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お寺で遺品供養(お焚き上げ)する方法とは?供養別の費用も解説
更新日:2022.05.17 公開日:2022.04.30

記事のポイントを先取り!
- 遺品供養とは魂を抜いてから処分すること
- 遺品供養はお寺などでのお焚き上げが一般的
- 遺品供養は遺族の心
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- お寺で遺品供養について
- 遺品供養とは
- お寺で遺品供養する方法
- お寺で遺品供養する際の供養別の費用
- 遺品供養が必要なものと不要なもの
- お寺以外で遺品供養をする方法
- 遺品供養が必要な理由
- 郵送型の遺品供養(お焚き上げ)サービスとは
- お寺で遺品供養のまとめ
お寺で遺品供養について
大切な身内を亡くした後、遺族の手元には生前に故人が愛用していた品々が残ります。
もう使うこともないと思われる品があっても、ゴミとして廃棄するのは忍びないと感じる方も多いでしょう。
そこでこの記事では、お寺での遺品供養について詳しく説明していきます。
遺族が気持ちを整理するきっかけにもなるため、この機会に覚えておきましょう。
後半では遺品供養が不要またはできない品も解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
遺品供養とは
日本では古くから万物に魂が宿るという考えから、不用品に対しても労をねぎらう慣習があります。
有名なものでは針供養や人形供養がありますが、遺品供養も同様の行いです。
遺品供養とは
遺品供養とは、遺品に宿る魂を抜いた後に処分することをいいます。
故人の思いがつまった遺品はどれも捨てがたいですが、すべて残しておくわけにはいきません。
そのため四十九日や一周忌・三回忌の法要を済ませたタイミングで、遺品整理を行う方が多いようです。
ただし、故人がアパートなどで一人暮らしだった場合は、部屋の明け渡しの関係から早急な対応が必要となります。
遺品整理で不要と判断された品々も、ゴミとして廃棄するのは気がとがめると感じる方も多いでしょう。
こういった遺族の心理的負担を軽減する方法の一つに、お寺などでのお焚き上げがあります。
お焚き上げとは
神社の神職による祝詞や、お寺の僧侶による読経をもって、遺品に宿った魂を抜いてから浄火で焼き尽くす行事です。
いわば遺品の火葬と考えると、遺族の方も理解しやすいかもしれません。
お焚き上げと聞くと神社やお寺で小正月に行われる「どんど焼き」のイメージが強いかもしれませんが、正月以外にもお焚き上げを行っている神社仏閣もあります。
お寺で遺品供養する方法
お寺に遺品供養を依頼する方法には、主に合同供養と現地供養の2つがあります。
遺品の大きさや重さによって、どちらを選ぶか判断すると良いでしょう。
合同供養
お焚き上げを行っているお寺に遺品を搬入し、他の方々が持ち込まれた品と一緒に供養する方法です。
遺族自身がお寺に持ち込む必要があるため、家具などの大きな品には適しません。
時間が取れない場合は、お焚き上げ業者に依頼する、または宅配便などで遺品を送付するなどの方法もあります。
郵送でのお焚き上げに対応していないお寺もありますので、事前の確認が必要です。
現地供養
お寺の僧侶が故人の住まいを訪れ、現地での読経によって遺品を供養する方法です。
遺族が遺品をお寺に持ち込む必要がないため、家具などの大きなものがあっても問題ありません。
遺族だけで大きく重い荷物を搬出するのは困難なので、供養後の処分については遺品整理業者などに依頼したほうが無難です。
お寺で遺品供養する際の供養別の費用

遺品供養の費用は、お焚き上げを依頼するお寺によって異なりますが、遺族に大きな負担がかかるほどの金額ではありません。
供養方法ごとの費用相場について、以下に紹介します。
合同供養
遺族自身で遺品をお寺に搬入する場合、無料でお焚き上げしてもらえるお寺もあります。
またお焚き上げ業者や遺品整理業者に依頼するケースでも、費用は3,000円~1万円程が相場です。
現地供養
僧侶を招いて遺品供養してもらう場合の費用相場は、2万円~7万円程となっています。
宗派や寺格によって費用は異なるので、菩提寺などに確認しておくと安心です。
個別供養
お寺に遺品を持ち込むケースでも、個別に供養を依頼する場合は2万円~7万円程が相場となります。
合同供養にくらべ費用が高めになるのは、やむを得ないでしょう。
お焚き上げ
お焚き上げ業者に依頼した場合の費用は遺品の量によって異なりますが、3,000円~1万円程のケースが多いようです。
遺品供養が必要なものと不要なもの

故人が残したものはすべて遺品となりますが、供養が必要な品と不要な品があります。
遺品供養を行う前には、遺族による仕訳が必要です。
以下に目安を紹介します。
遺品供養が必要なもの
遺品供養が必要なものには以下のようなものがあります。
- 仏壇や神棚、仏具や位牌
- 写真
- 故人が使っていた食器
- 衣類や寝具
- 趣味のものや愛用していたもの
生前、故人が大切に愛用していたものには故人の魂が入っていると考えて遺品供養をするのが好ましいでしょう。
故人が管理していた仏壇や位牌などの仏具は、開眼供養により「魂入れ」が行われているので、処分する前に僧侶などによる閉眼供養が必要です。
中でも位牌に関しては、菩提寺に引き取ってもらうのがベストです。
また神棚は神様が宿る場所であるため、神社に持ち込み、祈祷後にお焚き上げしてもらったほうが良いでしょう。
遺品供養が不要なもの
遺品供養は故人の愛用品のうち処分する品に対して行うものなので、遺族が引き継ぐ品については必要ありません。
特に故人から受け継いで欲しいと言い残された品は、できるだけ処分せずに使用してあげたほうが供養になるでしょう。
また趣味に関するコレクションなどは、遺族にとって価値を感じないものでも、世間では高額で取引されるような品もあります。
こういった品については、価値の分かる専門の業者に買い取ってもらったほうが故人も安心でしょう。
遺品供養ができないもの
遺品供養においては、原則的に供養できないものはありません。
しかし、引火性の高い品や焼却時に有毒ガスが発生する品については、お焚き上げはできません。
また家電リサイクル法に関わるような大型家電も、お焚き上げの対象外です。
法に触れる可能性のある遺品として、代表的なものに刀剣類がありますが、登録証の有無によって扱いが異なります。
登録証があれば都道府県の教育委員会に届け出て、所有者の変更や、博物館などへの寄贈が可能です。
もし登録証が見当たらない場合は「銃刀法」違反に当たる場合もあるので、管轄の警察所に連絡を入れましょう。
お寺以外で遺品供養をする方法
遺品供養の方法として代表的なのは神社仏閣でのお焚き上げですが、供養の方法は他にもあります。
参考として、いくつかの方法を以下に紹介します。
自分で供養する
遺品が少ない場合は、遺族が自分で供養する方法もあります。
- 遺品を白無地の紙または布の上にまとめる
- 遺品に対して合掌し「ありがとうございました」と労う
- お浄めとして塩を振りかける
- 紙または布で包み単独でゴミ袋に納める
上記のような方法で供養すれば、あえて燃やす必要はありません。
葬祭場・お焚き上げ業者
遺品供養やお焚き上げは、葬儀社やお焚き上げ業者に依頼することも可能です。
自分で遺品を処分するのは気が重いという方は、搬出からお焚き上げまで一括して業者に任せられます。
費用は掛かりますが、遺品供養に肉体的・心理的な負担を感じる方は、利用を検討しても良いでしょう。
遺品整理業者
遺品整理業者の中には、遺品整理・遺品供養・お焚き上げ・処分を一括して請け負う業者も少なくありません。
どうにも遺品の整理や処分をする気になれない、すべてを業者に一任したい方にとっては便利なサービスです。
遺品供養が必要な理由
遺品供養は法律的にも宗教的にも、必須となる作業ではありません。
にもかかわらず、費用をかけてまで遺品供養を希望する方が多い理由は何でしょうか?
遺品供養が必要な理由
遺族にとって大切な身内の死を受け入れることは容易ではありませんが、残された遺族は生きていかなければなりません。
どこかのタイミングで立ち上がり、前に向かって進み始める必要があります。
亡くなった方の遺品を整理して供養することは、そのための良いきっかけになるでしょう。
故人との思い出の詰まった遺品を、ただのゴミとして処分することに抵抗を感じるのは当然です。
しかし遺品を供養してお焚き上げを行えば、少しだけ心が軽くなる可能性もあります。
遺品供養をしない場合
実際には、遺品供養を行わなくても物質的な損害は生じません。
しかし遺品をゴミとして処分した後で、何かよくないことが起きた場合はどうでしょう?
「遺品を粗末に扱ったせいでバチが当たった」と考えてしまう方は、遺品供養を行っておいたほうが良いでしょう。
郵送型の遺品供養(お焚き上げ)サービスとは
遺品供養を行いたくても、何らかの理由から自分でお寺に持ち込むことが難しい方もいるでしょう。
しかし遺品を段ボールに入れて郵送するだけで、お焚き上げによる遺品供養を行ってくれるサービスがあります。
自分で箱詰めする必要がありますが、すべてを遺品整理業者に依頼するよりかは費用負担が少なくてすみます。
郵送による遺品供養は遺品の量によって費用が異なり、相場はおおむね以下の通りです。
- レターサイズ:3,000円~5,000円+送料
- 段ボール箱の縦・横・高さの総計が100㎝以内:5,000円~8,000円+送料
- 段ボール箱の縦・横・高さの総計が120㎝以内:8,000円~1万円+送料
- 段ボール箱の縦・横・高さの総計が160㎝以内:1万円~1万5,000円+送料
お寺で遺品供養のまとめ

ここまで遺品供養の意味やお寺での供養方法などを中心にお伝えしてきました。
まとめると以下の通りです。
- 遺品供養は故人の供養とともに遺族のための作業
- 遺品供養の方法はお寺などでのお焚き上げが一般的
- 故人の愛用品を処分する場合は遺品供養したほうが良い
- 遺品供養は必須ではないが、心理的負担の軽減に役立つ
- 遺品を段ボールに詰めて郵送するだけで遺品供養されるサービスもある
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者

山口 隆司(やまぐち たかし)
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。