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遺品供養のために行なうお焚き上げとは?依頼先や注意点について紹介
更新日:2022.04.23 公開日:2022.04.05

記事のポイントを先取り!
- ・お焚き上げとは遺品を感謝の気持ちを込めて処分する儀式のこと
- ・お焚き上げする際には神社やお寺に遺品を持参したり郵送する
- ・遺品整理するタイミングとして多いのは四十九日法要後
遺品の中には故人との思い出が詰まったものもあるため、大切に扱いたいものですが、遺品供養についてはご存じでしょうか。
遺品を供養することで故人の供養にも繋がるとされています。
そこでこの記事では、遺品供養のお焚き上げの方法や注意点について説明していきます。
この機会に遺品供養の依頼先や流れについて覚えておきましょう。
お焚き上げ以外の遺品供養についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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お焚き上げとは
そもそもお焚き上げとはどういったものなのか紹介します。
お焚き上げとは、遺品整理した結果不要となった故人の所有していたものなどを感謝の気持ちを込めて処分する儀式のことです。
日本では古くから物には命が宿ると考えられているため、故人の大切にしていた遺品にも故人の魂が宿っていると考えられています。
それをそのまま捨ててしまうのには抵抗がある人も多く、お焚き上げによって清めることで故人の供養にも繋がるとされています。
お焚き上げには2通りの方法がある

お焚き上げの方法には、種類があります。
それぞれの方法について以下で説明していきますので、参考にしてください。
合同供養
合同供養とは、他の遺品などと一緒にまとめて供養する方法のことです。
寺院や神社に遺品を直接持ち込むか郵送するなどして供養していただくことになります。
月に1回など、定期的に合同供養している寺院もあります。
お焚き上げをしているかどうかや、実施の時期については、各寺院によって異なるので事前に調べておくことをおすすめします。
神社でも定期的に合同供養しているところもありますが、多くはお守りやお札、破魔矢などの神社に関連するものだけが対象になるようです。
神社によって遺品も取り扱ってもらえることもあるので、直接相談してみるといいでしょう。
個別供養
寺院や神社によっては、個別に供養を受けられるところもあります。
あらかじめ連絡してスケジュールを調整しておきましょう。
供養する遺品については、寺院に当日持ち込むか、事前に郵送する必要があります。
寺院によって、当日に持ち込みした場合にも受け付けてもらえるところもありますが、あらかじめ問い合わせておく方がいいでしょう。
お焚き上げはどこに依頼する?

実際に遺品をお焚き上げをすることになった際に、どこに依頼すればいいのか紹介していきます。
以下を参考にして自分に合った方法でお焚き上げを依頼してみてください。
神社やお寺に持っていく
最も一般的な方法として、神社やお寺に持参することです。
この方法のメリットは、費用を抑えられる点で、費用は感謝の気持ちとしてお納めする形となります。
神社やお寺は特別な空間になりますので、遺品をお焚き上げすることで遺族本人がご利益を得ることもできます。
一方のデメリットは、お焚き上げで引き受けてもらえないものがあることです。
例えば、燃やすことで有毒ガスが発生してしまうようなものはお焚き上げできないようです。
また、近年では環境問題に配慮して、お焚き上げする神社や寺院は少なくなってきています。
さらに、受付時期が正月明けの参拝者が多い時期などに限られてしまうことなどもデメリットの1つと言えるでしょう。
遺品整理業者に依頼する
遺品整理業者にお焚き上げを依頼する方法もあります。
多くの業者では遺品整理サービスの中の1つに合同供養も含まれています。
希望する場合は、個別供養もオプションなどで引き受けてもらえるケースもありますので、まずは相談してみることをおすすめします。
遺品整理業者に依頼するメリットは、寺院や神社などで断られてしまった遺品でも受け付けてもらえることが多い点です。
また、対応時期に関しても柔軟に引き受けてもらえることが多いようです。
デメリットとしては、寺院や神社で依頼した場合と比べると、費用が高くなる傾向にある点です。
お焚き上げの費用相場

お焚き上げの意味合いや依頼場所が理解できたところで、気になってくるのは費用の面だと思います。
ここからはお焚き上げの際の費用相場について紹介していきます。
合同供養の場合の相場としては、費用は5,000円程度が多くあります。
故人の生活していた家に出向く現場供養の相場は2万円程度で、安いところであれば1万円程度で供養してもらえるところもあるようです。
供養箱で供養する場合の費用相場は、箱のサイズが40×30×25cmの場合は13,000円程度です。
供養袋で供養する場合の費用相場は、18,000円程度になります。
費用は地域や依頼する遺品の量や遺品の種類によっても異なりますので、詳しくは依頼先に直接確認することをおすすめします。
お焚き上げ可能な遺品
次にお焚き上げが必要な遺品について紹介していきます。
明確にお焚き上げが必要だと決められているわけではありませんが、以下の遺品はお焚き上げした方が故人にとっての供養にもなります。
- 身に着けていたメガネや補聴器、入れ歯、杖など
- 愛用していた寝具や本、人形、ぬいぐるみなど
- 故人が大切にしていた衣類やカバンなど
このように故人にとって思い入れのあるものや大切にしていたものをお焚き上げするといいでしょう。
スポンサーリンク遺品整理について
次に遺品整理について紹介していきます。
遺品とは故人が生前所有していたすべてのもののことです。
遺品整理とは、故人の持ち物を整理整頓して片付けたり、処分したりして家をきれいにすることです。
遺品は故人の思い出の詰まったものが多いため、遺品を整理することで故人を思い出し、悲しみがこみ上げてくるケースもあります。
遺品整理することで物理的に家がきれいになるだけでなく、故人の死を受容して遺族の気持ちを整理することにも繋がります。
遺品整理を行なうタイミング
遺品整理するタイミングとして多いのは、四十九日法要後が挙げられます。
四十九日法要までは、故人の魂は行き場所が決まっていないため、この世とあの世を行き来して、さまよっていると考えられています。
四十九日に、あの世で故人が審判を受け、行くべき場所へ旅立つことになります。
四十九日の法要後を忌明けとする場合も多く、お通夜や葬儀に法要などの慌ただしかった日々が一段落つくことになります。
そのため、このタイミングで遺品整理するケースが多いのです。
四十九日法要は故人やその遺族にとっても大切な儀式になりますので、親族が集まることがほとんどです。
親族が集まっている中で、遺品について話し合うことで納得のいく形で遺品整理を進められます。
掃除や片付けには時間や手間や体力が必要になります。
親族が多く集まっているこのタイミングで遺品整理をすれば、協力しながらスムーズに進めることにもつながります。
また、故人が賃貸物件で生活していたケースは、毎月家賃が発生します。
そのため、お葬式が終了したタイミングですぐに遺品整理して退去することも多いのです。
具体的には、亡くなった月の月末や翌月末までに遺品を整理するケースが多くあります。
すぐに遺品整理に取り掛かれない場合、そのまま家賃を払い続けていれば部屋を借りておくことは可能です。
ただし、契約内容や不動産会社によっては、住民が死亡した場合の退去期限が決まっていることもあります。
そのため、故人が亡くなられた際には不動産会社や家主、管理会社などに連絡して契約内容を確認しておくことをおすすめします。
遺品整理を行なう手順
次に遺品整理する手順について紹介していきます。
具体的な手順を知ることで、スムーズに遺品整理を進めていくことにつながりますので、ぜひ参考にしてください。
終了予定日から逆算して作業スケジュールを立てる
まずはスケジュールを決めていきましょう。
スケジュールを決めていくことで、効率よく作業がスムーズに進められ、目途が経っていくので、その後の予定も立てやすくなります。
計画を立てる際には、まずは終了予定日から逆算して大まかなスケジュールを決めていくといいでしょう。
その後、終了予定日までに終わらせるためには、どのように進めていけばいいのか細かな計画を立てていきます。
計画はより細かく、具体的な方が取り組みやすくなります。
必要なもの・不要なものを分ける
遺品整理するときには必要なものと不要なものに分けて分別していくと、スムーズに作業が進みます。
例えば以下のように分けます。
【必要なもの】
- 健康保険証
- 預金通帳
- 身分証明書
- 有価証券
- クレジットカードやキャッシュカード
- 印鑑
- 現金
【不要なもの】
- 家具
- 衣服
- 大型家電(テレビや冷蔵庫、洗濯機、エアコンなど)
- 古紙
- 金属類
迷った際には後日考えるようにしてもいいので、手を止めずに作業していくことが大切です。
不要なものを処分する
必要なものと不要なものに分けたあとには不要なものを処分していきます。
処分方法としては、ゴミとして出すほかにも買取業者に売ったり、最近ではフリマアプリやネットオークションを活用する人も増えています。
リサイクルショップを利用すると家電などは高額で引き取ってもらえることも多いのでまずは見積もりしてもらうことをおすすめします。
大量に処分したいものがある場合には、直接自宅に来てもらって鑑定してもらうという方法もあります。
形見分けを行う
遺品を仕分けした中で、故人の思い入れがあるもの、価値のあるものは故人と親しかった人たちで形見分けするといいでしょう。
形見分けする際には、引き取ってもらう相手の立場に立って考え、相手の負担にならないように考慮することが大切です。
お互いに無理のない範囲をよく話し合って決めていくといいでしょう。
形見分けする際には高価な遺品の場合、贈与税の対象になってしまう時もあります。
このような場合は、相手にとって負担になってしまうこともありますので、注意しましょう。
形見分けすることが多い遺品を以下にまとめます。
- 故人の身に着けていたアクセサリーなどの貴金属
- 着物などの衣類
- 趣味で集めていたもの
- 時計
- 書籍
お焚き上げ以外の遺品供養は?
最後にお焚き上げ以外の遺品供養について紹介していきます。
お焚き上げ以外の方法について知ることで、供養の幅が広がると思いますのでぜひ参考にしてください。
お清めの塩で供養する
遺品の品数が少ない場合は、自分で供養することもできます。
自分で供養する時は、お焚き上げのように火を使うものは危険なため、火を使わない方法をおすすめします。
以下に手順をまとめて紹介します。
①白い布や紙を用意してその上に遺品を置きます。
②遺品に手を合わせて感謝の気持ちを伝えて塩で清めます。
③遺品を白い布や紙で包みます。
④袋に入れて処分します。
このときに1番大切なことは、故人に感謝の気持ちを込めて遺品を整理することです。
遺品整理業者に頼む
遺品を供養している遺品整理業者に依頼する方法もあります。
不用品の回収はもちろん、遺品の供養まで行ってもらえるので、安心して任せられます。
料金については業者によって差が大きいので、まずは見積もりを出してもらい、予算に見合った業者に依頼することをおすすめします。
遺品供養のお焚き上げまとめ
ここまで、遺品供養のお焚き上げの方法や費用相場などを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 合同供養とは、他の遺品などと一緒にまとめて供養する方法のこと
- 合同供養の場合の相場としては、5000円程度のケースが多い
- 形見分けする際には相手の負担にならないように考慮することが大切
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者

田中 大敬(たなか ひろたか)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴15年以上。葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから著名人や大規模な葬儀までを経験。お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、特に士業や介護施設関係の領域に明るい。