お墓
お墓の移動ってどうするの?移動する方法や流れ・費用や注意点を解説
更新日:2022.05.24 公開日:2021.06.25

記事のポイントを先取り!
- お墓の移動には改葬許可申請書・埋葬証明書・受入証明書が必要
- お墓を移動するときは墓石解体費用・遺骨取り出し費用・離檀料などがかかる
- 墓石ごと移動する場合はさらに20万〜80万円かかる
現在、お墓を移動したいと考える方が非常に増えています。
お墓を墓じまいして移動することを、お墓の改葬といいます。
しかし、お墓の改葬に関して、
「多額の費用がかかってしまうのでは?」
「また複雑な手続きが発生するのでは?」
と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、お墓を移動する時の手続き、費用について詳しく解説します。
改葬手続きの流れや費用の内訳を知ることによってスムーズにお墓の移動をすることが出来ます。
ぜひ最後までご覧ください。

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- お墓を移動する理由とは
- お墓を移動する4つの方法
- お墓を移動する時に必要な書類
- お墓を移動する際の手続きと流れ
- お墓を移動する際にかかる費用
- お墓を移動する際に注意したいこと
- お墓を移動した時のお祝いについて
- お墓の移動についてのまとめ
お墓を移動する理由とは

お墓を移動したいと考える理由として
- お墓が遠くて、定期的にお参りに行けなくなった
- お墓の後継者がいなくなった
- 現在、墓地を管理している霊園やお寺に対して不満がある
などがあげられます。
少子高齢化社会の日本では、都心回帰の傾向があり郊外にあるお墓を定期的に手入れすることやお参りに行くことが難しくなってきました。
また、お墓は代々継いでいくことを前提としており契約者やその親族が管理する必要がありますが、管理する人がいなくなればお墓は荒れ果て、最終的に無縁墓となってしまいます。
無縁墓となるくらいなら、自宅近くのお墓に改葬したいと考えるのも当然です。
更に現在のお墓についての管理方法や、お寺に対して不満を抱く人もいます。
お墓を移動する4つの方法

お墓の移動には4つの方法がありますので、個々に解説していきます。
1.遺骨だけ全部移動させる
建立されている墓石を解体し、遺骨だけを別の場所へ移動させる方法です。
現在使用しているお墓の使用権を返還し、お墓から取り出したお骨は持ち帰るか、業者に委託し送骨の手続きをする必要があります。
その際の骨壺や骨箱は自分で用意する必要があり、新たな埋葬先での埋葬方法に併せたものを選ぶと良いです。
墓石の解体費用や、返還における手数料が発生する場合がありますので、事前に管理団体に確認することをおすすめします。
2.一部の遺骨だけ移動させる
お墓にある先祖代々の遺骨全てを移動させるのではなく、一部の遺骨だけを移動させる方法です。
この場合は、移動させない遺骨は現在の墓地の管理団体に永代供養を依頼する場合が多いようです。
その際の永代供養の規定や料金などは墓地を管理している霊園や管理団体に確認する必要がありますが、移動しない遺骨をそのまま引き続きお墓で供養を続ける場合はこの限りではありません。
3.遺骨を分骨する
遺骨の一部を分骨し、移動させる方法です。
お墓をそのままにして遺骨の一部だけ分骨するので、現在のお墓の使用権は維持され今後の管理料なども発生し続けます。
またその場合は、一般的な改葬の手続きは不要で現在の墓地の管理者に遺骨を分骨したい意志を伝え、「分骨証明書」や「収蔵(埋葬)証明書」(※分骨の表示があるもの)を発行していただき、分骨先に証明書をお渡しする必要があります。
4.遺骨・墓石を一緒に移動させる
今ある墓石ごと一緒に遺骨を移動させる方法です。
基本的な改葬の手続きは変わりませんが、受け入れ先の霊園や墓地に現在ある墓石が移動できるかを事前に確認する必要があります。
また、区画や墓石の状態によっては移動が難しい場合もあります。
もし受け入れ先の霊園や墓地で「受け入れ可能」とされた場合でも、石材店に現在の墓地の状態を確認していただき、移動する際の見積りを依頼するなど費用を含め総合的に判断するとよいです。
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お墓を移動する時に必要な書類
改葬するときに必要な書類を解説します。
遺骨1体につき、申請書や許可書は1枚必要となるため注意しましょう。
埋葬証明書
埋葬証明書は現在の墓地管理者より発行される書類です。
改葬元の墓地に遺骨が埋葬されてあることを証明する書類です。
改葬許可申請書
現在の墓地がある市区町村の役場や、ホームページからダウンロードして入手できます。
改葬許可申請書に必要事項を入手し、墓地管理者に提出して署名・烙印をもらいます。
署名・烙印をもらった改葬許可申請書は、再び自治体の役場に提出し、受理されると改葬許可証明書が発行されます。
受入証明書
移動先の墓地管理者より発行してもらいます。
遺骨の新しい受け入れ先を証明する書類です。
お墓を移動する際の手続きと流れ

では、実際にお墓を移動する際に必要な手続きと、流れを詳しく解説していきます。
1.現在の墓地管理者に改葬の意思を伝える
お墓の改装時には、現在の墓地管理者との協力はかかせません。
お墓を移動することが決まったら、速やかに現在の墓地管理者に相談・報告しましょう。
公営や民営の霊園ならば、事務的に対応してくれますが、先祖代々付き合いのある菩提寺などでは、改葬に対し難色を示される場合もあります。
新たな受け入れ先の契約をし、費用の支払いを済ませてからトラブルになっては大変です。
事前に相談しておくことで手続きをスムーズに行うことができます。
2. 移動先の墓地より受入証明書を発行してもらう
次に新たな墓地・霊園を決めましょう。
すでに決まっている場合は、新たな墓地の管理者に「受入証明書」を発行して頂きます。
もし改葬先の墓地・霊園が決まっておらず、受入証明書を準備できない場合は、自治体によっては改葬申請ができない場合があります。
3.改葬許可申請書の準備、役所に提出
次に自治体に提出する改葬許可申請書を準備します。
改葬許可申請書は、役所の窓口で入手するか、事前に自治体のホームページなどからダウンロードできる場合もあります。
必要事項を記入し、現在の墓地管理者より署名と烙印をもらいます。
その後、前項でご案内した「埋蔵証明書」と、新しい受け入れ先の「受入証明書」を添えて役所に改葬許可申請書を提出しましょう。
4.改葬許可証の発行・提出
改葬許可申請書や添付書類に不備がなければ、その場で改葬許可証を発行してくれる自治体もあれば、3日~1週間程度で自宅に郵送されてくる場合もあります。
また、書類の発行手数料は自治体によって費用が異なりますので事前に問い合わせるなどして料金を確認しておくと良いでしょう。
改葬許可証を入手したら、現在の墓地管理者に提出し、遺骨を取り出します。
5.遺骨の取り出し・閉眼供養
お墓から遺骨を取り出すとき、僧侶を招き、閉眼供養(魂抜き)をするのが一般的です。
お墓や仏像には魂が宿ると考えられているため、僧侶の読経がないままお骨を移動することは、墓じまいや改葬に携わる寺院はもちろん、石材店も良しとしないところが多いです。
遺骨を取り出したら、墓地を返還します。
6.移動先に改葬許可証を提出し遺骨を埋葬
新たな遺骨の受け入れ先である墓地などに改葬許可証を提出し、遺骨を埋葬(収蔵)していただきます。
この時も、新たな納骨先である墓地などに僧侶を招き、「開眼法要(魂入れ)」や「遷仏法要」をしていただきましょう。
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お墓を移動する際にかかる費用

お墓を移動する際は、現在遺骨を預けている場所でかかる費用と、移動先である新たな墓地等でかかる費用があります。
移動前にかかる費用内訳
遺骨の移動前にかかる費用としては以下があげられます。
内訳 | 支払先 | 費用 |
---|---|---|
墓石の解体費用 | 石材店 | 10万程度(1㎡あたり) |
閉眼供養のお布施 | 僧侶 | 1〜3万円 |
遺骨の取り出し費用 (同時に墓じまいする場合) | 石材店 | 3万円程度(1霊あたり) |
離檀料(離檀する場合) | 菩提寺 | 10万円程度 |
書類の発行手数料 | 自治体 | 無料〜数百円 |
書類の発行手数料は、自治体における「改葬許可申請書」や、墓地、寺院などから発行していただく「埋葬(収蔵)証明書」にかかるもので、自治体や墓地、お寺によっては無料で発行してくれる場合もあります。
墓じまいも一緒に進めていく場合は遺骨の取り出し費用が1霊3万円程度、墓石の解体費用などが1㎡あたり10万~50万円ほど必要です。
墓石の解体については石材店との打ち合わせになりますので、事前に見積りを依頼するなどして料金を把握しておきましょう。
移動先でかかる費用内訳
移動先でかかる費用は以下があげられます。
- 新たな墓地・納骨堂の使用料・管理費
- 墓石の建立費用
- 納骨時の開眼法要のお布施
内訳 | 支払先 | 費用 |
---|---|---|
改葬先の使用料・管理料 | 改葬先の管理者 | 数十万円 |
墓石代 (新しい墓石を建立する場合) | 石材店 | 120万〜150万円 |
埋葬費用 | 石材店 | 3万円程度 |
開眼供養のお布施 | 僧侶 | 1〜3万円 |
墓地の永代使用料は数十万円程度、墓石の建立費用は120万~150万円となります。
墓地の区画や建立する墓石の大きさ、種類によって金額は著しく変わります。
既に墓石の準備が出来ている場合や納骨堂などの場合は、納骨時の手数料(おおよそ3万円)はかからないことが多いです。
納骨する際は僧侶に依頼し「開眼法要」や「入仏法要」を行っていただくことが一般的で、お布施の相場は1万~5万円になります。
ただし、新たな納骨先がお寺の墓地や納骨堂である場合は基本的にそのお寺のしきたりに倣った納骨法要等が必要になりますので事前によく確認しましょう。
墓石の運搬・遺骨の移動費用
墓石ごと改葬する場合は、新たな墓地に墓石を運ぶ運搬費用が発生します。
運搬費用は20~80万円となりますが、もちろん自分で運ぶことも出来ます。
また取り出した遺骨の移動については送骨(そうこつ)を利用することも出来ます。
送骨とは、文字通り遺骨を送ることです。
現在、日本郵便のゆうパックのみ送骨が可能です。(他の宅配業者では取り扱いはできません。)
料金も一般的な荷物を送る際の送料と変わらず対応してくれますので、新しい受け入れ先で送骨の受付をしてくれるか確認し、許可を頂けたら送骨を利用するのも良いでしょう。
ただし、遺骨の輸送中に骨壺が割れるなどあっては大変ですので、緩衝材などで壺を保護するのと同時に、蓋が開かないようテープでとめておく必要があります。
移動作業を請け負う代行サービスもある
お墓の移動には、現在あるお墓の状態確認から新たな納骨先の相談、実際にお墓の移動までトータルで作業を代行してくれるサービスもあります。
ただし、こうした代行業者では改葬にかかる費用の実費の他に作業代行手数料が発生する場合がほとんどです。
作業の全てを代行していただく場合、30万円~50万円の代行手数料がかかり、自身で手続きを行うよりもかなり高額となります。
お墓を移動する際に注意したいこと

実際にお墓の移動を行う際に注意すべきポイントをいくつかご紹介いたします。
墓石を移動させる場合の確認
今使用している墓石をそのまま新しい墓地に移動する場合は、移動先の区画の広さに加え、墓地の管理者に「墓石ごと移動しても良いか」を確認する必要があります。
公営の墓地では石材店の指定もなく、受け入れてくれる場合もありますが、民間の霊園やお寺の墓地では難しい場合も多いので注意しなければなりません。
また各墓地の管理団体に許可を得ても、現在ある墓石が移動に耐えうるかなど、石材店に現状を確認してもらい移動距離と併せて詳細に見積もりを取ってもらうといいです。
遺骨の数と納骨スペース
新しいお墓の納骨スペースは十分にあるかを確認しましょう。
最近のお墓はカロート部分(納骨スペースの部分)がコンクリートで埋め立てられ、決して土には還らないお墓の構造となっていますが、古くからあるお墓は土の上に直接遺骨を撒いている場合もありますので確認してください。
そして、移動先のお墓で実際に必要な納骨スペースを考えましょう。
一部の遺骨のみを改葬したい場合は、残りの遺骨を永代供養するなどの方法もありますので、現在の墓地の状態と併せてお墓の管理団体に問合せてみると良いでしょう。
骨壷の取り扱い方
自身で遺骨を新たな埋葬先へ運ぶ場合は、骨壺の破損には十分注意が必要です。
骨壷の梱包方法
自身で運ぶ場合、移動の際に骨壺の蓋が開いてしまわないようにテープでとめ、骨壺全体に緩衝材を巻きつけてから、ダンボールや風呂敷などで更に覆います。
骨箱がある場合は、骨壺と骨壺の間にも緩衝材を入れ、骨箱の蓋も開かないようテープなどでしっかりとめておくと良いです。
移動の際はなるべく手に持って移動するのが1番ですが、複数の骨壺を車に積む場合などは骨壺同士が接触すると破損の原因になりますので、一つ一つ丁寧に緩衝材などで保護しましょう。
公共交通機関を使って移動する場合には、他の乗客への配慮として骨壺だとわからないよう風呂敷などでしっかり覆うことが大切です。
骨壷が割れてしまったら
また万が一、骨壺が割れてしまった場合は新しい骨壺を用意して遺骨を移し替える必要がありますので、その際の手順を紹介します。
- 新しい骨壺と、紺や黒など色の濃い大きめのタオルを用意します。
- 移し替える前に合掌しましょう。
- 白手袋や箸を用い、遺骨を丁寧に取り出し、全てタオルの上に置いていきます。
- 壺内の上部に納められていた遺骨、下部に納められていた遺骨は分けて置きましょう。細かいものは小さなちりとり等ですくい上げます。
- 新しい骨壺に、下に納められていた遺骨から順に納骨していきます。
- 最後に細かい遺骨をさらさらと納め、ふたを閉めて合掌しましょう。
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お墓を移動した時のお祝いについて

親族がお墓を移動した際、地域によってはお祝い金を渡す風習があります。
ご先祖様のお墓が新しくなったことへのお祝いですので、仏事ではありますがのし袋は紅白の祝儀袋を使用します。
のし袋の表書きは「建碑祝い」「建立祝い」(弔事が優先される法要の場合、表書きは「ご仏前」)とするのが一般的で、金額の相場は1~3万円です。
ただし改葬に伴い、新たに亡くなられた方の納骨も一緒に執り行う場合は弔事が優先となりますので、のし袋は黒白の不祝儀袋を使用します。
また、新たな墓石を建立していない場合や、もともと墓碑があるタイプ(集合墓や永代供養墓)に納骨する場合はお供え金を渡しましょう。
ただし、金額やお祝いをお包みする風習は地域によるところもありますので、その地域の習わしに詳しい親戚等に事前に確認するのが良いでしょう。
お墓の移動についてのまとめ

これまで、お墓の移動についての流れや、移動する際に注意するポイントなどを中心に紹介してまいりました。
今回の内容をまとめると以下のようになります。
- お墓を移動するときは改葬許可申請書や受入証明書、埋葬証明書などが必要
- お墓を移動する際には、移動前と移動後、運搬にそれぞれかかる費用がある
- 遺骨も含め、現在のお墓の状態を確認し、新しい受け入れ先の納骨スペースなども事前にしっかり確認する
これらの情報が、少しでも皆さまのお役にたてれば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。

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監修者

山口 隆司(やまぐち たかし)
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。
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