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花祭りではなぜ象が使われる?白象の由来と意味を説明
更新日:2022.02.25
花祭りは仏教行事の1つですが、花祭りではなぜ象が使われるのかご存知でしょうか。
花祭りは仏教の伝統ある行事になりますので、意味合いや儀式について知っておきましょう。
そこでこの記事では、花祭りで使われる白象(しろぞう、はくぞう、びゃくぞう)の由来と意味を詳しく説明していきます。
この機会に、花祭りの意味合いや六波羅蜜について覚えておきましょう。
タイやインドで象の土産が多い理由についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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花祭りとは
花祭りとは、お釈迦様の誕生日である4月8日に行われる仏教行事のことになります。
仏教なら宗派に関係なく、お祝いをします。
春であるこの時期は、ちょうど桜などの花が咲き始める季節になります。
そのため、たくさんの花々が咲き誇る姿にちなんで「花祭り」と呼ばれるようになり、それが広まったとされています。
日本で最初に花祭りが行われたのは606年で、聖徳太子の時代です。
9世紀からは長く「灌仏会(かんぶつえ)」とも言われてきましたが、明治時代以降はどの宗派でも花祭りと呼ぶようになりました。
花祭りの白い象の由来
花祭りと言えば白い象が有名ですが、なぜ白い象なのか由来を紹介していきます。
これには言い伝えがありますので、以下で紹介していきます。
お釈迦様の生母である摩耶夫人は、6本の牙を持つ白い象が夫人の胎内に入る夢を見ました。
その後、お釈迦様をご懐妊したことを知ったという逸話があります。
このことから、「白い象がお釈迦様を運んできた」と信じられているため、お釈迦様の誕生祭である花祭りには、必ず白い像(白い象をかたどった像)が登場するようになったとされています。
寺院によって登場の仕方はさまざまで、大きな白い象の背中の上に花御堂を乗せていたり、お釈迦様が白い象の背中に乗っていたりします。
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花祭りの白い象の意味
次は花祭りに登場する白い象の意味合いについて紹介していきます。
象が白い意味やなぜ牙が6本あるのかについて説明していきます。
象が白い意味
象は、畏敬の対象として仏教では大切にされてきました。
そのなかでも、色素が欠乏して白色で生まれた象は、非常に神聖な生き物とされています。
白い象がお釈迦様を運んできたという逸話を紹介しましたが、白い象はお釈迦様にふさわしい神聖さをもった存在と言えるでしょう。
牙が6本ある意味
象の牙が6本ある意味合いについては、「六波羅蜜(ろくはらみつ)」という6つの修行徳目を表していると言い伝えられています。
波羅蜜とは「これができれば完璧」といった意味合いであり、悟りを得るために完成させておかねばならない6つの修行のことです。
つまり象が6本の牙を持っていたということは、六波羅蜜を完成させた完璧な存在であったということです。
この六波羅蜜については、次の章で詳しく紹介していきます。
六波羅蜜とは
六波羅蜜とは苦しみから解放されて幸せになるための6つの修行徳目を表したものです。
悟りを得るための修行の6項目のことで、これが習得できれば完璧であると考えられています。
以下にその6項目をまとめます。
①布施(ふせ):区別なく他人様の役に立つように行動すること
②忍辱(にんにく):どんなことにも耐え忍ぶ強い心を持つこと
③持戒(じかい):自分で決めた決まりを守ること
④精進(しょうじん):努力を惜しまないこと
⑤禅定(ぜんじょう):心身を鍛え、いつも心穏やかに保つこと
⑥智慧(ちえ):上記5つの修行により人格を高めていくこと
白い象が6つの牙を持っていたということは、この6項目が全て習得されているということになりますので、白い象は非常に神聖なものであることがわかります。
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花祭りで行われる儀式
次に、花祭りに行われる儀式について紹介していきます。
花祭りでは、お寺の境内に、たくさんの花を飾りつけた小さなお堂を準備して設置します。
この小さなお堂を花御堂(はなみどう)と言います。
花御堂の中には、お釈迦様の立像が安置されています。
このお釈迦様の像は、お釈迦様が生まれたときの姿をかたどったもので誕生仏(たんじょうぶつ)と呼ばれます。
誕生仏は右手は天を指し、左手は地を指していることが特徴です。
参拝者は、お釈迦様の誕生仏に甘茶をかけます。
僧侶による読経などの法会が開催されることもあります。
白い象に乗せた花御堂を、鮮やかな衣装を身にまとった子供たちが引いて地域を練り歩く、「稚児行列(ちごぎょうれつ)」が開催されることもあります。
近年では、この芸能を現代風にアレンジして、ピアノ演奏などのミニコンサートが行われたり、パレードが行われたりするところもあるようです。
タイやインドで象の土産が多い理由
タイやインドに観光に行くと、店先の置物や土産物などで、象が多く使われているイメージがあると思います。
タイやインドで、象の土産が多い理由を紹介していきます。
タイにおける像
まず、象はタイの国獣(その国を代表・象徴する動物)です。
タイの国旗はかつて、中央に象が大きく配置されたデザインでした。
タイの歴史を振り返れば、戦闘用の象として多数飼育されてきました。
また、林業における労働力としても活躍しました。
訓練された象が木の運搬など「トラック」の役割を果たしました。
近年は観光産業で、象乗り体験を観光客やタイの子供たちに提供しています。
また、白い象がお釈迦様を運んできたという逸話は、仏教徒であるタイ国民であれば誰でも知っている話と言われています。
象は尊い存在であり、タイには象に関する法律もあります。
白象を発見した者には、国王への献上が義務化されています。
象がタイの人たちにとって生活上も、信仰上も欠かすことができない存在であるということが確認できるでしょう。
タイではお土産として象をデザインした雑貨がたくさん作られています。
インドにおける像
続いて、インドでも象は縁起の良い動物とされています。
インドの神話で象は世界を支える存在として描かれ、古くから重視されてきました。
インドで広く親しみをもって信仰されているガネーシャというヒンドゥー教の神様は、象の顔を持ちます。
そして、インドではガネーシャの置物がお土産として販売されています。
ヒンドゥー教の神様であったガネーシャですが、仏教にも取り入れられました。
仏教では歓喜天(かんぎてん)と呼ばれ、仏教の守護神となっています。
仏教徒のタイ人も現世利益をもたらす神として、信仰の対象となっています。
仏教の伝来とともに日本にも伝えられて、財宝の神として一定の人気があります。
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花祭りの象のまとめ
ここまで花祭りの象の意味合いや由来、花祭りで行われる儀式などを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 花祭りとはお釈迦様の誕生日である4月8日に行われる仏教行事のことである
- 白象の6本の牙は六波羅蜜という6つの修行徳目に対応している
- 花祭りでは花御堂を設置したり、お釈迦様の誕生仏に甘茶をかけたりする
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
袴田 勝則(はかまだ かつのり)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。
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