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遺族年金は80歳以上でも受給できる?受給金額の相場も紹介
更新日:2022.05.17 公開日:2022.04.13

記事のポイントを先取り!
- ・遺族年金は2種類に分かれる
- ・80歳以上でも受給できる
- ・年金は種類によって併給可能
- ・障害厚生年金受給者も条件次第で対象となる
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- 80歳以上の遺族年金について
- 遺族年金とは
- 80歳以上でも遺族年金はもらえるの?
- 遺族年金は老齢年金と一緒にもらえる?
- 遺族年金はいつからもらえる?
- 障害厚生年金受給者が死亡した際の遺族年金
- 80歳以上の遺族年金まとめ
80歳以上の遺族年金について
遺族年金を受け取るためには、満たすべき受給条件があることをご存知でしょうか。
受給条件の中には、年齢の制限などがあるのかも気になると思います。
そこでこの記事では、80歳以上でも遺族年金は受給できるのかについて解説します。
この機会に、受給金額の相場なども覚えておきましょう。
後半には障害厚生年金受給者の死後の遺族年金についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
遺族年金とは
遺族年金とは、年金の被保険者が亡くなった場合にその遺族に対して支払われる年金のことです。
この年金は遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類に分かれており、それぞれ受給に必要な条件も異なります。
遺族が満たしている条件によっては、これら2つを同時に受給できる場合もあります。
以下で遺族年金の仕組みと、2つの違いについて解説していきましょう。
遺族年金の仕組み
遺族基礎年金は、20歳以上の国民年金に加入している人であれば、誰でも受給できる可能性のある年金です。
これに加え、会社員・公務員の方は遺族厚生年金も受給できる可能性があります。
遺族厚生年金は厚生年金に加入している人向けの年金制度です。
遺族年金は、遺族基礎年金が土台となっており、その上に遺族厚生年金があるという構造になっています。
遺族基礎年金と遺族厚生年金について
遺族基礎年金は前述したように、国民年金の制度に含まれる年金ですが全ての人に受給資格があるとは限りません。
亡くなった人は国民年金の保険料の2/3以上の納付(一部免除も可)をしており、死亡する前々月まで1年間未納していないことが前提条件です。
その上で国民年金に加入中・加入していた人、老齢基礎年金を受給中・受給資格期間を満たすなどの条件に合致する場合に受給できます。
遺族厚生年金は前述の通り、会社員・公務員で厚生年金に加入していた方が対象となる制度です。
亡くなった方が厚生年金に加入中、1級・2級の障害厚生年金を受給中、老齢厚生年金を受給中などの条件に合う場合に貰えます。
80歳以上でも遺族年金はもらえるの?

遺族年金を受給する際に心配なのが、いつまでもらえるかということです。
遺族年金は80歳以上でももらえるのか、また年齢による制限はあるのかなど、詳しく解説していきます。
80歳以上でも遺族年金はもらえる
結論からいうと、遺族年金は80歳以上であっても条件を満たしてさえいれば貰うことができます。
年齢による制限は原則として存在していないと考えて良いでしょう。
ただし、遺族基礎年金と遺族厚生年金で、もらえる条件が異なるため注意が必要です。
受給の条件
ここからは遺族年金を受給するための条件について解説していきます。
遺族基礎年金の場合
遺族基礎年金は、亡くなった人に生計を維持されていた配偶者と子供が受給可能となっています。
ただし受給の条件として、子供が18歳未満である期間しか遺族基礎年金は受け取ることができません。
そのため、子供が18歳以上であったり、そもそも子供が居なかったりした場合には受給できないので注意しましょう。
80歳以上の方だと、18歳以下の子供がいるケースは大変少ないと思われます。
そのため、遺族基礎年金の受給条件を満たすことはほぼないと考えられるでしょう。
遺族厚生年金の場合
遺族厚生年金は、生計を維持されていた配偶者・子供・父母・祖父母・孫が受給可能です。
またこの中でも優先順位があり、配偶者とその子供が一番優先度が高いとされています。
配偶者と子供のみ、条件を満たしている場合は遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受け取ることが可能です。
こちらの場合も受給に年齢の制限はなく、80歳以上でも受け取ることができます。
しかし、受給者が再婚したり、養子になったりした場合には年齢に関係なく受給資格を失うため注意しましょう。
また、他の年金制度を利用した場合は受け取れなくなることがあります。
実際の受給額
ここからは、実際に受給する場合にどれだけの金額がもらえるかを解説していきます。
自営業の場合
亡くなった人が自営業の場合には、遺族基礎年金のみ受給することができます。
遺族基礎年金を受給する際は、基本額である78万900円(2021年度の場合)に子供の人数分、加算額がプラスされます。
子供の加算額は18歳未満の子供の人数によって変わります。
子供が2人までであれば、1人あたり22万4,700円が加算される形です。
子供3人目からは、1人あたり7万4,900円が加算されます。
例えば18歳未満の子供が3人いる場合には、子供2人までは22万4,700円、3人目の分として7万4,900円が加算される形です。
式にすると「78万900円+22万4,700円×2 + 7万4,900円=130万5,200円」となります。
子供がいなければ遺族基礎年金は受給できないため、代わりに死亡一時金か寡婦年金(かふねんきん)を受給すると良いでしょう。
サラリーマン・公務員の場合
サラリーマンや公務員の場合は、条件を満たせば遺族基礎年金と一緒に遺族厚生年金を受給することも可能です。
遺族厚生年金の受給額は、亡くなった方の報酬比例部分の4分の3とされています。
報酬比例部分とは、年金の計算を行う際に使用されるもので、式は大変複雑なものとなっています。
報酬比例部分は、平成15年3月までは「平均標準報酬月額×7.125/1,000×平成15年3月までの年金加入月数」で計算できます。
また、平成15年4月以降は「平均標準報酬額 ×5.481/1,000×平成15年4月以降の加入月数」が計算式です。
これら2つを足してその数値を4分の3にすることで、支給額を算出することができます。
上記の式で使用している平均標準報酬月額とは、標準報酬月額の総額をその期間の月数で割ったものです。
標準報酬月額とは厚生年金で使用される数値で、月収に応じた等級に割り振ることで保険料の金額を決定するためのものになります。
亡くなった人の平均的な給与が高ければ高いほど、遺族厚生年金の金額も大きくなります。
例えば、40歳で年収が600万円程度の場合は、遺族厚生年金は月額4万円程度になると考えられるでしょう。
また子供がいる場合、これにプラスで遺族基礎年金が支給されます。
一方、子供がいない妻に対しては「中高齢寡婦加算」という制度があり、金額が加算されます。
中高齢寡婦加算では妻が65歳になるまでの期間、上記の遺族厚生年金に「58万5,700円(2021年の場合)」がプラスされます。
遺族厚生年金だけでは金額が少ないため、こうした救済制度が存在しているのです。
遺族年金は老齢年金と一緒にもらえる?

年金の中には両方受給できるものもあれば、片方しか受給できないものもあります。
遺族年金と老齢厚生年金は、一緒にもらうことができる年金なのでしょうか。
遺族基礎年金と、遺族厚生年金の両方のケースを以下で紹介していきます。
遺族基礎年金は片方だけ
遺族基礎年金は老齢基礎年金と一緒に受給することはできないため、どちらか一方を選択しなければなりません。
この場合、どちらを選ぶかは受給できる金額が大きい方を選ぶのが良いでしょう。
ただし、遺族基礎年金は18歳以下の子供がいる期間しか受給できません。
そのため、65歳になった時に子供が18歳以上になっていると考えられる場合は、老齢基礎年金を選択する形となります。
遺族厚生年金は両方もらえる
遺族厚生年金の場合には、老齢基礎年金も同時にもらうことが可能です。
老齢基礎年金と遺族厚生年金の組み合わせであれば合算した金額を受給できます。
ただし、遺族厚生年金と60歳から64歳までの間もらえる特別な老齢厚生年金は同時にもらうことができません。
65歳以降にもらえる老齢厚生年金に関しては、遺族厚生年金と一緒に受給することが可能です。
その場合、遺族厚生年金と老齢基礎年金の組み合わせの時と同じように合計金額が支給されるわけではありません。
遺族厚生年金が自分の老齢厚生年金を超えた場合には、その差額分を遺族厚生年金として受け取れます。
反対に亡くなった人の老齢厚生年金を受給しており、それより自分の老後厚生年金が高い場合は遺族厚生年金自体受給できません。
遺族年金はいつからもらえる?
遺族基礎年金は、生計を維持していた方が亡くなった日の翌月から申請可能です。
しかし、自動的に遺族基礎年金がもらえるようになるわけではなく、遺族が年金受給の申請をする必要があるため注意しましょう。
また、遺族年金は偶数月に2ヶ月分ずつまとめて支給されます。
申請後は、すぐに支給が開始するわけではなく、審査期間が存在しているため注意しましょう。
審査に合格し、実際に支給が始まるまでにかかる期間は3〜4ヶ月だとされています。
ただし支給が遅れたとしても、亡くなった翌月からの分がまとめて振り込まれるため心配いりません。
遺族厚生年金も同様に、亡くなった日の翌月から申請が可能です。
また、申請してから支給されるまでは遺族基礎年金と同様に3〜4ヶ月程度かかると考えておきましょう。
遺族厚生年金の場合は、夫を亡くした妻は基本的に亡くなった日の翌月分から支給されます。
夫が妻を亡くした場合には、妻の没年齢が55歳以上でなければならず、支給も60歳からしか申請できません。
ただし、夫が遺族基礎年金を受給している場合は受給が可能です。
障害厚生年金受給者が死亡した際の遺族年金
ここからは、障害厚生年金を受給している方が死亡した場合の遺族年金の扱いについて紹介します。
故人が障害厚生年金を受給していた場合に、どういった条件で遺族年金が支給されるのかこの機会に知っておきましょう。
障害厚生年金とは
障害年金とは、定められた病気や怪我などによって仕事に支障が出た方に支給される年金のことです。
この障害年金は、障害基礎年金と障害厚生年金の2種類に分けられます。
国民年金の加入者全員に支給されるのが障害基礎年金で、厚生年金に加入している人に支給されるのが障害厚生年金です。
これら2つは条件を満たせば同時に受給することも可能で、障害厚生年金が障害基礎年金に上乗せされる形で支給されます。
また、障害厚生年金は1〜3級に分類されており、1〜2級に分類されている障害基礎年金よりも支給範囲が広いのが特徴です。
支給額は、等級が上なほど高額になります。
遺族年金がもらえる条件
障害厚生年金を受給している方が亡くなった場合、遺族年金をもらえることがあります。
具体的には障害厚生年金の内1級か2級の年金を受給しており、その方が生計を支えていた場合に亡くなられた場合、遺族厚生年金の支給が認められます。
支給対象は配偶者・子供・父母・祖父母・孫で、通常の遺族厚生年金の場合と同じです。
また、障害厚生年金が3級であった場合でも、その障害が原因で亡くなったときには遺族年金をもらえる可能性があります。
3級であっても、年金に関する専門家に相談すればもらえる可能性があるため、問い合わせてみると良いでしょう。
80歳以上の遺族年金まとめ

ここまで遺族年金についての情報や、80歳以上でももらえるのかを中心に解説してきました。
まとめると以下の通りです。
・遺族年金には遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類がある
・条件さえ満たしていれば80歳以上でも受給可能
・遺族厚生年金と老齢基礎年金の組み合わせであれば両方受給できる
・故人が障害厚生年金受給者であっても条件次第で併給可能
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者

鎌田 真紀子(かまた まきこ)
国家資格 キャリアコンサルタント ・CSスペシャリスト(協会認定)
経歴
終活関連の業界経歴12年以上。20年以上の大手生命保険会社のコンタクトセンターのマネジメントにおいて、コンタクトセンターに寄せられるお客様の声に寄り添い、様々なサポートを行う。自身の喪主経験、お墓探しの体験をはじめ、終活のこと全般に知見を持ち、お客様のお困りごとの解決をサポートするなど、活躍の場を広げる。
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