法名軸の置き場所は？法名軸が置けない場合についても紹介

更新日：2022.11.17

戒名

記事のポイントを先取り！

• 法名軸は法名や享年が記された位牌にあたるもの
• 法名軸の置き場所は仏壇の向かって右側
• 過去帳や繰り出し位牌で本尊が隠れないように置き場所に注意する

法名軸（ほうみょうじく）は浄土真宗で使用する掛け軸のことで、位牌に相当する仏具です。

一般的には仏壇に安置されますが、仏壇のどこに置けばいいのでしょうか。

そこでこの記事では、法名軸の置き場所について詳しく説明していきます。

この機会に、法名軸の正しい置き場所について知っておきましょう。

過去帳と繰り出し位牌の置き方についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。

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1. 法名軸とは
2. 法名軸の置き場所
3. 法名軸の用意の仕方
4. 法名軸の処分の仕方
5. 過去帳と繰り出し位牌の置き方
6. 法名軸の置き場所まとめ

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法名軸とは

法名軸は、浄土真宗で用いる掛け軸のことで「法名（戒名）」と「俗名（生前の名前）」、「死亡年月日」や「享年」が記されます。

浄土真宗では「位牌」を使用しない代わりに法名軸を仏壇に掛けます。

なぜ浄土真宗では位牌を用いないのかというと、ほかの宗派とは死の捉え方が違うためです。

人は死後、仏門に入り浄土を目指して修行するといわれます。

しかし、浄土真宗では亡くなったあとすぐに「阿弥陀如来」の力によって極楽浄土へ行けると考えられているのです。

そのため、故人は現世にとどまることなく成仏し、魂の依り代になる位牌は必要ないとの考え方をします。

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法名軸の置き場所

仏壇の中の両側に法名軸を掛けますが、向かって右側に直近で亡くなった方の法名軸、左側に掛けるのが「総法名軸」です。

総法名軸とは先祖代々の法名を書き連ねたものです。

複数名の法名が記入できるように枠線がひかれた総法名軸を「合幅（がっぷく）」とも呼びます。

法名軸は右側に飾る

右側には両親や最近亡くなった方の法名軸を掛けます。

左側には総法名軸を飾る

向かって左側には先祖代々の名を記した総法名軸を掛けます。

法名軸を掛けたら、仏壇や祭壇にある白木の仮位牌は下げるようにします。

仏壇中央はご本尊の「阿弥陀如来像」の掛け軸の置き場所なので、それよりも法名軸が高い位置に来ないようにします。

これは、ほかの宗派でも同様ですがご本尊は「最上位」であるということを示しています。

使わない時は引き出しにしまう

普段、法名軸は仏壇の中に掛け、本尊や脇侍の近くが置き場所となります。

また、法要やお盆・宗派の行事のときは、法名軸を前面に出して飾ります。

では、仏壇の左右に法名軸が掛けきれなくなった場合は、どのようにしたら良いのでしょうか。

その場合は古い法名軸を丸めて仏壇の引き出しに納めます。

ご先祖様の「法名」は過去帳（かこちょう）に記入してもらい、ご本尊よりも低い位置に置きます。

過去帳とは故人の俗名（生前の名前）・法名・死亡年月日などを書き記した帳簿のことです。

なお、ご先祖様をお祀りする「盂蘭盆会（うらんぼんえ）」などの法会では仏壇から出して法名軸を飾る場合があります。

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法名軸の用意の仕方

ここでは、法名軸の用意の仕方について説明していきます。

法名軸は寺院や仏具店に依頼をする

法名軸は法名をいただいた寺院に依頼し、用意してもらいます。

ただし、法名軸にはさまざまなサイズがあるので、自宅の仏壇にふさわしいサイズの法名軸をお願いしましょう。

また、仏具店の場合は授かった法名を伝え、法名軸の表装を決め購入します。

法名軸の大きさはさまざまで、白紙に「金襴（きんらん）」や「緞子（どんす）」といわれる紋織物で仕立てられたものが多くみられます。

仏具店の名入れの相場は2,000〜5,000円程で、比較的安く用意が出来ます。

四十九日法要までには法名軸を用意できるよう、余裕をもって早めに依頼するのが理想的です。

書き写しのお布施料

寺院で法名軸を依頼する場合の費用は、法名軸自体は2,000〜1万円程度です。

しかし、法名軸に「院号や法名」を授かり、書き入れてもらう場合は3万〜10万円のお布施を渡します。

必ず渡さなくてはならない訳ではありませんが、お気持ちとして渡す方が多いです。

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購入だけならネットでも買える

最近ではインターネットの普及により、仏具を手軽に購入できるようになりました。

ネットで買う場合、たくさんの種類の中から法名軸を選べるメリットがあります。

一般的には本尊や脇侍の掛け軸が「金襴」の場合は、法名軸は「緞子」を選ぶとバランスが良いとされています。

宗派によって紋の柄が異なりますので、インターネットで購入する際は事前に確認しておくことをおすすめします。

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法名軸の処分の仕方

法名軸は位牌にあたる大切な仏具です。

法名軸が継承できない、またやむを得ない事情で手放す場合は寺院で「お焚き上げ」をしてもらいます。

また、仏壇に納める前に開眼供養で入魂しているので、処分の際は閉眼供養で魂抜きをしてもらいます。

厳密には、浄土真宗では法名軸に魂は宿らないとされています。

亡くなった後にすぐ成仏し極楽浄土へ向かうとの考え方があるためです。

そのため「魂抜き」という言葉は使いませんが、遷仏法要（せんぶつほうよう）で読経してもらい「単なる造作物」にする儀式を行います。

供養のあとは寺院で引き取り、お焚き上げをしてもらいます。

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過去帳と繰り出し位牌の置き方

先祖から続く法名軸が増えて仏壇に置けなくなったときは「過去帳」や「繰り出し位牌」を使います。

過去帳は、ご先祖様の法名や俗名、没年月日、享年を書き入れた帳簿のことです。

家族の系譜にもなり、ほかの宗派でも使用されます。

浄土真宗では基本的に本位牌は使いません。

しかし「繰り出し位牌」といわれるご先祖数名の法名を木札に記したものを使用することがあります。

いずれもご先祖様の法名軸がいっぱいで仏壇が手狭になった際に、過去帳や繰り出し位牌でひとつにまとめることができます。

法名軸が置けない場合は？

仏壇が小さくて法名軸の置き場所がない場合は、過去帳を用いることが可能です。

過去帳は仏壇の引き出しに収納しておき、月命日や法要の時に見台（けんだい）に置きます。

過去帳の置き方

ご先祖様や故人の月命日には、見台（けんだい）という過去帳の置き台に乗せてお参りします

過去帳の置き場所は、本尊よりも下段に置きます。

仏壇の最上段を「須弥壇（しゅみだん）」と呼び、各宗派の「ご本尊」をお祀りします。

ご本尊の左右に「脇侍」の掛け軸を飾り、一段下に果物やお菓子の供物を置きます。

さらに下の段が、過去帳や繰り出し位牌の置き場所となります。

繰り出し位牌の置き方

繰り出し位牌はほかの宗派でも使用される本位牌のひとつです。

増えてしまった位牌をまとめたり、弔い上げをしてご先祖様と一緒にお祀りするときに用いられます。

繰り出し位牌の置き場所は、宗派によりますが過去帳よりも少し高い位置に置くことが多いです。

このときに仏具やお供えの高さを調整して、ご本尊が隠れてしまわないように気を付けましょう。

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法名軸の置き場所まとめ

ここまで法名軸の置き場所についてを中心にお伝えしてきました。

この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。

• 法名軸は位牌に相当する
• 法名軸を置けないときは過去帳を使う
• 過去帳の置き場所は見台
• 法名軸を処分するときはお焚き上げしてもらう

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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監修者

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