お墓
塔婆代の渡し方はどうすれば良い?渡す際の注意点についても紹介
更新日:2023.11.21 公開日:2022.03.02

記事のポイントを先取り!
- 塔婆代は、塔婆を作成してもらうお礼に寺院に渡すお金
- 僧侶に渡すお布施とは異なるため別で包む
- 塔婆代の渡し方は基本的にはお布施と一緒
塔婆代は塔婆を作成する際の代金ですが、その渡し方についてご存知でしょうか。
塔婆代の入れ方や渡し方、渡す際の注意点について知っておきましょう。
そこでこの記事では、塔婆代の渡し方について詳しく説明していきます。
この機会に、塔婆代の渡し方を覚えておきましょう。
複数人での塔婆代の渡し方などについても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。

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塔婆とは
塔婆(とうば)とは卒塔婆を略したもので、追善供養のためにお墓の後ろに立てる縦長の木の板のことです。
お釈迦様の遺骨を納めるストゥーパという仏塔が起源となっています。
仏教では、塔婆を建てることは追善供養になるといわれています。
追善供養とは、年忌法要で故人様を供養する善行を行うことで、その善行が故人様の善行になり、極楽浄土に近づくといわれています。
また、行った善行は、最後には自分に帰って来るというものです。
塔婆の形はただの縦長の板ではなく、一番上がとがっていて左右が凹凸になっています。
これは五重塔が基になっており、くぼみごとに上から順に「空」「風」「火」「水」「地」を表現したものです。
この五つは「五大」と呼ばれ、仏教ではこの5つによって人間が生かされているといわれています。
塔婆に書かれている内容は宗派によって異なります。
一般的には「戒名」「没年月日」「経文(きょうもん)」「梵字(ぼんじ)」「施主名」「供養年月日」の6項目が書かれています。
また、仏教の中でも浄土真宗では塔婆を必要としません。
浄土真宗の考え方は「他力本願」といって、「南無阿弥陀仏を唱えればどんな方でも極楽浄土へ行ける」というものです。
そのため追善供養が必要なく、追善供養を目的とする塔婆も必要ありません。
塔婆代はいくら必要?

塔婆代とは、塔婆に戒名や経文などの必要事項を書いてもらったことへのお礼に「寺院」に渡すお金のことです。
読経などのお礼に「僧侶」に渡すお布施とは異なります。
値段が決まっておらず、包む側のお気持ちで金額を決めるお布施とは異なり、塔婆代は値段が決まっている場合がほとんどで、1本あたりの相場は3000~5000円ほどです。
ただし、地域や宗派によって異なるものなので2000円ほどの場合もあれば、1万円ほどする場合もあり、金額には幅がありますので注意しましょう。
寺院のホームページに塔婆代の記載がある場合も多いため、塔婆代を渡す寺院のホームページを事前に確認しておく必要があります。
ホームページに載っていない場合には、寺院に問い合わせても失礼にはあたりません。
特に決まった塔婆代がない場合には、包む側で金額を決めることになりますが、4と9の付く金額は忌み数字となるため避けましょう。
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塔婆代の渡し方
塔婆代の渡し方にはいくつかのマナーがあります。
失礼にならないよう、ぜひ覚えておきましょう。
塔婆代の入れ方
塔婆代は、お布施と同様に奉書紙(ほうしょがみ)または白無地の封筒に入れます。
奉書紙とは、楮(こうぞ)という木を原料とする厚手の純白な高級紙です。
正式な渡し方は、半紙でお金を包んでから奉書紙で再度包んで僧侶にお渡しします。
しかし、現在では封筒を使用する方がほとんどで「御塔婆料」と印刷された封筒も販売されているため、そちらを使用しても問題ありません。
表書きには中央よりやや上に「御塔婆料」と記載します。
「卒塔婆料」や「卒塔婆代」または「塔婆代」と記載しても問題ありません。
裏書には、包んだ方のフルネームと住所を記載します。
住所は、雑な印象を与えないように略さずに記載しましょう。
中袋には塔婆代を入れて、大字を用いて包んだ金額を記載します。
大字とは「壱」「弐」「参」「伍」といった旧字のことで、改ざんを防ぐために昔から使用されています。
2000円であれば「金弐阡圓」、1万2000円であれば「金壱萬弐阡圓」といった書き方がマナーになります。
お札の入れ方は、お札の顔側が中袋の上側になるように入れます。
また、お札を数枚包む際にはすべて同じ向きで入れましょう。
中袋がなく、お札を直接封筒で包む場合には封筒の口は必ず締めます。
渡し方
塔婆代を渡す際には、袱紗(ふくさ)に包んでおいた塔婆代を僧侶に渡す直前に、広げた袱紗の上に置き、僧侶に差し出す形で渡します。
袱紗とは、不祝儀袋の破損や汚れを防止するための布のことで、袱紗に包んで渡すことが相手への礼節になります。
袱紗の色は、弔事の際に使用する紫やグレーといった寒色にしましょう。
渡すタイミングは、法要を終えた際に僧侶への挨拶をしながらお布施と一緒に渡します。
法要のタイミングではなく、改めて別の機会に塔婆を作ってもらう場合には、塔婆を受け取りに行く際に塔婆代を渡しましょう。
塔婆代を包んだ方が施主と異なる場合でも、ご遺族を代表して施主が僧侶に渡すようにします。
塔婆代の渡し方の注意点

塔婆代の渡し方には、いくつかの注意点があります。
この機会にぜひ覚えておきましょう。
お布施とは別に渡す
塔婆代とお布施は同じタイミングで渡しますが、内容が異なるため別々の封筒に包むのが一般的です。
地域や宗派によっては、塔婆代とお布施を同封しても良いとしているところもありますが、
僧侶が中身を確認した際に分かりにくいため、別々に包んだ方が親切です。
新札や濃墨を使う
葬儀での香典は「急な訃報で新札を用意できなかった」という意味で旧札を使用するのがマナーですが、塔婆代は喪中ではないため新札を使用するのが一般的です。
墨に関しても同様で「悲しみの涙で文字が滲んでしまった」という理由で薄墨を使用する香典とは異なり、塔婆代では濃墨を使用するのが一般的です。
この際、墨と筆を用意することが難しい場合には、筆ペンを使用しても問題ありません。
ただし、ボールペンや万年筆の使用は失礼に当たりますので控えましょう。
袱紗がない場合は切手盆を使う
塔婆代を包む袱紗がない場合には、切手盆を使用します。
切手盆とは、冠婚葬祭で祝儀袋または不祝儀袋を渡す際に使用する、漆塗りのお盆のことです。
もともとは大きいサイズの広蓋(ひろぶた)が使用されていましたが、大きすぎることが理由で、小さめの切手盆が作られました。
当初は広蓋を簡略化したものが切手盆とされていましたが、現在では切手盆の方が一般的となっていますので、広蓋ではなく切手盆の用意で問題ありません。
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複数人での塔婆代の渡し方
塔婆の枚数は、故人様おひとりに対して必ず1枚でなければいけないというわけではありません。
施主以外の方が塔婆を立てることもできます。
複数人で塔婆を立てる際に、塔婆を立てる方々がそれぞれに申し込みや塔婆代を支払うのは失礼に当たります。
複数人で塔婆を立てる場合には、施主が事前に塔婆を立てる人数を確認し、塔婆を立てる方の名簿を作成して申し込みましょう。
塔婆代においても、施主が人数分の塔婆代をまとめて僧侶に渡すのがマナーになります。
もしくは、塔婆代に記載する名前を施主のフルネームにするのではなく「○○家」と記載して、人数分の塔婆代を僧侶に渡します。
塔婆はネットからも注文もできる
一般的に塔婆の注文の際には、依頼する寺院に直接問い合わせてその指示に従う形になります。
以前は電話で問い合わせる方法が一般的でしたが、現在はメールなどのSNSや問い合わせフォームの利用が主流で、時間を問わずに問い合わせることが可能です。
塔婆を作成する際には、戒名や経文などの伝えなければならない情報が多くあります。
そのため、間違えやすい口頭での依頼よりも申し込み用紙やSNSの利用など、文字として依頼内容を残す方法が主流となってきています。
その他、ネット通販で購入することも可能です。
ネット通販での購入は相場よりも安価で購入することが可能ですが、印刷代は別途であることがほとんどのため注意しましょう。
申し込み用紙やSNSの利用、ネット通販での購入時の支払いは、現金書留の郵送や銀行振り込みなどになります。
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塔婆は何回忌まで必要?
塔婆は一般的に、弔い上げとなる五十五回忌まで必要といわれています。
仏教では決められた年に年忌法要を行い、故人様の追善供養とします。
その年忌法要の最後が五十五回忌とされており、塔婆も弔い上げの五十五回忌まで必要です。
その際「梢付き(うれつき)塔婆」という種類の特別な塔婆へ変更します。
梢付き塔婆は、枝葉がついたままの木の下を削りそのまま使用する塔婆で「生木塔婆」とも呼ばれます。
また、梢付き塔婆に使用される木は、古くから神聖な木とされてきた杉の木であることが多く、このことから「杉塔婆」と呼ばれることもあります。
梢付き塔婆に使用される木は地域や寺院によって異なり、柳の木や松の木が使用されることもあります。
また、弔い上げの場合にも通常の板塔婆を使用する場合もあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。
また、近年で五十五回忌まで年忌法要を行うご遺族も少なくなってきています。
弔い上げの時期や梢付き塔婆に変更するかどうかについては、ご家族同士でも話し合うと良いでしょう。
塔婆代の渡し方まとめ
ここまで塔婆代を渡す際の情報や、塔婆代の相場を中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 塔婆代とは、塔婆を作成してもらうお礼に渡すお金のこと
- 渡し方は基本的にお布施と一緒だが、お布施とは別々に包む
- 塔婆代は喪中ではないため、新札に濃墨を使用する
- 複数で塔婆を立てる場合には、施主がまとめる
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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監修者

山口 隆司(やまぐち たかし)
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。
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