府県や市町村)が運営する集合墓地のことです。
地方自治体が企業などに管理・運営を委託しているケースもあります。
公営墓地のメリットは以下の通りです。
- 経営が安定している
- どの石材店を利用しても大丈夫
- どの宗教でも利用できる
- 1区画の面積が広く解放感がある
- 民営墓地より永代使用料や管理費が抑えられる傾向がある
一方で、次のようなデメリットもあります。
- 申し込みに条件がある(申込者の住所がその自治体の管轄であるなど)
- 応募が多数の場合は抽選
- 施設が充実していない(休憩所がない、水くみ場がないなど)
- 墓石の幅や高さを制限するなどのルールが多い
費用相場
公営墓地の費用相場は民営墓地とそれほど差がなく、およそ90万円〜と見ておきましょう。
民営墓地より永代使用料や管理費が抑えられる傾向があるとはいえ、一等地にある公営墓地は高額です。
公営の方が費用面では良いと安易に考えない方が良いかもしれません。
檀家の費用のまとめ
ここまで檀家の費用相場や、檀家をやめる際の費用相場・お墓の移設費用などを中心に書いてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 檀家とは葬儀などを優先してもらう代わりに、お寺の経済的支援をする家のこと
- 檀家になる(入壇する)時に支払う入壇料の費用相場は10万〜30万円
- 檀家をやめるにも、離檀料・墓地の移設費などの費用がかかる
- 檀家には優先的対応などのメリットがあるが、出費が多いなどのデメリットもある
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
山口 隆司(やまぐち たかし)
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。
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