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墓じまいの費用は誰が払うべき?墓じまいの手順や費用内訳も紹介
更新日:2022.11.17 公開日:2021.10.05
近年、ライフスタイルの変化や少子高齢化の加速が起因となり、墓じまいを選択する方が増えています。
ただ墓じまいという言葉になじみはありません。
墓じまいにかかる費用は誰が払うべきものなのかも、多くの方が気になるところなのではないでしょうか。
この記事では墓じまいの費用について解説しています。
こちらでも墓じまいに関する情報を発信しているので、チェックしてみてください。
墓じまいの費用を抑えるコツも解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
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墓じまいとは
墓じまいとは、現在使用しているお墓の墓石を解体・撤去し、墓地を更地に戻して墓地の使用権を返還することです。
まずは墓じまいの詳しい内容や、墓じまいが増えている背景について解説します。
墓じまいの内容
墓じまいの内容は、現在のお墓を撤去して、別の場所に遺骨をお引越しする一連の流れを指しています。
具体的な手順は後述しますが、遺骨の引っ越し先を手配し、墓石の解体、撤去の手順を踏むことになります。
それには、引っ越し先の選択・解体に関する見積もり・専門業者の手配など、多くの労力がかかります。
もちろんそれに付随する費用は誰が払うかなど、親族の話し合いも必須です。
また、遺骨のお引越しは「改葬(かいそう)」の手続きが別途必要です。
墓じまいは、大切な遺骨のお引越し作業ですので、遺骨の供養を一番に考えなければなりません。
納得のいく選択がとれるよう親族と十分に話し合いましょう。
墓じまいが増えている理由
墓じまいを考える理由には、現代の時代背景やライフスタイルの変化が起因していると言えます。
具体的には、以下の要因が上げられます。
- 少子高齢化・核家族化によりお墓を継ぐ人(承継者)がいなくなった
- 医療・福祉が充実する都心部に人口が集中し、郊外にあるお墓に頻繁に出向けない
- 従来の宗教や檀家に対する考え方の変化、檀家離れ
- 管理費を払い続けなければならないなど、経済的な理由
代々受け継がれることが前提であるお墓は、承継する人がいなくなれば管理費が途絶え、遺骨は無縁仏となってしまいます。
また、お墓が郊外にあれば頻繁に掃除やお参りに行くことが難しく、管理が非常に大変です。
お墓の維持管理には少なからず費用が発生しますので、その費用を誰が払うか、負担も考えなければなりません。
更に現代では宗教や寺院に対する関心も薄れ、先祖の遺骨に対する考えは変化しつつあります。
このような背景から、墓じまいをし住まいの近くへの改葬や、管理の必要がない散骨などを考える方が増えています。
墓じまいの費用は誰が払う?
さて、墓じまいを考えたときに多くの方が気になるポイントとして費用を誰が払うかという点があげられます。
そこで墓じまいの費用負担について、誰が払うべきか、どのような選択肢があるかを詳しく解説します。
費用は継承者が支払う
お墓や遺骨は、一家の中で葬儀や法事などの祭祀(さいし)を取り仕切る祭祀主宰者(さいししゅさいしゃ)に継承されていきます。
祭祀主宰者は、前祭祀主宰者の指名によって選ぶことができるため、血縁者でなくてもなることは可能です。
以前は一家の長子(長男・長女)がお墓を継いでいくという考え方が一般的でしたが、現代はこの限りではありません。
墓じまいには多くの費用が発生しますので、誰がお墓を継ぐか、費用を誰が払うかは、家族ごとに考えが異なります。
ただ、現代においても一家の長子が家を継いでいくという慣習が残っているのは事実です。
そのため、一家の長男家族や長女家族が祭祀主宰者となり、費用負担も行う場合が多いでしょう。
血縁者が協力して支払う
墓じまいに発生する費用は、誰が払うべきか一概に決められるものではありません。
そのため、血縁者や親族間で協力して負担するという方法もあります。
民法ではお墓の継承者である祭祀主宰者は1人でなければならないという規定はありません。
兄弟姉妹がいれば話し合いを行い、兄弟全員で祭祀承継者となり、平等に費用負担しても良いでしょう。
また継承者を1人に決める場合も、費用負担が集中しないような配慮は必要といえます。
血縁者・兄弟姉妹などでよく話し合い、家族にあった形を選択しましょう。
故人が支払う
故人が自身の代で墓じまいを考えているなどの際は、墓じまいの費用を遺している場合もあります。
お墓を継いでいくことは、少なからず子ども世代に金銭的な負担が発生します。
子孫がお墓を継ぎ、管理、供養をしていくことが従来の考え方でありましたが、現在は子どもをもたない世帯も増えています。
お墓に関する故人の遺言や貯金が遺されていないか確認すると良いでしょう。
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墓じまいの費用相場と内訳
墓じまいにかかる費用
墓じまいは、お墓の撤去だけではなく、取り出した遺骨に対して適切な処理をするまでをさします。
お墓の撤去から遺骨の適切な処理までの総額は、30万円〜300万円が相場です。
費用の幅が大きい理由は、改葬による墓じまいも含めているからです。
改葬はお墓の引っ越しのことをさしますが、お墓を運ぶのにはそれなりの費用を要しますので、その分高くなってしまいます。
永代供養にしたり散骨したりすることで費用も抑えられますので、次項で紹介する内訳を参考に、遺骨の処理をどうするか考えると良いでしょう。
墓じまいにかかる費用の内訳
墓じまいは次の埋葬までの流れすべてをさしますが、次のお墓に埋葬せずに散骨等する場合は、お墓の撤去に関わる費用のみ必要です。
費用が必要となる作業は、お墓の撤去と閉眼供養が主な部分になります。
お墓の撤去にかかる費用
お墓の撤去費用は、1㎡あたり8万円から15万円とされています。
この撤去費用には、お墓の解体と更地に戻すための工費すべてが含まれます。
立地や墓地の方針などによって費用は変動しますので、事前に確認しておくと良いでしょう。
一般的に建てられるお墓は1.5㎡未満ともされており、1.5㎡であれば12万円〜22万円程度になります。
墓石の大きさや材質でも変動する可能性がありますので、上記の金額を参考程度に考えてください。
閉眼供養のお布施
閉眼供養は、お墓に宿る故人の魂を抜く儀式です。
仏教であれば、墓石に加工する場合は閉眼供養が必要とされており、それは撤去においても例外ではありません。
閉眼供養は僧侶に読経を依頼する儀式となり、お布施を用意する必要があります。
お布施に明確な金額が定められていることはありませんが、墓じまいの閉眼供養では3万円〜10万円が費用相場です。
寺院によってお布施の相場も変わりますので、不安な方は直接僧侶や寺院に確認しておくことをおすすめします。
確認する際にそのまま聞くと明確な答えを聞けない場合もありますので、他の家庭がどの程度渡しているかなどと、遠回しに聞くほうが良いでしょう。
離壇料
離檀料は、菩提寺の壇家から外れる際に支払うお金です。
家庭の所有するお墓がひとつしかなく、そのお墓を墓じまいする場合は離檀することも少なくありません。
そのため、墓じまいの際に離檀料を支払うこともあるでしょう。
離檀料の費用相場は5万円〜20万円とされています。
しかし、離檀料は菩提寺に対するこれまでの感謝の意味を込めて渡すお金にもなりますので、お布施に近い考え方を
します。
お布施同様に金額が明確化されていない墓地や寺院もありますので、遠回しに確認すると良いでしょう。
改葬における墓じまいでは、新しい埋葬先の費用も必要となりますので、改葬時に必要な費用については次項でご紹介します。
改葬する場合にかかる費用
改葬は、いわゆるお墓のお引越しのことで、既存の埋葬地から新しい埋葬地に遺骨を移動させることをさします。
故人の眠らないお墓は墓地の敷地を使いますので、遺骨を取り出したお墓は撤去しなければならず、この場合も墓じまいとします。
新しい埋葬地では新しいお墓を建てなければなりませんので、そのお墓の分の費用が別途必要になるのです。
改葬において新しいお墓を建てる際の費用の内訳をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
納骨にかかる費用
お墓に納骨する際は、墓地に納骨を依頼することとなります。
納骨作業にも費用が必要で、故人ひとりあたり1万円〜3万円が費用相場です。
墓じまいして改葬する場合には、取り出した遺骨の人数分の納骨費用が必要ですので、人数が多ければ費用が高くなることも覚えておきましょう。
墓石の運搬にかかる費用
改葬では、元の埋葬地から新しい埋葬地まで、故人が眠っていたお墓を運びます。
お墓のどの部分まで運ぶのか、お墓の大きさや運搬距離などによって費用は大きく変動しますが、費用相場は20万円〜80万円です。
納骨費用も含めてセット料金を提示している石材店もありますので、詳細については事前に確認しておくと良いでしょう。
また、元のお墓を処分して新しいお墓を建てる方法もあります。
この場合は、お墓の処分費用と新しいお墓の費用も必要となるため、さらに高額な改葬費用を用意しなければならないので、十分注意してください。
開眼供養
開眼供養はお墓に魂を入れる儀式のことです。
お墓を撤去する際に閉眼供養で抜いた魂を、新しい埋葬地で再度お墓に戻します。
開眼供養も僧侶に依頼して読経してもらいますので、お布施を用意しなければなりません。
開眼供養の費用相場は3万円〜5万円で、寺院によって異なります。
こちらのお布施についても、確実な費用を知りたい場合は直接寺院に確認することをおすすめします。
墓じまいの費用が払えないときの対処法
墓じまいをするタイミングとして、合祀として他の方と一緒に埋葬する場合や、改葬する場合、家族のお墓が別々だったときに統合する場合などがあります。
この中でも、合祀するために墓じまいするケースは、今後の管理が困難になったことが原因であることがほとんどです。
その場合、墓じまいをしなければならないにもかかわらず、墓じまいの費用を支払うだけの余裕がないことも少なくないでしょう。
墓じまいしなければならないのに支払いが厳しい場合の対処法を、いくつかご紹介します。
家族に相談する
最初に頼るべきなのは、信用できる家族や親族です。
墓じまいしなければならない現状と、支払いに困っている現状を正直に話して、支援してもらえないか相談してみましょう。
墓じまいも大切な儀式となりますので、理解のある家族なら対応してもらえる可能性も十分にあります。
注意点として、あまり仲の良くない親族に相談するのはおすすめできません。
不要なトラブルに発展する可能性もありますので、仲のいい親族や家族に相談するようにしましょう。
自治体の補助金を利用する
自治体によっては、特定条件下に限り葬儀やお墓に関する費用トラブルを解消するため、補助金または助成金を用意している場合があります。
対応している自治体であれば、墓じまいしなければならないにもかかわらず、そのお墓の所有者に支払い能力がないと判断した場合に限り補助金を得られます。
墓じまいの費用に困っている場合は、一度自治体に確認を取ってみると良いでしょう。
メモリアルローンを使う
メモリアルローンは、仏具やお墓関連の購入や契約時に利用できる、専用のローンです。
すぐにお金が支払えないだけであれば、このメモリアルローンを利用することで一時的に費用を支払うこともできます。
メモリアルローンには与信審査があるうえ、そもそもメモリアルローンを利用できる環境ではない可能性もあります。
メモリアルローンを使おうと考えている方は、事前に相談しておきましょう。
墓じまいにかかる費用を抑えるコツ
墓じまいが思ったより高くて支払えない方は、必要な費用を抑えることを考えてみるのをおすすめします。
費用が抑えられれば、その場限りの対策でしかないお金を借りる行為もしなくて良いので、根本的な解決にもなります。
費用を抑えるコツをいくつかご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
家族で協力して費用を負担する
自分ひとりで支払おうとするから、費用が厳しく感じます。
故人は自分ひとりの故人ではありませんので、故人のことを大切に思っている家族や親族に相談して、一緒に費用を負担することも大切です。
ひとりで無理に支払う必要はありませんので、一度家族や親族と相談してみてはいかがでしょうか。
お墓の解体業者の見積もりをする
お墓の撤去は、業者に依頼するケースもあります。
業者にお墓の撤去を依頼する際は、必ず見積書を出してもらいましょう。
特に、複数社に見積もりを出してもらうことで、より安価な撤去を依頼することもできます。
注意点として、安いからといって安易にその業者を選ばないことです。
電話や対面時のスタッフの対応、見積書の内容が明確かどうかなどを考慮し、信用できると判断した業者から選ぶことをおすすめします。
改葬先が安いところを選ぶ
改葬を考えている方は、改葬先を検討し直してみるのも良いでしょう。
運搬距離が長ければ費用も高くなりますので、元の埋葬地から近い場所を選ぶのもおすすめです。
また、同じような場所にあっても、その詳細費用が異なることもありますので、改葬先の近くの墓地をいくつか確認してみるのも良いでしょう。
場合によっては、改葬自体を諦めることも考慮したうえで、さまざまな面から判断してみてください。
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よくある質問
墓じまいの費用は誰が負担する?
墓じまいの費用は、基本的に墓の所有者が負担します。
手続き等は所有者に委ねられるだけなので、必要に応じて複数名でお金を集めて支払うのもおすすめです。
墓じまいの費用はいくらくらいかかる?
墓じまいの費用相場は30万円〜300万円です。
墓じまいの理由によって大幅に費用が変わり、改葬であれば改葬先との距離によっても変動しますので、熟慮したうえで墓じまいを検討することをおすすめします。
墓じまいの費用が払えないときはどうしたらいい?
墓じまいの支払いが厳しい場合は、まず身内に相談してみましょう。
家族や親族にお金を借りたり負担してもらえたりするようであれば、安全に支払うこともできます。
メモリアルローンや自治体の補助金などもありますので、それらについて調べてみることもおすすめです。
墓じまいの費用は誰が払うまとめ
ここまで墓じまいをの際、その費用は誰が払うかについて解説してきました。
本記事をまとめると、以下のようになります。
- 墓じまいで最も大切なのは、遺骨の行方と供養について親族でよく話しあうこと
- 費用について誰が払うべきか、決まった形はない
- 墓じまいした後の遺骨は、納骨堂や散骨、手元供養などいくつかの選択肢がある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
田中 大敬(たなか ひろたか)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴15年以上。葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから著名人や大規模な葬儀までを経験。お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、特に士業や介護施設関係の領域に明るい。