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法事法要

法名軸にお布施は必要?費用や書き方を紹介!過去帳のお布施も解説

更新日:2022.11.10 公開日:2022.02.14

仏壇

香典の表書きを書く手

記事のポイントを先取り!

  • 法名軸とは位牌の代わりとなる仏具
  • 浄土真宗では法名軸と過去帳を飾る
  • 法名軸の相場は3万〜10万円

法名(ほうみょう)軸とは仏壇に飾る掛け軸のことですが、作成時のお布施についてはご存知でしょうか。

法名軸に必要なお布施や相場はいくらなのかは作成する際に非常に重要です。

そこでここでは、法名軸のお布施について詳しく説明していきます。

この機会に法名軸のお布施の内容についてしっかりと覚えておきましょう。

法名と戒名の違いについても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。

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  1. 法名軸とは
  2. 法名軸に必要なお布施とは
  3. 法名軸のお布施書き方
  4. 過去帳のお布施について
  5. 法名軸のお布施がかからない方法
  6. 法名と戒名の違いとは?宗派の違いだけ?
  7. 浄土真宗のお墓は必要?
  8. 法名軸のお布施のまとめ
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法名軸とは

法名軸とは、浄土真宗で位牌の代わりとして用いられている没年月日と法名が記載された掛け軸のことです。

法名とは、浄土真宗の方が死後、仏様の弟子になった証につけられる名前としていただくもので、これは他の宗派でいう戒名(かいみょう)にあたります。

法名軸は通常、仏壇の内部の左右両側に掛けて使用しますが、お盆などの仏教行事の際には、外に掛ける場合もあります。

法名軸を掛ける際には、後述する過去帳も一緒に置くのが一般的です。

また、法名軸には故人様おひとりの法名を記載するものと、ご先祖様の法名を書き連ねる「総法名軸」と呼ばれるものがあります。

両方を掛ける場合には、右側に故人様の法名軸、左側にご先祖様の総法名軸を掛ける場合がほとんどです。

法名軸の意味

人は死後、すぐに成仏をする」というのが浄土真宗の考え方です。

浄土真宗以外の宗派では「位牌に魂が宿る」と考えられており、位牌は追善供養のためにも必要とされています。

しかし、魂がこの世に残っていると考えていない浄土真宗では、位牌を必要としません

位牌の代わりに用意する法名軸は、故人の記録を残すものとして飾られる意味合いが強いといえます。

また、「故人様との繋がりが欲しい」「何か祀るものが欲しい」といったご遺族の想いから飾られている場合もあります。

過去帳とは

過去帳とは、「故人様の名前」「法名」「没年月日」「死亡年齢」などが記載されたノートのようなものです。

過去帳も法名軸同様、位牌の代わりとして用いられる仏具の一種で、家系図のようなものになります。

通常は過去帳台の引き出しの中にしまっておきますが、法名軸と同様に仏教行事の際には仏壇の上に飾ります。

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法名軸に必要なお布施とは

法名軸を用意する際は、お布施以外にも法名軸自体にお金がかかります。

ここでは、お布施の相場や法名軸自体にかかる費用について説明していきます。

お布施の相場

法名軸のお布施の相場は、3万~10万円です。

ただし、寺院や地域によって相場は異なります。

一般的に法名軸を書いてもらうことに対するお布施は、1万円程が相場です。

加えて、帰敬式(ききょうしき)を行っていた方が法名をいただくことに対する費用が1万円、文字を指定する場合には2万円程度プラスされます。

帰敬式とは、浄土真宗で行われる、故人様が生前に仏様の教えを守ることを約束する儀式のことです。

帰敬式を行っていない場合に法名を授かる場合には、法名を授かることに対しての費用はかかりません。

しかし、帰敬式の費用の相場である1万円をお布施としてお渡しするのが一般的です。

お布施は必ず渡さなければならないものではありません。

しかし、寺院で書いてもらう場合には書いていただくお礼の気持ちとして、用意しておいたほうが良いでしょう。

法名軸自体の費用

法名軸自体の費用は法名軸の種類によって、2000円ほどの安価なものから1万円以上する高価なものまで幅があります。

並金仕立てが1500~5000円、緞子(どんす)が3000~1万円、本金仕立てになると5000~1万円ほどが相場です。




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法名軸のお布施書き方

ここでは法名軸のお布施の書き方について解説していきます。

お布施の書き方

お布施と数珠と袱紗

浄土真宗でのお布施の書き方は、他の宗派とは異なっている点があります。

この機会にしっかりと覚えましょう。

表書き

表書きには、「お布施」または「御布施」と記入します。

浄土真宗以外の宗派では、「読経を読んでくださった僧侶へのお礼」としてお布施を渡すため「読経料」や「回向(えこう)料」などと書きます。

しかし、浄土真宗のお布施の考え方は、「教えを説いてくださった阿弥陀如来様への感謝の気持ちを表すもの」です。

お布施の意味合いが違うため、表書きも異なるので注意しましょう。

名前

一般的には「○○家」という名前の書き方をされる方が多いようです。

しかし喪主のフルネームまたは、家名と喪主のフルネームの両方を書かれる方もいます。

どの書き方でも問題ないので、好きな書き方を選んでください。

名前を記載する場所は、使用する封筒によって異なります。

白無地の封筒の場合には封筒の中央の下半分に、水引が使用されている封筒の場合には中央の水引より下部分に記載します。

夫婦連名で書く場合には、中央に夫の名前、左横に妻の名前を記載しましょう。

住所と電話番号は、緊急時に連絡が取れるように必ず記載します。

この際、中袋の付いている封筒であれば中袋の裏面に、中袋が付いていない封筒の場合には封筒の裏の左下に記載するのがマナーです。

金額

包んだ金額は、中袋がある場合には中袋の表面に、中袋がない場合には封筒の裏面住所や電話番号の横に少し間隔をあけて記載します。

この際、改ざんを予防するために以下の例のように「大字(だいじ)」で記載するようにします。

金額大字
5000円金伍阡圓
3万円金参萬圓
10万円金壱拾萬圓

金額の後に「也」という漢字を書く方もいますが、これには「端数はありません」という意味があり、書いても書かなくてもどちらでも問題ありません。

お布施の包み方

お布施の包み方にも決まりがあるため、この機会に知っておくと良いでしょう。

奉書紙

お布施の正式な包み方は、奉書紙(ほうしょがみ)を使用することです。

奉書紙とは、楮(こうぞ)という木から作られた厚手の和紙のことで、最高級の公用紙になります。

奉書紙での包み方は以下の通りになります。

  • 左側の幅が少し狭く真ん中の幅はお札が置ける幅になるように、縦に三等分に折る
  • 真ん中にお札が置けるように、上下も三等分に折る
  • 左、右、下、上、の順番でお金を包む

包む際には、「半紙でお金を包んだ上から奉書紙で包む」「奉書紙のつるつるした面が外側、ざらざらした面が内側になるように包む」という点に注意しましょう。

封筒

奉書紙を使用するのが正式なマナーですが、近年では封筒を使用する方が多いのも事実です。

封筒で包む場合にも、半紙でお札を包んでから封筒に入れます。

封筒を選ぶ際の注意点として、白無地の封筒に、熨斗(のし)や水引がないものを選ぶようにしましょう。

郵便番号記入欄が印刷されている封筒や、「不幸が重なる」ことを連想させる二重封筒は失礼に当たるため選ばないように注意してください。

水引

一般的にお布施に水引は必要ありませんが、不祝儀袋を使用する場合には水引が必要になります。

この場合の水引は、双銀または白黒、黄白の中から選びます。

どの色にするかは、地域によって異なるため事前に確認しておくと良いでしょう。

結び方には決まりがあり、「不幸は一度で終わる」という意味の「結びきり」を使用します。

お布施の渡し方

僧侶にお布施を渡す際に、直接手渡しをしたり、無言で渡したりするのは失礼に当たります。

失礼がないよう、この機会に正しい渡し方について知っておきましょう。

お盆を使用する

お布施を渡す際には、「切手盆」という小さなお盆の上にお布施を置いて渡すのがマナーです。

この際、表書きを僧侶が読めるようにお布施を置きましょう。

切手盆は、お布施だけではなく冠婚葬祭で使用できるので、ひとつ購入しておくと便利です。

袱紗(ふくさ)にいれる

切手盆がない場合には、袱紗といわれる布の上にお布施を置いて僧侶に渡します。

袱紗は、お布施などのお金を汚さないように包んでおくための布です。

僧侶に渡す直前までお布施を包んでおくようにしましょう。

封筒の向きは切手盆と同様で、表書きを僧侶が読めるようにして渡します。

挨拶を述べる

浄土真宗でのお布施は、僧侶ではなくご本尊である阿弥陀如来様にお渡しするものです。

ご本尊阿弥陀様にお渡しください」と挨拶を述べましょう。


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過去帳のお布施について

古い過去帳の記入や、過去帳を紛失してしまい照合が必要な場合などのお布施は、法要の有無によって異なります。

法要を行う場合には、法要1回あたりにつき3万~5万円程が相場です。

法要を行わず過去帳を書き写すだけの場合には、5000~1万円程が相場になります。

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法名軸のお布施がかからない方法

法名軸のお布施は相場に幅があるうえ、費用も高価になります。

そのため、最近ではできるだけ費用を安価に済ませるために直葬を利用する方も増えてきています。

ここでは、直葬の場合の法名の授かり方や費用について説明していきます。

直葬を選択する

直葬とは、通夜や告別式といった仏教儀式を行わずに、火葬のみを行うことをいいます。

仏教儀式を行わない直葬の場合、法名を授かる機会がないためお布施を必要としません。

インターネットで法名を付けて貰う

直葬を行った場合の法名付けにはインターネットが便利です。

インターネットで法名を付けてもらう場合の相場は、2万円前後になります。

故人様の生前の趣向などを参考に、入れて欲しい文字を希望できるなど、ご遺族の希望に沿った故人様らしい法名を付けてもらうことが可能です。

仏壇店で法名軸を書いてもらう

インターネットで法名を付けてもらったら、仏壇店で法名軸を書いてもらいましょう。

仏壇店で法名軸を書いてもらう際の相場は、2000〜5000円程です。

一箇所だけで済まない、寺院と代々の繋がりがあるなどの場合には難しい方法かもしれません。

しかしそうでない場合には、一番安価で明確な値段が決まっている方法だといえます。

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法名と戒名の違いとは?宗派の違いだけ?

法名と戒名の名前の違いは、宗派による違いだけでなく、宗派の教えや階級の有無の違いによっても異なります。

ここでは、それぞれの違いについて説明していきます。

宗派の違い

法名も戒名も、仏様の弟子になるという証としてつけられる名前です。

どちらも同様の意味があるにもかかわらず、浄土真宗では「法名」、浄土真宗以外の宗派では「戒名」と呼ばれるのには、宗派の教えが異なることが理由です。

教えの違い

「戒名」を授ける浄土真宗以外の宗派では、仏様の弟子になるためには、厳しい戒律を守って修行を受けなければならないとされています。

戒律とは、自発的に規律を守ろうとする心を表した「戒」と、信条や規律を表す「律」で作られた言葉です。

つまり、修行者が生活する上で守らなければならない規律のことをいいます。

この規律は大変厳しいものです。

その厳しい戒律を守り、修行に励むことを約束した証として授けられる名前が「戒名」なのです。

一方、「法名」を授ける浄土真宗の教えでは厳しい修行は必要なく、南無阿弥陀仏を唱えることで極楽浄土へ行けるとされています。

日常生活の中で、ご本尊阿弥陀如来様の法(教え)を守ることを約束する証として授けられるのが「法名」です。

法名と戒名の違いは、宗派による教えの違いによるものが主だといえます。

階級の有無の違い

前述したように、浄土真宗とそれ以外の宗派では、教えに違いがあります。

浄土真宗以外の宗派では、仏様の弟子になるために厳しい修行を行わなければなりません。

戒名の場合には、修行の階級を表す「位号」というものが最後に付けられます。

男性の場合には、階級が高い順に「大居士」「居士」「禅定門」「清信士」「信士」、女性の場合には「清大姉」「大姉」「禅定尼」「清信女」「信女」です。

一方、修行のない浄土真宗では、皆平等にお釈迦様の弟子であるという考えから、法名の上に釈の旧字である「釋(しゃく)」の字をつけます。

ただし、寺院を建立するほどの功績を残した場合などには「院号」が、釋の前に付けられます。

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浄土真宗のお墓は必要?

浄土真宗では個人の魂が成仏して生まれ変わると考えられているため位牌を必要とせず、代わりに法名軸を用います。
これと同様に、お墓にも魂は宿らないと考えられており、そのためお墓も必要ないと考えられる方は多いです。

しかし、浄土真宗の場合でもお墓を建てることは多いです。
浄土真宗におけるお墓は、故人のことを思い、阿弥陀様へ信仰心を捧げるための場所として考えられています。
他の宗派とは考え方が違いますが、故人を思ってお墓参りをする場所ができることの意義は大きいと言えるでしょう。


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法名軸のお布施のまとめ

キーボードの上に載っている「ま」「と」「め」と書かれた積み木

ここまで法名軸のお布施の相場や、書き方などを中心に触れてきました。

この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。

  • 法名軸とは浄土真宗で用いられる位牌の代わりとなる仏具
  • 法名軸と一緒に祀る過去帳は、家系図のようなもの
  • 法名軸を授かる場合のお布施の相場は3万〜10万円
  • 安価に済ませる場合には、直葬がおすすめ

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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監修者

評価員(やまぐち)

山口 隆司(やまぐち たかし)

一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター

経歴

業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。

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