終活
遺品を捨てられない気持ちを前に進める方法は?整理と処分方法を解説
更新日:2023.04.23 公開日:2022.04.05

記事のポイントを先取り!
- ・遺品整理ができない理由は様々
- ・遺品は様々な活用方法がある
- ・遺品は3種類に分けて整理する
- ・捨ててはいけない遺品に注意する
故人が亡くなった後に行う、遺品整理についてはご存知でしょうか。
中には、故人との思い出が詰まった遺品を捨てられない遺族の方もいらっしゃることでしょう。
そこでこの記事では、遺品を捨てられない気持ちを前に進める方法について解説します。
この機会に、整理と処分の方法も知っておきましょう。
後半では遺品整理で捨てたら困るものについても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
都道府県一覧から葬儀場を探す
こちらでご希望のエリアから葬儀場を検索できます。

こちらでご希望のエリアから葬儀場を検索できます。
- 遺品とは
- 遺品を捨てられない理由
- 遺品を捨てられない気持ちを前に進める方法
- 遺品を捨てるメリット
- 遺品を捨てられない方の整理と処分方法
- 遺品を整理・片付ける手順
- 遺品整理で捨ててはダメなものとは?
- 遺品を捨てられないのまとめ
遺品とは
遺品とは、故人が生前に所有していたもののことです。
故人が着ていた服、日常的に使っていたもの、家財や遺産など、故人にまつわる全てのものが含まれます。
遺品は、故人が亡くなった後には形見分けするもの・保管しておくもの・売却や処分するものなどに仕分けする必要があります。
これを遺品整理と呼びますが、遺族や親族の中には遺品を見ることで故人を思い出して辛いという方もいらっしゃるでしょう。
しかし、故人が賃貸で一人住まいだった場合には契約の関係上、部屋を長期間そのままにしておくこともできません。
遺品を搬出し不要なものは処分するなど、遺品整理を進めていく必要があります。
遺品を捨てられない理由
故人の遺品を捨てられないという方は、どういったことが理由として考えられるでしょうか。
まさに今、捨てられずに困っているという方は、以下の項目から自分に当てはまるものがないか考えてみましょう。
自分の気持ちを理解することで、捨てられないことを解決する糸口になるかもしれません。
気持ちの整理がついていない
家族が亡くなってしまい気持ちの整理がついていない時には、遺品整理に取り掛かることが困難になります。
特に事故や病気などで突然亡くなってしまったときは、故人の死を受け止めるのは容易ではありません。
悲しみに沈んでいる間は、故人の思い出が詰まっている遺品と向き合うことは難しく、遺品を捨てられない理由にもなります。
遺品を捨てることに罪悪感がある
遺品には、故人が普段から着ていた服や愛用していたもの、故人の写真などが含まれています。
そうした故人が大切にしていたものを捨てることに対し、罪悪感を感じる方も多いでしょう。
思い出がよみがえって捨てられない
遺族にとって、遺品は故人との思い出が詰まったかけがえのない特別なものです。
遺品を仕分けしていると、故人との思い出が蘇ってしまうという方は多いでしょう。
自分では使わないようなものであっても、思い出があると捨てるのを躊躇してしまいます。
ものが多くてどうしていいのか分からない
故人が一人暮らししていた場合には、その家のものは全て遺品になります。
家電や家具なども遺品に含まれるため、親族がそうしたものも全て処分する必要があるのです。
そのため、遺品が多すぎて何から手をつければ良いか分からないという方もいるでしょう。
故人が生前に断捨離や整理を行っていなかった場合には、さらにものが多くなります。
ものが多いと遺品をいくら捨てても終わらないため、なかなか進まないこともあるでしょう。
処分の仕方が分からない
故人の家に処分の仕方が分からないものがあった場合、どうすれば良いか分からず捨てられないというケースがあります。
例えば、ゴミに出せない位牌や仏壇などは処分に困るものの典型です。
また、故人しか価値が分からないような骨董品や美術品なども、どう処分するべきか悩むものの一つです。
時間の確保が難しい
遺品を捨てられない理由の一つとして、時間の確保が難しいというケースがあります。
自分が仕事で忙しかったり子育てに時間を取られていたりすると、遺品の処分に充てる時間はなくなってしまうでしょう。
また、自分が故人の家から遠い場所で暮らしていた場合、遺品整理を行うための時間を確保するのが難しくなります。
遺品を捨てられない気持ちを前に進める方法

遺品を捨てられないのには様々な理由があります。
しかし、遺品を捨てなければいつまで経っても遺品整理は終わりません。
ここからは遺品を捨てられない気持ちを前に進めるために、どういった方法があるのかを解説していきます。
焦らず時間をかけて気持ちの整理をする
気持ちの整理がついておらず遺品を捨てられない時には、まずは焦らず気持ちが落ち着くのを待ちましょう。
大切な人が亡くなった時は悲しみが大きく、心の傷が癒えるまでには想像以上に時間がかかります。
気持ちの整理がついていない状況で遺品を捨てると、間違って必要なものまで捨ててしまう可能性があります。
また、遺品を見ると故人のことを思い出して、より心が乱されることもあるでしょう。
まずは気持ちが落ち着くのを待ってから、遺品の処分に取り掛かることをおすすめします。
悲しい気持ちを吐き出す
大切な人が亡くなった時には、自分の中にある悲しい気持ちを吐き出すことが前に進むために重要だと考えられています。
これは、故人を亡くした時の悲しみを乗り越えるための方法である「グリーフケア」の一環です。
感情を表に出すことが苦手な方もいると思いますが、気持ちを吐き出すことで前に進みやすくなります。
家族や親族に自分の気持ちを吐き出すことに抵抗を感じる方は、同じ境遇の人々が集まる会などに参加するのも良いでしょう。
形見分けや供養をする
遺品の整理に取り掛かれはしたけれど、遺品を捨てることに対して抵抗があるという方もいるでしょう。
その場合は、形見分けとして親族に遺品を譲り渡すという手もあります。
また、捨てることになった遺品に関しては、寺院などで供養してもらうことも可能です。
そうすることで、故人の遺品を捨てることへの罪悪感を軽くできることでしょう。
処分しやすいものから整理する
遺品整理をする際、どこから手をつけようか迷う方も多いと思います。
遺品が多い場合には、まずは処分しやすいものから整理し始めることがおすすめです。
例えば、家電や家具などは故人との思い出も少なく、比較的処分しやすいと考えられます。
整理の仕方に迷う遺品は後回しにして、できるところから始めましょう。
遺品を捨てるメリット
次は、遺品を捨てることによるメリットをご紹介します。
遺品を捨てることに抵抗がある方は、以下のメリットを参考にしてみましょう。
心の整理がつく
遺品整理をするには故人との思い出を振り返る必要があるため、遺族にとっては辛い時間にもなります。
しかしそうした故人との思い出を辿る時間は、自分の心を整理することにも繋がります。
悲しみが癒えないまま、無理して遺品整理をする必要はありません。
しかし、遺品整理をして適切な形で処分できれば、故人の死を受け入れる最初の一歩になるでしょう。
遺品を捨てることのメリットが分からないという方も、自分の心を整理するために取り掛かってみることをおすすめします。
精神的なストレスが減る
いつまでも遺品を捨てることへの罪悪感を抱えながら生活していると、精神的なストレスも大きくなります。
早めに遺品を整理して処分してしまえば、そうしたストレスからも解放されることでしょう。
捨てることに抵抗がある方は、前述したように供養してから処分することをおすすめします。
遺品を捨てられない方の整理と処分方法
不要な遺品は捨てるだけでなく、様々な活用方法が存在しています。
捨てることが嫌な場合には、以下の活用方法を検討してみましょう。
リサイクルや寄付をする
思い出深くて捨てられないものに関しては、リサイクルや寄付に回すと良いでしょう。
故人の大切なものも必要とする他の誰かが使っていると思えば、遺品を処分することへの罪悪感も軽くなります。
また寄付したい場合には、ボランティアやNPOに相談すると必要としている方の元に届きやすくなるでしょう。
リメイクする
使い道がないけれど捨てられない遺品に関しては、リメイクすることをおすすめします。
故人が大切にしていた着物や衣服をバッグなどに作り変えれば、普段の生活でも活用することが可能です。
リメイクすれば、元々は不要な遺品であっても手元に置いておくことができます。
デジタル化して保管する
ものとして残しておかなくとも思い出を振り返ることができれば問題ない、という方はデジタル化して保管することもできます。
デジタル化とは、写真や動画などで遺品を撮影することで映像として記録に残す方法です。
古くなった写真やビデオなどは、デジタル化すれば劣化せずに取っておくことができます。
デジタル化すれば場所を取らずに保管できるため、場所を確保することがネックとなっている場合はおすすめの方法です。
供養をしてもらう
故人が保管していたアルバムや手紙など、故人の思い入れが深いと考えられるものを捨てるのには抵抗がある方も多いかと思います。
そのような時は、寺院や神社で供養してもらいましょう。
僧侶などが祈りを捧げて供養してくれるため、捨てることへの罪悪感もあまり感じなくて済みます。
専門業者に依頼する
どうしても遺品を捨てられないという方は、遺品整理の専門業者に依頼するのがおすすめです。
専門業者であれば、遺品に関して豊富な知識を持っているだけでなく、遺族や故人の気持ちを汲んで整理してくれます。
遺品に関して悩んでいる時や処分の仕方が分からない時でも、業者に依頼していれば安心です。
遺品を整理・片付ける手順

次は、遺品整理の手順について解説していきます。
遺品をうまく整理できずに悩んでいる方は、以下の手順を参考にしましょう。
捨てられない物を決める
まずは「これだけは捨てられない」という物を決めます。
故人の写真や日記などは、捨てると後悔する可能性があるため取っておくと良いでしょう。
また、有価証券や遺産に関する書類などは、故人の死後の手続きに必要なため捨てないようにしてください。
保管しておくと決めた物は、誤って捨ててしまわないように別の場所にまとめておきましょう。
リサイクルや売れるものを決める
着物、ブランド物の衣服、アクセサリー、車、ゴルフ道具などは売却することが可能です。
リサイクル・売却する物はまとめておき、買取業者に買い取ってもらうと良いでしょう。
捨てる物を決める
最後に捨てる物を決めます。
捨てる物には、故人の着ていた下着や衣服、本・雑誌、壊れている物などが該当します。
捨てる物の処分には、供養してゴミに出したり回収業者に回収してもらったりといった方法があります。
捨てようと思っている物の中には、実はリサイクルできたり売れたりするものもあります。
できるだけ捨てたくないと思っているのであれば、リサイクルや買取が可能か専門業者に問い合わせてみましょう。
※遺品整理のさらに具体的なやり方については「遺品整理は何をすればいいの?遺品整理の方法や流れを徹底解説」の記事で紹介しています。
ぜひこちらも併せてご確認ください。参照:『ブルークリーン』
遺品整理で捨ててはダメなものとは?

ここからは、遺品整理で捨ててはいけない物をご紹介します。
以下のものを遺品整理で捨ててしまうと、後からトラブルに発展する可能性があるため注意しましょう。
遺言書
遺族が遺品整理を行っていると、故人の遺言書が見つかる場合があります。
遺言書は、遺産相続に関しての重要な情報が記載されている可能性がある文書です。
遺言書を誤って捨ててしまわないように、遺品整理を始める前に探しておきましょう。
また、遺言書が出てきた場合は開封する前に「検認」手続きを行う必要があります。
見つけても開封しないで保管しておきましょう。
現金
遺品整理をしていると、現金が見つかる場合もあります。
故人が生前にへそくりとして現金を家財の中に隠していた場合、事前に探さないと誤って捨ててしまうこともあるでしょう。
また、故人が着ていた衣服のポケットに現金が入っていることもあります。
処分する前に、現金が入っている可能性がある場所は全て確認しておきましょう。
通帳
通帳は故人の死後も必要となる重要な物品です。
誤って捨ててしまうと相続手続きなどに支障が出るため、捨てずに取っておきましょう。
印鑑
印鑑も、死後の手続きに必要となる重要なものの一つです。
印鑑がなければ、手続きが進められなくなる可能性もあります。
特に実印や銀行印は大切に保管しておきましょう。
デジタル遺品
近年では、パソコンやスマートフォンの中に保存されたデータも遺品の一部に数えられています。
これらはデジタル遺品と呼ばれ、ネットバンクや暗号資産などに関する情報も含まれています。
デジタル遺品は相続に必要となる場合もあるため、パソコン・スマートフォンは処分せずに取っておきましょう。
身分証明書
故人の運転免許証・保険証・パスポートなどといった身分証明書は、各機関に返却する必要があります。
身分証明書は全て捨てずに取っておき、返却手続きを行いましょう。
鍵
家・自動車・自転車など様々なものに鍵がありますが、全て取っておきましょう。
賃貸であれば退去時に家の鍵を返却する必要がありますし、自動車・自転車は売却する時に必要になります。
鍵を捨てると後からトラブルになる可能性もあるため、大切に保管しておきましょう。
売却できるもの
遺品には、売却すると高値が付くものが含まれている可能性があります。
自分では価値が分からないからといって、捨ててしまわないように注意しましょう。
美術品や骨董品などは保管しておき、専門業者に買取を依頼することをおすすめします。
返却すべきもの
故人が生前にレンタルした物などは、誤って捨ててしまうと損害賠償が発生する可能性があります。
レンタル品と思しき物は保管しておき、親族がレンタル元に返却しましょう。
遺品を捨てられないのまとめ

ここまで遺品を捨てられない場合の対処や、整理手順を中心に解説してきました。
まとめると以下の通りです。
・気持ちの整理などをすることで遺品整理が進められることもある
・遺品をさまざまな方法で活用することができる
・遺品の中には捨ててはいけないものがあるため注意する
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
都道府県一覧から葬儀場を探す
こちらでご希望のエリアから葬儀場を検索できます。

こちらでご希望のエリアから葬儀場を検索できます。
監修者

袴田 勝則(はかまだ かつのり)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。