お墓
分骨するためのやり方とは?分骨した後や注意事項についても紹介
更新日:2022.03.07 公開日:2022.03.10

記事のポイントを先取り!
- 分骨するタイミングは火葬時と納骨後の2通り
- お墓に納骨する分骨証明書が必要
- 分骨で骨の部位に優先順位はない

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分骨のやり方について
分骨とは遺骨を複数の骨壺に分けて、供養する方法のことです。
もし、分骨する際にはマナーや正しいやり方を知っておく必要があります。
そこでこの記事では、分骨のやり方について詳しく説明していきます。
この機会に、分骨したあとの供養方法についても知っておきましょう。
どの骨を分骨するべきかについても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
分骨とは
分骨とは、故人の遺骨を複数の場所に分けて供養することを指します。
分骨を考える理由は、本山納骨のためであったり、手元供養や散骨をするためであることが多いです。
分骨することを縁起が悪い、成仏できないと考えてしまう方もいるかと思います。
しかし、仏教において分骨=縁起が悪い、成仏できないとする考えはありません。
また、分骨は法的にも全く問題ありません。
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分骨のやり方
分骨のやり方は大きく分けて2通りあります。
- 火葬場で分骨するやり方
- 納骨後に分骨するやり方
それぞれのやり方、注意点について詳しく紹介していきます。
分骨には分骨証明書が必要
分骨した遺骨をお墓に納骨する場合は分骨証明書が必要です。
分骨証明書は、簡単にいうならば墓地の管理者へ誰の遺骨を分けたものであるのか証明するための書類です。
分骨証明書へ記入する内容は、墓地の管理者によって異なります。
一般的に故人の名前や性別、死亡年月日などを記入します。
分骨した遺骨を自宅で手元供養する場合や散骨の場合は、分骨証明書は必要ありません。
しかし、何らかの事情で手元供養の継続が不可能になることも考えられます。
そのときのために、事前に分骨証明書を取得しておくと良いでしょう。
火葬場で分骨するやり方
まずは、前もって分骨用の骨壷を準備しておきます。
分骨用の骨壷は、葬儀社や火葬場で購入可能です。
最近では、インターネット通販上でも、さまざまな骨壷が販売されています。
葬儀の打ち合わせ時には、葬儀社で骨壷を購入する、または骨壷は事前にこちらで用意する旨を葬儀社に伝えましょう。
また、火葬場にて分骨証明書の発行を依頼します。
分骨証明書はお墓に納骨するときに必要な書類であるため、納骨予定の数だけ発行しましょう。
火葬後、骨上げといわれる儀式を行ないます。
骨上げとは箸で遺骨をつまんで骨壷に納めることです。
このときに、事前に用意した複数の骨壷へ遺骨を振り分けて納めましょう。
納骨後に分骨するやり方
まずは、前もって分骨用の骨壷を準備しておきます。
分骨用の骨壷は、仏具店や火葬場、インターネット通販で購入可能です。
分骨する遺骨の量を考慮して、サイズを決めると良いでしょう。
次に、納骨堂を管理している寺院や霊園の管理者に分骨したい旨を伝えます。
このときに、遺骨を取り出す日程の選定や分骨証明書の発行を依頼しましょう。
また、墓の改葬、墓じまいなどを行う場合には、閉眼供養もあわせて依頼します。
納骨後の遺骨の場合、故人の遺骨が骨壷で分けて安置してあり、故人の遺骨を特定できれば分骨できます。
しかし、合祀や樹木葬などの故人の遺骨を特定できない場合は分骨できないので注意が必要です。
どの骨を分骨するの?

分骨では遺骨を取り出したり、移動したりするため、故人へ失礼がないようにしたいところです。
分骨時のよく聞かれる悩みに「どの部位の骨を分骨すべきなのか」、「または分骨してはいけない部位はあるのか」などがあります。
また、喉仏は遺骨の中でも特別視されることが多く取り扱いに悩まれるのではないでしょうか。
部位はどれでも大丈夫
結論から申し上げますと、分骨で骨の部位に優先順位はありません。
どの部位の骨を分骨しても、どの順番で骨壷に納骨しても問題ありません。
用意した骨壷の大きさに合わせて骨壷に入れやすい骨を選ぶ、または骨が崩れるさまが苦手な方は丈夫な骨を選ぶと良いです。
納骨すべき順番に決まりががないと、自身では決めかねてしまうといった方は骨上げ(拾骨)を参考にすると良いでしょう。
骨上げは東日本と西日本で異なります。
東日本は全部収骨といわれるすべての遺骨を納める方法です。
足から上に向かって納骨していきます。
一方で西日本は、部分収骨といわれる各部位から一部分のみ納めていく方法です。
頭から下に向かって納骨していきます。
悩まれたときは、ご自身のお住まいの地域の骨上げ方法に沿った順番で骨壷に納めましょう。
喉仏はどうする?
喉仏はその形状が、座禅を組んで合掌している仏様のように見えることから「喉仏」と呼ばれます。
体の中に宿る仏様と考えられ、遺骨の中でも特別視されています。
また、浄土真宗では喉仏のみを総本山である西本願寺(京都)へ納骨します。
浄土真宗の宗祖である親鸞聖人(しんらんしょうにん)と共に眠るためにこの方法が取られています。
ちなみに、江戸時代から行われている方法です。
喉仏に関しても、絶対に骨壺に入れなくてはいけないというわけではありませんが、もし入れられる場合は優先的に入れておくのが好ましいです。
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分骨の数に決まりはあるの?
分骨は、2か所以上に分けて納骨し供養することを意味します。
2ヶ所以上に分けて納骨することでしか明確な決まりがなく、常識の範囲内であれば何カ所に分けても問題はありません。
ただし、多ければ多いほど良いというものでもありません。
分骨は供養の気持ち、故人を偲ぶ気持ちが重要です。
ちなみに、お釈迦様の遺骨も分骨されています。
お釈迦様のご遺体は火葬されたあとに八等分され、灰と骨瓶も含めて十に分けられました。
そして、十カ国の王たちによって、それぞれの土地に運ばれたといわれています。
お釈迦様の遺骨を仏舎利(ぶっしゃり)と呼びます。
この仏舎利を細かく分けたものを卒塔婆の由来となる「ストゥーパ」と呼ばれる仏塔に納め、各地に建設されました。
お釈迦様の骨も何カ所にも分けて納められていることから宗教的にも問題ないことが伺えます。
分骨の数に決まりはありませんが、注意しておく点があります。
それは、分骨証明書を取得するという点です。
分骨証明書はお墓に納骨する数だけ必要なので過不足なく取得しましょう。
また先述通り、名前から分骨するのであれば必ず必要な書類なのではないか、と勘違いされがちですが分骨証明書はお墓に納骨する場合のみ必要です。
分骨証明書は自治体や墓地管理者が発行します。
記入内容は自治体や墓地によって異なりますが、基本的には故人の名前、住所、死亡年月日、埋蔵場所、墓地使用権者などです。
手数料も自治体や墓地によって異なり、300円程度のことが多いです。
分骨証明書は、手元供養の場合でも取得することをおすすめします。
なぜならば、将来的に手元供養が継続できない状況になることが考えられるためです。
分骨した後はどうすれば良い?
分骨した遺骨には、どのような供養方法があるのでしょうか。
ここでは、代表的な例をいくつか挙げていきます。
別に埋葬する
複数の墓地や納骨堂で供養します。
引っ越しや体調などの理由から、現在所有している墓地へお参りに行けなくなるというケースがあります。
その場合に、分骨した遺骨を自宅近くの墓地や納骨堂へ埋葬し、供養をするという選択をする方が多いです。
分骨し、複数のお墓に納骨することで、先祖代々のお墓も維持しつつ、自宅近くなど通いやすい場所にもお墓を作ることができます。
総本山に納骨する
各仏教宗派の本山に分骨した遺骨を埋葬し、供養します。
各宗派の本山(開祖のもと)で供養してもらえることは、信仰心が厚い方にとっては最適な供養方法といえるでしょう。
また、総本山へ分骨する供養方法は浄土真宗でよくみられます。
総本山に遺骨を納めることで開祖である親鸞聖人(しんらんしょうにん)と共に眠ることができると考えられています。
手元供養をする
手元供養は、分骨した遺骨を自宅や身に着けて供養することです。
お墓よりも、故人を身近に感じることができるという点やお墓を所有する必要がないことから注目を集めています。
手元供養品は骨壷やミニ骨壷が多く選ばれています。
その他にも、遺骨の一部をペンダントトップ内に納めたり、遺骨を用いてダイヤモンドを作成したあとにアクセサリーに加工することも可能です。
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分骨する際の注意点
分骨は宗教上においても、法律上においても問題ないのですが、分骨することを快く思わない方もいらっしゃいます。
そのため、家族や親族から許可を得ることなく自己判断で分骨を決行した場合、トラブルの原因になりかねません。
分骨を考えた時点で家族や親族に相談し、許可を得るようにしましょう。
分骨のやり方まとめ

ここまで分骨のやり方、分骨後の供養方法などを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 分骨とは、故人の遺骨を複数の場所に分けて納骨すること
- 分骨した遺骨をお墓に納骨する場合は分骨証明書が必要
- 分骨で骨の部位に優先順位はない
- 分骨後の供養方法は別に埋葬、総本山に納骨、手元供養が多い
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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監修者

山口 隆司(やまぐち たかし)
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。